柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

新型コロナの葬儀は対面できないのか?

2020年05月11日 | お葬式
4月に入院、手術
5月に入ってまた入院していました。
ここ数年で「入院の達人」になったみたい。

4月の手術を受けICUからHCUに移った時
志村けんさんが新型コロナで亡くなったことを知りました。
まだ緊急事態宣言の前だったので
看護師さんに伝えたら大騒ぎしてました。

葬儀にも火葬にも立ち会えない
遺骨になって初めて逢えたときき、私もショックでした。



厚生労働省では
葬儀社向けにQ&Aを出しています。

遺体等を取り扱う方へ

問1  新型コロナウイルスにより亡くなられた方及びその疑いがある方の遺体は、
24時間以内に火葬しなければならないのですか。

新型コロナウイルスにより亡くなられた方及びその疑いがある方の遺体は、
24時間以内に火葬することができるとされており、必須ではありません
(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第30条第3項、
新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令第3条)*。
感染拡大防止対策上の支障等がない場合には、通常の葬儀の実施など、
できる限り遺族の意向等を尊重した取扱をする必要があります。



問2 新型コロナウイルスにより亡くなられた方
及びその疑いがある方の遺体の搬送作業や火葬作業に従事する者が留意すべき事項はありますか。

遺体の搬送や火葬場における火葬に際しては、遺体からの感染を防ぐため、
遺体について全体を覆う非透過性納体袋に収容・密封することが望ましいです。
遺体を非透過性納体袋に収容・密封後に、納体袋の表面を消毒してください。
遺族等の意向にも配意しつつ、極力そのままの状態で火葬するよう努めてください。
また、遺体の搬送に際し、遺体が非透過性納体袋に収容、密封されている限りにおいては、
特別の感染防止策は不要であり、遺体の搬送を遺族等が行うことも差し支えありません。

他方、継続的に遺体の搬送作業及び火葬作業に従事する者にあっては、
必ず手袋を着用し、血液・体液・分泌物(汗を除く。)・排泄物などが
顔に飛散するおそれのある場合には、不織布製マスク、眼の防護(フェイスシールド又はゴーグル)
を使用してください。
衣服への汚染を避けるため、ディスポーザブルの長袖ガウンの着用が望ましいです。
また、これらの器具が汚染された場合には、単回使用のものは適切に廃棄し、
再利用するものは適切な消毒を行ってください。
火葬に先立ち、遺族等が遺体に直接触れることを希望する場合には、
遺族等に手袋等の着用をお願いしてください。



新型コロナウィルスの感染は飛沫感染と接触感染と言われています。
咳やくしゃみの飛沫を吸い込む、
飛沫が付いたものを手で触って目や口に入る
又は、血液・体液・分泌物・排泄物を触って傷口や経口から感染します。
結核やインフルエンザと同じ感染の仕方です。


葬儀社の責務として安置時にすべてのご遺体処置をします。
どんなご遺体も感染症があるかもしれないという前提で行います。
葬儀社スタッフは身支度をきちんとして
体内からの排出物を詰め物で抑え込み
身体からの血液・体液・分泌物・排泄物等の漏出がないか確認します。


そうしなければ遺体に接触する葬儀社スタッフとご家族は守れません。
新型コロナ以外のご遺体も病院へのお迎え時から
マスク、手袋、白衣、を装着すること
ご遺体の全身(顔も)をシーツで覆って水平にストレッチャーへ移動することを徹底します。


新型コロナウィルスは、まだ全容が解明されていない未知のウィルスなので
遺体処置はせずに納体袋に収容でかまいませんが
看取りすらできない家族に故人と体面できるように考えてあげてください。

棺の蓋を開けるならご遺体に透明のフェースカバーをかぶせるとか、
棺の蓋は開けないようにして小窓から顔が見えるにするとか・・・


厚生省も
感染拡大防止対策上の支障等がない場合には、通常の葬儀の実施など、
できる限り遺族の意向等を尊重した取扱をする必要があります。
火葬に先立ち、遺族等が遺体に直接触れることを希望する場合には、
遺族等に手袋等の着用をお願いしてください。

と、わざわざ明記しているのはと「家族に立ち会わせない」という意向ではないはず。

5月11日BS-TBS報道1930で
自民党の石破茂議員が新型コロナの死亡者の葬儀は対面もできない事について
「厚生労働省ではきちんと伝えているのに・・・」と発言していました。


新型コロナのご遺体よりもっと怖いのは
コロナに感染しているのを知らずに「病死したご遺体」なら普通に葬儀しますし
また、感染陽性の会葬者が紛れていることもありえます。

体温測定や手指の消毒も必須ですが
むしろお互いの安全の為に
葬儀場、火葬場においてはマスク、手袋、フェイスシールドの着用をお願いし
休憩時も外さない約束をしていただくのはどうですか。
向かい合っての食事は感染リスクが大です。
会食は無しでお持ち帰り弁当にするなどの対応が必要でしょう。

その日の火葬はせずに
せめて通夜をする時間を用意したいですね。
火葬に立ち会い収骨をすることで家族は死を受容しやすくなります。
遺骨からの感染などあり得ません。

新型コロナは短時間で健常者を死に追いやる病です。
家族は「きっと回復して戻てくる」と思っていたはずです。
そうされている葬儀社さんも沢山いらっしゃると思いますが
せめて顔を見てお別れできるといいですよね。