しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

スパイダーマン:ホームカミング

2017年08月20日 23時39分45秒 | 作品名(さ行)
第434回「たったこれだけのことで、こんなにも面白くなるものなのか?」
サム・ライミ監督によって3作、マーク・ウェブ監督によって2作が作られたスパイダーマンシリーズ。同じキャラクターで5作が作られるのは多いほうだと思います。個人的にはもうネタ切れだろうと思っていました。ところが状況が激変する出来事が起こりました。それはソニー・ピクチャーズとマーベルの提携が発表されたのです。これが何を意味するのかはファンでなければ、理解できないかもしれません。かつてマーベルは今ほど映画化事業がうまく行っていない頃に、「X-MEN」や「スパイダーマン」の映画化権を別の会社へと売ることで利益を得ていました。その後、「アイアンマン」などを中心とする「アベンジャーズ」作品が大ヒットをし、数々の作品を世に送り出しました。しかし、彼らとスパイダーマンがアメコミのように共闘することはありませんでした。ところが今回の作品「スパイダーマン:ホームカミング」はその提携によって、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に参加できることになりました。今まで別々の世界観の中で物語が進んでいたものが、同じ世界観の中で物語が進むことになったのです。ただそれだけのことと思っていました・・・鑑賞前までは。

ニューヨーク・クイーンズ地区に住む15歳の高校生ピーター・パーカーは蜘蛛に噛まれたことで不思議な能力を得た。その能力を使い近隣地区の犯罪者を懲らしめていたが、ある日、その存在がトニー・スタークの知るところとなり、スパイダーマンとしてキャプテン・アメリカとのシビル・ウォーに参加することになった。ピーターはアベンジャーズの一員になれたと浮かれていた。しかし、あれから数ヶ月経ったが何の連絡も無い。毎日、街を巡回し、自転車泥棒を捕まえたり、道案内したりとヒーローとして活動していたが、もっと大きな事件を解決したいという思いが日々大きくなっていた。そんなある日、銀行のATMを破壊して、現金を盗もうとしている強盗グループに遭遇する。大きな事件だと意気揚々と乗り込んだピーターだったが、強盗グループの持っていた強力な武器に悪戦苦闘し、近隣の店舗を大破させるという事態を引き起こしてしまう。トニー・スタークへと報告するが、まともに取り合ってくれない。ピーターは単独で解決して自分の実力を証明しようと意気込むのだった。

サム・ライミ版の3作も、マーク・ウェブ版の2作も、どちらも路線はシリアスでした。「大いなる力には大いなる責任が伴う」とヒーローとして力を手に入れたピーター・パーカーがその力をどう扱うかに悩み。大事な人をどう守ろうか奮闘するという物語でした。かなり重たいテーマを扱っていました。しかし、今作のピーター・パーカーはグッと年齢を下げて、15歳の高校生になっています。トニー・スタークによってスパイダースーツを手に入れたが、まだまだ未熟な男の子という印象を受けます。原作にかなり近づいて、ヒーローでありながら、高校生活も恋愛にも悩むという「青春映画」に近い作りとなりました。その事で主人公をより身近に感じることができ、とても良く出来ています。

MCUとなったことによる良い効果の1つに、アイアンマンとの共演があります。ピーターの師匠的な立場としてかつては放蕩息子だったトニー・スタークが「お前にはヒーローの資格は無い」などとヒーロー論を説く場面では、「あの悪ガキだったトニー・スタークが・・」「ハワード・スタークが生きていたら・・」などと親目線で感慨深く鑑賞してしまいました。さらにスパイダースーツを設計したのがトニー・スタークとしたことで、多くの魅力的な機能が満載になっています。数百通りに及ぶウェブ・シューターが使えたり、背中のパラシュート、胸の偵察ドローン等々、さらにはジャーヴィスを彷彿とさせるような人工知能アシスタント。全部の機能が今作で登場したわけではないので今後どのようにパワーアップしていくのかも楽しみです。

アメコミ映画で大切な事として魅力的な悪役の存在を上げてきました。見た目や持っている力も大事なのですが、そのバックボーンみたいなものも大事だと思っています。なぜ悪事に手を染めたのか?どのようにして悪役となったのか?この作品で登場する「バルチャー」は見た目の派手さはありませんが、ごく普通の一般人がチタウリの残していった廃材を利用し、武器を製造し、家族の為に悪事に手を染めています。彼はニューヨーク決戦から8年にも渡ってアベンジャーズとの戦いを避け続けてきました。今回、スパイダーマンに見つかった事で、仕方なく戦うことになるのですが、そういうところも単純な悪役でなく良かったと思います。

作品の点数は★★★★★です。この夏におススメの1本であることは間違いありません。アイアンマンとの絡みも想像以上に多く、この後に控えている「インフィニティー・ウォー」への伏線もいくつかあります。個人的には親友のネッドもとてもいいキャラクターなので、彼が別の作品群への登場や、他のキャラクターとの絡みも期待しています。

個人的に一番嬉しかったのは、1シーンだけでしたが、ペッパー・ポッツがちゃんと登場したことです。「アイアンマン3」以降の作品には名前は登場してもグウィネス本人がきちんと登場したことが無かったので、今作への出演はとても嬉しかったです。今後の2人の展開にも期待しています。
スパイダーマン:ホームカミング ブルーレイ & DVDセット [Blu-ray]
トム・ホランド,マイケル・キートン,ジョン・ファヴロー,ゼンデイヤ,マリサ・トメイ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


【ランキングに参加しています。クリックにご協力を】

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« トランスフォーマー/最後の... | トップ | ワンダーウーマン »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

作品名(さ行)」カテゴリの最新記事