柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

「今年の葬儀業界の展望と提言」を読んで、ホッと!

2014年02月14日 | 葬儀の世界
だいぶ前の事ですけど、
某業界紙の1月号に葬儀業界のトップ経営陣のご意見が
掲載されました。

各経営者の記事内容は「葬儀の意味」や「葬儀の原点」「本質」というものが
クローズアップされてました。
『何をいまさら!』
と思われる方も多いかもしれませんが
『そろそろ、ここに気がついてよ・・・』と
私は心で叫び続けていたので、これを読んで『ホッ』としました。

これまでは、葬儀の戦略のみが話題をよび過ぎていた気がします。


接遇、家族葬、低単価、事前相談、アフターサポート、死化粧、生前契約・・・・
どれをとっても今の葬儀社には必要なことですが・・・・


現場で研修をしていて、つくづく感じることがあるのです。

どの研修においても「やり方」を学ぶ意識はあっても
何のためにこれが必要なのか?
何を提供すべきなのか?
と、いうことを基本に持っている人は皆無(失礼!)です。

この基本になる考えを持っていないと
形だけ一辺倒の「やり方」をするだけで
その先に何も生まずに終わります。

これは
葬儀社スタッフの問題ではないのです。
葬儀社自体がその考えを明確にしていないのです。
私流に言うと「葬儀理念」がないのです。

一般の生活者は葬儀を知らない、理解してない。
葬儀会社の仕事内容も知らない
テレビや雑誌で言われたことが真実と思い込んでいます。

葬儀社は何の考えも持たないから
一般生活者に合わせて葬儀を行おうとする。
大事な家族を亡くすときに行う葬儀を
「皆さんが好む葬儀をすればいい」とだけ解釈している。

自分の仕事に理念や自信がないから
受けを良くする為には
「お望みどおりの葬儀」や
「安い価格」を出せばいいと思っている。

葬儀の仕事をする時に
目の前の人は今、どんな気持ちや状態なのか?
この人たちにとって、葬儀がどんな働きをするものなのか?
と考える事をしていない。


私は「葬儀社が目の前の仕事をとることだけで、何の考えも持てない」とは思えず
ただ、考えることを学んでいないだけだと感じています。

だからこそ
今年の年頭に掲載された「葬儀業界の展望と提言」を読んで
嬉しくなったのです。

トップの皆さんがいかに末端の現場スタッフにまで
そして地域住民にまで
その提言を行き渡せるかを期待したいです。