WBCマウリシオ・スライマン会長が、WBA、WBCライトフライ級チャンピオン寺地拳四朗について、記者団にコメントした動画です。
El japonés Kenshiro Teraji, actual campeón minimosca @WBCBoxing, subiría de division para disputar el cetro vacante de peso mosca del organismo; están analizando contra qué rival sería 🥊 pic.twitter.com/zjE7NZfb2s
— Osiris Méndez (@omendez19) June 4, 2024
スペイン語の聞き取りなんて出来ません(笑)ので、他の報道を見てみました。
寺地拳四朗は次戦で、フリオ・セサール・マルチネスが先頃返上し、空位となったWBCフライ級の王座決定戦に出場する。相手は未定である、と語ったそうです。
おそらく帝拳プロモーションを通じ「申請」が行っているのだと思われます。
次のAmazonPrime興行で、二階級制覇に挑むことになりそうですね。
ここ最近、倒せるパワーがつき、ファンの評価も「それ」によって上昇し、また結果も出してきた寺地拳四朗ですが、同時に本来持っていた距離で外す防御の良さが目減りしてきた感もありました。
それはかつての長谷川穂積にも似た状況で、もちろんどう闘おうと、得たものと引き換えに失うものもあるのがボクシングでしょうが、先のカルロス・カニサレス戦は、その悪い目が形になって表れた、と言わざるを得ないものでした。
最近は、本人の口からも、その辺りについて危機感を持っているようなコメントが出ています。
ここで、フライ級転向に踏み切るというのは、マッチメイク(4団体統一戦の見込みが立たない?)の問題だけでなく、コンディションの改善による質的向上、というか回復というか、それを考えてのことではないか、と見えます。
また、そうであってほしい、と。
まあ単純に、今時珍しくというか、プロデビューからほぼ階級変えず、ライトフライ級で通してきて、さすがに厳しくなってきた、ということでもありましょう。
本人、ぱっと見ああいう感じ(どういう感じや)ですけど、節制や調整の苦労は、相当なものだったでしょうし。
そういうことで、前向きに捉えたいフライ級転向ですが、これまた昨今の趨勢というか、調整試合とかいう話はなく、いきなりWBCタイトルマッチになるようです。
何しろWBCプレジデント様が自ら言及しているくらいですから。いやまあ、それは実に恵まれた話ではあるんですけども。
んで、対戦相手なんですが、誰になるんでしょう。
1位アンヘル・アヤラ(IBF決定戦に出場予定)、2位フランシスコ・ロドリゲス(高山勝成に勝利、井岡、中谷に判定負け)、3位クリストファー・ロサレス(元WBC王者、比嘉大吾にTKO勝ち)、4位サニー・エドワーズ(元IBF王者、今月末に試合予定あり)、5位ガラル・ヤファイ(東京五輪金)と続きます。ちなみにWBCだと、10位が京口ですね。
おそらく上位から対戦相手が選ばれることでしょう。
ちょっと新鮮味に欠ける顔ぶれもありますが...はてさて。
そして当然体格も上の相手が出てくるからスタイルは見直しでしょうね。足動かさない、ではなく足が動かないのはあったかもしれません。また、右拳の状態も気になりますので、この転級プラス休養が良い形になってくれたら。
ベストだったミランメリンド戦みたいなのをまた見たいですね
世界獲る前、50キロ契約とかはあったと思うんですが、それを除けばずーっと108ポンドですからね、いい加減上げる「べき」でしょうね。
年齢、キャリアを考えると少し遅かったかもしれません。足が動くようになる、全体的に余裕が出て、外す良さが戻る、となるかどうかは、正直予断を許さない面あり、でしょうね。
メリンド戦は見事でしたね。拍手喝采ものでした。しかしメインで70秒KOなんてことをする人がいたせいで、何かこう...あれは本当に気の毒というのか何というのか...。
メリンド戦を見た時は、現役日本人選手の中で拳四朗ほど「天才」という言葉が似合うボクサーはいないと。「倒す」ということに関しても、以前の方が鮮やかに一発で倒せていたのですよね。芸術性で魅せれる稀有なボクサーで、やがて多くの人がその素晴らしさに気付くはず、と思っていました。まさか「激しい打ち合いが面白い選手」になるとは。
ファンの声に振り回されないというのは、当たり前ですが難しいものですね。WBSS 決勝、井上-ドネアの感想を聞かれ、痛そうなので自分はもらいたくないと。皆が絶賛する中、恐ろしく空気を読まない発言に拳四朗は大丈夫と思っていたのですが。今後は修正が図られそうで安心しました。トレーナーにはカニサレス戦ではなく、ブドラー戦で気付いて欲しかったですが。
「実害」が目に見えたのは先の試合ですが、傾向は遡ればそれより前からでしたね。本当に僅かながら端緒が見えたのはタコニング戦だと思っています。あの試合で初めて「ええい、まあええか」と踏み切って打っていったような印象を持ったので。
打ち合い自体はある程度までは仕方ない、と言えば言えると思います。ブトラー戦は微妙な印象でした。しかしカニサレス戦は言えば打ち合い出来ていない場面が多かったですね。ダウンシーンも完全にカウンター取られましたし。
しかしそうなったのも、仰る通り拳四朗がこういう方向に行くのか、という懸念の延長線上でしたね。まあ勝ち続けて評価が上がり、倒せる自信もついてきて...本当に、長谷川穂積の行った道、という感じです。はてさて...。
帝拳と関係のある選手としてはロサレスで、これは可もなく不可もなく。ランキング通りならロドリゲスだが、中谷相手の『健闘』を思い起こすといきなりこのレベルと今の彼を当てていいものか判断に迷うところです。フライ級は間違いなく最強だったろう王者が上に行ってスーパーファイトを戦う道を選んだことで流動的ではありますが、現時点においては最強と思しきユーリ阿久井の『堅陣』相手ではよくよく考えないと難儀するだろうなとは思います。
京口戦の勝利は偉大でしたが、偉大な勝利もまた、時にボクサーを毒することがある、と言えそうですね。過去にもそういう例は色々あったと思います。そこに歴戦の疲弊もあると。
確かに最近の拳四朗は、カニサレス戦で突きつけられた現実を見て、思い直したような言葉を発しているようですね。それが良い方向に作用すれば幸いですが。
クリストファー・ロサレスは往時の力そのままとはいかなさそうですね。仰る通りフランシスコ・ロドリゲスには怖さも感じますが。フライ級に戻して良いコンディションなら、パワー、体格、遠目でも接近でも打てるパンチが揃っていて、スイッチなんかも出来ると、嫌な要素がありますね。これを突破すれば、阿久井との統一戦、京口との再戦、矢吹とのラバーマッチなど、色々楽しみもありますが。とりわけ阿久井戦は見てみたいですね。スピードとテンポで引き離す、といけばいいですが、倒せるかというと難しく、フルラウンド優勢で終えられそうもない...そこに阿久井の逆襲があれば。いや、本当に見たいものです。