さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

何よりもまず、好試合でした。

2007-04-08 18:37:20 | 関東ボクシング


WBAミニマム級タイトルマッチ、観戦してきました。
(写真はこちら

試合後、ちょっと(かなり?)ややこしい話が出たようですが、
試合自体は、両者の持ち味がきちんと出た、良い試合だったと思います。

昨年来、コンディション不良の印象が強い新井田が、
今回も「身体動かない」感じで、何も出来ずに高山に打ちまくられる、というのでは
試合としての価値がなくなってしまうので、そういうことにはなってほしくないと
思っていました。どちらも、持てる力を発揮した上で、白黒がついてほしいと。

そういう観点から見て、昨日の試合は満足いくものでした。
一部のファン、マニアからは、けっこう継子扱いを受けている?感もあるミニマム級ですが、
昨年のイーグルvsマヨール戦に次いで、その存在価値を示す一戦でした。

高山は、メロ戦のように相手の膝を揺らすような場面は作れませんでしたが、
速い右ストレートから果敢に連打して攻める、ハイテンポなボクシングを貫きました。
新井田は、苦手な長身、長いリーチを持たない高山に対して、
アッパーを時にリードに、時にカウンターに使うという、
新井田ならではの大胆な組み立てのボクシングで、高山のリズムに対抗します。

こうしてリング上に描かれた、連打の高山、一発の新井田、という対比の
せめぎ合いはなかなか見応えがありました。
試合は僅差で、新井田の勝利となりましたが、見に来て良かった、
良い試合だった、という爽快感がありました。両者に拍手、です(^^)


昨日は、東側のひな壇席で観戦しておりまして、そこから見た感じでは、
ダウンの分だけ、高山が勝ったと思いました。
試合後、数人の意見を聞きましたが、試合は僅差であった、という意見は全員一致。
総じて、僅差で高山支持、ただし新井田の勝ちでもおかしくない、
という声が多かったようでした。

その後、TVの深夜放送も見ましたが、TV画面、というか、
南側から俯瞰した映像を見ると、思った以上に高山が良く見えました。
私の採点は、潜在的関西贔屓、高山贔屓であることを意識しすぎた、
やや新井田に甘い採点かもしれない、という気もします。
しかし、それでも大差ではない、と思いますが。


さて、好試合でした、良かった良かった、どっちもえらい(^^)とだけ書いて
それで終わりにしたいところですが、触れないわけにもいかないので。

試合後の判定にまつわる高山陣営の抗議には、批判的な意見が出ているようです。
もうちょっと言い方はないのか、雑な言葉を使ったな、という印象です。

ただし、と敢えて言わせて貰います。
世界タイトルを賭けて勝負している当事者と、その日におのが頭数のキップだけを買って
試合を見ているだけの客の気持ちが、完全に一致するわけもなく、
闘いというものの持つ熱とは、時にこうした事態を招きます。

そして、それが、あの好試合にまつわる印象に水を差すものだとは、私は思いません。
それとこれとは、別の話です。

闘いというものは、ただ美しいだけではない。時に、醜いほど激しいものでもあります。
だからこそ、美しく映るときが、かけがえのない、素晴らしいものとして、
記憶されるべきものなのだと...そうあってほしいと、切に願います。



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4 コメント

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Unknown (ryocha)
2007-04-08 20:38:13
はじめまして。いい試合でしたね。
僕も高山有利かと思いました。高山選手悔しいのは分かりますが八百長発言は残念です。

http://www.plus-blog.sportsnavi.com/ryocha/
返信する
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2007-04-08 22:48:46
>ryochaさん
コメントありがとうございます。ブログの方拝見し、TBさせていただきました。今後ともよろしくお願いします。

本当に良い試合でしたね。どちらも、実力を証明したと思います。

試合後の高山及び陣営の発言に、批判的な意見もありましょう、確かに残念ではありますが、しょうがないことかという気もします。立場が違えば見えるものも思いも違いますし...。
返信する
Unknown (Unknown)
2007-04-11 05:35:27
はじめまして。バランスの取れた記事に感心しました。ネットで見られるマスコミなどの論調に違和感を感じていたのもので……。
高山陣営の抗議に対する批判的な意見にあえて反論したくだりには共感を覚えました。
ただ熱戦だったのは確かですが、イーグルvsマヨール戦に比べてしまうと数段落ちると感じました。
また残念だったのはこの試合も含め、新井田は採点に下駄をはいているとの観がぬぐえなかったことです。
新井田vsイーグル戦の実現を望みますが、新井田陣営が受けるか疑問視しています。
返信する
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2007-04-11 10:44:43
えー、次回からは何かお名前を書いていただけるとありがたいです(^^)
よろしくお願いします。
私の書いたものがバランスが取れているかは、我ながら甚だ疑問なのですが(^^;)

例の「八百長」発言は確かにいけませんが、それと判定への異議はまた別の話ですし、当事者ならではの思いにも、一定の理解をしてあげたい、と思っています。そこを抜きにして一刀両断、というのはどんなものかなと思います。

マスコミの報道については、今に始まったことではありませんが、不足、不満を感じます。例えばツダジムが提起した審判の選任について、スポニチ大阪版によれば、JBCの安河内氏が「ボクシング界の構造的問題で、検討課題」であると認めたそうです。このへんを報じずに、ただ「高山陣営、一転して謝罪」とだけしか報じない他のマスコミは、いったい何を考えているのか不思議です。たぶん、何も考えてないんでしょうけど。

新井田の試合の採点については、アランブレットとの初戦を除き、僅差の試合でもことごとく新井田に幸いする判定が出ているのは事実です。今回の試合も同じくです。確かに同じようなことが続いてはいますが、私はこの件に関しては、新井田のボクシングに、世界ランカー相手に競り勝つグレードがあるが故、だと見ています。ただ、圧倒的に勝つまでのものがない、あるいはあっても現実に発揮されていませんが。

散見する限り、今回の試合を「大差で新井田の勝ち」とする意見は皆無のようですね。新井田勝利も「小差」という意見が多いように思います。高山については、小差、中差、大差いずれも勝ちを支持する声があります。私は現場では僅少差、TVでは中差、いずれも高山の勝ち、と見ました。

新井田vsイーグル戦は、イーグルが八重樫に勝ち、その上で先にタイで行われた挑戦者決定戦に勝った1位オーレイドンに勝たないと実現しないですね。新井田も次は指名試合になるのかも。ハードルは高そうですね。
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