しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

ジュピター

2015年03月29日 22時58分38秒 | 作品名(さ行)
第374回「広げた風呂敷が大きすぎたみたい」
観たい映画を選ぶ基準はいくつかあるのですが、個人的には一番重要なのは監督の存在です。では脚本はどうなのか?と聞かれれば、脚本や脚色ももちろん大事ですが、アメリカの場合、途中で脚本家が変更することはよくあることだし、複数人による共作みたいなことも多くあります。なので個人的には誰が監督を務めたのかが重要になってきます。今回の作品「ジュピター」を監督したのは、あの「マトリックス」で一躍有名になったウォシャウスキー姉弟です。彼らが監督をしていなければ、これほど早く観に行かなかったかも知れません。

ロシアで生まれ、今はシカゴに暮らしているジュピターは平凡な女の子。早朝に起きて母親と共にセレブのお屋敷を清掃する毎日だ。同じような毎日に嫌気がしつつも変わることの無い毎日を過ごしていた。ある日、従兄から卵子提供のバイトを持ち掛けられ、お金欲しさに軽い気持ちで引き受けてしまう。予約されたクリニックで診察台に乗ると処置室に集まった医者や看護師達が見たこともないエイリアンへと姿を変え、ジュピターを殺そうとした。ところが突然壁が破壊され現れたのは耳の尖った屈強な男だった。気が付くとジュピターは廃墟となったビルにいた。ケインと名乗った彼はオオカミと人間の遺伝子を掛け合わせた戦士で、木星から王族の血筋を引くジュピターを連れ戻すために来たというのだ。思いも寄らない展開に驚きながらもケインに惹かれるジュピター。ところが彼女を殺そうと次々と刺客が迫っていた。

SF映画が大好きな私としてはストーリーを聞いた時には「ありがちな設定だなぁ。」と思ったものの、ウォシャウスキー姉弟が監督だから決して駄作ではないだろうと思っていました。結論から言ってしまうと、駄作ではありませんでしたが、凡作です。多額の製作費と期待の若手俳優を起用して、アメリカのティーンエイジ向けの作品を作ったという感じです。

もっともセクシーな男性に選ばれ今後が期待されているチャニング・テイタムをケインに据え、もっともセクシーな女性に選ばれたミラ・クニスを木星を支配する王族の後継者であるジュピターに据え、2人の恋の行方を絡めながら、アクション満載でエンディングまでテンポ良く駆け抜けますが、鑑賞後には特に残る物のない映画でした。アメリカ国内では出ている俳優さんだけである程度の観客は見込めるのでしょうが、俳優さんへの思い入れが少ない日本では、あの脚本では大ヒットは見込めないでしょう。

主人公の平凡な女の子が実は木星を支配しているエイリアンの王族の血縁で、全てを受け継ぐ権利を持っている。それを奪うために命を狙う3兄妹、実は地球はある資源を育てる為に作られた星だという設定など、どれも在り来たりで細かいところまで考えられていないように思えてしまいます。

どうして地球人から生まれたジュピターが木星を支配する王族の血を引いて生まれたのか?ケインはどうしてジュピターを守ろうとするのか?などなど色んなところがツッコミどころ満載です。木星の景観や宇宙船のデザイン、数々登場するクリーチャーの造形など、どれもどこかで観たことのあるものばかりで、新鮮味を感じませんでした。

点数は★★☆☆☆です。前作の「クラウド アトラス」はなかなか面白い作品だったのに今作は残念ながら壮大なテーマと大袈裟な風呂敷を広げた割には、若者向けのジェットコースタームービーになってしまいました。劇場で観なくてもいずれ地上波の深夜で観れば十分な作品だと思います。もっと細かい設定や脚本を練り込む必要があったのでは?と思います。

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