そういうことで昨日はまたも暑いさなかに、住吉区民センターにて観戦してきました。
簡単に感想。
メインは技巧のサウスポー細川貴之に、タイトル挑戦6度目という斎藤幸伸丸が挑戦。
輪島ジム初の王者誕生という悲願もかかった一戦でした。
立ち上がり、斎藤は手数少ない。もっと圧さないと、と思うが、細川が軽い右ジャブを出す。
初回は、言っては悪いが、どっちも支持したくない内容。
2回、細川は動いてトリッキーなフェイント、そして右ジャブヒット、というよりタッチに見える。
しかしこれでも、ペース掌握の意志我にあり、みたいな感じでポイント行くのかもなあ、と
思っていたらところ、斎藤が出て右。綺麗に決まって細川ダウン。
追撃する斎藤、しかし水に濡れた赤コーナー前のキャンバスに足をすべらせスリップ。
序盤から強打炸裂、ダウン奪取、好スタートというべき展開。
ところがこの後も、斎藤はちょっと見過ぎの印象。もっとがんがん行けばいいのに、というか。
相手が何されたら嫌なのか、困るのか、という発想が、残念ながら見えない。
逆に、がんがん来られたら困る細川は、それが嫌さに一生懸命。
足使って、クリンチして、当たらなくても、格好だけでも、ジャブを出す。
さわる程度のジャブばかりかと思えば、たまに力入れたジャブ、ワンツー。
時折左アッパーのカウンターがこれに混ざる。数発ヒットもあり。
4回後の採点は38-37×3。
※この途中採点は細川ではなく斎藤リードでした。コメント欄にて、キュウさんにご指摘いただきました。
お詫びして訂正します。実際はダウンを奪った回と、もう一つが斎藤で、残り二つが細川でした。
私は1,3,4回を全て細川の「競り勝ち」だとは見ませんでしたが、そういう採点もあり得るか。
けっして悪質な「地元判定」でもない。ただただ、試合自体が、どうにも煮え切らない。
5回、同様の展開。6回は斎藤がボディ攻撃で少しペース上げる。やっとか、という感じ。
7回、細川も左アッパーをボディへ。パンチの交換が増えてくる。
8回、細川が赤コーナーで迎え打ち、左当てるが右を食う。斎藤単発で右ヒット。
斎藤出て追い、細川軽いワンツー。終盤、斎藤の左フック?で細川膝をつく。
これはプッシングのようにも見えたが、ダウンの宣告。細川痛い失点。
8回後の採点は76-74×3、斎藤。8回のややラッキーなダウンがあっても、この差。
これまた、こういう採点もあるのだろう、という印象。
とにかく斎藤、パワーで勝っているんだからもっと攻めんと、という感じ。
9回、細川迎え打ち、手数増やす。しかし斎藤が右を決め、細川少し効いたか。
斎藤攻め込んで優勢、細川も左フックを打ち返し、場内沸く。
細川は足が止まり加減。ここは斎藤チャンスのはずが、また見てしまう。甘い。
とはいえ、さすがに、この試合は斎藤のものかと思ったのですが、10回以降、細川も踏ん張る。
左アッパーのレバーパンチが出て、これが効いた?のか、攻めていた斎藤が
ロープ際に後退、ロープを背負って止まる。誘っているようなジェスチャーだったが、
細川の左フックを打たれ、失点。11回も来い来いと誘う仕草を見せ、攻めは散発的。
最終回も打ち合い、ヒットも取っていたのに、スタミナ切れかボディのダメージか、
また自らロープに下がって止まったり、正直不可解、意味不明。
クリンチのあと、細川が手数自体は出す形で終了。
採点は115-111斎藤、あとふたりが113-113のマジョリティドロー。
私は、1回と5回をどっちにしたらいいのかわからず、それを除いて数えると斎藤の勝ちでした。
しかしどういう見方があったとて、実際、8回終了時に、細川が競った回をほとんど抑えているという
公式の採点が出ている以上、それを基準に残り4回をどう闘うかと考えれば、
10回以降の斎藤の闘いぶりは、どうにも納得がいきません。
はっきりいって、充分勝てる試合を、自ら捨てたようにさえ見えました。
試合を見ずに結果だけ聞くと「二回ダウンさせてドロー、地元判定か」と
思われる方もきっといるとは思います。
しかし、内容自体はこういう採点もあり、と思えるものでした。
私は斎藤のパンチの効果を採りましたが、そうでない採点も充分ありえる内容にも見えました。
試合自体については、両者ともに持てる力の限界の中で、懸命に闘ったのかもしれません。
ことに細川は、過去にたくさん見たどの試合よりも、良い身体を作ってきた印象でしたし、
終始自分の持ち味を出して、相手にとってやりにくいスタイルを貫きました。
ただ、序盤に打たれて倒れたのは反省材料でしょう。当然、そのせいでかなり苦しい試合になりましたし。
対する斎藤幸進丸は、序盤から一発でダウンを奪うなど、パワーに秀でたものがあり、
その上に、やや幸運な二度目のダウンを得たにもかかわらず、敗れました。
しかしそれを敵地での悲運とは言えない部分もあると思います。
この内容で、仮に場所が後楽園であったら、甘いジャッジに勝利を告げてもらえたかもしれませんが、
中立の目で見ると、あまりにも手数が出ず、攻めに厚みが足りない。
挙げ句に終盤3回の不可解な失速、後退が招いた連続失点は、見ていて我が目を疑うようなものでした。
いったい何をやっているんだ?あとひとつ、何でも良いから抑えれば勝ちなのに、
途中採点でそう出ているだろうに、と。
正直言って、これではタイトル獲れないな、という、良くない方の納得感が残った試合でした。
ということで、試合後は難波の居酒屋にて、同道した方々と飲み会。
長年に渡る筋金入りの輪島ファンの友人が、怒りと嘆きのあまり方々に火を噴いて、
お店の中は大混乱に陥ったのでした。色んな意味で、ちょっと残念な観戦になってしまいました。
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前座について、ざっと。
太尊康輝は75キロ契約の試合でイ・ジュヨンと引き分け。
右ロングを思い切り振ってくる韓国人選手を持て余し、危ない場面もあり。不調でした。
6回には相手にバッティングの減点があり、それが無ければ負けていたことになります。
向井寬史は川端遼太郎と3回負傷ドロー。この日随一のシャープな攻防が見られた試合。
2回に向井が見事な左ストレートでダウンを奪うも、3回にバッティングで向井が切り、試合終了。
一発で物凄い出血でした。残念ですが妥当な裁定。
坂本真宏はベテラン諸一宇に判定勝ち。2回に右でダウンを奪うも、諸も粘って反撃。
坂本はどうも試合見るたび身体が重く見え、安易に打たれて苦しみ、打ちつ打たれつになる印象。
この日もその展開を踏襲。試合後、今回は肋骨を傷めていたという話が出ましたが、
そうでなくても似たような試合が続いています。ちょっと心配です。
ストロング小林佑樹は、神之浦博に判定勝ち。強打のサウスポー神之浦ですがスタミナに難あり、
失速に乗じて小林が反撃。序盤打たれて苦しんだものの、挽回して勝利。
4回戦はスーパーバンタム級の一試合だけ。
原優奈(前にも見ましたが、女子ボクサーかと思ったら男子でした)が
今橋将勇(これで「ユキオ」と読みます)に2回見事なKO勝ち。
シャープなワンツーを決めて快勝でした。もう少し、それこそ拳一個分だけ相手から離れたら、
もっと良いな、という印象でしたが。とにかく好選手でした。3戦3勝、これが初KOだそうです。
斎藤リードかと思ってました。
関東のジャッジが斎藤、関西の2名がドロー。
この辺が地元判定感を醸し出してるのかと。
個人的には、イーブンにした何個かのラウンドを
無理矢理細川に振れば、ドロー近辺もあり。
でも普通に斎藤かな、という印象。
4・8回の途中採点まで3ジャッジ足並み揃ってたのに
9回以降、急に採点基準が変わったんですかね?
斎藤のロープアドープ?は敵地でやっちゃダメですわ。
ポイント失う材料を(細川寄りのジャッジ?に)与える事となりますから。
両者気持ちの入った試合でしたが、
最強後楽園ならいいけど、東洋タイトルとしては…
向井×川端戦は残念な結末でした。
名勝負になりそうな予感あったんですが。
この試合を見に来たというのに。
原は来年の新人王に出て欲しいです。
ご指摘ありがとうございます。4回後の採点は斎藤リードでしたね。訂正入れます。
返信は後ほど。
私も採点自体は細川のジャブやボディブローの効果、競った回での手数とアクション、フェイントの多さから来る「ペース支配(或いはその意志)」をめいっぱい評価すれば、という条件付きでドローかな、という印象でしかなく、ひとつでもイーブンを許容すれば斎藤になりました。私が迷った回(1、5回)をふたつとも細川に振って、やっとドローですね。
ただ、斎藤の失速、さらにいうなら失策が招いたドローという印象も非常に強いですね。9回をはっきり取って、それ以降三つの内ひとつ取りさえすれば完全に勝ちなのに、なんであんな闘い方になるのか。失点に繋がって当然だと思いました。
向井vs川端は残念でした。私もこの試合だけは期待してました。
細川さんもこれが挑戦者決定戦ならともかく、東洋チャンピオンとして見ればいかにも頼りない。今回は会長との関係がこじれた故、力が発揮しきれなかったと見るべきでしょうか。私はこの階級では野中さんを応援してますので、野中さんと細川さんで対戦、細川さんの世界ランクを奪って野中さんが世界戦となって欲しいです。
斎藤の陣営に関しては、意欲はともかく、最後の闘い方について、明確な指示があったのかどうか気になります。残り3つの時点で、あと一つ取れば勝ち、という「解答」が出ているんですから。なのに自ら下がりロープを背負い、とやっているのを見て、何も言わなかったのでしょうかね。意味がわからないです。
細川が王者として見て頼りないのは、今に始まったことではないという気もしますが(笑)でも彼なりに自分の特徴と限界を知った上で、懸命に闘っていて、それは見ていてそんなに悪いものでもなかったですよ。会長さんとの云々かんぬんは半分話題作りなんだと思ってます。じゃあ残り半分は本当なのか、という話になりますが(笑)
野中との再戦はやってほしいですね。世界戦に繋がる試合はまた別にやらねばならないのかも知れませんが、それはそれとして。
京都では、声をかけていただきありがとうございました。
明日は、エディオンアリーナに行きます(昼&夜W観戦)。
京都の時、ご紹介したkenさんも昼の部いらっしゃいます。
明日はいらっしゃるのでしょうか?
遠征お疲れ様です。明日は一部観戦予定です。
夜の部は今のところ無理そうです。BoxingRaiseで後日鑑賞するのが精一杯でしょうか。
一部二部とも観戦されますか。あっぱれでございます。これで日本も安心だ、という感じですね(^^)
また見かけたら声をかけてくださいませ。