昨夜は住吉区民センターにて観戦してきました。
メインの名城信男再起戦、相手は二十歳のWBO8位、比国フライ級王者レイ・ペレス。
再起戦としては手強い相手と見られていましたが、なるほどなかなかの強敵でした。
まず立ち上がり早々に印象づけられたのが「これでフライ級?」と見えたペレスの体格の大きさ。
名城より明らかに大柄に見え、そして闘い方も足を使って動くのかと思ったら、
意外にも名城と正対して構え、打ってくる。ちょっと想像と違いました。
正直、この辺は相手の名城からすると、危険もあるが自分の力も出しやすい感じ。
右は重そうだし、アッパーを交えて打ってくる怖さがあるので、名城にリスクもあるが、
今日は打ちに出て、打ち勝てればノックアウトもあるかと、序盤には思っていました。
しかし名城は、思いの外、冷静な闘いぶりでした。
名城と言えば固いパンチを「ゴツン!」と打ち込んで相手を止めてさらに攻め込む、
というイメージが強かったのですが、この日はパンチの力感は以前ほどではない代わりに
よりハンドスピードを出し、切れのあるパンチを打とうとしている風に見えました。
そして好打のあとも、追撃を焦らず、ペレスの反撃を丁寧にガードし、
さらに足を使って追撃を外す、というシーンが多く見られました。
ペレスは動きにはスピードを感じませんでしたが、右のクロスやアッパーの
タイミングや角度には鋭さを持っていて、まともにやりあって打たれていたら
名城にもピンチのひとつやふたつ、当然あったはずです。
しかし名城はまず、そういうリスクを回避した上で、より速く正確なヒットを重ね、
防御にも気を遣った、意識の高いボクシングで、難敵をポイントアウトしました。
判定は97-94×2、99-92の3-0で名城。
さうぽん採点も97-94で納得でした。
ここ最近の名城は、強打の手応えを欲しがって相手を追いかけて、
結果、リターンパンチを数多く食って失点し敗れるというパターンで、
世界戦にも連敗しているわけですが、そのあたりを真剣に省みて、
意識の面から闘い方を変えてきているな、という印象でした。
何よりガードで外すだけでもなく、動いて外すだけでもなく、
その両方の配分をうまく出来ていた防御面に、はっきりと改善の見えた試合でした。
先のトマス・ロハス戦での敗戦のあと、けっこう厳しい感想を書きましたが、
この試合をちょっと大袈裟に言えば、新生・名城の第一歩、と言えるかもしれません。
8戦目での世界獲得までのように、単に強いだけでなく柔軟性を兼ね備えた名城が
こと意識づけ、心がけの部分でよみがえってきつつあるというか。
強打や闘志以外の面、巧さ、冷静さを見せてくれた昨夜の試合は、
再起戦としては上々の出来で、今後に期待を持てる内容でした。
昨夜の興行はメインだけでなく全体的に満足度の高いものだったことも附言します。
まず最初に、舞台の上に第1試合からメインまでの全選手が順番にコールされ登場、
名城が代表で観客に御礼と挨拶をしてスタート。
前座試合も、西日本新人王準決勝二試合に、元王者鈴木哲也のまさかの敗戦など、
色んな意味で見所の多い好試合ばかりで、最初から最後までまったく飽きず、楽しめました。
また全試合、全選手の入場に紹介画像、映像、戦績がスクリーンに映されるなど、
ファンへの情報提供が可能な限り考えられていて、非常にありがたかったです。
あと、前座試合の中での白眉は、スーパーフェザー級西日本準決勝で
初回ノックアウト勝ちを飾った六島ジムの西脇一歩でしょうか。
果敢に攻めてくる角谷隆哉(グリーンツダ)のガードの隙間に、右ボディアッパーを打ち込み、
ダウンを奪うと、場内が驚愕するなか、今度は左ボディでダウンを追加、ツーダウンKOで快勝。
デビュー以来4連続ノックアウトで、新人王決勝進出を決めました。
痩身、長身、長いリーチをどう生かすのか、と見ていたら、とにかくあっという間でした。
デビュー二戦目も見たことがあるのですが、その時も開始早々、相手の出鼻を右アッパー(顔面)で
叩いて二度倒し、さっさとKO勝ちだったので、正直、まだ彼のボクシングの全体を見ておらず、
どうこう言うことは出来ないです。
しかし、初回早々からボディ一撃で相手を倒す、パワーだけでなく打ち込むタイミングの鋭さ、
パンチの軌道と打ち抜きの深さなどは、ちょっと普通の選手にはないスケールの才能を感じます。
これで技術面をうまく伸ばせたら、今後、大きな期待をかけていい存在になるかもしれません。
中岸風太の年を最後に、しばらくご無沙汰だった新人王戦観戦ですが、今年は久々に行くかな、と
いう気持ちになってきました。もちろん、この西脇一歩をお目当てに。
メインの名城信男再起戦、相手は二十歳のWBO8位、比国フライ級王者レイ・ペレス。
再起戦としては手強い相手と見られていましたが、なるほどなかなかの強敵でした。
まず立ち上がり早々に印象づけられたのが「これでフライ級?」と見えたペレスの体格の大きさ。
名城より明らかに大柄に見え、そして闘い方も足を使って動くのかと思ったら、
意外にも名城と正対して構え、打ってくる。ちょっと想像と違いました。
正直、この辺は相手の名城からすると、危険もあるが自分の力も出しやすい感じ。
右は重そうだし、アッパーを交えて打ってくる怖さがあるので、名城にリスクもあるが、
今日は打ちに出て、打ち勝てればノックアウトもあるかと、序盤には思っていました。
しかし名城は、思いの外、冷静な闘いぶりでした。
名城と言えば固いパンチを「ゴツン!」と打ち込んで相手を止めてさらに攻め込む、
というイメージが強かったのですが、この日はパンチの力感は以前ほどではない代わりに
よりハンドスピードを出し、切れのあるパンチを打とうとしている風に見えました。
そして好打のあとも、追撃を焦らず、ペレスの反撃を丁寧にガードし、
さらに足を使って追撃を外す、というシーンが多く見られました。
ペレスは動きにはスピードを感じませんでしたが、右のクロスやアッパーの
タイミングや角度には鋭さを持っていて、まともにやりあって打たれていたら
名城にもピンチのひとつやふたつ、当然あったはずです。
しかし名城はまず、そういうリスクを回避した上で、より速く正確なヒットを重ね、
防御にも気を遣った、意識の高いボクシングで、難敵をポイントアウトしました。
判定は97-94×2、99-92の3-0で名城。
さうぽん採点も97-94で納得でした。
ここ最近の名城は、強打の手応えを欲しがって相手を追いかけて、
結果、リターンパンチを数多く食って失点し敗れるというパターンで、
世界戦にも連敗しているわけですが、そのあたりを真剣に省みて、
意識の面から闘い方を変えてきているな、という印象でした。
何よりガードで外すだけでもなく、動いて外すだけでもなく、
その両方の配分をうまく出来ていた防御面に、はっきりと改善の見えた試合でした。
先のトマス・ロハス戦での敗戦のあと、けっこう厳しい感想を書きましたが、
この試合をちょっと大袈裟に言えば、新生・名城の第一歩、と言えるかもしれません。
8戦目での世界獲得までのように、単に強いだけでなく柔軟性を兼ね備えた名城が
こと意識づけ、心がけの部分でよみがえってきつつあるというか。
強打や闘志以外の面、巧さ、冷静さを見せてくれた昨夜の試合は、
再起戦としては上々の出来で、今後に期待を持てる内容でした。
昨夜の興行はメインだけでなく全体的に満足度の高いものだったことも附言します。
まず最初に、舞台の上に第1試合からメインまでの全選手が順番にコールされ登場、
名城が代表で観客に御礼と挨拶をしてスタート。
前座試合も、西日本新人王準決勝二試合に、元王者鈴木哲也のまさかの敗戦など、
色んな意味で見所の多い好試合ばかりで、最初から最後までまったく飽きず、楽しめました。
また全試合、全選手の入場に紹介画像、映像、戦績がスクリーンに映されるなど、
ファンへの情報提供が可能な限り考えられていて、非常にありがたかったです。
あと、前座試合の中での白眉は、スーパーフェザー級西日本準決勝で
初回ノックアウト勝ちを飾った六島ジムの西脇一歩でしょうか。
果敢に攻めてくる角谷隆哉(グリーンツダ)のガードの隙間に、右ボディアッパーを打ち込み、
ダウンを奪うと、場内が驚愕するなか、今度は左ボディでダウンを追加、ツーダウンKOで快勝。
デビュー以来4連続ノックアウトで、新人王決勝進出を決めました。
痩身、長身、長いリーチをどう生かすのか、と見ていたら、とにかくあっという間でした。
デビュー二戦目も見たことがあるのですが、その時も開始早々、相手の出鼻を右アッパー(顔面)で
叩いて二度倒し、さっさとKO勝ちだったので、正直、まだ彼のボクシングの全体を見ておらず、
どうこう言うことは出来ないです。
しかし、初回早々からボディ一撃で相手を倒す、パワーだけでなく打ち込むタイミングの鋭さ、
パンチの軌道と打ち抜きの深さなどは、ちょっと普通の選手にはないスケールの才能を感じます。
これで技術面をうまく伸ばせたら、今後、大きな期待をかけていい存在になるかもしれません。
中岸風太の年を最後に、しばらくご無沙汰だった新人王戦観戦ですが、今年は久々に行くかな、と
いう気持ちになってきました。もちろん、この西脇一歩をお目当てに。