しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

X-MEN:フューチャー&パスト

2014年06月01日 16時38分15秒 | 作品名(あ行)
第348回「過大な期待をした私が悪かったのでしょうか?」
私がアメコミ映画好きになるキッカケとなった作品というのは、2000年に公開されたブライアン・シンガー監督の「X-MEN」だ。以来、マーベルをはじめDCコミックのアメコミ映画が大好きになった。スピンオフを含め多くの作品を世に送り出してきた「X-MEN」シリーズ。今回の作品「X-MEN:フューチャー&パスト」は今までのキャストが総出演し、ブライアン・シンガー監督がメガホンを再び取ると聞けば、ワクワクしないわけがありません。だからこそ、公開日の夜に劇場へと足を運んだのでした。久しぶりにとてもワクワクした気持ちで劇場へ向かいました。

西暦2023年、世界は崩壊を目前にしていた。トラスク・インダストリーズが開発したバイオメカニカル・ロボット「センチネル」はミュータントの秘められた能力を感知し、確実に抹殺することを目的に作られた。その「センチネル」によって多くのミュータントは殺されてしまい、ミュータント達に協力する人間までもが殺されることになった。X-MENは宿敵マグニートと協力し、日々戦い続けていたがそれは最終局面を迎えようとしていた。強大な力を持つ「センチネル」に勝つためには、もはやその存在を消してしまうことしか手段が残されていなかった。X-MENのメンバーであるキティの能力を使い、ウルヴァリンの意識を「センチネル」が開発される発端となった事件の時代1973年に送ることだった。プロフェッサーXはウルヴァリンに語り掛ける「まだ若い未熟な私たちを導いてくれ。」と。迫りくる攻撃の手、残された僅かな時間。世界は救われるのか?

この作品を鑑賞して初めに感じたのは「違和感」でした。今までにスピンオフを含めて6本のシリーズが作られてきたが、今作はその集大成ともいうべき作品だと思います。だからこそ私はワクワクしながら劇場へと向かったのです。ところがこの作品は今まで作られてきた過去の作品をまるで無かったことのようにしてお話が進み始めてしまったのです。
具体的に言うと、「ウルヴァリン:SAMURAI」で失ったはずの彼の「爪」が何事もなかったかのように復活していたこと。さらには「X-MEN:ファイナルディシジョン」で身体を失ったはずのプロフェッサーXの件。能力を無くしたはずのマグニートの件。とかなり大事なはずのプロットがまったく描かれることなく物語は展開されてしまいました。私はその辺りがどんな風に描かれるのかを楽しみにしていただけに、「あれ?その辺は無視されたまま進むの?」という違和感を抱えたまま鑑賞したのです。

さらに不満はいくつもあります。意識を過去に送ったことで歴史が変わり、それまでの行動がリセットされるというシーン。映画の冒頭で描かれるのですが、その描き方が単なるテレポートっぽく見えてしまい、「あれ?何が起こった?これで何が変わったんだ?」と考えてしまいました。出来れば歴史が変わったことでどうなったのかを、もう少し描く必要があったのでは?と思います。もう1つは「過去」と「未来」のバランスの悪さです。未来には多くのキャラクターが登場しているのですが、個々の能力やキャラクターの性格などには全く触れられることなく、ただただバタバタとセンチネルの犠牲になっていく。過去では新キャラクターはサイゴンのキャンプでの救出シーンに少し登場するだけで、活躍したのはすでに既出のキャラクターだけ、しかも少人数という演出。ファンとして物足りなさを感じてしまいました。クイック・シルバーの活躍は良かったですが・・・

良かったところも書きましょう。それは「X-MEN:ファイナルディシジョン」であまりにもアッサリと退場してしまったミスティークがとても重要な役どころとして活かされたところ。(まあオスカー女優が演じているせいもあるのでしょうが。)彼女の能力が未来の世界に影響していたという脚本は良かったと思います。あとはチョイ役ではあるのですが、この作品にもウィリアム・ストライカーが関わっていたこと。彼の存在が壮大な「X-MEN」の影で暗躍しているのが描かれていたのは良かった点ではあります。

点数としては★★★☆☆です。完全に満点を付けるつもりで過剰な期待をした私が悪いのかも知れません。上記で述べた点も細かい事だと言われればそれまでです。でも個人的には重要だと思っていた伏線が全く描かれなかったことには期待はずれだったと言うしかありません。

どうやら最後のスタッフロールでも描かれたように次回作「X-MEN:アポカリプス」の製作も決まっているようですが、どの時代を描くことになるにせよ辻褄だけは合わせて欲しいと感じました。注目している監督の1人であるブライアン・シンガーが再びメガホンを取った作品だっただけに残念でなりません。

という感じで長々と言いたいことを書いてしまいましたが、大好きなシリーズだけにもっときちんと練られた脚本。さらにはお話が長くなってしまったなら前後編の2部作にしてしまう最終手段も視野に入れて、もっと丁寧に作っても良かったのでは?と思う作品でした。

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ヒュー・ジャックマン,ジェームズ・マカヴォイ,マイケル・ファスベンダー,ジェニファー・ローレンス,ハル・ベリー
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