しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

アルゴ

2012年10月28日 12時08分54秒 | 作品名(あ行)
第284回「事実は小説より奇なり。」
さて、今月は以前から観たい映画がないと嘆いてきましたが、月末に来てやっと観たい映画に巡り合いました。その映画とは「アルゴ」です。初めてこのタイトルを聞いた時はなんのことだろう?と思ったのですが、あらすじを聞いて期待を高めました。さらに監督が最近になってメキメキと頭角を現してきたベン・アフレックと聞けば、どうしても期待してしまいます。どんなお話かというと・・・

1979年11月4日、独裁政治を行っていた前国王がアメリカへ亡命したことをきっかけにアメリカに対するデモ活動が激化していたイラン・テヘランにて、アメリカ大使館占拠事件が発生する。過激派により大使館職員ら52人が人質となり、大使館内で軟禁状態となってしまう。しかし、いち早く職員6人が逃げ出すことに成功しカナダ大使の私邸に身を隠すことになる。それから69日後、CIAの人質救出のエキスパート、トニー・メンデスは、命が狙われている彼らを無事に国外へ逃すため、ある作戦を実行することになる。「ハリウッド作戦」と名付けられたその作戦とは、架空のSF映画を企画し、そのロケ地候補となったイランへ訪れたカナダ人スタッフを装い、6人を無事に出国させるという突拍子もない作戦だった。その為に本物のプロデューサーを雇い、制作会社を設立し、制作会見を行いマスコミに取り上げてもらうなど、本物同様の段取りを行うことになった。果たして彼らを無事に救い出すことは出来るのか?

まず驚いたのは、この事件が完全解決までに444日もの時間を要したこと。常に銃を携帯した革命軍に監視され、いつ撃たれるかもわからない状態で1年以上もの時間を過ごすことになった人質達の心境を考えるとゾッとします。

あらすじや予告編などでは、架空の映画でタイトルにもなっている「アルゴ」を作るみたいな奇想天外なお話のような印象を受けますが、実際に映画を作る場面はまったく出てきません。制作会見での本読みを行うくらいで、あとはロケハンの事実をイラン側に見せる為にバザールを歩く位でした。人質を出国させるだけの嘘の映画だから当たり前なのですが、もう少し盛り上げる場面があっても良かったのでは?と思いました。「アルゴ」をアピールするシークエンスでは軽快な音楽を使い、バカバカしさを前面に押し出した演出をしていたので、多少の物足りなさを感じました。

キャストについても有名な俳優さんは主演のベン・アフレックくらいで、脇役には顔は見覚えがあるけど、名前が出てこない俳優さんばかりでした。それが決して物足りないのではなく逆にアクの強い俳優さんを起用するよりは、とても効果的だったような気がします。

観る前に想像していたような迫力満点な銃撃戦やアクションがあったわけではないのですが、巧妙に仕組まれた頭脳戦や緊迫感溢れるやり取りが、私の好みにハマる作品でした。しかもこれが事実を基にしたというのだから、観ている観客の緊迫感もかなり盛り上がります。

点数は★★★★☆です。傑作とは言えませんが、観ておいて損はない秀作だと思います。ベン・アフレックは監督としての才能はもちろんですが、俳優としてもアクション映画などで演じるよりは、この作品のように抑えた演技で芯の強いキャラクターを演じるほうが彼の魅力が引き出される気がします。それだけ彼が年を取ったということでしょうか?

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推理作家ポー 最期の5日間

2012年10月21日 14時39分33秒 | 作品名(さ行)
第283回「緊迫も重苦しさも、そしてサプライズも・・・」

それにしても観たい映画が無い月というのはつまらない。そんな中、これ以上ブログを休むわけにはいかないなぁ・・・と劇場へと足を運んで観た作品は「推理作家ポー 最期の5日間」です。なぜ、この作品をそれほど期待していなかったのか?それはこの作品を作った制作会社が聞いたこともないマイナーな会社だったから。そんなことが理由なの?と言われそうなのですが、これも映画を選ぶ1つの基準となることがあるのです。
謎の多い死を遂げた推理作家エドガー・アラン・ポー。彼の死の裏には実はある事件が隠されていたという、実在の人物を主人公に繰り広げられるサスペンスです。

1849年のボルチモア。ある凄惨な殺人事件を担当することになった若手刑事エメット・フィールズは、事件が推理作家エドガー・アラン・ポーの書いた推理小説によく似ていることを察知。貧乏で酒におぼれる生活を送るポーは容疑者とみなされ、捜査が進められる中、さらに彼の別の作品をまねるように次々と殺人事件が発生。その後、自らのアリバイが証明されたポーは、事件解明のため捜査に加わるが、そんな彼を挑発するように犯人から挑戦状が送られポーの愛する人物が誘拐されてしまう。捜査陣を嘲笑うかのように次々と起こる殺人事件。果たしてポーは事件を解決することが出来るのか?

個人的に好きな俳優であるジョン・キューザックが主人公のエドガー・アラン・ポーを演じていたので興味はあったのだが、邦題によくありがちの「○○の最期の○日間」なんていうタイトルをつけていることから駄作のにおいがしないわけではなかった。そんなありがちなタイトルを付けたわけは上映後、すぐにわかった。「THE RAVEN」・・・これは彼の作品「大鴉」(おおがらす)の原題だが、これをこのまま邦題にしたのでは、観客は?である。そう考えればなかなかいい邦題だったと思う。

で映画の内容の話だが、このブログで紹介する時に最初に考えること。それは誰かに「その作品は面白かった?」と聞かれた時に自分がなんと答えるだろうかを考えるようにしています。この「推理作家ポー 最期の5日間」はといえば・・・つまらなくはなかったが劇場でお金を払ってまでオススメする作品ではありませんでした。

DNA鑑定などが発達し、最先端の捜査方法を知っている私は1849年に行われる捜査にもどかしさを感じずにはいられませんでした。指紋すら採取できずに捜査する警察側に「犯人の思い通りじゃないか。」と叫びたいくらいモヤモヤしていました。

エドガー・アラン・ポーを推理作家、江戸川乱歩の名前のもとになった人物とくらいしか知らなかった私は映画を観る前にウィキペディアで彼を調べてから行きました。謎の死を遂げたのは事実ですが、そこへフィクションの事件を織り込んだアイデアは良かったのですが、事件の内容そのものがあまり魅力的なものではありませんでした。それほどドキドキハラハラも驚くようなサプライズもありませんでした。

点数は★★★☆☆です。残念ながら期待したような素晴らしいサスペンスではありませんでした。いずれ地上波で放送されるのを待てば十分だと思います。

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ハンガー・ゲーム

2012年10月07日 17時32分46秒 | 作品名(は行)
第282回「本当にこの作品が世界70ヶ国で1位を獲得したのか?」
今回の作品「ハンガー・ゲーム」はアメリカで2000万部を売り上げた大ベストセラー小説を実写映画化されたものだ。この映画の予告編を見た時に思ったのは「バトルロワイヤルとそっくりじゃん。」でした。年端もいかぬ子供たちが強制的に選ばれ、最後の1人になるまで殺し合う。お話の中心となる設定がここまで似ていて問題にならないのだろうか?そして、そんな作品が世界70ヶ国で大ヒットしたというのだ。観てみたいとは思っていたが、正直いうと他に観たい作品があれば、そっちを選んでいただろう。それくらい期待はしていなかった。そして結果は・・・

かつてアメリカ国内で起こった反乱運動。12の地区が反旗を翻し政府に戦いを挑んできた。その戦争は政府軍が勝利したが、反乱を起こした12の地区へある法律が課せられた。それは年に一度、くじ引きによって選ばれた12歳から18歳までの男女を各地区から1人ずつ選び、集められた24人によって最後の1人になるまで殺し合いをさせるというもの。「ハンガー・ゲーム」と名付けられたそのゲームは全米にテレビ中継され、国中が熱狂するのだ。そして今年もその季節が訪れた。カットニスは母親と妹との3人暮らし。貧しいながらも慎ましやかに暮らしていた。ところがくじ引きで彼女の妹が「ハンガー・ゲーム」の出場者として選ばれてしまう。思わずカットニスは妹の身代わりとしてゲームに出場することを宣言してしまう。果たして彼女は生き残ることが出来るのか?

そもそも映画なのだから、実際には誰も死なないし、誰も傷つくことはない。どんな荒唐無稽な話でもそれを楽しめばいい。しかしどんなに荒唐無稽な話でもある一定の説得力とリアリティは必要だと私は思う。だからこそスクリーンで繰り広げられる物語に涙し、興奮し、楽しむことができるのだ。

この「ハンガー・ゲーム」という作品は、物語の中心となるゲームはもちろんのこと、あらゆる設定が破綻してしまっている。それは「バトルロワイヤル」でも思ったことだ。これほど馬鹿げたゲームがどんな独裁国家が始めたことであろうと、普通に成立する世界はあり得ないと思っています。しかもすでに73回(73年)も行われているという。それなら、それほど狂気に満ちた世界にもっと説得力のある設定が必要だった。

ゲームが開始される前に行われる訓練やテレビ番組。いずれ殺し合わなければならない状況で普通の精神状態でいることが出来るだろうか?スポンサーに気に入られる為に衣装やキャラクターを作り上げる。カットニスは負けん気の強い性格で気に入られたが、特にそれに対するメリットは描かれず。あっという間にケガが治る薬にあっさり変更されるルールに決着の付け方。文句をつけ始めればキリがない。

点数は★☆☆☆☆です。久しぶりに観たことを後悔するほど面白くない作品でした。本当に世界中で大ヒットしたのでしょうか?子供達が殺し合う姿を見て喜ぶ人がいるのだとしたら、それほど狂気に満ちた世界を私は恐ろしいと思います。

スタッフロールが始まった瞬間に「ハンガー・ゲーム2 日本公開決定」などとテロップを入れた映画会社は、この映画を観た全て人間が続編を望んでいると思っているのでしょうか?

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