しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

■15時17分、パリ行き

2018年03月21日 14時49分49秒 | 作品名(さ行)
第448回「決してマネはしないでください。」
正直、公開1週間前までノーマークでした。さらにその映画の存在を知ったあともそれほど観たいと思える作品ではありませんでした。そんな私の気持ちを一転させたのは、とある予告編でした。おっと、先に作品名を言わないと・・・今回の作品は「15時17分、パリ行き」です。名優クリント・イーストウッドが監督を務め、「アメリカン・スナイパー」「ハドソン川の奇跡」に続く、実話物である。監督だけで興味をそそられる人もいるだろうが、私が一番興味を持ったのはキャストだった。とあるテロ事件を基に作られているのだが、登場する3人の主人公を実際に事件に遭遇した3人がそのまま本人役で登場するというのだ。もちろん彼らは役者ではない。前作の「ハドソン川の奇跡」でも事故の当事者を出来るだけ呼んで、当時の状況を忠実に再現しようとしたという話は聞いたが、事件の当事者がそのまま本人役で映画に出演するなんて、聞いたことがない。まさに前代未聞の挑戦だ。俄然、興味が湧いてきた。

2015年8月21日、アムステルダムを出発しパリへと向かう高速鉄道タリス内で事件は起こった。自動小銃を持ったイスラム過激派の男が列車内で発砲し、乗客にケガを負わせた。その列車に偶然乗り合わせたアメリカ人旅行者のスペンサー、アンソニー、アレクの3人は臆することなく犯人に立ち向かい、大量虐殺テロを未然に防ぐことに成功した。

上記のあらすじを見てもわかるように、すでに事件は解決し、映画を観なくても、結末がどうなるのかはわかってしまう。(私はあえて調べなかったが)前作「ハドソン川の奇跡」でも言ったが、すべての結末がわかっている状態で観客を席に留めさせるのは、とても難しいと思う。その辺りの演出は「さすが、クリント・イーストウッド監督!」と思わせてくれるくらい見事でした。上映時間も94分と短く、事件そのものはあっという間に解決する。それでも時間軸を見事に使い、観客を飽きさせない作りになっていました。

さらに主演した3人について、実際にアメリカの国内の反応はわからないが、日本人である私が見る限りでは彼らの演技に違和感は覚えなかった。とても自然に演じていた。それにしても事件の当事者を、再び事件を思い出させることすら嫌がる人がいる中で、出演させてしまうとは、演じた彼らが凄いのか?出演させた製作陣が凄いのか?

作品の点数としては、★★★★☆です。観る人に間違えないでほしいのは、この作品は「テロに遭遇したら、みんなで犯人に立ち向かいましょう。」という映画ではないということ。映画を観ればわかるが、彼らはとても運が良かっただけだ。もちろん何もしなければ、もっと大勢が殺されていただろう。たまたまアレクとスベンサーはアメリカ軍人であり、格闘技の訓練を受けており、銃器の扱いにも精通していたというバックボーンがあったから、とっさの出来事にも立ち向かうという判断が下せたのだと思う。日本で同じようなテロ事件が起こることは限りなく少ないと思うが、犯人に立ち向かおうとは思わないほうが賢明だと思う。

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■ジオストーム

2018年02月25日 22時42分43秒 | 作品名(さ行)
第446回「ディザスタームービーじゃないのかよ!」(注意:ネタバレあり)
俗にいう「パニック映画」と呼ばれるジャンルの映画「ディザスタームービー」が大好きだ。と何度もこのブログで語ってきた。しかし、最近はめっきり数が減ってしまい、面白い作品に巡り合えていない。個人的にはゾンビ映画もディザスタームービーに近いとは思っているが・・・今回の作品「ジオストーム」は予告編を観た段階で斬新な設定で新たなディザスタームービーの世界を切り拓いてくれる作品だと思っていました。そう思っていたのです・・・

2020年代に入り地球は温暖化がさらに進み、世界各地で異常気象が続発する状況になっていた。事態を重くみた世界各国はあらゆる専門家を集め、天候を自由に操ることができるシステムを開発した。それは「ダッチボーイ」と名付けられ地球全体を鎖状に覆いつくす衛星によって気候を監視し、もし大きな災害をもたらす恐れがある場合は、中央で管理している国際気候宇宙ステーションから指示が出され、事前に異常気象を消し去ってしまうというものだった。運用は成功し地球上から異常気象は消え去ったはずだった。それから3年が経過し、衛星の所有権がアメリカから国際機関へと移管されようとするタイミングで問題は起こった。衛星が暴走を始め、アフガニスタンで異常気象が作られ、多くの人が命を落とす事故が起こる。アメリカ政府は問題を迅速に解決する為にある人物に白羽の矢を立てた。システムの開発者であるジェイク・ローソンである。彼はかつての素行不良が原因でメンバーから外され、現在は弟のマックスが責任者を勤めているが、技術者としての知識を買われ国際気候宇宙ステーションへと向かうのだった。ところが事態はさらに悪化していく。香港、ブラジル、日本など世界中で異常気象がダッチボーイによって発生し、それらの連鎖によって起こる最大規模の気象現象「ジオストーム」が起きようとしていた。

という訳で、予告編を観てすっかりディザスタームービーだと思っていたのです。完璧なはずの気象システムが何らかの問題により暴走。それを止めようと奮闘する技術者たちという図式を勝手に頭の中で作り上げていたのです。ところがなんとこの作品、ただの良くある「ハリウッド式のアクション映画」なのでした。(それが悪いというわけではない)

勝手に想像した私が悪いのかも知れませんが、予告編を観る限りでは衛星に人の姿は映っておらず、登場するキャラクターの姿も描かれません。描かれたのは世界中で起こる異常気象の状況のみ。ディザスタームービーだと勘違いしてもおかしくありませんよね?

物語が進むにつれ、物語は気象システムを悪用したアメリカ大統領暗殺計画へとお話が変わっていってしまうのです。しかもその黒幕や手口、さらにはカーチェイス、カウントダウンなどのプロットなどなど、それらすべてがどこかで見たことあるプロットで、新鮮さはありません。もちろんアクション映画として成立していれば、それなりに面白かったのでしょうが、展開が読めてしまい、犯人の目的もよくある目的となれば、おのずと評価も下がろうというものです。

点数としては★★☆☆☆です。世界中を巻き込んだ事件を起こしながら、結局は私利私欲のためだったというオチは、よくあり過ぎて新鮮味は全くありませんでした。せっかく気象を自由に操るという魅力的なシステムを作り出しながら、ただのアクション映画にしてしまったのは残念でなりません。1番ダメだと思ったのは使い古された「カウントダウン1秒前ストップ」などという現実味のないプロットを恥ずかしげもなく使った点です。あれだけの気候変動が起こってしまったら、もう止めようがないのが現実でしょう。「どうせ止まるんでしょう。」「最後にはみんな生き残るんでしょう。」という見方しか出来なくなってしまっていました。

さて2月は観たい映画がなく、ブログも以前に観た映画を小出しにしている状況でしたが、3月1日には「ブラックパンサー」「15時17分、パリ行き」「シェイプ・オブ・ウォーター」など観たい映画が目白押しなので、今から楽しみです。

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スターウォーズ/最後のジェダイ

2018年01月14日 22時47分00秒 | 作品名(さ行)
第443回「このエピソードが必要だったと言える日が来るのだろうか?」
新年あけましておめでとうございます。昨年の12月中旬に風邪をひき、さらに仕事が
忙しくなってしまい、すっかり更新をサボっていました。映画鑑賞は続けているので、これからまた自分のペースで続けて行きたいと思いますので、本年もよろしくお願いいたします。まずは新年一発目の作品は「スターウォーズ/最後のジェダイ」です。あらかじめ言っておきますが、私はスターウォーズが大好きです。それを公言したうえで、このブログを書いています。

帝国軍の残党によって作られた「ファースト・オーダー」は勢力を強め、全宇宙を支配下に治めようとしていた。それに対抗すべく結成されたレイア・オーガナ将軍率いるレジスタンス軍だったが、惑星ディガーの拠点を攻撃され壊滅の目前となっていた。最後の希望を求め、かつての伝説となったジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーを戦線に復帰させるべく彼の隠れ家を訪れたレイだったが、彼の決意は固く協力を拒まれてしまう。さらにレジスタンス軍の状況は悪化する。拠点は破壊され、わずかに残ったレジスタンス軍は残った数隻の戦艦に乗り、ファースト・オーダーから逃げるが、簡単に追いつかれてしまい、追い打ちをかけるように燃料も残り僅かとなってしまう。そこでフィンとポーは起死回生の作戦を実行することを決意する。果たしてレジスタンス軍の運命は、そしてルークとレイはレジスタンス軍を救うことは出来るのか?

このブログを書くまでに2回の鑑賞を必要としてしまった。1度目はもちろん公開日には鑑賞していた。ところが翌日に体調を崩してしまった。鑑賞中からその兆候があったのかはわからないが、途中で睡魔に襲われ、断片的にしかストーリーを覚えていなかった。そこで2度目の鑑賞をすることになった。1度だけでは正しい判断が下せないと思ったからだ。しかし、それでも結論は大きく変わることはなかった。とても残念だ。

この作品の点数は★★★☆☆だ。前述したようにこのシリーズのファンである私が下した点数がこの低評価なのだ。ネット上での評判を見ても、賛否両論が渦巻いているが、私はこのエピソード8に関しては、失敗だと思っています。馴染みのキャラクターは多く登場するし、スターウォーズの世界観を破壊したとまでは言わないが、このエピソードは本当に必要だったのだろうか?と考えてしまった。

問題点はいくつかある。1番大きいのは脚本。全銀河を巻き込んで展開されている戦いのはずなのに、ファースト・オーダー側もレジスタンス側もこじんまりとした戦いを展開してしまい、壮大な一大叙事詩的な印象が全く無い。レジスタンス軍が追い詰められ、ファースト・オーダーから逃亡していくというとても単純な1プロットで描かれている。伏線や別キャラクターの展開など3つほどのプロットはあったが、効果的に絡まっておらず、展開の面白味に欠けてしまっていた。

もう1つはこの新3部作のメインである、カイロ・レンとレイの関係性。フォースの力に目覚めジェダイの騎士へとなりつつあるレイ。ダークサイドに落ち重要な敵キャラであるはずのカイロ・レン。この二人の関係性がなんの結論も無く、ただただダラダラと展開されていく。正直、安っぽいメロドラマが観たかったわけじゃない。アナキンとアミダラの切ない結末がわかっている悲恋であれば、観ている側も盛り上がるが、未熟な騎士見習いと悪になりきれない甘ったれた僕ちゃんの恋愛もどきなんて見ていても面白くはありませんでした。(しかも、2人にそんな意図を持たせた演出かは今作では描かれなかった。)

今作は監督であるライアン・ジョンソンが脚本も兼務している。個人的にはJ・J・エイブラムスが脚本に参加するなどしたほうが良かったように思えてなりません。前作には3人の人間が脚本に参加しています。なぜ今作は彼1人にまかせたのでしょうか?それが間違いなのかどうかは今はまだわかりません。この後に作られるエピソード9がどのような内容になるのか?その出来次第によっては、このエピソード8が傑作に変わる可能性を秘めているのかもとポジティブな考え方が出来るのもファンだからなのかも知れません。

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ジャスティス・リーグ

2017年12月04日 23時09分02秒 | 作品名(さ行)
第442回「なぜこんなにも書けなかったのか?」
実際には公開日(11月23日)に観たのです。そう、大好きなアメコミ映画「ジャスティス・リーグ」です。評価は限りなく満点に近い★★★★☆です。個人的にはとても楽しめた作品でした。ではなぜブログが今頃になったのか?仕事が忙しかった?身体的にキツかった?それももちろんあります。でも一番の理由はこの作品の内容そのものよりも、それ以外のところでの要因が大きいような気がしています。今回のブログはちょっと書き方が変わっています。

ドゥームズデイとの死闘の末、自らの命をもって地球を救ったスーパーマン。世界中が悲しみに包まれると同時に世界各地での犯罪も急増していく。スーパーマンの遺志を継ぎ、戦うことを決めたバットマンとワンダーウーマンだったが、彼らの力をはるかに上回る強大な力をもった敵が地球へと侵攻しようとしていた。かつて地球は滅亡の危機にあった。その時は人類、アマゾン族、アトランティス人が協力し、さらにはランタンの協力も得て危機を回避した。その時に地球を手に入れようとしたステッペンウルフが再び地球に現れたのだ。彼はかつて自身の所有していた3つの「マザーボックス」を集め、再び地球を手に入れようと行動を開始する。アマゾン族とアトランティス人が厳重に保管していたマザーボックスはステッペンウルフに奪われてしまう。残る一つは人間が持つ物だけとなってしまう。危機を回避するためにスーパーパワーを持つ仲間を集めるバットマンとワンダーウーマン。超加速能力を持つフラッシュ、水中を自由に泳ぐアクアマン、あらゆるコンピューターを操るサイボーグ。しかし、彼らはまだ寄せ集めの烏合の衆。それぞれの能力を生かし切れずにいた。それでも彼らは立ち向かうことを決意し、ある禁断の一手を打つことになる。果たして彼らはチームとなり、地球の危機を救うことができるのか?

ヒット作を連発し、順風満帆のマーベル作品群に比べて、こちらのDC群はあくまで個人的な印象ですが、まだまだ手探り感が否めません。クリストファー・ノーランが監督した「ダークナイト」3部作はもはや別作品となってしまい、「マン・オブ・スティール」「バットマンVSスーパーマン」を作り上げたザック・スナイダー監督はその度に作風が暗いと揶揄され、さらに悪いことは続き、家族の不幸により完成前にザック・スナイダー監督が降板するというトラブル。(撮影は終わっていたようで、今作のクレジットは変更なし)さらにこの後に予定されているバットマン単独作品はベン・アフレックの監督降板(主演は継続だが)とまあ、色々と穏やかにはいかない要因を含んだ状態だ。

そんな風に不安要素をいくつも抱えている中で、ようやく実現した「ジャスティス・リーグ」だったので、個人的にはとても楽しめた作品でした。今作できちんと登場した新キャラクターの3人もそれぞれの見せ場があり、多人数が登場したにも関わらず、脚本は最後までとても魅力的に描かれていました。特にフラッシュは、ヒーローになったばかりの若者として描かれたことで、暗いと言われた作風の中で緩衝材のような役目を見事に果たしていました。この後に単独作品も予定されているので、とても楽しみになりました。

では減点は何かというと、一番大事な悪役です。今作の悪役は地球を滅ぼすほどの力を秘めているはずなのに、現れたのはたった1人。あとは感情も統率もない雑魚キャラクターだけという設定。持っている力についても詳しい説明はなし。もっと魅力的なキャラクターが何人も存在する大軍団だと思っていたので、ちょっとガッカリでした。さらには解決の仕方もアッサリとしていて、「え?これで終わり?」というくらいの描き方でした。

正直、フェーズ4までの計画があり、着々と進み続けるマーベルに比べて、前途多難なDC群という印象でした。スタッフロール後のおまけでは、さらに今後を予期させるようなボーナス映像もありますが、大丈夫なのでしょうか?アメコミ映画ファンとして期待をしつつも、リブートを繰り返し、キャラクターを演じる俳優がコロコロ変わってしまうようなことが無い事を祈っています。

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猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)

2017年10月18日 22時49分55秒 | 作品名(さ行)
第438回「これで終了なのか?それともまだ続くのか?」
かつて私が「猿の惑星」シリーズの鑑賞したのは中学生の頃。世の中にレンタルビデオという文化が登場した頃でした。全5作に渡って描かれたその一大叙事詩は、正直名作と呼べるのは1作目だけでした。それから時が経ち、撮影技術も飛躍的に進歩した2011年から始まった新シリーズ。それは前シリーズでは描き切れていなかった「どうして地球が猿の惑星と姿を変えてしまったのか?」を描くシリーズとなっています。個人的には好きなシリーズなのですが、良い話題も悪い話題も聞こえてこないということは本国でもあまり話題になっていないのかな?今回の作品は「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」です。

地球に蔓延した「猿ウィルス」によって多くの人類が死滅した世界。辛うじて生き残った人類はさらに新たな問題に直面していた。高い知能を持った猿達のリーダーであるシーザーは森の奥深くで静かに暮らしていたが、人間側でも好戦的な考えを持つ「大佐」とその軍隊によって命を狙われる日々だった。ある日、攻め込んできた部隊を殲滅し、生き残った人間をメッセンジャーとして、生かして返すことにした。「自分たちは静かに暮らしたいだけだ。攻めてこなければ、こちらからは攻撃しない。」と、しかし大佐はそんな事で諦めるはずもなかった。闇夜に乗じてシーザーを暗殺する為に隠れ家に自ら乗り込んで来た。突然の襲撃に混乱する猿達。シーザーは仲間を守ろうと奔走する。すると人間達の持っていた無線から「シーザーを殺した」という報告を聞いた。嫌な予感は的中する。殺されたのはシーザーの妻と息子のブルーアイズだった。怒りにまかせ大佐に襲いかかるシーザーだったが、大佐に逃げられてしまった。家族を殺され復讐の鬼と化したシーザーは仲間達を新たに見つけた隠れ家へ向かうように指示すると、自分は仇を討つために大佐の住む要塞へと向かうのだった。

正直、もっと話題になるものだと思っていた。名作「猿の惑星」の前日譚を描くシリーズ3作目である。もっと世間的に話題になってもいいと思うのだが、「待ってました!」という感じがしないのはなぜだろう。私が鑑賞した回は公開日翌日の土曜日の夜だったのだが、なんと観客が私を含めて4人しかいないという状況でした。地方都市のシネコンだからこんなものなのかも知れないが、ちょっと驚いた。では映画はつまらなかったのか?

全然そんな事はありませんでした。あくまで個人的な感想ですが、ずいぶんと丁寧にエピソードを描いているなという印象を持ちました。しっかりと伏線を敷き、必要なプロットを用意し、重要なキャラクターを登場させています。ストーリー的にはもっと短く出来たと思うのですが、あえて丁寧に描いているのかもしれません。私はそれに好感を持って楽しめたのですが、地味に感じる人もいるのかも。

点数は★★★★☆です。シーザーを始めとした猿の軍団の登場キャラクターも魅力的だし、今回の悪役「大佐」を演じたウディ・ハレルソンは見事な悪役っぷりでした。さらにこれからを期待させるコーネリアス、ノバの登場。残念ながらジーラは出ませんでしたが・・・正直、今作で最後だと思っていたので、もう少し早い展開と最後にはあの宇宙船が帰ってくるのだと思っていました。今作ではその辺りを全く描いていなかったので、続編があるのかも・・・しかし、あの名作を超えることは出来るのだろうか?

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新感染 ファイナル・エクスプレス

2017年09月18日 21時58分45秒 | 作品名(さ行)
第437回「まるでゾンビ映画のお手本のような作品でした。」
ゾンビ映画ファンである私にとって衝撃的なニュースがありました。ゾンビ映画の巨匠であるジョージ・A・ロメロ監督が死去したという。現在のゾンビ映画・ゾンビドラマのフォーマットを作り上げたと言っても過言ではない彼の死はとても残念でした。しかし、彼の遺志は多くの製作者達の心の中で生き続けていくだろう。まるでそれを証明するかのような映画に出会った。それは「新感染 ファイナル・エクスプレス」という韓国映画だ。(相変わらず、邦題のセンスには疑問が残るが)マスコミ等でもかなりの高評価で、単なるゾンビ映画ではないという批評を見かけていたが、妙に家族愛に走った作品だったら酷評しようと思って劇場へと向かった。

ソウルでファンドマネージャーとして働くソグは仕事にかまけて家庭を顧みず、現在は妻と別居中で、まだ幼いひとり娘のスアンと暮らしている。ある日、翌日が誕生日のスアンはプサンに暮らす母親にひとりで会いにいくと言い出した。ソグは仕方なく娘をプサンまで送り届けることに。ソウルを出発してプサンに向かう高速鉄道KTXに乗車したソグとスアンだったが、ソウル駅周辺で不審な暴動騒ぎが起こっていた。2人が乗り込んだKTX101号は定刻の5時30分にソウル駅を後にするが、その発車直前に挙動不審な女が12号車に駆け込んだことに気づいた者はひとりもいなかった。列車が出発しほどなくするとその女性がデッキで倒れ込む。女性乗務員が駆け寄ると、突然噛み付いた。すると噛み付かれた乗務員も次々と乗客に襲いかかり始めた。それはまるで何かに感染するかのように乗客を変貌させていった。やがてその異変は韓国国内全土に及ぶパンデミックであることが解っていく。果たして車内に取り残された乗客達の運命は?

それはまるでゾンビ映画のお手本のような作品でした。どこかで観たようなプロットと展開なのですが、テンポがとても良く、エンディングまでの流れもお見事でした。この作品に登場するゾンビは「28日後」や「ワールド・ウォー・Z」に登場するようなゾンビです。感染スピードや集団で走って追いかけてくる様子などが良く似ています。生ける屍=ゾンビだから走るなんてあり得ないという人は納得できないかも。それでも私は嫌いじゃありません。

さらに評価すべきは、ありきたりな設定だけでなく、今作独自の設定を入れ込んできたことです。それは「視覚」です。この作品では感染者は視力がとても弱く、列車がトンネルに入ると何も見えなくなってしまうというところです。その設定が、この作品の主要舞台となる高速列車と見事に絡み合い。とても面白いシーンを生み出しています。だからこそ時間軸は高速列車がプサンに到着するまでの数時間となり、夜のシーンは登場しないということになるのです。

そして高速列車という舞台もとても効果的に使われています。走り出してしまえば、外からの攻撃は防げるが、密室状態となり内からの攻撃には対処が必要となる。そのことで狭い車内での攻防が色々と展開できます。

褒めるべき点はさらにもう一つ。ゾンビ映画の良さに群像劇としての面白さもあります。危機的状況に陥り、偶然居合わせた人達が急造チームとして戦う姿がどう描かれるのかです。今作は主人公のソグと娘スアン、アメフト選手のような屈強なサンファとその妻(妊婦)、野球チームの学生と女子マネージャー、自己中心的なバス会社の常務ヨンソクなどなど、それぞれがキャラクターとして見事に機能しています。特にヨンソクは嫌われ役としては満点でした。

点数は★★★★★です。久しぶりに文句の付けようのない作品でした。もちろん色んなところで言われているように家族愛も描いています。ただそこだけに焦点を当てて、お涙頂戴の感動ものにしていないのは評価できます。それにしてもどうして韓国の子役はあんなにリアリティのある演技ができるんだろう。決して上手い演技ではないのにとても説得力がある。

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キム・スアン,チョン・ユミ,マ・ドンソク,チェ・ウシク,アン・ソヒ,キム・ウィソン,チョン・ソギョン,チャン・ソクファン,チェ・グィファ,シム・ウンギョン コン・ユ
株式会社ツイン


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スパイダーマン:ホームカミング

2017年08月20日 23時39分45秒 | 作品名(さ行)
第434回「たったこれだけのことで、こんなにも面白くなるものなのか?」
サム・ライミ監督によって3作、マーク・ウェブ監督によって2作が作られたスパイダーマンシリーズ。同じキャラクターで5作が作られるのは多いほうだと思います。個人的にはもうネタ切れだろうと思っていました。ところが状況が激変する出来事が起こりました。それはソニー・ピクチャーズとマーベルの提携が発表されたのです。これが何を意味するのかはファンでなければ、理解できないかもしれません。かつてマーベルは今ほど映画化事業がうまく行っていない頃に、「X-MEN」や「スパイダーマン」の映画化権を別の会社へと売ることで利益を得ていました。その後、「アイアンマン」などを中心とする「アベンジャーズ」作品が大ヒットをし、数々の作品を世に送り出しました。しかし、彼らとスパイダーマンがアメコミのように共闘することはありませんでした。ところが今回の作品「スパイダーマン:ホームカミング」はその提携によって、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に参加できることになりました。今まで別々の世界観の中で物語が進んでいたものが、同じ世界観の中で物語が進むことになったのです。ただそれだけのことと思っていました・・・鑑賞前までは。

ニューヨーク・クイーンズ地区に住む15歳の高校生ピーター・パーカーは蜘蛛に噛まれたことで不思議な能力を得た。その能力を使い近隣地区の犯罪者を懲らしめていたが、ある日、その存在がトニー・スタークの知るところとなり、スパイダーマンとしてキャプテン・アメリカとのシビル・ウォーに参加することになった。ピーターはアベンジャーズの一員になれたと浮かれていた。しかし、あれから数ヶ月経ったが何の連絡も無い。毎日、街を巡回し、自転車泥棒を捕まえたり、道案内したりとヒーローとして活動していたが、もっと大きな事件を解決したいという思いが日々大きくなっていた。そんなある日、銀行のATMを破壊して、現金を盗もうとしている強盗グループに遭遇する。大きな事件だと意気揚々と乗り込んだピーターだったが、強盗グループの持っていた強力な武器に悪戦苦闘し、近隣の店舗を大破させるという事態を引き起こしてしまう。トニー・スタークへと報告するが、まともに取り合ってくれない。ピーターは単独で解決して自分の実力を証明しようと意気込むのだった。

サム・ライミ版の3作も、マーク・ウェブ版の2作も、どちらも路線はシリアスでした。「大いなる力には大いなる責任が伴う」とヒーローとして力を手に入れたピーター・パーカーがその力をどう扱うかに悩み。大事な人をどう守ろうか奮闘するという物語でした。かなり重たいテーマを扱っていました。しかし、今作のピーター・パーカーはグッと年齢を下げて、15歳の高校生になっています。トニー・スタークによってスパイダースーツを手に入れたが、まだまだ未熟な男の子という印象を受けます。原作にかなり近づいて、ヒーローでありながら、高校生活も恋愛にも悩むという「青春映画」に近い作りとなりました。その事で主人公をより身近に感じることができ、とても良く出来ています。

MCUとなったことによる良い効果の1つに、アイアンマンとの共演があります。ピーターの師匠的な立場としてかつては放蕩息子だったトニー・スタークが「お前にはヒーローの資格は無い」などとヒーロー論を説く場面では、「あの悪ガキだったトニー・スタークが・・」「ハワード・スタークが生きていたら・・」などと親目線で感慨深く鑑賞してしまいました。さらにスパイダースーツを設計したのがトニー・スタークとしたことで、多くの魅力的な機能が満載になっています。数百通りに及ぶウェブ・シューターが使えたり、背中のパラシュート、胸の偵察ドローン等々、さらにはジャーヴィスを彷彿とさせるような人工知能アシスタント。全部の機能が今作で登場したわけではないので今後どのようにパワーアップしていくのかも楽しみです。

アメコミ映画で大切な事として魅力的な悪役の存在を上げてきました。見た目や持っている力も大事なのですが、そのバックボーンみたいなものも大事だと思っています。なぜ悪事に手を染めたのか?どのようにして悪役となったのか?この作品で登場する「バルチャー」は見た目の派手さはありませんが、ごく普通の一般人がチタウリの残していった廃材を利用し、武器を製造し、家族の為に悪事に手を染めています。彼はニューヨーク決戦から8年にも渡ってアベンジャーズとの戦いを避け続けてきました。今回、スパイダーマンに見つかった事で、仕方なく戦うことになるのですが、そういうところも単純な悪役でなく良かったと思います。

作品の点数は★★★★★です。この夏におススメの1本であることは間違いありません。アイアンマンとの絡みも想像以上に多く、この後に控えている「インフィニティー・ウォー」への伏線もいくつかあります。個人的には親友のネッドもとてもいいキャラクターなので、彼が別の作品群への登場や、他のキャラクターとの絡みも期待しています。

個人的に一番嬉しかったのは、1シーンだけでしたが、ペッパー・ポッツがちゃんと登場したことです。「アイアンマン3」以降の作品には名前は登場してもグウィネス本人がきちんと登場したことが無かったので、今作への出演はとても嬉しかったです。今後の2人の展開にも期待しています。
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トム・ホランド,マイケル・キートン,ジョン・ファヴロー,ゼンデイヤ,マリサ・トメイ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


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ザ・マミー/呪われた砂漠の王女

2017年08月06日 23時04分19秒 | 作品名(さ行)
第432回「ダークナイトを描くのは難しい。ユニバースはもっと難しい。」
マーベルやDCが「アイアンマン」「バットマン」などの単独作品を成功させ、さらには多くのキャラクターが共闘するユニバースと呼ばれる共通の世界観の中での「ヒーロー集合映画」を成功させている昨今の映画業界で、ユニバーサルスタジオが「ダーク・ユニバース・プロジェクト」を画策するのはごく自然な事なのかもしれません。今日の作品「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」はユニバーサルスタジオが仕掛けるダーク・ユニバース・プロジェクトの第一弾となる作品です。

古代エジプト。アマネット王女は王位継承順位1位に位置し、やがては全ての権力を手に入れるはずだった。ところがある日、父親であるメネプトレ大王に男児が生まれたため、女王として権力を握る夢が潰えてしまった。王位を諦めきれないアマネットは、凶行へと走っていく。自らの王位を妨げる家族を次々と殺害し、自らの魂も邪神セトへと売り渡そうとした。邪神召喚の儀式の直前で捕らえられたアマネットは生きたまま棺に入れられ、地中深く封印されるのだった。そして時は流れ、現在のイラク。アメリカ軍に従軍しながらも裏では骨董品などを手に入れ、売りさばくことをしていたニック・モートンとクリス・ヴェイルは、とある情報からお宝が眠っているはずという街で、偶然にもアマネットが眠る墓を見つけてしまう。それは偶然ではなく、導かれたものだとも知らずに。上官に勝手な行動がバレたものの、考古学者のジェニーの助言によって見つけたアマネットの棺を移送させることになった。軍の輸送機へと棺を乗せイギリスへと向かう途中に異変は起こった。墓の中でクモに噛まれたクリスが操られるかのようにアマネットの棺を開けようとする。さらにはカラスの大群が輸送機へと突っ込んできた。バード・ストライクによってエンジンは全て破壊。操縦士も死亡。墜落直前にジェニーにパラシュートをつけ脱出させるニックだったが、輸送機はイギリス郊外へと墜落してしまう。ジェニー以外の乗組員は全員死亡したはずだった。ところが、遺体安置所でニックは目を覚ました。無傷で生き残ったニックの脳裏には幾度もアマネットが呼びかけてくる。彼はアマネットに選ばれ復活のための身体となったのだった。

個人的にマーベルが現在進めているMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の成功は奇跡的だと思っています。統括しているケビン・ファイギや各監督たちの努力によって絶妙なバランスを保ち、多くのキャラクターが同時に登場しながらも、見事に作品として成り立っています。それは稀有な例で、DCコミックの「ジャスティスリーグ」が成功するかは公開前なのでわかっていません。(ワンダーウーマンは成功しましたが)そんな中で、ユニバーサルが手を出したこのプロジェクト、今後も「フランケンシュタイン」や「透明人間」「半魚人」「オペラ座の怪人」などなど多くの作品が予定されています。今後どのような展開になり、別々のモンスターがどう絡んでくるのかはわかりませんが、慎重に進めないと途中で破綻ということになりかねないでしょう。映画ファンとしてうまく行くことを期待していますが・・・

では、この作品だけの評価はどうだったかというと、とても良く出来ていました。トム・クルーズは自分の出る映画選びは間違いませんね。冒頭からの展開も見事だったし、敷かれた伏線も、他のキャラクターとの絡みも良かったです。最後まで飽きる事なく観ることが出来ました。他にもこの「ダーク・ユニバース」の全てを繋ぐ役割を果たすことになる秘密組織「プロディジウム」のヘンリー・ジキル博士をラッセル・クロウが演じています。名前ですでにネタバレしてしまっていますが、当然彼にも秘密があります。劇中で少し登場しますが、そこの展開も楽しみです。

この作品の点数は★★★★☆です。ブログのタイトルにもしましたが、ダークヒーローを描くのはとても難しいと思っています。モンスターであるはずの彼らがどう絡み合い、それを人間はどのように受け止めるのか?通常のヒーロー物とは違い、描き方が難しくなっています。このユニバースの話を聞いた時に、「リーグ・オブ・レジェンド」という作品を思い出しました。この映画も多くの有名キャラクターが登場し、物語が展開された秀作だと思っています。この作品や、現在のMCUのように各キャラクターが見事に融合した面白い作品群になることを願っています。

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スプリット

2017年05月21日 18時09分25秒 | 作品名(さ行)
第426回「まさか壮大な前フリだったとは・・・」
ブログで何度か言っていますが、M.ナイト・シャマラン監督はデビュー作である「シックス・センス」から注目し、ほぼ全ての監督作品は観ています。ただここ数年は色々な事情でしょうが、彼らしい作品を撮れてはいないのが現状です。今回の作品「スプリット」が23人格を持った多重人格者のサスペンス・スリラーと聞いて、原点回帰かもと楽しみにして劇場へと足を運びました。まさかあんな展開が待っていようとは・・・

3人の女子高生ケイシー、クレア、マルシアは、クレアの誕生日パーティーの帰り道、見知らぬ男に拉致され、目覚めると窓の無い薄暗い部屋の中にいた。そこへ神経質な雰囲気を漂わせた男が現れた。男はある目的の為に3人を誘拐した、その時まで待つようにいう。3人は脱出する方法を必死に考える。すると、ドアの外から男女の会話する声が聞こえてきた。3人は助けを求めて声を上げるが、そこに現れたのは、女性の服に身を包み、女性のような口調で話す先ほどの男だった。彼女は「大丈夫、彼はあなたたちに手を出したりしないわ。」と語る。混乱する3人の前にさらに9歳の男の子だという彼が現れる。彼は解離性同一性障害だったのだ。なんとかして逃げ出そうとする3人だったが、次々と失敗。何が目的なのかわからないまま時間だけが経過していく。やがて24人目の人格の存在がわかり・・・

23人の人格と聞いて私は「24人のビリー・ミリガン」をすぐに思いついた。これは実話だったが、正直、23人の人格をどのように表現するのか心配だった。その心配は1人の俳優によって見事に解決される。主演のジェームズ・マカヴォイだ。もちろん23人全員が登場することはなかったが、8人の人格を見事に演じ分け、表情や仕草、話し方まで変え、素晴らしい演技だったと思う。私が鑑賞していて別の人格に変わった瞬間がわかるなんて凄いなと驚嘆してしまいました。さらにラストでは同時に複数の人格が会話をするシーンなども見どころです。「ウォンテッド」で初めて彼の存在を知った時はこれほど大俳優になるとは思っていませんでしたが、すっかりカメレオン俳優になった彼の今後が楽しみで仕方ありません。


【ここからは今後の作品についてのネタバレを含みます。】
この監督の作品だから舞台がフィラデルフィアなのはすぐにわかった。見覚えのある列車や駅が登場してもそれほど重要だとは思っていなかった。ただラストで彼が登場した瞬間に鳥肌がたった。個人的にこの監督の一番好きな作品「アンブレイカブル」に登場する彼だ。私は映画が公開された後からずっと続編を待ち望んでいたのだ。しかし、続編の話を聞くことはなく、どんどん商業映画を作っていく監督に対し落胆していた。ところがここへきていきなりの同じ世界観での作品であることが示唆された。さらに上映終了後には【急告】のテロップとともに、続編「GLASS」の製作も発表された。するとこの作品で敷かれた伏線がいきなりバタバタと音をたてて自分の中で繋がり始めた。

24人目の人格である「ビースト」。悪役には必ず異名があるとは「アンブレイカブル」でのイライジャのセリフだ。ビーストが生まれた場所は駅。さらにホームに手向けられた花束。あくまで私の勝手な解釈だが、主人格であるケビンを虐待していた母親は「アンブレイカブル」の主人公デヴィットの助かった15年前の列車事故で死んだのだろう。意図せずケビンを虐待から救うことになったイライジャ。3人の点が線となり繋がり始めた。

万人受けする作品でないことは十分承知したうえで、私はこの作品に★★★★★を付けたいとおもう。「アンブレイカブル」から繋がる作品であることが評価を上げたのは確かだ。それでもサスペンス・スリラーとして一定の出来であったと思う。セリフの中にも多くの伏線とヒントがあるので見逃さないでほしい。

さらにケイシーについても多くの伏線を残したままだ。恐らく辛い幼少期を送り、現在も苦しんでいるであろうことは容易に想像できる。その表現を随所に織り込みながらも具体的な結論を出さなかったのは、おそらく続編でさらに彼女もまた真実の姿を現すことになるのだろう。(何もないかもしれないが。)今回の事件で彼女が偶然に被害者となり(被害者になるのは、ケイシーを除いた2人でよかった。)そして生き残った。その事になんらかの意図を感じずにはいられないのだ。

続編ではブルース・ウィリス(アンブレイカブル)、サミュエル・L・ジャクソン(ミスター・ガラス)、ジェームズ・マカヴォイ(ビースト)の3人がどのような共演を見せるのか?このお話がどのように決着するのか?さらに15年もの間、彼はどうしていたのか?など気になる点が明かされ、見事な作品となることを心から期待しています。

※アンブレイカブルについての記事はこちら

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ザ・コンサルタント

2017年02月05日 23時14分34秒 | 作品名(さ行)
第419回「最高の作品に出会い、最悪の映画体験をする。」
正直、まったく期待はしていませんでした。公開前のメディアでもそれほど大々的に宣伝していませんでしたし、公開後もそれほど興行成績がいいという話は聞かなかったので、わざわざ観なくてもいいかな?と思っていました。それでも興味はあったので、いつもとは違う映画館だけど、まあいいかくらいの軽い気持ちで足を運びました。今回の作品は「ザ・コンサルタント」です。

シカゴ郊外の田舎町で小さな会計事務所を営んでいる会計士クリスチャン・ウルフ。彼の元には田舎の老夫婦などが税金の相談に訪れる程度の仕事があるだけだった。ある日、リビング・ロボ社という大企業から財務調査依頼が舞い込んだ。会計担当の事務員が使途不明金の存在を見つけ騒ぎ出したからだ。彼は15年分にも及ぶ会計資料を用意させ、一晩で会社の不明となった金の流れを見つけ出した。すると翌日には犯人と思われたCFO(最高財務責任者)だった人物が自殺してしまう。彼の死によって調査は途中で打ち切られることになる。釈然としないまま依頼は終わったかに思えた。ところがある日、突如として彼の前に殺し屋が現れた。しかし、彼はアッサリと二人の殺し屋を始末してしまう。実は彼には隠されたもう1つの顔があった。彼は世界中の危険人物の裏帳簿を仕切る裏社会の掃除屋でもあった。天才的な頭脳、卓越した格闘術、抜群の狙撃テクニック。それらを駆使し、裏社会での仕事をしていたのだ。さらに彼には多くの秘密があった。

綿密に練られた脚本、緻密なキャラクター設定、散りばめられた多くの伏線。テンポ良く進むストーリー。ヒット作の続編でもなく、豪華キャストが登場するわけでもない、オリジナル脚本でここまで面白い作品を観たのは久しぶりかもしれません。高機能自閉症である主人公の生い立ち、素性、性格、状況を無理なく脚本に織り込み、回想シーンや財務省のシークエンスを見事に交えて、それでいて見事なアクションシーンで飽きさせない。これほど見事な作品は珍しいと思います。

キャストも主演のベン・アフレックに、相手役のアナ・ケンドリック、財務省長官のJ・K・シモンズ、殺し屋役のジョン・バーンサル。名前と顔が一致したのはこの4人だけ。それでもこれほど面白い作品になるのは、とにかく脚本だと思います。散りばめられた伏線が回収されていく様は、見事としか言いようがありません。最後に登場する彼女の正体は続編を意識すれば、明かされなくても文句は言えないかもしれませんが、それも見事に回収する辺りは素晴らしかった。これこそ秀作と呼ぶべき作品だと思います。

点数は文句なく★★★★★です。親友であるマット・デイモンがジェイソン・ボーンで最強の暗殺者を演じていますが、ベン・アフレックも近しいキャラクターを演じるとは運命的なものを感じてしまいますね。是非ともシリーズ化して欲しい作品ですが、安直な脚本ではなく、今作のような見事な脚本による続編を期待しています。今作は邦題に主人公の名前を付けなくて正解でした(笑)

【最悪の映画体験について】
真横に座った男性が、映画が始まった瞬間から高いびきをかいて寝始めたのです。同伴の女性が起こすものの、何度も何度もいびきをかく始末。イライラしながらの鑑賞となりました。鑑賞前にはその女性とイチャイチャ会話。映画を鑑賞するつもりが無いのなら、来ないでほしいと思いました。映画館側も席に余裕があるのなら、間を空けて席を指定してほしいものです。

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