第447回「新たに現れた黒きヒーローの圧倒的な姿に」
ずっと楽しみにしていた。彼の存在はずいぶんと前から別作品で語られ、いくつもの伏線が張られている。あとはタイミングだけだった。そのタイミングは見事過ぎるくらいにやってきた。先に公開されたアメリカ本国での大ヒットぶりを聞けば聞くほど楽しみになった。今回の作品はもちろん「ブラックパンサー」です。
アフリカ中央部に位置する途上国「ワカンダ」。表向きは農業を中心にした小国だと思われている。しかし、その実態は大きく異なる。はるか昔、その地に落ちた隕石に含有していた未知の金属「ヴィブラニウム」。その金属には驚くべき能力が隠されていた。その力を得た先住民はその力が悪の手に渡れば、世界を滅ぼす危険があるとし、その存在を隠してきた。歴代のワカンダ王はその秘密を守ると同時にヴィブラニウムの研究を続け、その恩恵によってワカンダは最新テクノロジーを誇る豊かな国になっていた。
他国との交流を避けてきたワカンダだったが、先王であったティ・チャカ王は混迷する世界を救おうと国連会議への参加を決意する。しかし、アベンジャーズの分裂を画策していた事件に巻き込まれ死亡してしまう。その息子ティ・チャラは先王の遺志を継ぎ、即位の儀式の為に帰国した。無事に儀式を行いブラックパンサーを継いだティ・チャラだったが、事件は起こった。かつて、ワカンダに忍び込みヴィブラニウムを盗み出したことがある武器商人ユリシーズ・クロウがイギリスの美術館に展示されていたヴィブラニウムの含まれた展示品を盗み出したのだ。しかもそれを手引きした男がワカンダ出身である可能性があった。ティ・チャラはその行方を追いかけて韓国へと旅立つのだった。
とにかく良く出来た作品でした。今まで最初のエピソードを描くのはとても難しいと話をしてきましたが、スパイダーマンの登場もそうであったように、初登場が「シビル・ウォー」である程度の説明を省いて描く事が出来たのは、とても有利だったと思います。
さらにこの作品を盛り上げたのはキャストと音楽でした。キャストについては徹底して黒人俳優を使い、世界観を統一したこと。ワカンダという未知の国を見事に描くことが出来ていました。音楽もこんなに鑑賞中に音楽がカッコいいと思った作品はとても珍しいと思いました。この世界観の徹底を許したマーベルも褒めるべきでしょう。
点数としては満点に限りなく近い★★★★☆です。とてもいい作品だったのですが、個人的にマイナスだった点は悪役についてです。これも以前から言っていますが、魅力的な悪役の存在はその作品を1段も2段も上げてくれるのです。いい例は「マイティー・ソー」でいうところのロキの存在です。今作の悪役であるエリック・キルモンガーはロキになれる可能性を秘めたキャラクターでした。ところが登場も唐突だったし、悪役に徹しきれていない感じを受けました。もっと残酷でもっと嫌われ役に徹するのか、もしくは次作以降を見据え、ティ・チャラの右腕とするのか、どちらかに振り切ってしまったほうが良かったと思います。個人的には悪役に振り切っていたユリシーズ・クロウのほうが魅力的に映り、いい人になりたいのか?ワカンダを滅ぼしたいのか?中途半端な印象をエリックからは受けました。それでも映画自体はとても面白く仕上がっていました。
4月27日には「アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー」の公開が控え、その後もマーベルは続々と作品の公開が予定されています。ファンとしてはまだまだ楽しめそうで嬉しい限りです。
ずっと楽しみにしていた。彼の存在はずいぶんと前から別作品で語られ、いくつもの伏線が張られている。あとはタイミングだけだった。そのタイミングは見事過ぎるくらいにやってきた。先に公開されたアメリカ本国での大ヒットぶりを聞けば聞くほど楽しみになった。今回の作品はもちろん「ブラックパンサー」です。
アフリカ中央部に位置する途上国「ワカンダ」。表向きは農業を中心にした小国だと思われている。しかし、その実態は大きく異なる。はるか昔、その地に落ちた隕石に含有していた未知の金属「ヴィブラニウム」。その金属には驚くべき能力が隠されていた。その力を得た先住民はその力が悪の手に渡れば、世界を滅ぼす危険があるとし、その存在を隠してきた。歴代のワカンダ王はその秘密を守ると同時にヴィブラニウムの研究を続け、その恩恵によってワカンダは最新テクノロジーを誇る豊かな国になっていた。
他国との交流を避けてきたワカンダだったが、先王であったティ・チャカ王は混迷する世界を救おうと国連会議への参加を決意する。しかし、アベンジャーズの分裂を画策していた事件に巻き込まれ死亡してしまう。その息子ティ・チャラは先王の遺志を継ぎ、即位の儀式の為に帰国した。無事に儀式を行いブラックパンサーを継いだティ・チャラだったが、事件は起こった。かつて、ワカンダに忍び込みヴィブラニウムを盗み出したことがある武器商人ユリシーズ・クロウがイギリスの美術館に展示されていたヴィブラニウムの含まれた展示品を盗み出したのだ。しかもそれを手引きした男がワカンダ出身である可能性があった。ティ・チャラはその行方を追いかけて韓国へと旅立つのだった。
とにかく良く出来た作品でした。今まで最初のエピソードを描くのはとても難しいと話をしてきましたが、スパイダーマンの登場もそうであったように、初登場が「シビル・ウォー」である程度の説明を省いて描く事が出来たのは、とても有利だったと思います。
さらにこの作品を盛り上げたのはキャストと音楽でした。キャストについては徹底して黒人俳優を使い、世界観を統一したこと。ワカンダという未知の国を見事に描くことが出来ていました。音楽もこんなに鑑賞中に音楽がカッコいいと思った作品はとても珍しいと思いました。この世界観の徹底を許したマーベルも褒めるべきでしょう。
点数としては満点に限りなく近い★★★★☆です。とてもいい作品だったのですが、個人的にマイナスだった点は悪役についてです。これも以前から言っていますが、魅力的な悪役の存在はその作品を1段も2段も上げてくれるのです。いい例は「マイティー・ソー」でいうところのロキの存在です。今作の悪役であるエリック・キルモンガーはロキになれる可能性を秘めたキャラクターでした。ところが登場も唐突だったし、悪役に徹しきれていない感じを受けました。もっと残酷でもっと嫌われ役に徹するのか、もしくは次作以降を見据え、ティ・チャラの右腕とするのか、どちらかに振り切ってしまったほうが良かったと思います。個人的には悪役に振り切っていたユリシーズ・クロウのほうが魅力的に映り、いい人になりたいのか?ワカンダを滅ぼしたいのか?中途半端な印象をエリックからは受けました。それでも映画自体はとても面白く仕上がっていました。
4月27日には「アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー」の公開が控え、その後もマーベルは続々と作品の公開が予定されています。ファンとしてはまだまだ楽しめそうで嬉しい限りです。