しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島

2011年02月27日 22時28分23秒 | 作品名(な行)
第216回「ナルニア国物語は、LOTRになれるだろうか?」

個人的にファンタジー映画は大好きである。剣と魔法の活躍する物語は、いつも私の少年心をワクワクさせてくれる。今夜の作品「ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島」も続編を心待ちにしていたシリーズの1つである。ただ、同じファンタジー映画である「ロード・オブ・ザ・リング」(以下「LOTR」)シリーズほど順調に作品が製作された訳ではないようである。その理由は後述するとしよう。

物語は前作「カスピアン王子の角笛」から数年後、ペベンシー兄妹の次男エドマンドと末っ子のルーシーは親戚のスクラブ家に身を置いていた。意地悪な従兄弟のユースチスや無関心な叔父との生活は二人にとっては苦痛でしかなく、ナルニアでの日々を思い出しては懐かしく思っていた。ある日、部屋にあった絵を見つめていると突然動き出し、溢れ出した水を泳いでいくと、ナルニアの海に投げ出されていた。偶然通りかかった帆船「朝びらき丸」には、かつて一緒に戦ったカスピアン王子が乗っていた。運命的な出会いで導かれた彼らは共に冒険の旅に出る。

前作が思ったほど世界的大ヒットに結びつかず、ディズニーが製作・配給から降りてしまい20世紀FOXへと変わったことで、もしかするとまったく違った雰囲気の映画になってしまったかと心配していました。もしかしたらこのままこのシリーズは終わってしまうのでは?と。ところが今作は思ったよりもかなりいい作品に仕上がっていました。なによりキャストが変わらず続投したのは評価に値します。

では、まずこのシリーズが何故「LOTR」のように大ヒットしなかったのか?同じファンタジー映画ではありますが、1番大きな理由はお話が解りづらいところ。「LOTR」は指輪を捨てるという解り易いお話がベースにあって進められるが、このお話は各話でまったく別の目的、とくに前作「カスピアン王子の角笛」では王国内の内乱や権力争いと、およそ児童文学とは思えないテーマの為に子供向けではなくなってしまった。
さらにこのナルニアの創造主「アスラン」の存在。彼の見た目がライオンの為に、創造主という威厳よりは、喋るライオン程度の印象になってしまい、死んでも生き返ったり、あらゆる場所に現れることに違和感ばかり感じてしまいました。その為、家族で気軽に観る映画というディズニー映画の範囲を超えてしまったのではと思っています。まあ個人的な分析はここまでにして・・・

この「第3章:アスラン王と魔法の島」は今までの作品の中で1番いい出来だったと思います。登場人物を減らし、目的を解り易くしたことで作品としてとても観やすくなりました。そしてなにより、完全に脇役で憎まれ役だと思っていたユースチスにやられてしまいました。彼の意外な活躍とねずみの剣士リーピチープに最後はホロリとさせられてしまいました。

点数は星4つですが、個人的主観でプラス1として、★★★★★としました。ある程度の予習は必要ですが、あらすじほどでも楽しめる作品だと思います。

全7作の「ナルニア国物語」ですが、伏線がひかれた次回作は作られるかもしれませんが、それ以降はどうなることでしょう。個人的には良く練られた脚本での映像化を期待します。

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ヒア アフター

2011年02月20日 22時41分14秒 | 作品名(は行)
第215回「心に染み入るピアノの旋律が絶妙な作品でした。」

これは個人的な事ですが、精神的に落ち込んでいる時に特別観たい作品ってわけでもないのに、映画のほうからやってきて、私の心を癒してくれる作品があります。「エリザベスタウン」や「マイレージ・マイライフ」などがそんな作品でした。
それらの作品は絶賛するほど面白いというわけではないのですが、私の心を優しく包んでホッとさせてくれる、温かい気持ちになる作品でした。そして、今夜の作品「ヒア アフター」もそんな作品の一つとなりました。

物語はサンフランシスコに住む、かつては霊能力者として人々を霊視していた男。現在はその能力に嫌気がさして普通の生活を送ろうとしていた。物語はパリに住む女性キャスター。恋人とのバカンスで訪れた地で津波に襲われ臨死体験をしたことで死生観に変化が起こってしまう。物語はロンドンに住む双子の兄を交通事故で失った少年。兄を亡くした事で生きていくことに気力を失ってしまった。そんな遠く離れ、なんの接点のない3つの物語が絡み合う時、小さな奇跡が起きる。

監督であるクリント・イーストウッドといえば、「許されざる者」と「ミリオンダラー・ベイビー」で2度のアカデミー賞を受賞した監督であるが、個人的には俳優としてのイメージが強くて、好きな監督ではありませんでした。この「ヒアアフター」という作品は彼の監督というよりも、予告編が面白そうだったというのが選んだ1番の理由です。
そして映画を観終わった私の感想は「80歳を迎えたおじいちゃんに、これだけ素敵な作品を作られてはかなわないなぁ。」でした。まったく関係のなかったはずの3人の物語が映画の終盤でゆっくりとそれでも確実に絡み合っていく様は見事でした。そしてとても優しい気持ちになりました。作品の点数は★★★★★です。
おそらく今の心境でなかったなら、星4つというところでしょうが、今の私の気持ちを優しく包んでくれた作品でした。

そして何よりビックリしたのが、音楽もクリント・イーストウッドだったこと。帰ってきて調べたら「チェンジリング」などでも音楽を担当したことがあったそうですが、まったくイメージしていなかったので、かなり驚きました。というのも、この映画の大事なシーンで奏でられるピアノの旋律があまりにも映画にピッタリなうえに、私の心にス~っと染み込んできたからです。

俳優に監督、さらには音楽とこんなに多才な才能を発揮されたら、今後の作品がますます楽しみになってしまいますよねぇ。老いてもなお輝きを放つ彼の活躍が楽しみです。

唯一、残念だったのはブライス・ダラス・ハワードの出番が少なかったこと。個人的にとても好きな女優さんの1人なので。

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パラノーマル・アクティビティ2

2011年02月13日 20時22分52秒 | 作品名(は行)
第214回「これ以上、柳の下にどじょうがいるとは思えないが・・・」

映画本編が始まる前に「映画本編終了後に衝撃の事実が明かされます。エンドロールが終了するまで席を立たないでください。」だなんて観客を煽るから、「そこは最後まで席を立たなかった観客へのご褒美なのに・・・」って思っていたのですが、それほど衝撃的な内容ではありませんでした。どうやら、すでに第3弾の公開が決定したそうです。
今夜の作品は「パラノーマル・アクティビティ2」です。ちなみに前作のブログはこちら

前作は製作費わずか百万ほどで制作され、大ヒットした「パラノーマル・アクティビティ」の第2弾。ある事件が監視カメラとホームビデオによって映し出されます。
カルフォルニア州カールズバッドに住むレイ一家。父親と母親、前妻の娘と生まれたばかりの息子、お手伝いの5人が住む家で怪現象は起こり始める。

ある日、家族が旅行から戻ると家じゅうが空き巣に荒らされていた。父親は監視カメラを6台設置することにした。それから夜中の足音や、食器が割れるなど数々の異変が家族を襲い、その様子が監視カメラに捉えられることになる。そしてその現象はエスカレートしていく。家族を襲う恐るべき存在とは・・・

まず驚いたのは、前作からの完全なる続編だったこと。時間軸的に言うと、前作よりも前に起こった事件だったこと。母親は前作の主人公だったケイティの妹という設定でガッツリ前作が関わっていますので、観ていないとまったく面白くないです。同じような事件がどこか別なところで起こったという設定だろうと思っていたので、「ああ、前作をそういう風に続けたのか・・・」と1人で納得してしまいました。おそらく後付けの設定でしょうが、個人的には今作の設定、結構好きです。
POVの映像は、監視カメラの映像を取り入れたことで、かなり見やすくなり偶然に捉えた感が増していて良かったと思います。だけど、問題は脚本です。実は前作の事件はここから始まっていたというのは良かったのですが、全体的に起こる事があまりにも淡々と起こっていて、盛り上がりに欠けます。特に最後はあまりにもアッサリしていて、「え!終わるの?」って思ってしまいました。

そして、最後には衝撃の事実が明らかに(笑)
秋には第3弾の公開が決定したそうです。要するに今作は思いっきり次作を意識した作りだったんじゃないか!とツッコミを入れてしまいました。
点数は★★★☆☆です。個人的にはこういうお話好きなんですが、前作ほどの驚きや恐怖を得られなかったのは、典型的な「失敗した続編」だったからでしょうか?にも関わらず続編決定と、柳の下に何匹どじょうがいると思っているでしょうねぇ。このお話にきちんと決着がつくのでしょうか?それでも、結局観ちゃうのでしょうけどね。

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ザ・タウン

2011年02月06日 22時28分26秒 | 作品名(さ行)
第213回「必ずしも、名俳優=名監督とは限らないが・・・」

俳優業もこなし、さらに監督業もする人は多くいますが、そのどちらでも名声を勝ち取る人は、ほんの一握りだけである。最近、めざましい活躍をしているのはクリント・イーストウッドが思い浮かぶ。彼はアカデミー賞を獲得するくらいの名監督となっているが、今夜の作品「ザ・タウン」でメガホンを取り、主演もこなしたベン・アフレックも今後、素晴らしい作品を作ってくれそうな期待を持たせてくれる、いい作品に仕上がっていました。

舞台はアメリカ、ボストンの北東部にある「チャールズタウン」と呼ばれる地域。ここでは強盗事件が日常茶飯事で発生し、「強盗」はまるで職人のように親から子へと受け継がれるような場所。幼い頃からそこで育ったダグも父親と同じように銀行や現金輸送車を襲うことを生業としていた。ある日、彼は仲間と共に銀行を襲う。予定通り現金を奪うことに成功するが、予想外だったのは人質を取ったこと。成り行きで銀行の女性支店長を連れ出してしまう。身元が発覚する事を怖れたダグは解放した彼女に近づいて様子を伺うことに。ところがダグは彼女に恋してしまう。そして彼は自分を変えようとするが・・・

なにより驚いたのは銀行強盗が日常茶飯事であるという事。日本では考えられないですよね。そしてそれが自分の住んでいる街で行われる事。もちろん彼らは綿密な計画のもと、証拠が残らないようにするのだけど、生業にするくらい繰り返せば、どんなに間抜けな警察でも犯人の目星はつきそうなもの。そんなおかしな街があるのか恐ろしくなりましたが、映画の最後でニヤリとしてしまいました。それはこんなテロップが入ったから。
「ボストンに住んでいるのは多くの善良な市民です。」映画を観ながら、そんな配慮も忘れないスタッフに脱帽です。

こういう犯罪物に結末を用意する場合、犯罪者でありながら、すべてを帳消しにするハッピーエンディングか、最後には死ぬバッドエンディングのどちらか。この作品はどちらを選ぶのだろうと思いながらの鑑賞でした。多くは語りませんが、この作品のエンディング個人的に好きです。想像の範囲内でしたが、清々しい気持ちになりました。

作品の点数は★★★★☆です。「グッド・ウィル・ハンティング」の時からベン・アフレックの監督としての才能の片鱗は感じていましたが、この作品を観たことで、今後の彼の作品がますます楽しみになりました。奇抜な展開も大どんでん返しも用意されていませんが、それでも楽しめる作品でした。傑作とまではいきませんが、秀作ではないでしょうか。

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ベン・アフレック,ジョン・ハム,レベッカ・ホール,ブレイク・ライヴリー,ジェレミー・レナー
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