しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

フライト

2013年03月03日 14時48分00秒 | 作品名(は行)
第299回「人生の岐路に立たされたある1人の男の物語」
先日、行われたアカデミー賞授賞式。今年は表の主要部門は「リンカーン」が総なめにし、裏の技術系部門は「レ・ミゼラブル」が獲るだろうと予想していたのですが、その予想はすっかり外れてしまい。主要部門においては作品が被らないという珍しい結果となりました。そんなアカデミー賞の中で獲得は逃しましたが、主演男優賞と脚本賞にノミネートされていた「フライト」という作品を観てきました。監督ロバート・ゼメキス、主演デンゼル・ワシントンと聞けば、否が応でも期待が膨らんでしまいます。

フロリダ州オーランド発、アトランタ行きの旅客機が飛行中に原因不明のトラブルに見舞われ、高度3万フィートから急降下を始める。ベテラン機長であるウィトカーはとっさの判断で奇跡的な緊急着陸に成功する。乗員乗客102名のうち96名が生還を果たすという、それはどんな一流パイロットにも不可能な、まさに奇跡の操縦だった。マスコミは彼の偉業を称え、一夜にして国民的英雄となる。しかし、ウィトカーの血液中からアルコールが検出されたことから、ある疑惑が浮上することとなる。墜落の原因は本当に機器トラブルだったのか?彼の飲酒が問題だったのでは?彼は英雄から、一気に終身刑にもなり兼ねない犯罪者への窮地に立たされることとなる。

映画の予告編とは、いまさらながらに「うまいこと作られているなぁ。」と思わされる作品でした。旅客機の墜落事故をメインに描かれた予告編。私はその事故にスポットが当てられストーリーが進んでいくものだと思っていました。ところが事故のシーンは冒頭の20分程度、あとは主役であるウィトカー機長のアルコールと薬物依存症に苦しむ姿が描かれていきます。事故の直後に一度はアルコールを絶つことを決めたにも関わらず、その決意はあっという間に砕かれ、再び酒浸りの日々へと逆戻り。アルコール依存症のために家族も失い、乗務中の飲酒も日常茶飯事。そんな彼のダメっぷりがこれでもかと描かれます。デンゼル・ワシントンが評価される作品って、悪役とかダメ人間が多い気がするのは俺だけでしょうか?

映画の取っ掛かりとしては「旅客機墜落事故」というセンセーショナルな出来事をメインとして描かれていますが、この作品は1人の男が依存症から、いかにして断ち切り成長していくのかを描いています。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のイメージが強いロバート・ゼメキス監督ですが、「フォレスト・ガンプ」以来の見応えのある作品だったような気がします。

点数は★★★★☆です。マイナス点としては彼と同じ薬物依存症のキャラクターとして登場するニコールという女性があまり効果的に使われていなかったことが残念でした。演じていた女優さんも良かったし、彼と対比的な象徴として設定されていたのでしょうが、かなりアッサリと去っていきます。

こういうアイデア一発の作品は、どういう結末を持ってくるかによって名作にも駄作にもなってしまいます。この作品はビックリするような展開は用意されていませんが、観終わった後には清々しい気持ちで劇場を後にできるエンディングが用意されています。

それにしてもアメリカの映画には、コカインなどの薬物を普通の人達が使うシーンが多く登場します。なんかお酒と同じ位に気軽に扱えてしまうような印象がありますが、実際はどうなんでしょうね。映画を観ながらそんな事が気になってしまいました。

フライト ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
デンゼル・ワシントン,ドン・チードル,メリッサ・レオ,ジョン・グッドマン,ケリー・ライリー
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

【ランキングに参加しています。クリックにご協力を】

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 鍵泥棒のメソッド | トップ | ジャンゴ 繋がれざる者 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

作品名(は行)」カテゴリの最新記事