今頃専門誌の話なんですが、今月15日発売の両専門誌、井岡vs八重樫戦のプレビューが実に良いです。
ことにボクシング・マガジンの方は、えらく派手に「煽って」ますね。
井岡一翔の、自信を鼓舞するかのような、見下ろし発言と、挫折を乗り越えてきた八重樫の、誇りを感じる言葉を、
大きなスペースを取って紹介し、対比させています。読み応えあり、でした。
あと、全然違う話ですが、ボクシング・ビートの今月号の白眉は、
なんといっても往年のKOアーチスト、王国メキシコの生んだ痩身の豪腕、カルロス・サラテのインタビューでしょう。
よくある通り一遍のものじゃなく、メキシコ在住の日本人トレーナー古川久俊氏による、濃密な内容でした。
本業もおありでしょうから不定期で良いですが、またこの手のインタビュー記事、読みたいですね。
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さて、粟生隆寛について、こんな記事。
次は9月頃、相手はまた1位希望、年末?に内山戦をやって、次はライト級?と。
まあ現実がこんなトントンと行くわけもなく、何せ相手のある話ですからね、と読み飛ばすところですけど、
今の粟生ならこんな話にも期待感が持てるように思います。
相手に合わせ、お付き合いする中でこそ生きるカウンターパンチが主武器なだけに、
相手との相性、噛み合わせ次第で危ないところもありましょうが、
彼くらいの才能がある選手が、この程度のことを目指さないでどうする、という気持ちが勝ってしまいますね。
しかし彼がもしライト級でタイトルを取ったら「亀田興毅に次ぐ日本人二人目の...」って
新聞に書かれたり、TVニュースで読まれたりするんですかね。イヤですねえ、ホントに。
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これまた今頃な話題ですが、17日、土屋修平の連続KO記録がストップしたそうですね。
これは以前から、この手の記録で売り出す選手が出るたびに思ってたことなんですけど、
とりあえず「15」という数字が変な縛りになる前に止まった方が、後々のためには良いのでは、と。
金井晶聡が15戦目で榎洋之に負けた試合なんかが典型ですけど、若手がたまたま倒し続けて、
その数字が15に迫ってくると、マスコミやファンから変な圧力がかかってきます。
「あの浜田剛史の記録を、弱い相手とやって破る気か」みたいな。
しかし考えたら、こんな馬鹿な話もないわけで。
強い対戦相手と闘うだけの内実が、当該のボクサーにあるかないかは、
試合数とは全然関係ないことなのです。
例えば金井に、将来的に榎を破りうる素質があったとして、それを実力として身につけるために
必要な実戦の経験数が「15」なのか「20」なのかを決めるのは、結局は陣営の判断であるべきでしょう。
あの試合で金井が、実力差通りに敗れた後、そういう視点であの試合を語った記事も意見も、
私は寡聞にして知りません。
もし浜田剛史が今井房男を、或いはジョンジョン・パクインを倒していれば、
あと何試合か余計に猶予があったのか、とか考え始めるとますます、意味のない拘りだなと思います。
そもそも浜田剛史が偉大なのは、連続KOの数字がいくつだから、などというのが理由ではありません。
現役時代の浜田について語り出したらまた長いですから、止めておきますが...(^^;)
過去の選手の数字に縛られて、今の若い選手が無理な試合を組まれて敗れたら、
若くして天与の強打を持つ選手が、その素質を開花出来ずに終わることだってあります。
その損失について、もう少しマスコミも我々ファンも、全部浜田右へならえじゃなく、
冷静に考える必要があるのではないでしょうか。
数年前、渡部あきのりがこの記録に迫った頃、あの一家の後ろ盾があったことも加わり、
彼はファンから批判の対象になっていましたが、私は内心、こんな数字は弱い相手を倒し続けて
さっさと塗り替えてくれた方が良い、という気持ちでいました。
結果的には記録に並んだところで止まり、更新はされませんでしたが。
とりあえず、土屋修平の今後に注目です。
良いタイミングを持っているし、強打も魅力である反面、ベストが下のクラスである福原寛人戦の内容を見ても、
まだまだこれから、という段階の選手でしょう。
余計な縛りもなくなったことですし、ブランクの影響も考えて、じっくりとキャリアを重ねてもらいたいものです。
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テレビ番組紹介。27日朝7時45分、NHK(関西のみ)。
ガンボア、というとキューバのあの人を思い浮かべましたが、
そうじゃなくてガンボア小泉ことジョマ・ガンボアです。
まあ、人となりをあれこれ聞くと、大上段に「元世界王者のガンボア氏」という感じではなさそうですが(笑)
しかしKOドラガ興行でカルロス・ムリージョを初回に倒したときの切れ味、破壊力は本当に凄かった...。
どんな番組になるかわかりませんが、あのときの映像、使ってほしいなぁ。