そういうことで年末の世界戦ラッシュと並ぶ、ボクシングファンのお楽しみといえば
なんといっても全日本新人王決定戦です。
今年もG+で全試合生中継、ありがたくTV観戦しました。
先週からBoxingRaiseやG+で生中継試合が続いていますが、それはまた後日として、
簡単にこちらから感想を。試合結果や経過はこの記事にも詳しく。
ミニマム級、歴代最多のエントリー数があったそう。
東の芝沼智樹が果敢に出るが、西の竹田宙が下がりながら連打し、正確なヒットでまさる。
芝沼の攻勢を見る採点もあったが、2-1で竹田。妥当なところかと。
G+の実況、この試合に関しては無茶苦茶。右と左の区別もつかず、竹田のヒットは目に入らない模様。
お箸持つのが右で、お茶碗持つのが左やで、と思わずTVの前で独り言が出ました。
ライトフライ級、東のサウスポー亀山大輝がせわしなく手数出す。
長身の西、見村徹弥は左フックから右ストレート当て、亀山ダメージありか。
手数の亀山、正確さで見村という対比で、互いに好打もあったが、見村が上回ったか。
しかし採点は2-1で亀山。僅差はともかく、ひとりフルマークで亀山支持がいました。
ようそんなアホな、としか言いようがありません。後味悪い採点でした。
フライ級、東のサウスポー荒川竜平が、西の湊義生を初回、右フックでダウンさせる。
しかし正確なヒットではなく、引っかけた感じで、ダメージはなし。
2回、湊が再三右ボディストレートを入れ、このパンチが伏線となってか、
3回、湊がフェイント入れた後に打った、上への右ダイレクトが決まり、今度は荒川ダウン。
荒川立ったが、追撃の右で倒れ、キャンバスに頭を打つダウン。即ストップ、タオルも入る。
今年の西軍代表の中でも、注目選手のひとりだった湊、強烈な逆転KOでした。
今後は「ユースタイトルに行きたい。大成ジム...の選手が持っているので」とのこと。
選手の名前をど忘れしたか、名前が出てこなくて焦っていた模様(笑)
頭の古い私などは、世界でも日本でもないのか、と思いますが、まあ、段階踏んで、ということなのでしょうね。
スーパーフライ級、東の、というか北国、北海道畠山ジムのファイター、若木忍が
相打ち気味のタイミングで先手を取るが、西のサウスポー大橋哲朗がインサイドから正確に返す。
カチッとしたフォームを崩さず、最短距離を通るコンパクトな左ストレートを上下に散らし、
サイドステップも冴える大橋が、果敢に出る若木に打ち勝って、クリアな勝利。
非常に筋の良さが見える大橋、パワーがついてきたら楽しみな存在。
バンタム級、東の石川春樹が、左右に動きつつショートパンチで攻める。
西のサウスポー藤川祐誠は左を当て返す。
2回は石川が左アッパー、左フックの連打を決めるが、3回藤川ボディ攻撃。
4回も藤川が強引にボディを攻め、石川止まるが、右ヒットから連打。
競った印象だったが、ボディ攻撃の効果と攻勢で、2-0藤川。
スーパーバンタム級、長身対決。東の三尾谷昂希が、左突いて足を使う。
西、というか北陸カシミジムの英洸貴は右ダイレクトで先制。
見合いとクリンチが多い展開、三尾谷は格好だけ手を出すが当たらず、クリンチばかり。
せめて出した手が当たっていれば、まだ格好もつきそうなものですが。
英が単発ながら徐々にヒットを取っていて、英の勝ちかと思ったがドロー。
優勢点も2-1で割れたが、英の勝者扱い。
これでドローとは、如何なものか...まあ逆やないのが、せめてもの良心でしょうか?
フェザー級は東西MVP対決。共に強打を秘める者同士、スリリングな一戦。
東の峯田光が右で先制も、西のサウスポー竹本雄利が恐れず踏み込み、右フックでダウンを奪う。
左一発で二度目、さらに連打で攻め、ゴングと同時に三度目のダウン。
しかし2回、竹本もう一押し出来ず。峯田が苦しいながらも持ち直し、徐々に回復。
3回、峯田の右で竹本の左目下が腫れる。竹本は右ジャブで探らず、左を当てようとして、
しかし警戒が勝ってしまって、手数が減り、回復の余地を与えたところは反省点。
ボディに散らす攻めも不足。
しかし5回、互いにヒット応酬、竹本右ジャブがここで出て、連打も。
初回の貯金と最終回の攻防もあり、竹本の勝利。強敵相手の勝利は見事。
和歌山のジムから初の全日本新人王、しかもMVP獲得、まさに快挙です。
スーパーフェザー級、東の関島優作がコンパクトなワンツーを決める。
西の太田卓矢は2回、相打ち気味に右を決めるが、関島は右から左フック返しをヒット。
関島のスリーパンチがよく決まるが、太田も奮戦し、激しい攻防。
4回、太田はジャブから細かい連打で出るが、関島の右フックヒット。
5回、なおも太田奮戦、関島はカウンター取れず劣勢、初めて失点。
とはいえ、4回までは全部取っていて、採点は3-0で関島、クリアな勝利。
関島の実力と共に、心身ともにタフな、太田の健闘も光った試合。
ライト級、大柄な東、橘ジョージが、西の石脇麻生を両手で押しながら手数を出す。
押し合い、揉み合いの合間に、橘が巧みに手を出し、ヒットを取っていく展開。
石脇はボディ攻撃やジャブ、右のヒットを取るが、レフェリーのブレイクも遅めで、
どうにもやりにくそう。
体格でやや劣った印象もあり、クリアに打ち勝つ、という展開には持ち込めない。
それでも最終回の右ヒットからの攻勢などもあり、正確なヒットの数で、やや石脇がまさる、
という見方もありかと思ったが、判定は2-1で橘。いずれも48-47という数字でした。
結果は残念でしたが、石脇は良い素質を持っていますし、今後に期待です。
スーパーライト級、メキシコでアマチュア経験ありの34歳、東のサウスポー遠藤健太が、
元ラグビー選手の西、岡田翔真の入り際に左を合わせる好スタート。
岡田は右リードから入るが、右で相手の体勢を崩せず、反撃される。
2回、岡田が入って右から左を返すが、遠藤がそこに左カウンター。岡田ダウン、TKO。
岡田は果敢に攻めたが、遠藤の外して打つ強打がまさった一戦。
ウェルター級、マーク・ブリーランドばり?の長身、痩身、東の辻本純兵が、
4勝オール初回KOの35歳、西の松井敦史を初回早々、右アッパーから右クロスで倒す。
松井は元全日本社会人王者で、アマチュア歴が長いらしく、上体が立ったままで、
懐を取りに行くスタイルではない模様。辻本とのリーチ差を克服出来ず、
右の強打も4回にヒットがあったのみで、ジャブ、ワンツー、ボディブローを浴び続けた。
判定はクリアに辻本。抜群の体格を生かせれば、面白い存在。
ミドル級は、ナイジェリア人とのハーフ、東のワチュク・ナァツと、西の京原和輝が初回から打ち合い。
初回互いに右ヒット。2回、両者揉み合いつつ打ち合い、ヒットはあるが効果は薄い。
3回、京原の右連打、ナァツは左ヒット。京原ぐらつくが反撃。
4回京原やや疲れ。ナァツの左フック決まるが、散発的。
やや低調な内容、判定はドロー、優勢点でナァツが勝者扱いでした。
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ということで、全階級を見渡していえば、フェザー級で一番の注目だった、
峯田光の敗戦が驚きではありました。
西の竹本雄利は、こちらも西軍MVPだったとはいえ、予想はやはり峯田だったと思いますし。
しかし峯田の強打を恐れず、しっかり踏み込んで、鋭い右フックを決めて倒した先制攻撃には、
お見事、脱帽、としか言えません。和歌山から初の新人王獲得に拍手です。
軽量級は西軍が続けて勝ち、クラスが上がるにつれて東が巻き返す、という流れでした。
軽量級においては、本当に有力な新人がエントリーしていないという面もありましょうが...。
ことにアマチュア歴のある有力選手は、出場規定の変更などもあり、昔日の大会とは違い、
出場することがなくなっています。
その昔は川島郭志が決勝で負けたりしていたわけですから、だいぶ様子が違いますね。
まあ、その事実を踏まえたとて、若い、キャリアの浅いボクサーの奮戦ぶりは、
見ていて惹き付けられるものがあるわけ、ですが。
それはそれとして、やはり遠からず、この大会の存在意義は、見直される時期が来るのかもしれませんね。
それでも軽量級には結構良い選手いましたね。真正の大橋君はセンス良くパワー付けはかなり上行きそうだし、湊君は楽しみ。あの長身でわざわざ近づかなくても、とか右ストレートばっかり、とか思ってたら見事に倒しましたからね。右打ちぬけるし、長身なのに近い距離でも強く打てるし、彼MVPかと思いました。
関島君も正確できちんとした技巧の持ち主でしたし(もう完成された感ありますが)、峯田君と竹本君の斬り合いみたいな対決も見応えありました。峯田君がサウスポー初めてで慣れてない内にダウン取って勝ちましたが再戦して欲しいと思う良い試合でした。
後帝拳の二人、ピチッとシチサンの辻本君は足運びがぎこちないながらあのリーチと長身は面白い。ハーンズを意識してる感じでしたか。
遠藤さんもなかなか大人な、ウエルター級の並のランカーより上手い試合運びで良かったです。
ただ今年も残念ながら上の階級は仰る通り低調、またバッティングやレスリング行為、揉み合いに随分甘いジャッジが目に付きました。
ミニマム級であの18歳の竹田君に対して頭やタックルをかなりやってた相手選手は酷かったし、英君の相手もボクシング意外のことばっかりして、真面目にやれ、と思いました。勝った方の竹田君と英君は頑張りましたが。
ミドル級はどっちもどっち、両者減点していいぐらい酷い試合に見えました。去年も書きましたが新人だからと甘い顔するのでなく、新人の内だからこそお客さんの前で試合するならルールを守ることに厳しくしないといけないと思いました。
今月の専門誌にも、アマチュアからの転向選手のインタビュー記事が複数載ってましたが、以前なら高校王者くらいの選手も、普通に新人王戦出てたよなあ、と思うと、読んでて複雑だったりしました。大橋、湊、共に筋が良いですね。総合的にはこれから色々肉付けが必要だとは思いましたが。私も湊がMVPでもアリかと思います。攻め口に工夫が見えて、狙い通りに倒した、という風に見えましたし。
ルール運用に関しては杜撰でしたね。相変わらずというのか。大胆な無茶はしないが、細かいことの積み重ねで、いいように出来る余地を残しているという感じでしたね。
今年からなのかどうか、適当に見ているので不確かですが、レフェリーを関東の人だけでなく、関西や他地域の人がやっていましたね。こういうやり方が地域間の交流を深め、公正な試合運営に繋がる...ものかどうか、またそんなことで良いのかどうか、正直疑問も感じますが、本来こうあるべきなのかも、とも思います。長く見ていく中で、徐々に良い方向性が見えたらいいんですが。