さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

連休中のあれこれ雑感です

2012-05-06 21:22:03 | 話題あれこれ

連休といっても観戦出来る日があれば、雑用に追われる日もあり、
我らが阪神タイガース猛虎二点打線は、文字通り連休に突入してしまってどうにもこうにも...
と、関係ない話はこっちにおいといて、この連休中に内外で行われた試合について
あれやこれやと雑感です。


今日、生中継された二試合。
メイウェザーvsコット戦は、両者の体格がほぼ変わらず、リーチではメイが優るという対比で
コットが自分から出る以外の選択肢を持てなかった時点で、こりゃ苦しいな、と見ました。
メイが鼻血を流してしまったことからわかるように、ロープ際への追い方、深い打ち方に、
コットの研究のあとが見えましたが、それでもメイが試合のあちこちに張り巡らせた
数々のギャップ、トリックを無力化するには至らなかったですね。

ロープを背にして後が無いように見せつつ、まだスウェイする空間を残しておき、相手を誘う。
打ってきた相手が身体を伸ばしてしまった打ち終わりに狙うカウンター。
先に右の踵を上げておいて、身体の捻りを一部省略することで、
速度を上げ、距離を短縮して打つ、相手から見れば実によけにくい右ストレート。
ジャブで相手のガードを絞らせておいて、外から引っかける左右のフック。

あれこれ書き出すとキリが無いくらい、細かい技をちりばめて相手の力を削いでいく
メイウェザーの牙城に、コットが限界に近い集中力を発揮して迫ったことも事実でしょうが、
全体的に見て、やはり及ばずという一戦でした。

リング外であれやこれやあれやこれやとあっても、やはりコット相手に自分の技を
しっかり見せつけて勝つ、さすがにメイウェザーとしか言いようがありませんね。
今後はパッキャオじゃなくてアルバレス戦の可能性もあるんでしょうが、
とりあえず「臭い飯食うて男なってこい」という台詞が先に来るというのも、
どこまでも常識では語れないこのお方ならではですね...(笑)

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セミのアルバレスvsモズリー戦は、前回のパッキャオ戦で評価というより「評判」を
落としてしまったモズリーの名誉挽回が、ある程度までなされた試合だったかな、というところです。
終始、闘志が見えましたし、積極的に闘い続けていました。
もっともこんなレベルで褒めないといけない時点で、話のレベルが落ちてしまっているわけですが。

サウル・アルバレスは、やはり大器ですね。加えて、もう40戦を闘っている経験を持ち、
ラウンド序盤はモズリーに攻めさせては中盤から反撃するという組み立てを毎回繰り返し、
好機にも急き過ぎず、見過ぎず、判断に間違いがほとんどありません。感嘆しました。

もしメイウェザー戦が実現したら、これはメイvsパッキャオとは違う意味で、
非常に興味のある闘いになりそうですね。

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海外での日本人ボクサーの挑戦は、いずれも苦しい結果に終わっています。

昨日の夜、ネットの映像で見たクリス・ジョンvs木村章司戦は、
結果、内容とも厳しい試合に見えました。
私は3R以降を見たのですが、序盤に相当きついヒットでも受けたのか、
終始視線を切ってうつむき加減で、低いダック、クリンチばかりが目に付きました。
最近強豪との対戦が減った王者ジョンへの評価以前に、木村の闘いぶりは、
傍目には残念なものに映りました、という以外に、あまり書くことがありません。

ジョンの現状はいったいどういうものなんでしょうかねー。
結局ミゲル・ガルシアの挑戦は、セレスティーノ・カバジェロが代わりに?受けるようですし、
肩書きはスーパーだか何だか知りませんが、段々邪魔者、のけ者扱いにされつつあるのかも、ですね。
彼の実力、実績はかなりのものだと思うだけに、残念至極ですが。

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1日、ロシアでWBO王座に挑んだ石田順裕の試合は、youtubeにて見ました。

確かに多くのラウンドで失点はしていましたが、ポール・ウィリアムスに続いて、
ディミトリー・ピログのようなミドル級の著名選手と立て続けに闘い、
変な崩れ方もせず堂々と渡り合っている日本人ボクサーの姿は、それだけで一見の価値あり、でしょう。
残念な結果を知っていてなお、石田の姿は感動的に映りました。
終盤はかなり打ち込まれましたが、以前書いたとおり、このクラスの上位選手たちが形成する
「リーグ」の一員としての石田順裕の存在は、ある意味日本にいる他の世界王者たちを凌駕するものです。

もし彼が闘い続けるのなら、タイトル戦とは行かずとも、それに繋がる次元の試合は、
それなりに用意されるのではないでしょうか。
そういう舞台で闘う石田の姿を、もう少し見てみたいなと思います。

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最後に、今頃なんですが、4月30日は堺にてOPBFフェザー級タイトルマッチを観戦してきました。

初回、ジャブで相手に尻餅をつかせるも、直後に左フックで倒される、波乱の初回でしたが、
大沢宏晋は懸命に足を使い、ジャブを突き、荒れた試合を丁寧に組み立て直しました。
挑戦者のコパ・パルエは初回の強打の手応えをもって攻めてきましたが、
大沢は冷静に足を使ってミスを誘い、ボディ打ちを決め、中盤以降に消耗させて、
9Rにボディ攻撃から連打で倒し、ストップ勝ちを収めました。

本人がインタビューで語ったところによると、調整段階で故障に見舞われ、
十分な練習期間が取れなかったという話でした。
それが事実ならなおさら、この日の、悪い立ち上がりの試合をしっかり立て直した勝った
大沢の冷静さ、集中力は立派なものだと、感心させられます。

今後については、さらにレベルの高い相手との試合を見てみないと、というところです。
しかし王座奪取の試合と比べると、ずいぶん自分の良さを出せるようになっているようですし、
松田直樹戦の完勝を経て、順調に伸びていると思います。
見ていて変な癖のない、正統派のボクサーファイターですし、さらなる成長に期待します。


コメント (3)
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