さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

井岡一翔なればこその期待・大晦日5大世界戦 1/5

2013-01-01 02:15:56 | 井岡一翔

先ほどTV東京系の地元UHF局によるディレイ中継が無事?終わりました。

いやー、実際にいちんち5試合の世界戦をTVで結果知らずに見ると、
お腹いっぱい、どどっと疲れましたね。
何せこんなことは、生まれてこの方初めてですんで。

それに、変な話、見所のない「スカ」な試合がひとつもなく、
どれもこれも集中して、楽しく見られたんで、見終えた後の脱力感のようなものが
思った以上に大きかった感じです。心地よいことでもあるんですが。

そういうことで、以下、5試合もいっぺんに書くと、
タダでさえグダグダと長いアホの感想文がさらに長くなりますので、
5回にわけて書かせていただき、この拙ブログをご覧いただいている皆様への、
年末年始のご挨拶に代えさせていただきます。

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年末の試合の中で、その成立過程がもっとも心にひっかかるものだったのが、
井岡一翔vsホセ・ロドリゲス戦です。

正規王者ローマン・ゴンサレス、暫定王者アルベルト・ロッセルの存在を無視し、
ロマゴンのスーパー王者昇格により、正規王座決定戦開催、という流れ自体、
亀田興毅vsムニョス戦の成立経緯と、びた一文変わらないもので、
この話を最初に聞いたときは、本当にがっかりし、嫌な気持ちになったものです。

TV局、ことにTBSが絡むと、ボクシングかくあれかしというファンの思いが
あらゆる形で蹴たぐりにされてしまうとは覚悟していたつもりでしたが、
あの井岡一翔が...オーレドンを倒した直後のリング上で、
亀田興毅の「さんかいきゅうせいは」に対して反発するかのように、
将来、四階級制覇をしてみせる、と叫んだ彼が、
こんな形でその階段をひとつ上るのか、と考えると、本当にやりきれない思いでした。


しかし、いざ試合が始まってみると、そういう思いは、
完全にとはいかなくても、かなりの部分、消し飛ばされました。
井岡一翔の佇まい、闘いぶりは、それだけの力をもって、私の心に迫ってくるものでした。

左リードを中心に、常にロドリゲスに圧力をかけて繰り広げる、密度の濃い攻防。
初回早々、鋭く踏み込み、左右のアッパーを上下に打ち分けて奪った見事なダウン。
反撃を試みる相手に、じわじわと攻め手を積み重ねて打ち崩し、
多彩な左でしっかり崩しておいて、6回に右で叩いての、確実なフィニッシュ。

まるで全盛期のデラホーヤを彷彿とさせる、構えた時点で強い、と感じさせる
正攻法の攻撃的ボクシングは、試合以外の「とやかく」「あれこれ」にまつわる
負の感情の大半を無意味なものにする、説得力に満ちた強さを感じさせるものでした。

TBSの実況が言うことなど、普段なら全然耳に残らないものですが、
今日はひとつだけ、良い表現がありました。
「日本のゴールデンボーイ」という形容は、誰より今の井岡一翔に相応しいものです。
ひょっとしたら今までも言ってたのかもしれませんが、今日は珍しく
「お、TBS、ええこと言うた」と素直に思いましたね。


しかし、やはり心の片隅に、確かに残る、消えることのない引っかかりは、
きっとボクシングファンなら誰もが思っていることだろうと思います。
史上最短、11戦目での二階級制覇、という「記録」は、
額面通りに受け取れるものではなく、このタイトル獲得ををうたうならば、
ローマン・ゴンサレス攻略という大仕事が必須である、ということです。

WBAが90日以内に対戦を義務づけた、という報道がありましたが、
その義務づけというのが、どういう内実のあるものかどうかはともかくとして、
やはりというかなんというか、よく躾けられたTBSの放送席から、
その事実についての言及は一切なく、試合後の井岡のインタビューでも、
新王者・宮崎亮との友情や、ファンへの感謝が語られる一方、
井岡一翔の口からも、ロマゴンの「ロ」の字も出ませんでした。


年明け早々、文句から始まるのも何ですが、はっきり言って、非常に不満です。
それじゃ、あの屁っ放り腰のコソドロと、どこがどう違うんや、って話です。

調整期間が足りたかどうかわからないとはいえ、現役選手で元暫定王者、
今も上位にランクされるメキシコ人の世界ランカーを相手に、
あれだけ正攻法のボクシングをして、圧倒的に勝つ力を持つ井岡一翔が、
そんな振る舞いをしていてはいけない。そう、声を大にして言いたいです。

ボクシング業界が置かれる経済的状況の厳しさや、その他の「大人の事情」が
厳然とあることは、ある程度までは想像は出来ます。
しかし、それに理解を示したり、妥協して受け入れる諦念だけをもって、
ボクシングファンでいようとは、私は思いません。

何の意味もない拙ブログでの申し立てではありますが、
井岡一翔には、次戦、或いは近い将来における
ローマン・ゴンサレスとの、或いは、それに準ずる108ポンドクラスの
強豪選手との対戦を、強く希望します。

もちろん、井岡一翔が語る、この試合は通過点という意味のコメントの底意が、
次なる、或いは近い将来の「打倒ロマゴン」にあると信じるがこそ、です。

今日の試合は、王座がどう、記録がどう、という意味では、
残念ながらあまり意味を感じられないものでした。
しかし、先日のプレビューにも書いたとおり、ライトフライ級復帰初戦としては、
考え得る中で、なかなか良い試合だったと思います。
本来のクラスに戻して、今日の試合ぶりに続く、さらなる成長と、
真の王座奪取を、井岡一翔に期待しつつ、新年最初の投稿とします。


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昨年もまた、皆様には、この拙くも怠惰な風下ブロガーにお付き合いいただき、
心より感謝しております。
本年も広い心でお付き合いいただけたら幸いです。よろしくお願いします<(_ _)>




コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (さんちょう)
2013-01-02 21:46:30
新年おめでとうございます。

井岡選手仰るとうり今回がロマゴンだったらどんなにワクワクしたか。 この階級最強を名乗るなら避けては通れないですね。 今更WBAの指示なんて信用できないですが、今後必ず激突することを望みます。 正直フライ級でもいいですw
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2013-01-04 06:55:10
>さんちょうさん

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

ロマゴン本人が対戦希望しているという話なんですが、ジム同士の関係が良いとか悪いとかいう次元の話で、結局組まれないのかもしれませんね。あと、TV局の意向とか、あれやこれやあるでしょうし。
しかし、何かひとつ大きな山を越えないと、二階級制覇なんて名ばかりのまやかしに過ぎなくなってしまうわけで、最低限WBCのエルナンデスに勝つとか、WBOのドニー・ニエテスとか、見てるこちらを納得させるだけの相手と闘って欲しいですね。何となく年末に三階級制覇、みたいなのは勘弁ですね。井岡一翔なればこそ、余計にそう思います。

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