さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

倒し屋の本領、早々に発揮 佐々木尽、初回KOで衝撃の戴冠

2023-01-15 05:21:12 | 関東ボクシング




ということで今年一発目のG+生中継でしたが、ラインナップ5試合、そしてそのうち初回KOが3つ。
まあ、そういうこともあるか、というだけの話なんですが、正直、このメインカードがそれに含まれるとは、全然思っていませんでした。



OPBF、WBOアジアパシフィックの二冠王、豊嶋亮太ですが、どうやらこの試合には、OPBFタイトルはかかっていない模様。
ああ、そうなのか...と思いながら見始めた試合、両者早々に、詰めた間合いでパンチを交換し始める。正面からヒット・アンド・カバーの応酬。


こういうの好きやなあ、どんどんやってくれ、と思いつつ、挑戦者の佐々木尽が元気なうちに...打たれたり疲れたりする前、フォームが乱れたりする前からこれをやると、豊嶋にとってリスクもあろうに...と、ちょっと意外でした。
もちろん、ガードが堅く、振りの小さいパンチの数が出せる選手ではありますが、もう少し静かな展開で立って、持久力も含めた勝負に持ち込むんではないか、と思っていたので。
まあしかし、豊嶋にしたら、正対しての攻防でも、抑え込む自信があるのだろうなあ、と見ていました。


佐々木の方はというと、こちらはこちらでちょっと意外?早々に仕掛けられても、熱くなる風でもなく、割と落ち着いている。
少しだけ間合い外して、ジャブ。右合わせ。豊嶋をちょっと見る余裕も。
対する豊嶋、やっぱり先に打ち込もう、叩こうという風だったか。結果、これが災いしました。


豊嶋が打っていき、右フックが入ったかと見えた、直後に佐々木の左フック、リターン。
佐々木、打たれたと見えた直後に打ち返す、いわば得意のパターン。
しかも大振りでなく、鋭い軌道で返す。
これが決まって豊嶋ぐらつく。普通の選手なら、ここでダウンしていたところかもしれませんが。

そして、攻め込む流れになった佐々木、上下の打ち分けが思う様に出る。
これまた得意の左ボディ。強烈なヒット。
左右ボディを決めて、上にも左フック、右アッパー返す。

こうなると、何もかも佐々木の良いように回る。
豊嶋も果敢に打ち返すが、右フックの内から左フック返され、左ダブル、下から上。
右アッパー、左フック上へ返し。次から次へと「マトモ」なヒットの連続。
佐々木、さらに速い左をフォロー。たまらず豊嶋ダウン、ダメージ甚大な様子を見て、レフェリーが早々に止めました。



結果論でしかないですが、上記のとおり、佐々木が元気で整っているうちに、豊嶋が自分から仕掛けることはなかった、のかもしれません。
見て立ってたらどうだったか、という問いに正解はないでしょうが...とにかく現実に、佐々木尽の倒し屋としての凄みが全て出てしまった。
得意の左フック、効かせたあとの「殺しのパターン」がものの見事に決まった衝撃の戴冠でしたが、勝負の綾はその辺にあったように思います。


しかし佐々木尽、序盤から仕掛けられた展開で、自分の良さ、本領をしっかり発揮して倒すんだから、こちらはこちらで凄いなあ、と感心もしました。
スーパーライトからウェルターに上げて、体格面では豊嶋より少し小さく見えましたが、強打は十分な破壊力でした。
体重超過の件から、苦しい時期を過ごしたかと思いますが、見事な戴冠でタイトルホルダーとなって「復活」した、と言えるでしょうね。
もちろん、良いとこだけしか見えなかった勝利で、何もかも諸手を挙げてとはいきませんが、その辺は、今後の成長を期待したいです。




さて、最近は興行丸ごとのライブ配信が増えて、その分、切り貼り無しでアンダーカードが多くの?目に触れる機会も増えたわけですが...G+は以前からそれをやっていたわけですけども、やっぱり色々気になるなあと。

セミに出たタイ人ですが、実況によるとムエタイで二階級を制覇したチャンピオンである、と。
最初、手強い相手なのかな、しかしえらく小さいけど、と思ったら、階級はミニマムとスーパーフライ。
それが58キロ契約の試合に出ているんですから、呆れるしかありません。「何やそれ」でした。



ボクサーそれぞれ、キャリアの段階に応じて、自信を付けさせる、試合数を重ねるための試合が必要ではあるでしょう。
何も全ての試合で強敵と組め、なんて言いません。弱い相手と組む試合があっても良いでしょう。

しかし、階級だけは揃えてくれんと、とは、声を大にして言いたいです。
細かいことを抜きにして、あの体格差は、ぱっと見た「絵」として、失格です。
形式上、前日の計量で、契約した体重を下回っていた者同士とはいえ、その内実はどうか。一目瞭然、としか言えません。


あと、第二試合で小川寛樹に倒されたタイ人もたいがいではありました。
デビュー2戦目から目くじら立てることもない、と言える範囲内...だったかどうかは微妙ですが、仕方ない、という言い方もあるのかもしれませんが。
ただ、やはり、これでB級デビューする意味あんの、新人王戦より弱い相手としか試合出来てへんやん、という思いの方が勝ちますね...。




コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« これがあるべき「挑戦」の姿... | トップ | 4月、第二土曜日に要注目 ... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (アラフォーファン)
2023-01-15 10:58:04
最近の豊嶋くんの充実ぶりからすると佐々木くんには勝つ。ただ前に出てプレスかけるタイプだからそこに佐々木くんの左が入れば…その確率もあるかなあ、くらいは思ってました。豊嶋くんは序盤はジャブとかで徐々に削っていくのが良かった、前に詰めすぎて佐々木くんの左が生きる距離にしたのは裏目だったかもしれませんが、にしても佐々木くん見事でした。
ただこのメインは面白かったですが、他は何ですかね。最近帝拳のダイナミックグローブ、アンダーは噛ませ犬退治が並びがち。つまらないです。コロナ禍で噛ませ犬興行が減り、国内有力者対決が増えたのにまたこんな話…帝拳は衰退している、岩田くん以外世界レベルいないし、ダメですね。
返信する
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2023-01-15 15:30:37
>アラフォーファンさん

勝ち負けはともかく、豊嶋のタイプからして早々に決着する試合にはならんだろう、佐々木は長引いてしんどくなった後に、力が出せるかが問われるのでは、と思っていたんですが、全然違いました。
こうなってしまったら佐々木だなあ、という展開「だけ」で試合が終わりましたね。
アンダーに関しては、防御欠落の激闘とか、凸凹対決とか...まあ、昔の常識なら、会場にいる者以外の目には触れなかったわけで、誰も問題にはしなかった部分なんでしょう...かね?
返信する

コメントを投稿

関東ボクシング」カテゴリの最新記事