さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

転級初戦/中身が肝心/天罰下る/ダブル指名試合?

2016-05-27 22:24:55 | 話題あれこれ



明日は名古屋で、田中恒成の転級第一戦です。
これは中部で生中継。友人の厚意により、映像を見られると思いますので、
後日また感想などを書くかもしれません。

今日の計量記事を読むと、一階級上げたことにより、体調が改善されたという本人の実感は相当強いようです。
今まで我々が見ていた105ポンドの田中恒成と、これからの彼はどのくらい違うものなのでしょうか。
これまでは、まったくもって彼の真の姿ではなかった、と思えるような闘いぶりが見られるのでしょうか。

転級のメリットとデメリットはそれぞれにあるにせよ、今はメリットの大きさに対する
期待ばかりが膨らんでいます。明日の試合、楽しみです。


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その田中恒成返上のWBO王座は、加納陸と高山勝成の間で争奪されることになりました。

加納陸の試合は、国内デビュー前の、タイでの試合映像を見たことがあるだけで、
それ以降は見る機会がありませんでした。
昨年末の元WBO1位、対戦時は確か9位だったベテラン、ピグミー・ゴーキャットジムに
8回判定勝ちした試合は、知らなかったんですがTV大阪で放送されたようです。
これは見られませんでしたが、今月8日には元WBO王者のメルリト・サビージョに判定勝ち。
これもTV大阪で放送があり、友人の厚意により、今回は見ることが出来ました。


ざっくり印象を書くと、18歳にしてキャリア12戦(国内デビュー前に7戦)というだけあって
よく鍛えられているし、年齢のわりには「けっこうやれている」という感じでした。

序盤は先手を取って左ストレートや、スリーパンチの最後の右フックなどを当てる。
序盤はけっこうジャブが出て、それ故に、後続の攻めが良かった。

しかし若干スロースタート気味だったサビージョがボディから攻め、加納は足が止まりだす。
中盤は強引に攻め込まれ、失点。

終盤、加納は苦しい展開ながら押し負けず、懸命に手を出して対抗。
サビージョが少し失速、逆に加納は足が少し動き、果敢に連打を決める。

フルラウンド放送ではなかったのですが、僅差ながら勝ちかな、という印象でした。
序盤の動きをもっと維持する体力が欲しいとか、全体的にパンチが軽いとか、
立ち位置が悪い故に、打ち終わりを安易に打たれることなど、いろいろ不足も感じますが、
何せまだ18歳、これから試合ごとに伸びていく時期です。

しかし、史上最年少王座獲得の記録を狙うため、なのか。もう次が世界戦なわけですね。
彼の素質や可能性を認めたとしても、今現在の力量でいえば、時期尚早だと思います。
今の加納陸は、過去に高山勝成に敗れた選手たちと同等か、やや下回るくらいのレベルにある、と思います。

序盤、よほどの好スタートを切り、そこに高山の負傷などが加われば話は違ってくるかもしれませんが。
或いは、若い選手ならではの急成長が、次の試合で見られるならば、というところでしょう。


あと、今回の世界戦成立、それ自体についての感想を。

WBOミニマム級のランキング全体が、露骨な日本選手優遇傾向にあり、
今回の高山勝成の2位という位置づけにも疑問がつくものの、加納陸のランキング自体には
それなりにきちんとした根拠があり、そこは疑問の対象ではありません。

何より、元1位のピグミー、そして元王者サビージョと闘って勝ったのですから。
勝ち負け以前に、こういう試合を実際に闘ってさえいない、他の根拠薄弱なランカーと、
実績、結果を残している加納陸を同列に語ってはいけないと思います。

ただ、問題はそれでもまだ、彼のボクサーとしての内実が、世界云々というには不足あり、という点ですね。
高山の現状も考え合わせると、素直に楽しみだといえる試合ではない。
むしろ、試合前にあれこれと余計なことを考えてしまう、そっち側の試合です。

これが日本タイトルとか、或いは無冠戦とかだったら、かえって楽しく見られるのにな、と。
勝手なファンとしては、そんなことをぼんやりと思っていたりもします。


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前回の試合が無茶苦茶で、いざ中立国での再戦となったら、両者計量失格、やっぱり合格、と
もう何から何までやっぱり無茶苦茶だった再戦は、意外と普通に戦われ、終わりました

前回と全然違ったのは、レフェリーがクリンチを分けたことです。

前回はアムナットがクリンチしたら、レフェリーはアムナットの気の済むまで放置してました。
その分、打たれる可能性のある時間の割合が減り、アムナットがそれ以外にも無茶苦茶をして
強打カシメロから逃げ切ったわけですが、今回はそういうわけにいかず。

結果、4回に打たれて試合は終わりました。
最初に倒した左フックは、威力、タイミングとも抜群。アムナットは相当なダメージだったことでしょう。





まあ、あまりこういうことを言うのは良い趣味じゃないですが、天罰覿面って感じもしますね。


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大エース陥落後の、ワタナベジムのふたりの王者、次期防衛戦は8月か

河野公平は、ルイス・コンセプションとの対戦オーダーが出たとか。
とはいえ、すんなりやるかどうかはわかりませんが。会長さんのコメントは、実に味わい深いですね(笑)。

田口良一の方は、ランディ・ペタルコリンがフライ級に行って、変な判定くらって負けたと思ったら
まだランキング1位に名前が残っています。その後がどうなるのかはさっぱり見えてきません。

いずれにせよ、内山の陥落があったから、というのではなく、そろそろご両人とも、
お茶濁しみたいな試合ではなく「ホンマのやつ」を見せてもらわんとね、と思います。
悪いですけどここまでの試合、「世界」というにはあまりに軽く、狭い話ばっかりで、
直近のそれぞれの試合も、正しく「前座」或いは「セミ」「セミセミ」としか思えないものでした。

8月の試合が「ダブル世界戦」という言葉に、少しでも近づくものであるように願いたいものです。
まあ、ないとは思いますが、コンセプションとペタルコリンが同時に来日するなら、
それこそ会場に足を運びますよ、私は。
まあ、そんな物好きがひとりいたところで、実際には何の意味もないんですが...。


コメント (2)
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