しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

スノーピアサー

2014年05月18日 23時57分42秒 | 作品名(さ行)
第347回「韓国人監督がハリウッド俳優を使って作った韓国映画」
今回はちょっと前に鑑賞していたのですが、ブログに載せていなかった作品について書きたいと思います。観たい映画が無かった時にでも載せようと思っていて、だいぶ時間が経ってしまいました。今回の作品は「スノーピアサー」です。この作品は「殺人の追憶」の監督であるポン・ジュノ監督がメガホンを取ったアメリカ・韓国・フランスの合作映画である。

急速に進みつつある地球温暖化を食い止める為に開発された薬品「CW-7」それは地球を元の姿に戻す特効薬になるはずだった。ところが散布されたその薬品は大きな効果を発揮し過ぎ、地球全体を氷河期へと導いてしまった。それから十数年が過ぎ、地表で暮らすことが出来なくなった人類は、「スノーピアサー」と呼ばれる巨大な列車に乗り込み、深い雪に覆われた極寒の大地を行くあてもなく移動していた。その列車では車両前方で一部の富裕層が環境変化以前と変わらぬ優雅な暮らしを送る一方、後方に押し込められて奴隷のような扱いを受ける人々の怒りは爆発寸前に。そんな中、カーティスという男がリーダーとなり、仲間と共に富裕層から列車を奪おうと画策していた。

この映画に出会ったのが公開2週間前の劇場での予告編でした。どうしてこんなにも話題性のある映画に今まで気が付かなかったのか?と感じたのでした。その理由はストーリーが私の好きなSF映画であること。さらには韓国人監督として大好きなポン・ジュノ監督がメガホンを取っていること。そしてキャストがとても豪華なこと。それだけでどうしても観たい作品となりました。で、鑑賞後はどうだったのか?それは即座にブログに載せなかったことからもわかるでしょう。

このブログで何度も言っているようにSF映画で最も重要なのは荒唐無稽な設定をどれだけ観客に受け入れさせ、無理なくストーリーを展開させるのか。この作品は斬新な設定ですが、とても魅力的な設定に思えたのでとても楽しみにしていました。地球全体が人が暮らせないほどの氷河期、生き残ったのは世界を1年で1周する巨大列車に乗った人だけという取っ掛かりはとても良かったように思います。

では何が悪かったのか?その斬新な設定に説得力が無かった。氷河期となる前からその列車「スノーピアサー」は計画されていたのか?どんな人が選ばれ列車に乗ることが出来たのか?なぜ富裕層と貧困層が出来上がったのか?その辺りがきちんと描かれないまま物語は展開していきます。そして物語は富裕層と貧困層の対立を軸に進んでいき、エンディングへとなだれ込んでしまいました。

もちろん、全てが悪いところばかりではありません。列車の内部構造やアイデアは秀逸だったし、喉にあてることで使用できる翻訳機(劇中では韓国語の翻訳に使用)など面白いアイデアは色々ありました。

さらにキャストは豪華。主役には「キャプテン・アメリカ」のクリス・エヴァンス。助演女優賞でオスカーを獲得したティルダ・スウィントンが富裕層の首相として登場。スノーピアサーの開発者であり最高権力者のウィルフォードには名優エド・ハリス。韓国からはポン・ジュノ監督作品の常連であるソン・ガンホとキャストを聞いただけでもワクワクしてしまいます。だからこそ、とても残念でした。もっと脚本を練られていればと。

点数は★★★☆☆です。決して駄作というほどつまらなくはありませんでしたが、多くのところで説明不足な感じが心に残る作品でした。例えるならマトリックス レボリューションズを観た後のようなモヤモヤ感です。映画を観ながら私が感じたのはタイトルにも付けたようにこの作品はあくまで「韓国人監督がハリウッド俳優を使った韓国映画」であるということでした。物語の展開や物語の奥に内包されたドス黒い感じはまさに韓国映画そのものでした。それはいい意味でも悪い意味でも

スノーピアサー [Blu-ray]
クリス・エヴァンス,ソン・ガンホ,ティルダ・スウィントン,オクタヴィア・スペンサー,ジェイミー・ベル
KADOKAWA / 角川書店


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