昨日は早朝から、井岡一翔はエストラーダと対戦出来ず、しかし中谷潤人とも対戦せず王座返上、ジョシュア・フランコと再戦へ、というすっぽ抜け話を知って、思わず、乾いた笑いが漏れました。
結局、誰とやって勝てるかどうかとかよりも、まず、全部自分の側の仕切りでないと動かない。或いは動けない。
それが井岡一翔の現実なんでしょう。それでは、大阪時代と本質的に同じです。
あれやこれやとありながらも、大阪時代の状況は、彼にとって心苦しいものであり、そこからの脱却が、今の井岡一翔を支えるものだったのではないか、という一点において、まだ彼の試合を見る理由が残ってはいたのですが、どうやらそれさえも、こちらの勘違いだったようです。
結論としては、このお方のやることをとやかく言うたり、気にかけたりするのは時間の無駄、ということですね。
なんか、駄目押し食らった気分です。しかし、ある意味スッキリしたかな、というところでもありますね。
もう、彼の試合を、そんなに気を入れて見ることはないでしょう。対戦相手次第、ですかね。
そういうことで、気になるのは中谷潤人の次です。
WBO王座が本当に空位になるなら、中谷が空位決定戦に出ることになりましょう。
ランキングを見るとWBOスーパーフライ級は、1位中谷、2位はモロニー兄弟の弟、アンドリュー。3位が田中恒成。
アンドリュー・モロニーはジョシュア・フランコと3度闘い、勝てなかった(2敗、1無効試合)ですが、ノルベルト・ヒメネスやフロイラン・サルダール、ルイス・コンセプションに勝った星があり、上位の実力は充分。
田中恒成は言わずと知れた、三階級制覇の元王者。
どちらと組まれても、見応えアリの好カードですね。
中谷と、このどちらかのカードが、それこそ井上尚弥、フルトン戦のアンダーに入りでもしたら最高ですが、どうなりますか。
モロニー弟ならすんなり来てくれそうですし、田中恒成が名古屋ナショナリズムの柵を破って、それこそAmazonPrime興行のような大イベントに出るとなれば、それはそれでもう、諸手を挙げて大歓迎です。
とはいえ、多分そうはならなさそう、とも思っているわけ、ですが...。
その田中絡み?の話、と言ってしまうと微妙ですが、IBF王者フェルナンド・マルチネスの次戦は、IBF1位ジェイド・ボルネアとの指名試合だそうで、こちらのTweetによると、このたび入札が終わったそうです。
TGB Promotions has secured the rights to Fernando 'Puma' Martinez-Jade Bornea IBF 115-pound title fight. TGB was the lone bidder during Tuesday's purse bid, submitting the minimum allowable $25,000 and will have 90 days for the fight to take place. #MartinezBornea #PurseBidHeads
— Jake Donovan (@JakeNDaBox) February 14, 2023
わかってはいることですが、報酬額の安さに愕然となりますね。
両者合わせて2万5千ドル。王者マルチネスの取り分は16250ドル、だそうです。
これなら、勝った方を名古屋に招聘することも、容易に出来そうですね。
田中恒成の先行きもまた、大いに気になるところですが...。
モンティエルが「日本で戦うのが自分の夢だった」と語った昔日よりも更に、軽量級ファイターにとっての日本は黄金の国に見える事でしょうね。Amazonなら万々歳、普通の世界戦でも少なくとも他国に比べれば相当高い金を払ってくれる。このIBFの両者も、井岡であれ中谷であれ田中であれ、次は日本で、とならなければこんなファイトマネーじゃやっていられませんよね。井岡フランコ2の話について語る人の中にはフランコにとって無冠の井岡とやるのに何のメリットがあるのか、と疑義を呈していた人もいましたが、ファイトマネーだけでも十分メリットはある事でしょう。
井岡については、色々言いたい事もありますが、誰よりも本人が今の自分の現状を一番理解しているからこそこういう最短ルートを選択したのでしょう。どうにかしてフランコを倒し、大晦日にエストラーダと戦ってそれをもって『有終の美』とする。それが井岡の中で出来上がっているシナリオなのだと思います。そうであるのなら、外野の我々としてはシナリオ通りに行くといいですね、としか言いようがないですね。まずフランコに勝つのがかなり困難だと思いますが。
あー、中谷の相手が誰かでは無くて、置き所の話ですね。なるほど。井上の試合が今後もずっと、へっぽこNTT独占なのかどうか、というのは、正直よくわかりません。傍目には、NTTのスポンサーとしての立場はわかるが、せめて独占は止めてくれとか、出来たらAmazonと交互に、とか、そういう話になってくれんものかな、と思います。確かにNTT配信は井上及び大橋ジム枠内の興行で、帝拳にしたら「貸す」という話になりますね。それも込みで、次はAmazonかな?と希望を持ちたいですね。今回、井上拓真がAmazonの方に出るので、井上フルトン戦のアンダーを全部大橋ジムで埋められるのかどうか、ということもあります。まあ、メインさえあれば大箱は埋まるし、視聴者数も見込める、それも事実ではありましょうが。
IBFのスーパーフライは、何か知らんですが、軽量級の中でも不人気ぽい印象です。アンカハスの戴冠戦、マックジョー・アローヨ戦でしたか、これもえらく薄給だったような記憶があります。今回の総額2万5千ドルの半分くらいでしたかね?マルチネスvsボルネア戦は、日本行きのチケットを賭けた一戦なのでしょうね。
フランコの心境は仰る通りだと思います。それがドローで終わり再戦出来るなんて、願ったり叶ったりじゃないでしょうか。心配なのは正月のミニマムみたいに、再戦出来る幸いを求めて、しょうもない真似をする奴がまた出たりせんやろうか、ということで。ビートで尾崎恵一さんが書いてましたが、岩田翔吉戦のジョナサン・ゴンサレスも途中、大層にアタマ痛がってましたしね。
井岡に関しては、この話が本当だとしたら、もう何も思うことがないというか、見たままなんやろうなあ、と思うのみです。中谷には勝てない、或いは帝拳の思惑通り動きたくない。後援者の作ってくれる柵の外には出たくない、或いは彼らの意にそぐわない選択は出来ない。いずれか、全てか、何にせよ、王者としてどうというよりも「ご都合」だけです。エストラーダ戦がゴールだとしても、その通り道が、誰も見たいと思ってもいないフランコ再戦で、そのために王座を捨てるというのは...なりふり構わぬ、という以外に、どう見ることも出来ませんし、する必要も無いです。フランコ再戦については、フランコが人生最後の試合(ないしは、大きく稼ぐ機会)だと思っていたら、すんなり勝てるかもしれませんね。フランコが、井岡に勝って、エストラーダや、日本での中谷潤人(或いは、田中恒成)との試合でさらに稼ぐのだ、という意欲を持っていたら、違うかも知れませんが。はてさて。
これは希望込みの推測ですが、4月にもう一つ世界戦を入れたかったけど中谷は間に合わず、拓真-ソリスとトレードしたのかなあと。少し前に海外発で中谷が入る噂があり、直前で拓真の噂が流れてきたので。帝拳と大橋の関係ならあり得ますし。だとすると、中谷の王座決定戦は井上のアンダーになるので最高なのですが。その場合おそらくAmazonですし。普通はNTTと交互なんて無理ですが、今の井上なら可能ですね。
井岡は、米国でエストラーダ戦ならともかく、国内で自分が出向くのは嫌。それは彼のプライドが許さない。かといって相手(帝拳/Amazon)を上回るオファーも出せず、相性の悪い中谷と戦いたい訳でもない、という感じでしょうか。それが井岡の「現状」なのでしょうね。
井岡にとって一番最悪なシナリオは、入札等で帝拳に主導権を握られて井上のアンダーで試合をやらされる事だったんだろうなあと思います。中谷との勝ち負け以前に、井上の『下風』に立たされる事は他の何よりも嫌だった事でしょう。井岡は井上絡みの話題になりそうな部分では過剰なまでに気を遣われて、間違っても井上より格下であるなどと思われないように配慮されて来た訳ですから。ここで井上のアンダーで試合したらその全てが水泡に帰してしまう。実際にそうなる可能性は低いとしても、可能性があるだけで井岡にとってはもっとも採りたくない選択肢だったんだろうと思います。勝ち負けに関しては、田中と戦った頃なら受けていたと思います。今はその当時の田中ともやるか怪しいですが。
モロニーの希望はそうなのですか。エストラーダvsモロニー弟、カードとしては、私なんかは悪くないと思いますが、あちらの基準で言えば少し弱いのかもしれませんね。
田中恒成はIBFかなあ、と推測はしますが、ジェイド・ボルネア戦を待ってから、なんでしょうかね。次の世界戦は名古屋で、という前提が動かないなら、待ってでもやるしかなさそうですが。
確かにその、トレードというか交換したというか、その可能性もありますね。単に井上真吾トレーナーの都合のみならず。拓真、ソリス戦の話なんて、全然知りませんでしたので驚きましたし。
何しろ、井上尚弥ならばこそ、NTTに完全に縛られることなく、と期待したいですね。
井岡の現状、その通りかと思います。交渉が妥結せず、入札で負けたら、仰るように、自分の都合にかなわない事態となってしまう。何よりそれが嫌だったのでしょう。ボクサーとしての技量は全然違いますが、カメダと深く通ずるものあり、と見えて仕方ありませんね。しょうもない...。
>月庵さん
確かに松本、佐川戦も、井上メインの大橋興行=NTT配信なら、アンダーに入って不思議なし、ですね。ただ、フジの月イチ大橋枠を埋めるカードの数を用意するのもなかなか大変ではあるのでしょうが。
確かに、井上尚弥のアンダー嫌、というのは、いかにもありそうな話ですね。ましてそこで、若い中谷潤人に敗れようものなら、という。しかしボクサーたるもの、チャンピオンとつく者ならば、そこで目を見張るような闘いを見せて、改めて自身の存在をアピールする、くらいの気概がなくてどうするよ、と思うんですが。
田中恒成とやったときは、まあ自分の庭で、という形ではあったものの、そのようなものがほの見えたような気がしたものです。まあ、その自信というか意欲を支えたものの正体が、その後の騒動で「バレて」しまった、というのが、私の偏見に満ちた見解ではありますが。