さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

あまりにも鮮やかで

2007-08-08 21:47:23 | 海外ボクシング
米国在住の比国人、ノニト・ドナイレによる
アルメニアの豪腕ビック・ダルシニアン攻略を、
WOWOWで見ました。

ダルシニアンの強打に相対するのに、あえて自らガードを下げ、
その代わりに距離感、立ち位置に徹底的に気を遣い、
常にダルシニアンの正面から、身体の芯をずらして動き、
出鼻に鋭い左フックを当てることで、
ダルシニアンの圧倒的なプレッシャーを少しずつ削っていく。
ダルシニアンがそれを自覚して、負けじと前に来たところに、
相打ちのタイミングで左フック一発のKO。

圧倒的な才能を持ち、その才能にかまけずに緻密な戦略を立て、
強打の王者を恐れずに、リスクを背負って勇敢に闘う。
生半可な選手に出来ることではないと思います。

そりゃ、手を下げれば左フックのカウンターも打ちやすいし、
相手もよく見えるでしょう。
しかし、立ち位置や距離を間違えれば、一発で倒される可能性だってあります。
相手はあのダルシニアンなんですから。

しかしドナイレは一瞬たりとも気を抜かず、ダルシニアンの圧力に負けず、
自らの狙い通りの勝利を納めました。
いやはや、すごいものを見てしまいました。

J-sports ESPNの「SXB」にて、若手時代のドナイレを見て、
「すごい若手がいるんやなぁ。名城信男とどっちが強いかな」と思いましたが、
名城がマルティン・カスティーヨを攻略した以上の大仕事、
その内容もまた、見事としか言いようがありません。

しかし、この凄い才能と、それを十全に生かし切った勝利が
あまりに鮮やかすぎて、こんな試合がコンスタントに出来るものなのかなぁ、
などと、かえって余計な心配をしてしまいます。
そのくらい見事な勝利でした。

ノニト・ドナイレ(今後はドネア、という読み方になるのでしょうか)、
今後の闘いぶりに、大いに注目したいと思います。



コメント (3)
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