しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

ザ・コンサルタント

2017年02月05日 23時14分34秒 | 作品名(さ行)
第419回「最高の作品に出会い、最悪の映画体験をする。」
正直、まったく期待はしていませんでした。公開前のメディアでもそれほど大々的に宣伝していませんでしたし、公開後もそれほど興行成績がいいという話は聞かなかったので、わざわざ観なくてもいいかな?と思っていました。それでも興味はあったので、いつもとは違う映画館だけど、まあいいかくらいの軽い気持ちで足を運びました。今回の作品は「ザ・コンサルタント」です。

シカゴ郊外の田舎町で小さな会計事務所を営んでいる会計士クリスチャン・ウルフ。彼の元には田舎の老夫婦などが税金の相談に訪れる程度の仕事があるだけだった。ある日、リビング・ロボ社という大企業から財務調査依頼が舞い込んだ。会計担当の事務員が使途不明金の存在を見つけ騒ぎ出したからだ。彼は15年分にも及ぶ会計資料を用意させ、一晩で会社の不明となった金の流れを見つけ出した。すると翌日には犯人と思われたCFO(最高財務責任者)だった人物が自殺してしまう。彼の死によって調査は途中で打ち切られることになる。釈然としないまま依頼は終わったかに思えた。ところがある日、突如として彼の前に殺し屋が現れた。しかし、彼はアッサリと二人の殺し屋を始末してしまう。実は彼には隠されたもう1つの顔があった。彼は世界中の危険人物の裏帳簿を仕切る裏社会の掃除屋でもあった。天才的な頭脳、卓越した格闘術、抜群の狙撃テクニック。それらを駆使し、裏社会での仕事をしていたのだ。さらに彼には多くの秘密があった。

綿密に練られた脚本、緻密なキャラクター設定、散りばめられた多くの伏線。テンポ良く進むストーリー。ヒット作の続編でもなく、豪華キャストが登場するわけでもない、オリジナル脚本でここまで面白い作品を観たのは久しぶりかもしれません。高機能自閉症である主人公の生い立ち、素性、性格、状況を無理なく脚本に織り込み、回想シーンや財務省のシークエンスを見事に交えて、それでいて見事なアクションシーンで飽きさせない。これほど見事な作品は珍しいと思います。

キャストも主演のベン・アフレックに、相手役のアナ・ケンドリック、財務省長官のJ・K・シモンズ、殺し屋役のジョン・バーンサル。名前と顔が一致したのはこの4人だけ。それでもこれほど面白い作品になるのは、とにかく脚本だと思います。散りばめられた伏線が回収されていく様は、見事としか言いようがありません。最後に登場する彼女の正体は続編を意識すれば、明かされなくても文句は言えないかもしれませんが、それも見事に回収する辺りは素晴らしかった。これこそ秀作と呼ぶべき作品だと思います。

点数は文句なく★★★★★です。親友であるマット・デイモンがジェイソン・ボーンで最強の暗殺者を演じていますが、ベン・アフレックも近しいキャラクターを演じるとは運命的なものを感じてしまいますね。是非ともシリーズ化して欲しい作品ですが、安直な脚本ではなく、今作のような見事な脚本による続編を期待しています。今作は邦題に主人公の名前を付けなくて正解でした(笑)

【最悪の映画体験について】
真横に座った男性が、映画が始まった瞬間から高いびきをかいて寝始めたのです。同伴の女性が起こすものの、何度も何度もいびきをかく始末。イライラしながらの鑑賞となりました。鑑賞前にはその女性とイチャイチャ会話。映画を鑑賞するつもりが無いのなら、来ないでほしいと思いました。映画館側も席に余裕があるのなら、間を空けて席を指定してほしいものです。

ザ・コンサルタント ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
ベン・アフレック,アナ・ケンドリック,J・K・シモンズ
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


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