角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

どうぞ良いお年を!

2007年12月31日 | 製作日記


今日の草履は、彩シリーズMグループ22cm土踏まず付き〔4000円〕
ピンク基調の桜プリントをベースに、クリスマスの赤を合わせた配色Ⅱパターンです。
クリスマス草履に少し残った生地を利用しました。今年最後の「今日の草履」は、春を想わせる可愛らしさでいかがでしょう。クリスマスを使って「春」と言うのもなんですが…。

いよいよ大晦日を迎えましたね、気ぜわしさもここまで来ると「開き直り」に近いものがあります。
昨日から大荒れの予想でしたが、今朝の状態で積雪10cmという感じです。これからさらに30cmくらい降るようですが、これまで大雪がなかった分だけ助かったと言えるでしょう。

この一年を思い起こすに、やはり一気に過ぎたという印象でしょうか。おそらく大部分の方々が、自分の一年をそう思ってるんじゃないですかね。
でもフツーに忙しいのはむしろイイことですよ、ちょうど一年前のように娘の入院なんかで忙しいのはご免です。まずはこの一年、家族全員が健康で過ごせたことに感謝したいものです。

今のわが家で一番か二番の関心は、やっぱり長女と次女の受験ですねぇ。冬休みに入っても、平日は毎日学校へ通っています。学年部の先生たちがエラく気合いが入ってて、日々補習のために3年生全員を“強制登校”させてるんです。ありがたいことですね。
『全員合格すれば自分たちの実績になるがらでねおごっ』などと言っている保護者がいるとかいないとか。一体ナニを考えているんでしょう、そんなことだけでこうも一生懸命になってくれますか。人間まずは「素直」にならないといけませんなっ。

今年は延べ238日間の公開実演でした。おおむね八ヶ月ですね。この間大きく体調を崩すこともなく、私なりによく務め上げたと思います。
大きな無理をせずに一年を過ごすためには、冬場の在庫作りがカギになることを知りました。この学習に沿って、新年は3日から草履作りに励むつもりです。

また来年も一気に過ぎるんでしょうね。娘たちの受験結果にかかわらず、生活がこれまでと違うものになるのは必至です。家族と言えども今やるべきことや目指すものはそれぞれ、互いに励ましながら新たな一年を過ごしたいと思います。
この忙しさを、「素直」にそして「愉快」に迎え入れましょうか。

あらためまして、今年も一年お世話になりました。来年もまた宜しくお願いいたします。みなさま、良いお年をお迎えください!

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若かりし時代の教え。

2007年12月30日 | 製作日記


今日の草履は、彩シリーズMグループ21cm土踏まず付き〔4000円〕
うぐいす色のうさぎプリントをベースに、紫を合わせた配色Ⅱパターンです。穏やかで優しい色合わせですね。
うぐいす色のうさぎプリントも、この草履をもって最後となりました。

これまでたびたび申し上げている「人の縁」、ときに大きなインパクトを持つ人との出逢いがあります。その後の人生に少なからず影響を受ける、「師」とも言える人との出逢いですね。私にも確かに何人か思い当たります。
ひとりは、かつて勤務していた会社の社長です。特に「モノを売る」に関してのすべては、この社長から教えられたと言っていいでしょう。

私がはじめて会ったときの社長の年齢は38歳、私とちょうど20年違いました。30歳で会社を起こし売上も右肩上がり、とにもかくにもバイタリティ溢れる人でしたね。
社業の中心は樺細工の製造卸でしたが、生産性に限りがある樺細工だけでは売上もおのずと限界があります。私たちはこれを補うため、いろんな商材を仕入れては卸していました。
私が自分で仕入れる商材は「無理なく売れるモノ」だけですから、売れ残る心配はありません。ただその程度の種類と量では、売上自体たいしたことはないんですね。そこへいくと社長の仕入れは、種類も量も違います。中には、『これ、誰買ってくれるの?』というものまでありました。

あるときこれをたまりかねた私は、『なんでもかんでも仕入れられだって困る』と社長へ直談判したことがあります。社長はその言葉を待っていたかの如くこう言いました。『どんなモノでも金に替えてこそ一人前の商人だ』。
そしてこうも付け加えました。『人どいうのはな、出来ねぇ理由を喋らせだら雄弁なもんだ』。

頭のてっぺんをハンマーで殴られたかのような衝撃がありましたね。私はそのとき、なんでもかんでも仕入れてくる社長に文句を言うのは、完全に私のほうに「正」があると思い込んでいました。でも真実は違ったんです。

『どんなモノでも金に替える…』という言葉は、すべてのモノから利益を上げろという意味ではないんです。人の仕事ですから間違いはあります。「売れる」と思って仕入れても、結局それは見込み違いということだってフツーにあるわけです。そう判断したら、利益なんか捨てていくらでもいいから金に替えるのが商人という意味なんですね。なんだかんだ理由をつけて倉庫に眠らせておくのは、お金をただ捨てたも同然、それを小売店さんへ利益を捨てて卸すことで、また別の「得」が生まれることを教えられたわけです。

15年間の勤務を経て33歳で退社を考えたとき、まず一番に社長へ相談しました。あとから想いおこすと、現在勤務している会社の社長へこれを相談するってどーよ?とも思いますね。
社長は笑顔でこう言いました。『俺の会社で商いを学んだ人間が、また他の場所で活躍してくれたら、これを喜ばないのはおがしいべっ』。

その社長も現在65歳になります。同じ町にいながら、今では会う機会も減ってしまいました。
少し前のこと、社長へ届け物があって夜に訪ねたら、すでに晩酌していたのかホロ酔い加減で出てきました。『草履のほうはなんただ?』と尋ねられ、『なんとがこれで行ぐことにしたんシ』と答えると、『んだがっ、おめぇが元気で頑張ってるのが一番嬉しいでぇ』。
ホロ酔いも手伝ってか、社長の目にはうっすら浮かぶものがありました。

私はこれまで、「人を雇う」ということをしたことがありません。おそらくこれからもないでしょう。ですから私が若者に商売を教えるということも、きっとないと思います。
ただ、現在付き合いのある若者たち、そして実演で出逢う子どもを含めた若者たちに、たとえ反面教師であってもイイ、ナニかを感じてもらえたら、それが私の『一番嬉しいでぇ』なんだと思うんです。

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とんちんかん。

2007年12月29日 | 家族の話


今日の草履は、彩シリーズMグループ21cm土踏まず付き〔4000円〕
黄色基調の桜プリントをベースに、合わせは紺です。この「紺」、いつも使っている定番の紺より「青」に近いんですが、この生地は町内の草履ファンのお母さんからご提供いただいたものです。保管状態が極めて良かったので、ありがたく使わせていただきました。

「聞いているようで聞いていない」、あるいは「聞いていても答えがとんちんかん」っていうこと、案外日常にありますよね。
新聞を読んでいるときに『今日は何時に出発する?』と尋ねられ、『あぁ、それでイイべぇ』なんて答えたことがありました。
特に三女によく言われます、『父さん、今の話聞いてた?』。

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あるところに平助という若者がおりました。この平助、気は悪くないのですがなにしろ「愛想」というものがありません。
ある日の朝、平助が玄関先の掃き掃除をしているところへ、ご近所のご隠居さんが通りかかります。
『おぅ平助、精が出るなっ。それにしても今朝は冷えるのぉ』。こうした世間話や挨拶にも、平助はほとんど無言です。

この様子を家の中で見ていた平助のお父さん。
『これ平助、どなたからでも言葉を掛けられたなら、うまくそれに答えねばならん。今朝は冷えるのぉと言われたら、そうですね山は雪かも知れませんくらい言えなくてどうする』。
すっかりお父さんに叱られてしまいました。

翌朝も掃き掃除をしていると、またご隠居さんが通りかかります。
『おぅ平助、精が出るなっ。それにしても今朝は昨日と違って暖かいのぉ』。
平助は昨日お父さんに教えられた「山は雪」しか覚えていません。でも暖かくて「山は雪」ではおかしいと思いました。
平助の口からとっさに出た言葉、『そうですね、きっと山は火事でしょう』。

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三女にもこれくらいのユーモアで答えたいもんです。

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「モノ」への感謝。

2007年12月28日 | 製作日記


今日の草履は、彩シリーズMグループ21cm土踏まず付き〔4000円〕
茶色基調の花柄をベースに、合わせは緑のグラデーションです。濃い色合わせながら、お洒落に仕上がりました。やはり中高年のおばさま向きでしょうか。

カミさんの妹夫婦が三人の子どもを連れて遊びに来ています。今年八月に法事で帰省したとき、中学二年の長男に『将来やりたい仕事はあるおご?』と訊いてみたところ、『ん~、設計士かなぁ』。
私も一度は目指した職業、なんとなく嬉しくなったものです。

昨晩みんなで晩御飯を食べながら、『設計士になる夢は変わってねぇが?』と訊いてみると、『ん、んん~、変わったわけじゃないんだけどぉ…』とやや歯切れの悪い返答。すかさずカミさんが甥っこに助け舟を出すが如く、『やりたいことなんかいくつも変わるんだよ、一番知ってるの自分でねおごっ』。
返す言葉もございません、はい。

どちらからお越しの方か聞き漏らしましたが、今年の春だったと思います。中年の女性に、『私には無理、いろんな人がいるわよねぇ』としみじみ言われたことがあります。しばし実演をご覧の後、おしゃべりがはじまったと同時に言われましたから、言葉の真意を図りかねていました。
その後のおしゃべりで分かったのは、「一日座りっぱなしでひたすらものづくりに励む生活」、これが女性には「無理」という意味で、さらに付け加えるならばそんな仕事が「暗い」という印象をお持ちのようでした。

もちろんこれには反論があります。お客様を相手に「口論」はしませんが、お考えに極度な偏りがあるときは、率直に申し上げるのが私流の「親切」です。
まず「ものづくり」という仕事に偏見を持ってはいけませんね。どこかの誰かが作ってくれたモノを使用しあるいは食用し、人は生きています。人が生活するのに、すべて自分の手作りだけで賄うなんていうのは無理も甚だしいでしょう。

職業というものは、人それぞれ適材適所で働くのがなにより幸せです。こちらの女性がものづくりに適さないのは、それはそれでなんの不思議もありません。おそらくそうした環境とは違う世界で生きて来たんでしょうし、これからも生きて行くんでしょう。それでイイわけです。
少なくとも、自分には無理というだけでその道の人間を偏って見るのは誉められませんね。第一私の実演席に半日でもいたら、「暗い」なんて思わなくなりますよ。

『出来上がったモノだげ見だってダメだ。そのモノの中には、いろんな人たちの手が入ってる。そごへ想いが行がねばなっ』。
昨晩じーじがホロ酔い加減で、中学二年の外孫に話して聞かせた言葉です。ひとつのおとなの役目と思いますね。

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寿命に「加減法」。

2007年12月27日 | 製作日記


今日の草履は、彩シリーズMグループ21cm土踏まず付き〔4000円〕
紫基調の花柄プリントをベースに、合わせは青紫のプリントです。合わせの青紫は、この草履で最後となりました。なかなか綺麗な生地でしたね。冬季間のうちに、こうした最後の生地がたくさん登場します。

昨晩のテレビ、「天国からの手紙」。江原さんのこの番組は、わが家全員が集中して見るテレビの代表です。家族全員で泣きながら見るテレビって、「太陽にほえろ」のマカロニ刑事殉職シーンが最初の気がします。もっともそのときと現在では、「家族」の顔ぶれが違いますが。

いつも思うんです、江原さんは素晴らしい能力を持ってますね。亡くなった人が天国から家族を想う気持ちにいつもうたれますし、その人の言葉が今を生きる人間に元気をくれますよね。そしてその説得力がスゴいと思うんですよ。一緒に暮らしている家族に言われてもやらないことが、天国からの言葉だとやらずにいられなくなるんでしょうね。
人の「魂」と言うのか「情」と言うのか、ほんとにスゴい力です。

江原さんやその道の方々は、人生に「偶然」はなくすべて「必然」であると言います。それは「寿命」にも同じことが言えると。
今年は若い人の葬儀に複数回参列してますし、これまでも若い人たちの死を何人も知っています。もう何十年も前ですが、親戚で中学一年の男の子を交通事故で亡くしてもいます。みんな“決まっていた”寿命なんでしょうか。

もし私が神様だったら、人の寿命に「加減法」を用いたいですね。まずこの世に生まれた人間のすべてに100年を与えます。そこから人生を歩む上で、善行にはプラス○日、悪行にはマイナス○日というのはどうでしょう。
電車でお年寄りに席を譲ったらプラス1日、公園の清掃活動に参加したらプラス2日、福祉団体へ100万円も寄付したら、そうですねぇ、プラス一ヶ月もあげましょうか。

逆に、タバコ20本入一箱吸ったらマイナス1日、20㌔以上のスピード違反でマイナス2日、誰かをイジメたらマイナス3日くらいもらいます。重罪の殺人なんかだと、いきなりマイナス50年でしょうかね。
それで最後100歳まで生きられたら、『俺の人生はトントンだったでぇ』ってことになるわけです。
んっ!? だとしたら、今の私はプラスなのかマイナスなのか。きっとタバコでマイナス寄りですなぁ。

布生地の「最後」の話が、人の「最期」の話になってしまいました。バカなことを考えてないで、草履作りの「今」を頑張りましょ。

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中身は同じでも…。

2007年12月26日 | 製作日記


今日の草履は、彩シリーズMグループ22cm土踏まず付き〔4000円〕
藍色基調にカラフルなとんぼプリントをベースに、合わせはエンジです。藍色系の新柄で、いろんな色のとんぼが可愛いですね。
おそらく8足分くらいの量しかないので、それぞれ合わせを替えた色違いにしたいと思います。まず今日は3足編みました。





ベースが同じでもずいぶん違った印象になりますね。これも「角館草履」の特徴と思います。

草履職人となってから、ネクタイを締める機会が極端に減っています。今年は知人の葬儀参列と、先日開かれた中学校PTAの飲み会くらいでしょうか。PTA仲間のひとりから、『おっ、今日はお洒落して来たねがっ!』と言われました。「作務衣がお洒落じゃない」という意味なんでしょうか。

この間の同期生の忘年会でも、会場の女将さんに『手ぬぐいかぶってないとなんか変ね』と言われましたし、用事で出向いた先の女性には『作務衣じゃない服装もあるんですねぇ』。

まぁこれも、世間に草履職人が認知されてきた証しと思ってはいるんですけどね。いつでもどんな格好でいるときも、ベースである中身はいっつも同じです。

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商いを超えた「想い」。

2007年12月25日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズMグループ21cm土踏まず付き〔4000円〕
赤紫のふくろうプリントをベースに、エンジ無地と青の魚プリントを合わせてみました。在庫作りの特徴のひとつが、こうした多色使いです。賑やかなプリント同士を合わせると、バッチワークのような楽しさがありますね。

今日も青空が広がりました。最高気温は3~4℃ですから暖かいとまでは言えませんが、年の瀬が押し詰まったこの時期の晴天は嬉しいですね。雪もほとんどありません。もしかしたら二年続きの暖冬かな…と、淡い期待を抱いてしまいます。

雪が少ない有難さの反面、嬉しくないことがひとつ。それは「ハタハタ」の高値です。漁獲量の少なさで、値段も何年か前の水準に戻ってしまいました。
水産資源確保の観点から、15cm未満のハタハタは獲っていけないそうです。今年の網にかかるハタハタは概して15cm程度で、「獲ってはいけない」から外れるものの、漁師さんたちの判断でこれを海に戻してるんですね。小さくても獲れば収入になるものを、あえてそれをせず海に戻す。「商売」では量れない「想い」が感じられます。

ときにこうした感情を得ることがあります。損得抜きでしてしまう、あるいはしてもらうことですよね。そしてそんなことから「情」を感じ、つながりが深くなったりもします。
損得抜きでしてあげたあとと言うのは、案外気分が良かったりするもんです。

また一年経って大きくなったハタハタ、来年は会いたいですね。

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ノー天気。

2007年12月24日 | 家族の話


今日の草履は、彩シリーズMグループ21cm土踏まず付き〔4000円〕
紫基調の蝶プリントをベースに、合わせは赤のプリントです。冬場の在庫作り作業では、今年使った布地の整理もそのひとつになります。すでに一足分はない材料をどんなふうに利用するか、これがまた面白い配色になるわけですね。

今日は草履作りを一日お休みしました。と言うのは、今日がわが家恒例の「餅つき」だったからです。昔ながらの杵と臼でつく餅つきは、もうだいぶ見なくなりましたね。
一回を2升5合から3升にして、これを二人で12臼つきました。はっきり言って草履を編むよりはるかに疲れます。でもこれを待っている親類縁者を想うと、そりゃあ簡単にはやめられないでしょ。

心配していたのが天気です。毎年「雪」がフツーで、吹雪でもない限り雪ならなんの問題もありません。でも天気予報は「雪」か「雨」、昨晩から気温が高めなのを気にしていたのですが、今朝明け方に目が覚めると、外から聞こえるのは大粒の雨音でした。この天気は明らかに“NO”です。

小雨の中午前6時30分からはじまった餅つき、明るくなるに連れ雨がやみました。そしてその後は、『ほんとに年末がよっ!?』と思わせる気持ちのイイ青空です。上着を捨て、過去に例のない服装での餅つきと相成りました。この天気もある意味“NO”でしょう、当地のクリスマスイヴにこの晴天と気温は。

三女はフルに活躍してくれましたが、受験を控えている長女と次女は勉強を優先しました。それでも外の餅つきが気にもなるんでしょう、二階の窓から屋根に降りて私たちを見下ろしています。
その様子を見ていたカミさんの母親、『スベルがら危ねぞー、落ちるぞーっ』。周囲で見ていた私たちもその言葉になんの違和感もありませんでしたが、受験生に対して使う言葉じゃなかったかも知れませんねぇ。

天気も家族もみんな“ノー天気”の一日でした。餅つきの風景は掲示板へ

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「野球」と「散弾銃」。

2007年12月23日 | 地域の話
知らないうちにカミさんがデジカメを持って行ったため、今日のブログは「今日の草履」なしです。

昨晩は今年最後の忘年会、昭和37年会の同期生たちと飲みました。みんなもう45歳ですから、それぞれその道の中心的立場にいますね。話題もなかなか豊富です。そんな中に「野球」と「散弾銃」がありました。キーワードは「情報公開の功罪」とでも言いましょうか。

まずは「野球」、すでに報道されている大曲工業高校春の甲子園大会21世紀枠の辞退。以前のブログでも触れていますが、大曲工業高校は私の母校でもあります。
昨年に続き二度目の推薦のうえ、今年は県大会の戦績がこれまで以上でしたから、聞くところによれば70~80%の確率で行けるんじゃないかとのことでした。
それが突然の辞退、理由は野球部副部長の“暴力行為”。

“暴力行為”とだけ聞けば『とんでもない教師だっ』ということになるんでしょうが、ことの次第はこうです。
一年生の野球部員が、授業中にケータイをいじっていました。これを見つけた野球部副部長である教師が、学校のマニュアルに沿って取り上げようとしたんですね。腕を掴んだ拍子にそのはずみなんでしょう、生徒の手が窓ガラスにぶつかり軽傷を負いました。
この報告を受けた学校長が、県高野連に辞退を申し入れたというのが経緯です。

県高野連はこれを受理し、直ちに推薦を取り消しました。学校長が辞退を申し入れたんですから、高野連の判断はこれしかないでしょうね。これで大曲工業高校の推薦は二度とないでしょう。あとは実力で勝ち進み、甲子園の切符を掴むしか手がないわけです。

よくありますよね、監督や部員の不祥事で出場を辞退するとか言う話。今回のケースもこれらに当てはまるんでしょうか。母校という身内びいきではなく客観的にこれを見たとき、私には釈然としない気持ちが残るんです。
仮に保護者が“加害者”の教師を訴える的な話ならいざ知らず、父親は監督・選手を前に土下座して謝った話もありました。関係各位の落胆振りは、私では推し測ることさえ困難です。

そして「散弾銃」、もちろん佐世保の事件です。近隣住民の訴えにもかかわらず、銃所持を許していた警察が問われています。当然でしょう。こういう情報はもっとしっかり調べて欲しいもんです。だいたい誰が散弾銃を所持しているのか、それさえ分かりませんからね。

37年会の仲間のひとりに、散弾銃を持ってる人がいます。彼の場合今のところ「不穏」な言動はありませんから、まず心配はないですね。それでもすぐに警察官が調べに来たそうですよ。『おめぇも危ねがら、この機会に返せばイイねがっ』と言うのは、ともだちゆえの口の悪さです。
ただひとつ、この数年彼の頭髪がはっきり少なくなっています。私はこれを、「鴨の怨念」と思ってるんですがね。

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ニコニコ新聞。

2007年12月22日 | 製作日記


今日の草履は、彩シリーズMグループ21cm土踏まず付き〔4000円〕
紺基調のプリントをベースに、合わせはエンジです。当地ではこうした藍色に近い紺があまり売ってないんです。「東京の仕入れ部長」にこのお話をしたところ、いろんな「紺系」を探してくれました。「今日の草履」もその一部ですが、やっぱり「紺にエンジ」は王道という気がします。

今日の角館は青空です。これまで大雪はないにしても、これだけ穏やかな青空は久しぶりですねぇ。こんなイイ天気なのに、双子の娘たちは朝から自室で受験勉強に余念がありません。誉めたい気持ちと可哀想の気持ちが入り混じってます。

さて、96人目の草履職人のご紹介をうっかりしていました。公開実演が終わってからのことです、大仙市神宮寺にお住まいのお母さんからお電話をいただきました。簡単な自己紹介で、すぐにどなたか分かりましたね。11月5日のブログにご登場の、和歌山県からご主人共々ふるさとへ戻られたお母さんです。

あれからご夫婦でいろいろ話し合い、ご主人が『やってみたいっ!』と決意されたそうです。冬場の公開実演はお休みしていることもご理解いただき、春まで家庭学習に励むことで決着しました。ご主人ともお電話でお話しましたが、なんと言いますか、張り切っている気持ちが声にも出てましたね。
ご送金いただいた郵便振替用紙の通信欄に、『今後とも宜しくお願いします』とありました。こちらこそ、どうぞ宜しくお願いいたします!

今朝のラジオ、自然学校を主宰している清水国明さんの番組を聴いていて、心の中で『おっ!』と手を打つ話題に触れました。それは、「イイこと新聞」。
世の中に数多く眠っている「イイこと」、これらを全国に発信する新聞なんですね。いわゆる活字の新聞なのか、ネットを利用した配信なのか、その詳細は分かりませんでしたが、これはかねがね私も考えていたことなんです。

小さな地域ごとに「新聞」と云われるものがよくありますよね。全県規模の新聞ではなく、個人あるいは小さなグループが発行している「ミニコミ紙」と言うんですか、あれのことです。
宴席か世間話程度で何人かに話したことがあるんですが、私がイメージしているのは、その地域の人が人知れず行っている「イイこと」や「感動話」だけを集めた新聞なんです。読んだ人の顔も心も和やかになる、名づけて「ニコニコ新聞」。

本気で探せば結構あると思うんです、この手の話題。「人知れず…」ですからあえて『教えたくない』という人もいるか知れませんが、そういう話題だからこそ読む人を惹きつけると思うんですね。
それと「感動話」、これは案外多いと思いますよ。人の生死にかかわる話で「偶然」では片付けられないエピソードがよくありますし、フツーの人生にだって感動はいくつもあるでしょう。
たとえば前述の和歌山から越していらしたご夫婦、詳しく取材すれば「感動話」と思いますよ。ほかにも県外出身で現在当地に暮らす方々には、少なからず「感動」に値するエピソードがあるんじゃないですかね。

まぁ、私が発行出来るわけじゃないので大きなことは言えませんが、この新聞だったら小さな広告くらいはご協力したいです。
いつかそういうものが世に出ることを期待しましょ。

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