角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

ひとまず再開します。

2010年06月28日 | 実演日記
24日に緊急手術を受けた叔父は、未だ一進一退の状態が続いています。今後は緊急呼び出しに対応できる体制を作りつつ、明日29日からひとまず公開実演を再開させることにしました。

どうぞ宜しくお願いいたします。
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暫時お休みとなります。

2010年06月25日 | 実演日記
一年前に他界した叔母の一周忌が終わって一週間。気が緩んだわけではないのでしょうが、叔父が緊急手術を受ける事態になりました。25日現在、生死の境をさまよっています。ひとりの人間の命と魂を見届けるべく、今日から暫時公開実演をお休みさせていただくことになりました。

ご理解を賜りたく存じます。
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ものづくりの町角館。

2010年06月22日 | 地域の話








今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕と、25cm土踏まず付き〔四阡五百円〕の二点です。わざわざ二点同時にご紹介するには、いささかワケがあります。間もなく迎える夏に際して、なにか夏らしい配色を編みたいなぁと思っていました。先日届いたばかりの新柄を並べて思いついたのが、「織姫と彦星」です。言われるとそんな気がしてくるものです。角館の似顔絵師marikoさんも、『はは~、言われるとそんな気になりますねっ』。

東京からお越しのご家族旅。お父さんにお母さん、そして20歳代半ばと思しき娘さんです。一年ほど前に訪ねた岩手鶯宿温泉がことのほか気に入り、今年もご家族でいらしたそうです。そのときに角館草履をご家族分お買い上げくださり、『そろそろ買い換えようかと思って…』とお立ち寄りくださいました。

娘さんに「今日の草履」をご紹介すると、『ぷっ』と吹かれてしまいました。『あれっ、そう見えませんか?』と訊いてみると、『いや~、なんか可愛くって…』。
「織姫と彦星」に想えなかったのか、はたまた私にメルヘンチックな言葉が似合わなかったのか。いずれにしても娘さんは、まったく別の配色をお選びでしたね(苦笑)。

週末のみ米蔵に現れる似顔絵師のmarikoさん。席描き実績は未だ若年なれど、なかなかの評判です。そのひとつの理由が「オリジナリティ」なんですね。絵そのものも彼女らしいタッチながら、衣装や小物、背景にいたるまでお客様の希望を叶えてくれるんです。

今日もひとりの女性がmarikoさんを訪ねて見えました。こちらの女性は私もよく知る人です。週末しか現れないことを伝えると、仕事の都合でなかなか来られないとのこと。描いて欲しい写真等は用意されていましたから、私が代わりにご注文を承りました。ついでに付録的なご希望も聞きましたから、marikoさんにはぜひ叶えてあげて欲しいと思っています。

当ブログに久しぶりの登場は、西宮家隣家の「若き人形師」。サラリーマンである彼は、本業の多忙から昨年の人形制作を断念しました。そこで今年は一念発起、真冬の年明けから少しずつ製作にかかっていたんですね。
つい先日人形の首が出来上がったというので、見せてもらいました。今年は昨年の屈辱を晴らすが如くの二体だそうです。





この首の主は誰なのか、それはまた後日顔が入ったところでご紹介しましょ。
草履にしても似顔絵にしても人形にしても、そしてわれらが相棒さんさんサンにしても、角館はものづくりがとても愉しい町だと思うんです。

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苦手意識。

2010年06月21日 | 家族の話


今日の草履は、東京にお住まいの男性からの、お電話によるオーダー草履です。
昨年のお花見シーズン、知人のアメリカ人女性三人へお土産にご利用だったとのこと。そのお三人から、そろそろ新しい草履が欲しいという連絡があったんですね。『紺系と赤系の組み合わせがイイそうですよっ』とのことでしたから、3足それぞれの配色にしてみました。「今日の草履」はそのひとつ、22cmです。
本日の便で出発しました、間もなく着きますよ~。あっ、アメリカへ届くのはもっと後ですかっ。

昨晩は三女の卓球部親の会、郡市総体の慰労会がありました。顧問の先生を囲んでの酒宴は、それは賑やかなものでしたよ。そりゃそうでしょ、なにしろ団体戦完全優勝という戦績を残しての祝宴ですからね。
そして個人戦、わが家の三女は四回戦敗退ながら、その後の敗者復活戦で見事全県大会の切符を手に入れました。四回戦で当った相手が優勝者でしたから、さすがに勝ち目はありませんでしたなぁ。
角館中からは、もうひとり個人戦で全県大会に進出しています。

カミさんからも、親の会の仲間たちからも何度か言われていたのが、三女の球筋の「クセ」なんですね。「ツブ」という、中学生では比較的少ないラケットを使用していることもあって、相手にとっては組み難い存在らしいです。結局三女では勝てない選手が複数いるのですが、そんな強い子たちでさえ三女に苦手意識を持っているようです。

実は私の周囲では、かつて私に対して苦手意識を持っている人がいました。ここ数年はあんまり言われることがなくなりましたが、かつてPTAの現場などではときどき耳にしていました。
その理由として、走り出したら止まらないことにあったと思います。それが慎重派や全員の賛意を取り付けたい人たちにとって、「苦手」と映ったのでしょう。

団体戦の完全優勝を果たした日の晩飯で、三女とこんな会話がありました。

親父 『おめぇ、この辺の卓球選手にずいぶん嫌われでるってが?』
三女 『(軽く笑みを浮かべて)んだよぉ』
親父 『とーさんも結構嫌われでるんだよなぁ』
三女 『(真顔になって)それはちょっと意味違うべっ』

どうやら娘は、私より冷静なようです。

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ここに入ったが運の尽き。

2010年06月19日 | 家族の話


今日の草履は、彩シリーズ26cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
茶色の無地をベースに、合わせは薄茶基調の竜馬プリントです。
私も楽しませてもらった竜馬プリントでしたが、そろそろ生地在庫が尽きそうです。ベースに一足分はありませんでしたから、組み合わせに利用しました。ときにはこういう配色が目立ってイイものです。

大仙市からお越しのおばさまお二方。西宮家には特に目的もなく入って見えた様子です。角館草履の展示パネルをしみじみ眺めておいででしたから、試し履きをお勧めしてみました。実演をご覧いただきながら健康効果などをご説明すると、お二方ともすっかり気に入ってくださり、それぞれにお気に入りの配色をお選びです。
おひとりのおばさまが、もうおひとりのおばさまの娘さんにもプレゼントされるとのことで、合わせて3足のお買い上げとなりました。

その後米蔵の中へと入っていかれたお二方は、何点かのお気に入りをお買い上げのご様子。お帰りに草履コーナーの前でおっしゃるのは、『はぁ~、ここへ入ったのが運の尽きねぇ』。
つまりお買い物が目的ではなく西宮家を訪れたお二方は、予定外の出費をしてしまったという意味なんですね。
ときにこうした言葉が聞かれますが、これは後悔ではありません。それはおばさまの笑顔を見れば、一目瞭然というわけです。

今から二年と少し前、三女が中学生となった春です。小学校時代からスポーツに一定の素質を現していた三女は、中学の部活をなににするか考えていました。姉の双子は共に文化部で、スポーツとは縁がありません。そんな姉たちと同じ部活に入ることも、三女の選択肢にありました。

部活申し込みの期限とされていたゴールデンウィーク明け、三女が自ら決めたのが「卓球部」。私もカミさんもルールさえ知りません。私は中学時代軟式テニス、カミさんはバレーボールでした。私が三女に言ったのは、『おめぇ、ほんとに卓球でイイのがっ』。三女の答えは、『うん、卓球やるべっ』。
三女の目に卓球がどれほどのものに映ったのか分かりませんが、いずれひとりで考えひとりで決めました。

中学ともなると、小学校時代から同じスポーツを通している子が何人もいます。当然同じスタートラインというわけにはいきません。一年生時の球拾いからコツコツ練習を重ね、人間関係にもまれながらの二年間。三女は卓球の腕と共に、その人間性をも成長させました。

今日は郡市総体二日目、団体戦の後半です。今日の結果次第では、場合によって県大会出場が阻まれる可能性がありました。確実に上の大会へ進出するためには、7戦全勝がなにより確実なわけです。
『目指すは完全優勝だどっ』。会場へ応援に行けないオヤジは、朝三女が出かける場面でこう言いました。三女が返した言葉は、『おぅ、わかってるっ』。
15時35分、会場に詰めていたカミさんからのメールはたった一行、『団体、涙の優勝』。
カギを握る最終戦は、三女が務める一番手を皮切りにストレート勝ちだったそうです。ひとりの親が感極まると、詰めていた親の会のみんなが歓喜の涙を流したそうですよ。

『卓球を始めたのが運の尽きだべっ』。中学で初めてラケットを持ち、いくつもの葛藤に耐えていた三女。カミさんとの会話で、一度だけ言ったことがあります。
しかし今日の三女、そしてチームメイトの輝かしい栄冠を聞くとき、それは後悔ではない喜びの言葉に変わりましたね。
帰宅後私を見つけた三女の“ドヤ顔”が、なんとも誇らしく見えました。

さぁて、明日は個人戦の最終日です。

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夢は大きくベスト4。

2010年06月18日 | 家族の話


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
藍色基調の桜花プリントをベースに、合わせはエンジのいらかプリントです。
濃い青に桜プリントというのは、これまであんまりなかったように思います。和の雰囲気が実にイイので、組み合わせも和調にしてみました。やはり日本人には日本人らしさがよく似合います。平生地はこちらです。




梅雨空が続く角館です。昨日営んだ叔母の一周忌法要は、どうにか降雨にさらされず終えました。明けて今日は、曇天のうえに昨日を上回る高温。この蒸し暑さがいかにも梅雨らしいですね。
昨日に引き続き今日をお休みとしたのは、三女の卓球大会を観戦するためでした。三年間のうちに一度も観ないのは、どうしても引っかかるものがあったわけです。

卓球の試合会場というものに初めて入りました。話には聞いていましたが、窓を開けてはいけないんですね。吹く風によって球筋に影響を受けるからなんでしょうが、30℃の蒸し暑さの中ではなかなかたいへんなものでしたよ。それでも角館中の試合が始まると、そんな環境は忘れるものでした。

今日から三日間、郡市総合体育大会が始まっています。卓球初日の今日は団体戦、角館中は4戦を4勝0敗で終えました。明日も団体戦の後半が残されていますが、県大会進出はほぼ手中に収めた感じです。
明日の午後からはいよいよ個人戦。中学校生活最後の大会ですから、持てる力をすべて出し切って終えて欲しいものです。私の観戦は今日一日限り、明日からは実演席で草履を編みながら応援したいと思っています。

サッカーワールドカップでは、日本がカメルーンとの初戦を勝利で飾りました。イイ試合を見せて欲しいとは思っていても、本当に勝ったときは驚きましたね。明日のオランダ戦がますます楽しみになってきました。

日本代表の目標はベスト4、三女の個人戦も夢は大きくベスト4と参りましょうかっ。

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健康のおすそ分け。

2010年06月16日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
ピンク基調の桜&うさぎプリントをベースに、合わせは淡いピンクと金のプリントです。
定番配色⑤の「桜うさぎピンク」とは、また少し違う布地が届きました。淡く優しい配色は、どちらかと言えばお若い女性が好みそうですね。平生地はこちらになります。




昨日はヒドく蒸し暑い一日でした。草履を編んでいるだけでジトっと汗ばみ、帰宅後の夕食時には今期初めてエアコンに働いてもらいました。明けて今日は朝から雨です。おそらく当地も梅雨入りじゃないですかね。
願うのは明日の天気。叔母の一周忌法要が明日なんですが、車椅子の叔父を雨の中連れまわすのは、どうしても避けたいわけです。

先日茨城県桜川市にお住まいのおばさまから、オーダー草履到着のお葉書をいただきました。『お忙しいのにお手数をお掛けいたしました。日ごとに足になじんで、毎日足を入れるのが楽しみです』とあります。蒸し暑いこの時季は足の裏も汗ばみますから、その意味でも角館草履がお役に立てているはずです。

こちらも先日のこと、60歳ほどのおばさまおふたりにその娘さん、そして2歳に近い男の子の四人がお越しでした。『分からなくて探しました~』とおっしゃるので聞いてみると、みなさん岩手県雫石町にお住まいで、盛岡市のご友人から角館草履を教えられたんだそうです。このご友人がおっしゃるのは、「足が楽になるし、首の痛みも和らいだ」ということでした。
ご自身が実体験している健康効果を、同じ症状があるご友人に教えてあげたいというのは理解できます。言うなれば「健康のおすそ分け」でしょうか。

みなさんそれぞれにお気に入りの配色をお選びになり、そしてちょうど米蔵で席描きしていた似顔絵師のmarikoさんに、お母さんと男の子が描いてもらってましたね。角館草履と共に似顔絵もゲットしてお帰りです。
似顔絵師のmarikoさんは、通年の土日祝限定で西宮家米蔵に現れます。ただしイベント等で出かける場合も多いですから、こちらでご確認のうえお越しください。

今日お越しくださったのは、大仙市大曲のおばさま。今月はじめにご友人とお越しになり、そのときはご友人だけがお買い上げでした。その後その履き心地を知らされたおばさまは、『今日は買いに来たんシ~』。
親しい間柄だからこそ、こうした情報は伝えたいのでしょう。そんな「健康のおすそ分け」を聞かせていただくと、なんだか私の腰痛も和らいだ気がしますよ。

車椅子生活になった叔父に対して、「健康のおすそ分け」はなかなか難しいものがあります。一日でも長く自宅で過ごせるよう支援するのが、せめてものおすそ分けでしょうか。

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花嫁衣裳。

2010年06月13日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
昨日新たに届けられた布地の中で、まず一番に編んでみたいと思ったのが「今日の草履」です。赤と金が厳かさと艶やかさを見せ、ときに言われる『もったいなくて履けないねぇ』の言葉は、このような草履に当てはまりそうですね。久々のタイトルは、「花嫁衣裳」でいかがでしょう。平生地はこちらです。




ずいぶんご無沙汰の更新になってしまいました。仕事のほうに特段の忙しさはないのですが、娘たちの活動や身内の事情で余暇時間がなくなっています。そのうえ腰を痛めてしまいました。今日で五日目ですから痛みのピークは過ぎたのですが、湿布薬とコルセットがこの暑さでツラいです。ここのところ、プライベートではどうも良いことがありません。

他方、公開実演は日々ひとつやふたつの嬉しい話題があります。さらに角館あきんど塾の仲間が、最近入籍を済ませました。嬉しいことがひとつあれば、苦しいこともひとつある。まさにこれが人生なんだと思います。
入籍したあきんど塾の仲間は新郎。「今日の草履」の何倍も美しい衣裳を身にまとった花嫁姿を、近い将来その目に焼き付けるのでしょう。

これからの永いふたりの人生、ツラいことさえ喜びに変えて欲しいものです。

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灯台下暗し。

2010年06月06日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
オレンジ基調の洋柄プリントをベースに、合わせは明るいオレンジです。
甘くてすっぱい「柑橘系」を想わせる、明るい草履に仕上がりました。お若い女性がお選びになると思いますが、こういう配色こそ真実は分からないものです。どんな方がお持ち帰りになるのか、私も楽しみにしたいと思います。平生地はこちらです。




好天が続く角館ですが、昨日の雷雨には少々驚きました。土砂降りの雨が屋根を叩く音で、会話ができないほどです。今日は朝から好天が戻っていますが、お客様とのおしゃべりにも昨日の土砂降りが話題になりました。
今日からまた好天続きで、これからは夏日が予想されています。あまり暑いのは好きじゃないのですが、確かに草履が気持ちの良い季節は迎えましたね。

ひとりのおばさまが、何か探し物をしているかのように入って見えました。私の目の前にいた米蔵スタッフを見つけると、『あのぉ、これを探しているんですけどぉ…』。スタッフに見せたひょろ長い印刷物、それはまさに角館草履の中に入れてある帯です。スタッフが『あっ、これですね』と実演席を見ると、おばさまのお顔は驚きからすぐに笑顔に変わりました。
驚いたのは私も一緒です。私の目前で私を探している人を見ているんですからね。

盛岡市にお住まいのおばさまは、ご友人が角館草履のご愛用者なんですね。おばさまが自分も欲しいとなって、角館草履を探すための資料を持たされたそうです。「西宮家」という言葉が伝わっていれば話が早かったのでしょうが、角館草履の資料だけでは知らない地元民も多いでしょう。
ようやく角館草履に辿り着いたおばさまは、2足の草履を大事に抱えお帰りになりました。次回は迷わずいらしてくださいね~。

目の前にあるとは気づかず一生懸命探している。こういうことってよくありますよね。
20歳の頃ですから、もう30年近くも前になりますか。ひとり出張で東京は御徒町駅へ降り立ちました。目的地は上野松坂屋、物産展の仕事だったんですね。地理的情報を得てはいたものの、いざ駅に降りるとイメージが異なります。予測をつけてしばらく歩いたのですが、どうもそうしたデパートはありません。そこで目の前にあった八百屋さんだったか果物屋さんだったかのご主人に訊ねてみると、『ほらっ』と指を指しました。そう、上野松坂屋は私の左手に立っていたわけです。

最近私の身内に二人の病人が出てしまいました。それぞれ入院加療中です。病院を訪ねる回数が多いことで、必然的に日常が変わります。これまでのように6時閉店のあと帰宅して、すぐにパソコンに向かうことが出来なくなりました。ブログ更新が遅くなっているのもそんな事情なんですね。

身近に病人がいることで、日ごろの健康がしみじみ分かるものです。そして何気ない日常こそ幸せというのも分かります。
「灯台下暗し」は、探し物だけでなく人生にも当てはまりますね。

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地味な応援。

2010年06月02日 | 実演日記


今日の草履は、神奈川県厚木市からお越しくださったおばさまのオーダー草履です。
同じ配色の24cm草履を編んでいたところ、『その色がイイわねぇ』と21cm、22cmの2足をご注文でした。ちょっと洋風な明るいおばさまでしたが、こちらの和柄草履もきっとお似合いと思います。届いたらすぐに履いて欲しいですね。

とっても良いお天気が続いています。最高気温は23~25℃ほど、風が心地よく感じられ、湿度が低くカラっとしています。週間予報を見ると、こんな天気がしばらく続くようです。当地にしては案外珍しいと思いますね。散策のお客様もとても気持ち良さそうで、お迎えするこちらとしても天気だけで笑顔になりますよ。

先日メールでご注文いただいたのは、千葉県八千代市のおばさま。三年ほど前からの常連さんです。ご自分用のお買換えと共に、このたびはご友人へのプレゼントとして3足のご注文でした。
ホームページからの注文フォームには、「草履職人へ一言欄」を設けています。みなさんいろんな言葉をお届けくださるのですが、こちらのおばさまからもメッセージが寄せられていました。

『今回の注文で三回目になります。大切に履いているので一年間に一足、三年間履き続けています。今回は、親友二人にプレゼントする予定ですので宜しくお願いします。地味に応援と宣伝しています。今後も良い草履を作り続けてくださいね』。

「地味な応援」、私にはなんとも嬉しく響く言葉でした。

宮崎県からお越しのご家族旅。87歳とおっしゃるおじいちゃんを筆頭に、三世代6~7名の楽しそうな旅です。米蔵ショッピングを愉しむ中、おじいちゃんひとりが実演席に残りました。
宮崎県といえば、豚や牛の口蹄疫が社会問題になっています。『やっぱり地元はタイヘンな騒ぎなんでしょ?』と訊いてみると、少し間を置きゆっくりとお応えです。

『ときどきこういうふうに人間が困ることが起こるでしょう。私はねぇ、人の欲に対する戒めなんじゃないかと思ってるんですよ』。
さらにご自身の人生を振り返るようにおっしゃるのは、『親が子どものためにいつまでも生きるのは、結局子どものためになりませんねぇ。私の親父は早くに死にましたから、それ以来お金はとても大事なものになりましたよ』。

人生経験の長いご老体の言葉は、いつも重く響きます。そしてそうした方々が人を憂う、社会を憂う、国を憂う心というのは「本物」と思うわけです。

とうとう鳩山総理がお辞めになりましたね。「同罪」として小沢さんも辞めるようです。それ自体は時間の問題と思ってましたが、これからどうするかが最大の焦点でしょう。
「たちあがれ日本」が結党されたとき、世間はその「年齢」を嘲笑しました。そのとき石原東京都知事が記者団に言い放った言葉が、しっかりと頭に残っています。
『年寄りを笑うのはイイよ。でもね、君たち若い人たちに分からない危機感を、われわれ年寄りは持っているんだ』。

現代社会が忘れかけている「日本人」を、私は地味に応援しているんです。

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