4月12日、ホールでのダイヤモンドグローブ興行は、日本ウェルター級タイトルマッチがメインでしたが、小原佳太の負傷により、永野佑樹との再戦が中止になりました。
おそらくFODプレミアムでライブ配信されるはずの試合ですし、楽しみにしていたんですが、残念。
しかし、セミファイナルに、元WBAスーパーバンタム級チャンピオン久保隼と、前日本フェザー級チャンピオン佐川遼の好カードが組まれていて、こちらがメイン昇格となり、興行は行われます。
これ、以前だったら興行丸ごと中止になっていたかもしれない事態ですが、小原、永野を限定的に応援する観客の来場こそ見込めないものの、メインに負けない好カードがセミに組まれていたことで、色々とリスクを回避出来た、と言えるでしょう。
アンダーに出る予定だった選手の出場機会は守られたし、ライブ配信や後日録画放送の枠が飛ぶこともないわけですから。
首都圏でまた観戦者じゃなくて感染者数が増えているというニュースも目に入り(観戦者数はどんどん増えてほしいですね)、気がかりではありますが、一応コロナの規制は緩和されるという方向にあり、それにつれて外国人ボクサーの招聘も増えていくことでしょう。
しかし、以前みたいに好き放題?な「あんまり強くない」「お相手」ボクサーをまた、頻繁に目にすることになるんやろうか、という不安も募ります。
確かにコロナの影響により、元々経済的には厳しいボクシング界から去った人材も多く、国内上位や若手有望株同士の好カードを組むにも当然、限界はありましょうから、ある程度までは仕方ない話ではありますが。
とはいえ、今回の件のように、やはり良いカードを組んでいけば、単に好試合が生まれるとか、注目度や評価を得られるというだけでなく、不測の事態においても、色々と良いことがあるわけですから、関係者諸氏には、易きに流れず、コロナ渦の元、唯一の救いだったともいえる好カード増加の流れを止めないでほしいものです。
この試合の3日前には、おそらくボクシングファンのみならず、世間の注目をかっさらうビッグカードが行われるわけですが、それと同等に、とはさすがに言い過ぎでも、久保隼と佐川遼の試合は、大いに楽しみなものです。
当然、こちらもしかと見るつもりでおります。両選手の健闘と、良いカードを組んだ甲斐あり、と誰もが思える試合を期待しています。
かつてのような興行側のご都合だけを通すようなカードばかりでは、配信にしてもそれこそ無料でやるしかないでしょうね。もちろん全試合、拮抗したカードばかりが並べられるわけもないですが、見るに堪えないレベルのものは当然、淘汰されるでしょう。
以前、山中vsネリー再戦の際、セミに岩佐亮佑とIBF13位くらいのフィリピン人でしたか、何しろ興味の持てないカードがありましたが、あの試合の挑戦者が和氣慎吾だったら、メインを中止にしても成り立っただろう、と思ったことがあります。あんな大きな話とは違うにせよ、今回はセミが興行を救った事例ですね。