しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

インサイド・ヘッド

2015年07月26日 19時22分50秒 | 作品名(あ行)
第383回「アイデアはいいのだが、何か足りない気が・・・」
この夏は面白そうな作品が目白押しで、どれから観ようか悩んでいます。(あくまで面白そうなのだけど)その先駆けとして楽しみにしていたのは、もちろん「インサイド・ヘッド」です。ピクサー好きを公言している私ですが、残念ながら全部の作品が面白いとはいかず、特にディズニーの子会社となってからは、作品のクオリティーよりも年に1本ペースでという公開ペースが優先されているような印象を受けていました。そしてこの「インサイド・ヘッド」という作品も人の頭の中にある感情を擬人化するという、ちょっと難しい表現方法を採用しているので、多少心配していました。

人は誰の頭の中にも5つの感情を持っている。いつも陽気で楽しい事を探している「ヨロコビ」、臆病で心配性な「ビビリ」、常にイライラしている「イカリ」、嫌なものは遠ざける「ムカムカ」、そしてなんの為にいるのかわからない「カナシミ」の5つが常に相談し人のあらゆる感情をコントロールしているのだ。このお話はミネソタに住む11歳の女の子ライリーが主人公。素直で元気、陽気なライリー。優しいパパとママと3人で暮らしていた。ある日、パパの仕事の都合でミネソタの田舎町から都会のサンフランシスコへと引っ越すことになった。環境がなにもかも変わって、不安な時にライリーの頭の中では大変な事が起こっていた。感情のリーダー的な存在のヨロコビとカナシミが頭の指令室から記憶の保管庫へと放り出されてしまった。するとライリーから2つの感情が消えてしまい、あらゆることが上手くいかなくなってしまった。すると徐々にライリーの記憶が崩壊を始めてしまった。早く指令室に戻らなければ、ライリーが大変なことになってしまう。しかし、迷路のような広大な記憶の保管庫から無事に戻ることは出来るのか?

まずはいつも問題になる吹替版について。ピクサーの作品はいつの頃からか字幕版をほとんど見かけなくなってしまいました。それでも他の作品に比べて声優さんの質がとても高いので諦めました。それにピクサーが凄いのはわざわざその国に合わせて劇中に登場する看板や新聞などの文字をきちんと作り変えてくれるので、それに敬意を払う意味でも吹替版で満足するようにしています。今作でもライリーの苦手な食べ物をオリジナルではブロッコリーなのに、日本語吹替版ではピーマンに変えるなどの細かい配慮が見られます。そして声優さんについても、ヨロコビの竹内結子、カナシミの大竹しのぶ。2人ともお見事な声優ぶりでした。この作品で思ったのは上手な人が吹き替えをすると、その俳優さんの顔は浮かばないものなのだと思いました。特にビンボンを演じた佐藤二郎さんは見事過ぎてエンドロールで名前が出るまでずっとピエール瀧さんだとばかり思っていました。どの作品の吹き替えもこの作品のように上手な人にお願いすればいいのに・・・

で本題の作品の感想ですが、残念ながら傑作とはいきませんでした。頭の中を独自の解釈で描いたことは評価できますが、そこで起こるトラブルがどのような形で表に現れ、どのような問題を起こすのかが、上手く描けていないように思います。感情が消えてしまうというアイデアは良かったと思いますが、そのトラブルの原因がカナシミにあるみたいな描き方をしながら、結局のところは?というのがちょっと解りづらかったと思います。

点数は★★★☆☆です。お子さんを連れて観に行く夏休み映画としては満点ですが、「トイ・ストーリー」を観た時のように、「どうしてこんな素敵なお話を思いつくのだろう」という感想を持つことは出来ませんでした。頭の中を見事なアイデアで描いてみせてはいたのですが、もう一ひねりあったら良かったと思いました。個人的にはこのトラブルは誰にでも起こる「思春期」なのかと考えていて、これをきっかけにそれぞれの感情が大人になっていく・・・みたいな展開を期待していたのですが、ちょっと違いました。

この後には「トイ・ストーリー4」の製作も決定しているようなので、今までのシリーズを汚すことの無い、素晴らしい作品になってくれることを期待しています。

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