昨日はABEMA TVの配信二本立て、共にライブでしたが時間も被り、試合数も多く、とても全部をカバー出来ませんでした(そうするつもりもありませんでしたが)。
しかし、これ見とこ、と思う試合だけは見たので、感想文をいくつか書いておこうと。
基本、PCやTVで見ると画質が悪いので、タブレットで見ました。妥協ではありますが、それなりのサイズで、画質を気にせず見るにはこれが一番良いです。
ということで、宮崎亮は再起して三戦目、パナマから現役のWBCランカー(ライトフライ級8位)という痩身の強打者、アサエル・ビリャルと対戦。
遠目に見るといかにも華奢な感じで、どうなんやろうかこの選手、と思ったのですが、アップになると引き締まった筋肉を身に纏っていて「あ、これは...」と印象が一変しました。
宮崎は初回早々に捉えられて打ち込まれ、ストップされるまで、画面左下に表示されていた「アタックカウンター」という手数の表示が、ほとんど増えず。
足取りも、コマネズミのように動いていた若手の頃からすると実に重く、相手を引き込もうとする狙いと悪癖が背中合わせ、という弊害はそのまま。
ならば残る頼りは際どいタイミングで狙う強打、のはずが、攻撃の手を出す間もなく動かれ、打たれ、という展開でした。
残念ながら、本当に力のある相手と当たるとこの通り、という以外、何も言いようが無い。それが宮崎亮の現状なのでしょう。
移籍して再起初戦の試合は少し見ましたが、いわばお互い「訳あり」同士の試合で、体格やパンチ力の差がありあり、という組み合わせで、そこで勝てたとはいえ、先行きとなると...という暗い予見しか持てず、それが間違いであってくれれば、と思ってはいましたが、やはり残念な内容と結果でした。
かつてオスカル・バルデスのWBOフェザー級王座に挑んだ大沢宏晋は、これまた同タイトル挑戦経験(エマヌエル・ナバレッテ戦)があるジョー・サンティシマと対戦、こちらは5回TKO負け。
3回にダウンし、持ち直そうと頑張っていましたが、5回にワンツーで攻めたところに左フックを合わされて二度目のダウン。
ダメージ深く、レフェリー即座に試合を止めました。
ただでさえコンスタントに試合をこなす、というだけでも大変なところ、コロナにそれ以外の不運もあって試合間隔は空きがち。
もう37歳、この試合は再浮上への大勝負でしたが、痛烈に敗れました。
こちらは宮崎と違って、最近見た中ではかなり仕上がっているのでは、と見えましたが、宮崎同様、相手が強かった。
大沢の敗戦を残念に思う気持ちはあれど、ボクシングの試合として、納得感のある内容を見られた試合でした。
宮崎と大沢、共に若手や新人王戦の頃から、折りに触れて試合を見てきた選手です。
その試合ぶりについては色々と思うことがあり、拙ブログでもファンの勝手でしかないですが、あれこれと書き連ねてきました。
彼らはそれぞれに、リングの上で遂げられなかった思いを抱えて、今まで闘い続け、その末に、共に同じリングで、強敵相手に挑み、敗れました。
そこに残った内容と結果は、残念ながら、言ってしまえば先送りにされていた結論が遂に出た、というものでもありました。
大沢は引退表明をしたそうです。
宮崎も進退を問われる立場にあることを、承知している旨、語ったとのことです。
そのこと自体を残念に思う反面、その結論が一切の斟酌無く、本人に突きつけられるような試合を闘えたことは、ボクサーとしての本懐だったのではないか、とも思います。
勝てばその次、その先、この上と語りうる試合。しかしそれ故に敗れる危険も大きい試合。
そんな試合、つまりは本当の勝負、本物のボクシングを見た。
彼らが、(おそらく)最後に見せてくれた試合は、そういう試合でした。
そして結果は残念ですが仕方ない。
かつて溢れる才能でファンを魅了した宮﨑さん、ジャブが良く、堅実かつ強いパンチの大沢さん、関西の両雄の見納めとなるのでしょうね。これも時代の流れです
嫌な言い方しますが、自分がやるわけじゃないからええわ、てなものじゃないですか(笑)。しかしスポンサーの数など、相当なもののようで、それがこういうレベルの選手招聘に繋がっているのは、大したものですね。ロープにスポンサー名が見やすく印刷されていて、普通の角度のみならず、エプロンから見上げる映像のときなど、よりはっきり見える、という工夫も良かったですね。その辺は感心しました。
宮崎、大沢ともに、長きに渡る闘いを見てきた選手だけに、寂しい気持ちになりましたね。