柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

皆、家族葬でいいのでしょうか?

2011年05月20日 | 葬儀の世界
葬儀社に伺うと新入社員の方にお目にかかります。
まだ表情も硬く、ぎこちない挨拶を頂きます。

葬儀業に関わりたくて入った方も
それ以外の気持ちで入った方も
皆さん一所懸命に先輩の後ろについています。

研修を終えるとカルチャーショックを受ける人もいます
涙ぐんで話を聞いている人もいます。
葬儀のイメージが変わりました、と言ってくれる人もいます

この人達の成長で葬儀業界も多分、変わってくるのでしょう。

新人同様に、葬儀社自体が「今、何かを変えなくては・・・」と
動き始めているのを感じます。
しかし、そこには
葬儀への主たる考えがないと、
単にコースや価格の変更に留まってしまいます。

家族葬、直葬にまっしぐら!という動きに懸念がぬぐえません。

周りの動きが、意見が、そうだから、と
安易にその方向づけをしていいのでしょうか?

家族も親戚も少ないから、葬儀は小さくなる
親しい人だけで葬儀をすれば、それでいい
義理は必要ない

その考えを肯定する裏には
「家族葬を薦めないのは葬儀社が儲からないから」と思われてしまう・・・

そんな単純な理由で方向性を決めているのなら残念です。

世間と離れて人生を終えた人や
どうしても人に送られるのが嫌な人なら、その選択は納得ですが

家族葬や直葬があたかも、正当な別れ方と捉えられると、チョット・・・
人の死を、もっと多方面から考えてもらえると・・・

人には色々なつながりがあり、親しさの一線は引きがたい、と思いませんか?
人に別れを惜しまれない最後なんて、寂しくないでしょうか?

新入社員のように、死の話に涙する心を皆が持っているはずなんですが。

それを気付かせてあげるのも、葬儀を受ける側の仕事だと思うんですが。