角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

2014年角館の桜たち。

2014年04月29日 | 地域の話
咲き具合、天候、気温、三拍子揃った今日の角館です。今朝六時出発で写真撮影に出かけてきました。今日のブログは桜の写真のみでお届けします。

































最後の一枚は内川橋から落合に向かう川の堤防です。桜並木は左側だけに続くのですが、なぜかこの一本だけ右側にあるんですね。ずーっと前から疑問に思っていて、いつか樹木医の桜博士に訊いてみたいと思いながらまだ果たせていません。何か特別な理由がありそうでワクワクしますよ。

桜の見ごろは枝垂れ桜であと二日間、ソメイヨシノで四日間というところでしょうか。5月3日からの四連休が少々気の重いところですが、一人でも多くの方々に角館の桜を愉しんでいただきたいものです。
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ツボ、あれこれ。

2014年04月28日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き[四阡八百円]
さっぱりとした青系でまとめてみました。どちらかと言えば男性向けのように見えますが、案外女性にも人気の配色です。今年の桜まつりでは紺系の24cmがよく売れていて、男女半々くらいのように感じています。「今日の草履」ももしかしたら、女性がご自分用に選ばれるかもしれません。

どこもかしこも満開を迎えた角館です。早い枝垂れ桜は花びらが舞い始めているものの、全体の見ごろはまだまだ続きます。今日の角館はここ二、三日の高気温と比較し、若干寒さを感じました。満開が長引く分、桜見物の人々にも地元民にも好都合じゃないでしょうか。これから数日の間に角館を訪れる方々には、「ツボ」にはまる美しさを堪能していただけますよ。

三重県からツアーでお越しのおじさま。少しお酒が入り上機嫌が分かりました。試し履きしながら、『ははぁ~、足の裏のツボにいいわけやなっ』。早速ご自分用をお買い上げになると、『あっ、うちの女房にも買っていこかっ。なんか買わんとウルサイからな~』。
サイズとお好みの色を訊こうと電話するおじさま。『お前、足は何センチや? あっそうか、24cmやな。それで色は?・・・・・お前はやらしいことを言うな~』。

電話を終えたおじさまは何やら苦笑いをしています。『アンタのお金で買うんやったら、色はなんでもエエて言ってますわ』。
こういうご夫婦の会話が私は一番ツボにはまります。他のお客様もずいぶんいたのですが、遠慮なく大笑いさせていただきました。おじさまが奥様用に選ばれた配色は、艶やかな黄色の和柄にエンジの組み合わせです。ご帰宅のあと角館草履を手にした奥様が、ご主人になんと言うのでしょう。お好みのツボにはまってくださるのを願うのみです。

ドイツ人ご夫婦がお立ち寄りでした。奥様は二十年前に五年間日本で暮らしたとあって、なかなか流暢な日本語を話されます。角館草履を見つけると思いついたように、『イエノナカデ、ゲタヲハキタクテサガシテマシタ。デモゲタデハウルサイカラ、コレナラOKデスネ』。
室内で下駄を履く習慣は日本にありませんから、そこは少しツボが違ったようです。そしてお選びの配色は人気ナンバーワンの定番配色①。そこは日本人とツボが同じでしたね。

お帰り際、『ドノクライデコワレマスカ?』。おおむね二年、『一生は履けませんからね』と言うと、ドイツ語でご主人に伝え二人で大爆笑していました。笑いのツボも少し違うかもしれません。
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それぞれの癒し。

2014年04月27日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
艶やかな和柄を黄色で統一した一品です。雰囲気も優しいですし、黄色は嫌われない色の代表ですから、年代と無関係にお勧めできると思います。やっぱり心優しい女性に履いていただきましょうか。

昨日に引き続き、好天と高気温の角館です。桜見物のメッカ檜木内川堤のソメイヨシノは、私は観ていないもののほぼ満開と聞きました。桜は夜も開花を続けますから、明朝からは角館全体が満開と呼べるでしょう。すでに今日から「桜ざんねん旅」の声は一人としてありません。
今朝はいつもの玉川堤だけでなく、西宮家周辺の桜も撮ってみました。がっこ蔵のおじさんはご愛嬌です。













20日の桜まつり開幕から一週間、桜の開花が進むにつれてお客様の人数も増えています。印象として今日あたりがピーク時の80%くらいじゃないでしょうか。おそらく明後日29日の祝日からピークに入り、五日間ほど続く予想をしています。
今日も再会ありの、初お買い上げありの賑やかな実演席となりました。今年も元気なおばさまたちがとても目立ちます。『母の日に買ってくれるわけがないから自分で買おっ!』の言葉は、毎年必ず聞きますよ。

東京からお越しのおばさま二人旅。リュックサックを背負い軽快な旅姿です。この時季の角館周辺は急なホテル予約はとても無理ですから、案外日帰りの旅が多いんですね。こちらのおばさまも朝早くにご自宅を出発し、今夜にはご帰宅とのことでした。楽しくも疲れは覚悟の上なんですね。

ひとりのおばさまが試し履きをしながら、『まっ、しっかりしてるのね~。これなら死ぬまで履けるんじゃない!?』。
角館草履の耐用年数は平均して二年前後と思います。こちらのおばさまがあと二年やそこらでお迎えがくるとはとても思えません。明確に『無理ですっ』とお答えしました。
お二人それぞれお気に入りの配色をお選びでしたから、今夜遅くでも早速履いてほしいと思います。足の癒しにきっと役立ってくれるでしょう。

桜まつりは角館最大の集客力を誇ります。楽しい実演席はもちろんながら、やはり若干の疲労感は否めません。七時間お客様の前で草履を編んだあとは、自宅での事務作業が待っています。まずはパソコンを開きメールのチェックをすると、一通の「ご注文メール」が届いていました。ご注文の主は2月20日のブログでご紹介した千葉県の青年。文面には、『先日初任給を頂き、母の日のプレゼントとして草履を送りたいと思いメールしました!』。

旅の疲れを癒すのが角館草履なら、それを編む草履職人の疲れを癒してくれるのはこうしたメールなんですね。明日も頑張りますっ!
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ほろ酔いの桜たち。

2014年04月26日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
桜うさぎピンクをベースに、まさに「春」のイメージを編んでみました。綺麗ばかりではなく、ほのぼのとした優しさが感じられますね。「今日の草履」は出来上がりを待って、山口県からお越しのおばさまがお持ち帰りです。

ゴールデンウィークに突入した今日、大安吉日に今季最高気温が花を添えた角館です。桜の開花も予定通り進んでいて、あと三日もあれば角館が桜色に埋め尽くされるでしょう。
今朝の玉川堤桜並木の画像です。全体には咲き始めですが、早い木は綺麗な花びらを見せていました。







ゴールデンウィーク初日から再会ラッシュです。北秋田市のおばさまは三年ぶりでしょうか。21cm草履は在庫が少ないことをご承知で、『2足買ってけばしばらくいいべっ』。今ならフルサイズ揃っていますから、お迎えするこちらも大きな顔ができます。
秋田市の女性は四年ぶりでした。『今は土踏まずが付いてるんですね』と言ってましたから、やはりしばらくぶりというのが分かります。

埼玉県のおばさまは、『私のは送ってもらったんだけど、主人が履きたいって言うのよ』。おばさまと娘さんはすでにご愛用者ですから、これでご主人もお仲間に入れてもらえることになりました。
早い再会だったのは東京のおばさま。昨日試し履きをされそのままお帰りだったのが、『やっぱり気になってまた来ちゃった』。今夜はご帰宅と言いますから、早速旅の疲れを癒してほしいです。

この高気温で「桜ざんねん旅」の声はだいぶ少なくなってきました。ひとりのおじさまが、『あの河川敷でビール飲んだら旨いだろうね』。確かにこの好天の下で満開の河川敷に座れば、飲める人は冷たいビールが欲しくなりますよ。飲めない人でも、満開のソメイヨシノがほろ酔い気分にさせるんじゃないですかね。

お客様とおしゃべりしている様子を見ていたとあるおばさまが、『あなた、なかなかいい顔してたわよ』。また別のおばさまは、『あなたは品のある話をするわね』。
もしかするとおばさまたちは、五分咲きの桜で酔ってしまったのかもしれません。
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楽しみの再会。

2014年04月25日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
こちらもシックな配色で編んでみました。一昨日の「今日の草履」は早々にお選びのお客様がいましたので、組み合わせを変えて近いイメージを再現しました。おそらくこちらもそれほど時間がかからず選ばれていくでしょう。

今朝出勤前に玉川堤防の桜並木を撮影してきました。開花レベルでは「つぼみ」と「咲き始め」の中間でしょうか。早い木で三分咲きもありましたね。今日の日中が20℃を超える好天でしたから、夕方時点でさらに開花が進んでいます。明日はまた22℃の予想ですから、27日の日曜日からお花見らしくなるでしょう。武家屋敷通りの枝垂れ桜は五分咲きまで来ました。







桜まつりの楽しみの一つに、ご愛用者との再会があります。特に県外からお越しのご愛用者とは、この桜まつりとお盆の再会が多いです。散策途中にお立ち寄りくださり、『おっ、やってるね~』と声を掛けていただくのがなんとも嬉しいものです。一昨日は山形県のご愛用者が立ち寄られ、『満開になったらカミさんを連れて来ますよ』。ぜひ寄ってくださいとお応えしました。

『いよ~、久しぶりっ』と入って見えたのは、まだ記憶に新しいおじさまです。厳寒の一月に初めてお会いしたおじさまは、秋田県のご出身で現在鎌倉市にお住まいです。神奈川県の大学を卒業されてそのまま教員として現地就職し、最近定年退職されたと伺いました。一月にお会いしたとき、『教員だったもんだから老後がそれなりに恵まれてて、ときどき秋田に来てお金を使ってるんだよ』と言っていたのを思い出します。ふるさと納税に近い考え方ですね。

明日からゴールデンウィークに入ります。新幹線もホテルも昼食お弁当も、角館はご予約でいっぱいとのこと。その中に角館草履のご愛用者が含まれているかもしれません。桜満開と共に、ご愛用者との再会を楽しみにしている草履職人であります。
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根底は家族愛。

2014年04月24日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
艶やかな和柄を黄色基調でまとめてみました。ところどころに見える金色が気品を感じさせますから、由緒ある家柄の女性にいかがでしょうか。そうですね、伯爵家の妹君「葉山蓮子さん」ならぴったりじゃないですかね。

今朝の「花子とアン」も泣けましたよ。蓮子に「滋養薬」と教えられ酒を飲んでしまった主人公はなは、重大な校則違反で退学も覚悟する事態となります。わが子のしでかした過ちは自らの責任とばかり、父親はブラックバーン校長へ土下座して謝りました。製糸工場で女工として働く妹からは、お姉やんが学校で活躍している姿が自身を支えていると書かれた葉書が届きます。苦悩するはなは…。

「家族愛」は実演席で日常に接しています。自分のことは差し置いて、息子さんや娘さんのために配色選びをするお母さんの姿が今日もありました。外反母趾に苦労している娘のため、毎日硬い靴で仕事に励む息子のため、あるいは日々の家事に感謝して妻のため。ご自分用ではないお買い上げには、そんな家族愛が根底にあるわけです。

桜が咲き始めた角館は、日を追うごとにお客様の数が増えてきました。ゴールデンウィークに先駆けて、明日から本格的な人出になると思います。誰しも仕事に励むのは、ひとつに家族のためです。この超繁忙期を楽しみながら乗り切りたいと考えています。
『おっとう、こぴっと頑張れし~』、家族の声が聞こえるようであります。
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人生と桜のベストペア。

2014年04月23日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
シックでお洒落な配色にしてみました。赤やピンクの可愛い配色が人気なのはその通りながら、こうしたシックな配色に魅力を感じる女性も決して少なくありません。比較的お若い女性に多いのが九年間の経験則ですね。

角館の桜たちが咲き揃うまで、あと一息というところまできました。武家屋敷通りを含む街中の枝垂れ桜は、もう開花宣言を出してもいいくらいと思います。檜木内川堤のソメイヨシノも、つぼみの赤みがだいぶ大きくなってきました。明後日25日から20℃ほどの予想になっていますから、やはりこの週末からちゃんとした桜が観られると思います。

角館の桜が弘前公園と並んで東北の代表と云われるのは、武家屋敷通りの枝垂れ桜と檜木内川堤のソメイヨシノ、この二つの存在が大きな所以と思っています。過去のブログでもお伝えしていますが、枝垂れ桜の162本が国の天然記念物に指定され、ソメイヨシノは国の名勝に指定されています。趣の異なる二つの国指定がほぼ同時に、また歩いて1分で観られる、これが大きいと思うんですね。まさに桜の「ベストペア」じゃないでしょうか。

千葉県からお越しのご夫婦旅。草履実演を先に見つけたのは奥様でしたが、興味津々実演をご覧はむしろご主人でした。健康効果をご理解のうえ試し履きされると、『うん、こりゃあいいや!』。その様子を笑顔で見ていた奥様が、『じゃあ、お祝いに買ってあげるわっ』。
どんなお祝いなのかお訊ねすると、『定年退職を迎えたんです。この旅行もその記念なんですよっ』と奥様。昨日に引き続いての「記念草履」、私も嬉しくて仕方ありませんよ。

ご主人がお好きな配色を選び終えると、『えーと、あたしは23cmでいいわね』と奥様。ご主人の退職記念に奥様も乗っかることになったようです。でも考えてみると当たり前かもしれません。ご主人が無事に定年を迎えられたのは、奥様のご支援あっての賜物でしょう。ご主人の「ごくろうさま」は、同時に奥様の「ごくろうさま」でもあるんですね。終始笑顔のお二人に、人生の「ベストペア」を見る想いでした。

お帰り際にご主人が、『あ~、これでスッキリした!』。それまでつぼみの桜が話題になっていましたから、その欲求不満が少しは解消されたと思いたいです。月末から月初めにかけて満開の桜が角館を埋め尽くします。間もなくそんな欲求不満もなくなるでしょう。桜の「ベストペア」、思う存分楽しんでいただけたら幸いであります。
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新たな効能。

2014年04月22日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き[四阡八百円]
金色を含む和柄がベースなので、同系色の黄色のいらかプリントを組み合わせてみました。ちょっとした気位を感じるくらい厳かに見えますね。サイズを男女どちらにも適う24cmにしました。性別問わずこうした配色を気に入ってくださる方がきっといらっしゃいますよ。

桜まつりが開幕し、県内外から観光のお客様をお待ちしている状態ですが、面白いことに地元のお客様が相次いでいます。三女の勤務先の先輩がお訪ねくださり、『やっぱり土踏まずが付いてれば気持ちいいんシなっ』とご自分用をお買い上げくださいました。
また旧田沢湖町にお住いの女性は、ご自宅の新築完成を待ってお訪ねです。『新しい家で履こうと思って狙ってたんですぅ』。

さらに大仙市大曲のおばあちゃんは、これまで何度か実演をご覧になっていました。『やっぱり今日は思い切って買って行ぐんシ~』と、昨年12月4日のブログでご紹介した「金の草履」をお求めです。どちらかと言えば「ネタ」にしそうな金の草履を、なにほど悩まずお選びでした。極々普通のおばあちゃんですから、少しばかり意外でしたね。
いずれにしてもみなさんが口にされるのは、足裏の心地よさです。これを嫌う人はまずいませんね。

東京からお越しのご夫婦旅。奥様が健康効果をご理解くださり、ご主人へ『買ってくれる?』。奥様が足裏の心地よさをしきりと言葉にするため、ご主人が『俺も履こうかなぁ』。お二人揃ってお好きな配色をお選びです。
財布からお金を取り出しながらご主人がおっしゃるのは、『今日が結婚記念日なんですよっ』。聞けば41回目の結婚記念日が本日とのこと。佳き日のお買い上げに私も大喜びしてしまいました。

常連さんの一人に整体師さんがいます。ずいぶん前にこちらの整体師さんが言うのは、『足の裏が心地いいと、人は精神的にとても落ち着くんですよ』。おそらく足裏に集中すると云われるツボが理由じゃないですかね。
精神的に落ち着くということは、腹が立つ怒りの状態も治まるということになりませんか。だとしたら家内安全・夫婦円満の効果が期待できますよね。

これまで角館草履の効能として、「冷え性」「むくみ」「外反母趾」「偏平足」「首こり」などをご紹介していました。今後はこれに「夫婦円満」を加えることにいたしましょう。
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代わりの何か。

2014年04月21日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き[四阡八百円]
可愛らしい花柄プリントに黄色を組み合わせてみました。春をイメージする色としたら、「ピンク」と「黄」が代表でしょうか。明るく楽しい春の草履に仕上がったと思います。編むほうも楽しかったこちらのベース生地は、この草履をもって最終となりました。

数日ぶりにストーブへ火を入れたと思ったら、とうとう一度も消せない一日となりました。最高気温は12~13℃でしょうか、よくある「花冷え」というやつですね。桜の開花は少し進んで、数輪だった枝垂れ桜の花びらもその数をわずかに増やした気がします。とは言え、散策のお客様からは「桜ざんねん旅」の言葉があとを絶ちません。毎年のことながら、桜に代わる「何か」を見つけて欲しいと願いますよ。

名古屋市からお越しのおばさま二人旅。『あら、裂き織りか何かかしら?』と話しながら実演席に近づいて見えました。目前まで来て草履と分かってくれたようです。展示パネルを眺めて気づかれたのが、『あらっ、土踏まずが付いてるのねっ』。実演席でよくあるシーンなんですね。
土踏まずが付いていると何が良いのか、ご説明が進むにつれお二人のお顔に真剣さが変わってきました。ひとりのおばさまが試し履きをすることもなく、『23cmと24cm、ひとつずつくださいっ!』

おばさまがおっしゃるのは、『主人が足の疲れを言うので、実は竹踏みかなんかをお土産にしようと思ってたんです』。私が指の股にあるのが「首のツボ」をお教えすると、『まっ、私は首こりがヒドいんですよぉ』。するともうおひとりのおばさまも、『そう言えば、ヨガ教室で指の股のマッサージを教えられたわっ』。
過去にもヨガ教室に通われた経験のあるお客様が、同じことを話してくれました。こちらのおばさまも同じ定番配色①をお選びです。

名古屋市からと知りながら『咲いた頃にリベンジしませんか?』と笑うと、『いえ、少しだけだけど桜も観られたし、こちらの草履とも出会えたから満足です~』。
若干のお世辞が含まれると思いながらも、そう言ってくださったおばさま二人に感謝しています。最大の目的は果たせずとも、この角館で「何か」を見つけてくれたおばさまたちでありました。
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二度、三度の角館。

2014年04月20日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
こちらも同柄色違いの組み合わせです。プリント柄が同じでもこれだけ色調が異なれば、互いにメリハリの効く配色になったと思います。女性であれば、年齢もさほど気にせずお選びいただけるんじゃないでしょうか。

いよいよ本日「角館桜まつり2014」が開始されました。午前十一時にのろし花火が打ち上げられ、地元民もそういう気分になってきます。ただし肝心の桜は未だつぼみ状態、最も早い場所の枝垂れ桜が数輪開きだしてはいるものの、全体としてまだまだ「咲いた」とは言えません。
するとお客様とのおしゃべりは「桜ざんねん旅」となります。『もう少し咲いてると思ったんだけどねぇ』の言葉は、今日一日だけでも二桁の人数に及ぶでしょう。

神奈川県からお越しのご夫婦旅。奥様が角館草履の健康効果をご理解くださり、ご自分用と自宅でお留守番の娘さんの分もお買い上げくださいました。きっと喜んでくださると思います。
ご主人が、『何日くらいに見ごろを迎えますかね?』。枝垂れ桜とソメイヨシノで数日の差があることを踏まえ、今月下旬から五月上旬で何らかの桜が観られる予測をお伝えしました。

おしゃべりの最中にふと気づいて訊ねたのは、『もしかしたらリベンジを考えています?』。するとご夫婦がほぼ揃って、『そうなんですよっ』。
「桜ざんねん旅」のあとに「桜リベンジ旅」を決行されるお客様は少なくありません。思い起こせば見ごろがゴールデンウィークを過ぎて迎えた去年、二週間ほどの間に二度お顔を見せてくださったお客様のなんと多かったことか。「つぼみ」から「満開」あるいは「桜吹雪」まで、二度、三度とご覧になった方は相当の人数に上るでしょう。

12日に観劇した劇団わらび座「げんない」は、わが家で長女が一番ツボにはまったようです。役者さんとスタッフさん宛てにメッセージカードを贈り、最低でも三度は観ると言っています。舞台も長期になると、途中でいくつも手直しを図るそうですね。ですから始めのころと中間と、また最後のほうは幾分違って演じられる話を聞きました。それを長女も知っての「三度」なんでしょう。

角館の桜も複数回お訪ねいただく中で、それぞれの情緒をお愉しみいただけるものと確信しています。
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