角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

ヘンなとこ。

2011年07月31日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
赤とピンクの組み合わせは可愛らしさが象徴的ですが、ベースは麻の葉プリント、組み合わせには井桁プリントが施されています。先回の「今日の草履」同様、可愛らしさの中にもしっかり「和」があるわけですね。

名古屋市からお越しのおばさまひとり旅。たった今角館駅に降り立ち、西宮家が最初のお立ち寄りとのこと。実演をしばし眺めたあと、『一番大きいサイズは何センチ?』。
30cmが最大であることをお伝えし、『そんなに大きい人なんですか?』と訊ねると、『娘の結婚相手がフランス人なのよ』。

最初は娘さんのご主人へ「日本」を贈りたいと思ったようですが、試し履きして健康効果を理解すると、ご自分用が欲しくなってきたんですね。となれば娘さん用、そしてフランスの姑さん用と続き、結局5足のお買い上げと相成りました。
おばさまもよもや角館の一軒目で、こんな買い物をするとは思わなかったのでしょう。苦笑いしながらの言葉が、『ヘンなとこへ入っちゃったわねぇ』。

さすがに「ヘンなとこ」には私もふきだしてしまいましたが、なかなか面白い言葉と思います。これまでにも同じような意味で、『なんでこんな草履が売ってるかねぇ』や『寄らずに帰れば良かったよ』などを言われたことがあります。
角館草履と限らず、旅でお金を使いすぎたことへの自戒の念なんですね。

でもこうした言葉を話すときのお客様の顔は、総じて笑顔ですよ。これからも「ヘンなとこ」であり続けたいものです。
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話を聞く人、聞かない人。

2011年07月28日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
可愛い配色と言うのはもちろんですが、ベースは井桁プリント、組み合わせにはいらかに遊ぶトンボがプリントされています。可愛いだけではなく、しっかり「和」を表現しているわけです。もっともこうした草履を選ばれる方は、可愛いだけで充分のようですけどね。

ときに訪れるのが、「休まず喋る」お客様です。確かに大阪のおばちゃんに多い印象がありますね。特に団体さんでお越しのときは、まず私の説明などほとんど聞いてくれないものでした。それでもこれだけ観光バスが少なくなると、そんなおばちゃんたちもちょっと懐かしく思い出されます。

休まず喋るのは、関西限定ではもちろんありません。仙北市西木町にお住まいのおばさまは親類のおばさまとふたり、北蔵レストランへお食事に見えました。お帰りに草履コーナーへ立ち寄られると、『このあいだ○○さんのかーさんがこの草履どご買って行って、たいしたイイどってオレさも買えどって言うものなぁ』。

お知り合いに薦められたとは言っても、私からしっかり草履のご説明は必要です。いつものように素材からお話しようとするのですが、おばさまの口が止まりません。無理やり割って入ったところで聞いてくれる保証はありませんから、ひとまずおばさまに思う存分喋ってもらうことにしました。

10分近くも経ったでしょうか。私の説明もそこそこに、おばさまおふたりはそれぞれお気に入りの配色を選ばれ、そのうえお孫さんへのお土産まで手にお持ちでした。
作り手の説明よりもご自身の思いのたけを話すことで、充分購入するだけの満足を得られたのでしょう。とびっきりの笑顔でお帰りになりました。

「人の話を聞かない」ことでは今や日本一ではないかと思うのが、菅総理でしょう。辞任するに充分な満足を得られるのは、いったいいつになることやら…。
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足半(あしなか)草履試作品。

2011年07月27日 | 実演日記




今日の草履は、足半(あしなか)タイプ女性用サイズ土踏まず付き〔試作品につき価格未定〕
まず一見して、これまでの草履と形が異なります。ちょうど踵(かかと)の部分が切り取られた形で、これがかつての日本に確かに存在した「足半(あしなか)草履」なんですね。しばらく前から試作してみたいと練っていたのですが、いよいよ今日第一作を編んでみました。

足半草履の歴史は古く、一説に平安後期から鎌倉初期にはこれに類する履物があったとされています。侍が戦場で履くポピュラーな履物で、織田信長も常に携行するなど身分の区別なく履かれたようです。

ではなぜ踵のない足半が侍の世界に広く浸透したのか。これも一説のご紹介に過ぎないのですが、戦場へ送るワラ草履を編む農夫たちの「手抜き」がはじまりと云われています。手抜きと言ってしまえばちょっと気の毒なんですが、次から次へと編まなければ足りないことから、悪気はなくとも次第にサイズが小さくなることはあったでしょうね。

しかしこの足半タイプが、意外にも戦場の侍たちに大ウケしました。踵を地に着けず走ることから、そのスピードが上がったんだそうです。そして水の中を走るとき、草履にしみこむ水の量が少ないことから、流れに取られないことも幸いでした。そんな利点が評判となり、侍の世界へ瞬く間に広がることになるんですね。

さらに面白いのが、半世紀ほど前までの農村地帯で、この足半草履が当たり前のように利用されていた事実です。これは実演席でもときに話題に上り、かなり年配の方が話して聞かせてくれます。「田んぼのあぜ道を歩いた」とか「川魚を捕まえるときに履いた」とか、それはまさにかつての侍たちが利点としたものの継承なんですね。

近代になって踵のないサンダルなどを、「ダイエット○○」と称して商品化された時代がありました。このブログでもときに登場する、『痩せる草履は売ってないの?』のおばさまは、こうした履物のダイエット効果をおっしゃるのでしょう。

正直申し上げて、はっきり「痩せる」とは謳えません。ただ踵を廊下に着かせないために、ふくらはぎから太ももへそれなりの負荷はかかるでしょう。これがヒップアップ効果に繋がるのは想像に難くありませんね。

未だ試作品のため、サイズや形もこれから研究してみます。そのためにも今日から実演席で、いろんな方々に試し履きしてもらうことにしました。第一号だった名古屋市からお越しの女性は、『フツーの草履よりこっちが欲しいくらいっ』と上々。

これからも「足半お試し」の様子を、随時ブログでご紹介して参りましょー。仕様や価格を確定させて、正式な発売は2012年元日を予定しています。
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人の出会いもバラエティ。

2011年07月25日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ21cm土踏まず付き〔四阡円〕
真夏の「涼」にも最適ながら、こうした青系の草履はバラエティの中に必須です。赤系や紺系に比べると売れ行きこそ落ちるものの、青がお好きな方は必ずいらっしゃいますし、なにより角館草履は配色の豊富さが特徴のひとつというわけです。

ここ数年、曜日による明らかな売上の差はなくなりつつありました。定年後のセカンドライフを愉しんでおられる方々は、むしろ週末を避けて散策に訪れます。なにより県外からの観光バスは、曜日とまったく無関係ですからね。

それが震災以来観光バスが激減すると、また昔の「週末型」に戻った気がします。全体的な人影の少なさは否めないにしても、週末には秋田県内や盛岡市のお客様が加わる分、平日よりは賑やかになるわけです。この週末も、実に様々な方々との出会いがありました。

スラっと細身で上品なおばさまが、角館草履の配色に感心してくださいました。『早くこういう草履が愉しめる生活に戻りたいんですけどね…』。よくよく聞いてみると、おばさまは南相馬市から田沢湖高原のホテルに避難している方でした。

おばさまはご主人と共に、南相馬市でお店を経営していました。店舗を構えるために融資を受けた額面は数千万円。その返済を三年残してこの原発騒動なんですね。『店を再開するにも、お客さんがいるのかどうかさえ分からないですからね』。

話の内容は悲惨そのものなのに、おばさまの表情はなぜか明るいんですよ。『私も商いをしててたいへんな状況っていのは推測できますけど、なんか明るいですよね』と言うと、『あらっ、誰かにも言われたわねぇ。あまり深刻に考えない性格なんでしょうかねっ』。
「なるようになる」と腹をくくった人間の、潔さみたいなものを見た気がしました。

東京からお越しのお若い女性ひとり旅。大学院でデザインを勉強している彼女は、卒業制作に必要な資料をこの旅で見つけているそうです。角館草履にも高い関心を示し、写真を何枚も撮っていました。ご家族分四足をお買い上げくださり、若年層に草履の良さを理解してもらうと、それだけで嬉しくなってしまいますよ。

角館の次は夜行バスで東京へ戻り、そこから岐阜・白川郷へまたバスだそうです。体力が充分な今でなければできない強行軍ですが、白川郷でもきっと面白い出会いが待っているでしょう。

三女の小学生時代に担任として一年間お世話になった先生が、ご主人と男の子を連れ立って遊びに来てくれました。結婚から産休、育休と学校現場を離れていましたが、今年度念願叶って現場復帰を果たしたそうです。日焼けした元気そうなお顔を見ると、教師生活がいかに充実しているかが見て取れましたね。

しばらく前に訪ねてくれたとき、『仕事に復帰してまたお給料もらえるようになったら、きっと草履を買いに来ますからっ』の言葉を思い出しました。ご主人用とご自分用の二足、いそいそと配色選びです。笑顔で何度も『ありがとうございますっ』を言われると、売り手と買い手の立場が分からなくなりましたよ。

おひとりは山形県、もうおひとりは明らかに秋田弁の女性お二人組がお越しでした。山形県の女性が角館草履を気に入ってくださり、配色選びに夢中です。そこへ秋田弁の女性が、『大学で履いてもイイんでねの?』。

私が『大学でナニを教えてるんですか?』と訊いてみると、確かに一瞬答えが詰まりました。すかさず秋田弁の女性が、『おめぇには教えられだぐねぇっていう、栄養学だもの』。
山形県の女性が、かなり体格が良かったためのオチというわけでした。

人影少ない角館とはいえ、バラエティに富んだ楽しい出会いは必ずあるものです。
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仲間意識と町民性。

2011年07月21日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
ベース色が比較的濃いせいか、明るい可愛らしさというより落ち着いた「和」の可愛らしさがありますね。お勧めしたいのは、やはり中高年のおばさまでしょう。
金が美しい、御殿まりプリントのベース生地はこちらです。



ここ数日、北海道からお越しのご夫婦と続けておしゃべりしました。北海道には常連さんが何人かいますし、室内草履に関心を持ってくださる方は、比較的多いと思っています。
あるとき北海道の方へそんなお話をすると、『北海道民は新しいもの好きが多いんですよっ』。この言葉はすとんと腑に落ちたものです。

このときの話を、昨日出会ったご夫婦にしてみました。ご主人曰く、『ほら、北海道って歴史がないでしょ。今その歴史を作る途中に、皆いると思ってるんですよ。だからとりあえずなんでも受け入れて、そこで取捨選択してるんじゃないですかね』。
こちらのご主人の言葉も、すとんと腑に落ちましたね。

もう一組のご夫婦は、奥様がこんな話をしてくれました。『北海道って、まずどんな人も受け入れるわね。広く浅く、大勢と関わっている感じかしら』。
私が、『秋田県のような土地は、歴史が古い分なかなか新しいことが出来ませんね。人間関係にもそういうのがあるんですよ。打ち解けるまでは時間がかかっても、仲間とみなされたらその信頼関係は強固ですよ』と言うと、ご夫婦もそういう雰囲気は推測できるのでしょう、『まぁ、どっちもどっちだね』。

こればかりは、土地柄、土壌、風土、歴史とさまざまな要因があるわけですから、簡単に良いだの悪いだのということはないでしょう。

つい先ほど戻ったのですが、とある会議に出席してきました。旧角館町内にある70数丁内会の会長さんが招集された会議で、主催は仙北市です。わが丁内の会長さんに急用ができて、代理出席を依頼されました。

新しい組織作りの説明会なんですが、「新しい」ことには多少なりとも抵抗感を持つ町民性が、見事に発揮された会議でした。いや、それを批判するのではありません。新たな組織が「仲間」となった暁には、それは強固な一体感が生まれるでしょうね。
もっとも、私の会議出席は二度とありません。
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最後のうちわ。

2011年07月20日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ26cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
定番配色④に使われる「緑の唐草」によく似ているのですが、緑よりも青に近い唐草です。青銅色とでも言いますか、定番にはない在庫限りの布地となります。実はすでに4足ほどが販売済みで、老若無関係にお選びくださる印象があります。

続いた暑さもちょっと一息か、今日の夕方からは肌寒さを感じる風が吹いています。確かにほっとする反面、これだけいきなり下がると気持ち悪さも感じますね。もっともこれで夏が終わったわけはなく、このあとも30℃超えがしばらく続きそうです。

「節電」が叫ばれる今夏、関東以西に暮らす方々の生活はどんなでしょうか。夜間でも30℃なんていう室内でひたすら耐えるわけにはいかなくとも、やはり節電・省エネは避けて通れぬ課題ですからね。
冷房家電は扇風機だけの角館草履実演席で、『私たちも今年はこんな感じですよ』と苦笑いされた東京のおじさまがいました。

先日物置を片付けていて、まさに今年にぴったりというモノを見つけました。50本くらいがダンボール箱に入っていたんですね。




草履職人となる前、ギフト業が生業の半分を占めていた時代です。お得意先へお中元パンフレットを配布する際に同封していたのが、この「うちわ」でした。製作したのは直近で七年前ですから、住所は「仙北郡角館町」になっています。住居表示なんかはどうでも構いませんから、早速実演席でお客様へ差し上げることにしました。

七年前の七月といえば、まさにお中元のピークで走り回っていました。いまでもときどきかつての仕事を思い出し、今の草履職人生活との違いについ笑ってしまうこともあります。
真夏の暑さに汗びっしょりの姿は同じでも、それに向かう心には若干の違いがありますね。

このうちわを配り終えたら、もうかつての仕事にまつわるものは何もないでしょう。それでいいと思います。
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暑い夏。

2011年07月18日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
ベースは比較的賑やかな紺系でも、組み合わせにグレーを使うとたちまち落ち着いた草履になってしまいます。人によっては「地味」と表現するのかも知れませんが、あえて私は「奥深い配色」と言いたいですね。

まずはなでしこジャパンの世界一に、おめでとうを言いたいと思います。今朝は寝過ごしてしまい、目が覚めたのは5時30分に近かったです。あわててテレビをつけると、なんとまだやっているではありませんかっ。

PK戦がはじまる前の円陣の中の監督は、はっきり分かる笑顔でした。選手たちもほんとにこのゲームを愉しんでいるが分かりましたね。プレッシャーも気負いもないのですから、日ごろの練習以上のものが発揮されて不思議はないのかもしれません。
なでしこジャパンのおかげで、今日は朝から気分の良いスタートでしたよ。

気温のほうもガッツリ上がりました。実演席の温度計は、今季二度目の32℃を表示しています。外気との気温差を考えると、今日の角館は35℃ほどでしょうか。散策のみなさんも汗だくで歩いてましたね。

三連休が終わり、JR東日本の「ワンディフリーパス」も終わりました。さすがにいつもよりは賑わった三日間でしたが、昨年以前の「海の日三連休」と比較すると、まだまだ人影は少ないです。今年はおそらく、こんな感じで過ぎていくのでしょう。

暑さはまだまだ続きます。今月下旬には次女が帰省、八月上旬には長女も帰省するとのこと。狭い家にまた五人が集まると思えば、それだけでも暑く感じますね。
夏バテに用心しながら、この暑い夏を乗り切っていきましょう。
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念願を叶えて。

2011年07月17日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
紺とエンジの組み合わせは、角館草履の定番的配色です。私自身が好きなせいもありましょうが、最も「和」が強調されて見える気がするんですね。まして今日の草履は浴衣地を想わせるプリントですから、まさに「日本の夏」じゃないですかね。

「日本の夏」のひとつに、高校野球があります。わが母校である大曲工業高校は、春の全県で優勝を飾りました。今年は県下に絶対的な有力校がいないと言われていて、今夏の大会で第一シードを得た大曲工業高校は、「今年こそ」の気持ちで臨んでいたでしょう。

それが勝負と言うのは分からないものです。昨日の二回戦、大曲工業にすれば初試合で、一点差負けしてしまいました。相手校が明らかに弱いというのではないにしても、少しばかり「よもや」と思った人は多いでしょうね。
結局のところ、「念願」というのはなかなか叶わないものなのでしょう。

今日夕方近くにお越しのおばさま、私の顔を見つけるなり『来ちゃった、来ちゃった』。
確かにここ数日のうちに一度お会いしています。少しおしゃべりしたところで思い出しました。秋田市にお住まいのおばさまは四日ほど前に立ち寄られ、熱心に角館草履の特徴を聞いて行かれたんですね。確かにそのとき、『よしっ、近いうちにお父さんを連れて来よっ』とおっしゃっていました。

その日から毎日ご主人へ『草履買いに行こーっ』を言っていたら、今日の午後になってご主人が『これから行くかっ』。おばさまのなんとも嬉しそうなお顔は、その言葉をどれほど待っていたかが分かるようでしたね。
配色選びも悩みに悩んで、最後はご主人お勧めの一品となりました。『念願が叶ったわっ』のおばさまの言葉は、そのまま私の言葉でもありました。

明朝未明、なでしこジャパンが米国との決勝戦を迎えます。これまで一度も勝ったことのない相手との決勝戦、監督・選手は今どんな気持ちなんでしょうかね。
準決勝は後半だけ観ました。うまく起きられたら、決勝はフルに観たいと思っています。
選手たちに念願を叶えて欲しい気持ちは当然として、震災以来笑顔が減った日本全体の「念願」でもありますからね。
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雨の日に編みましたカード。

2011年07月16日 | 実演日記




今日の草履は、埼玉県所沢市にお住まいの女性からの、メールによるオーダー草履です。数年前ご両親からいただいた秋田土産が角館草履だったとのことで、このたびはお買換えのご注文でした。

ご希望配色には「赤系おまかせ」とあったのですが、メッセージ欄に過去の「今日の草履」で理想的とされる草履が記述されていました。その配色を見てみると、いわゆる真っ赤がお好きなわけではないと判断し、私なりに表現してみたのが「今日の草履」というわけです。
本日の便で出発しました。早速新しい草履を履いてくださいね~。

確かに今日の天気などは明らかに梅雨明けなんですが、たとえば昨日などは湿度が高く気温は比較的低目の、まさに「梅雨空」でした。週間予報を見ても30℃を下回る日が何日かあって、真夏と梅雨が混在したような天気が続きそうです。そうするといつまでも気になるのが、湿度なんですね。

角館草履に使用する素材は、「イ草」と「綿生地」です。このどちらも吸水性に富んでいますから、雨の日など湿度が高いと大気中の水分を吸収してしまいます。これは決して欠点とは言えず、この吸水力のおかげで足裏の汗を吸い取ったり、風呂上りの余分な湯水を吸い取ったりするわけです。

ただし、水分を吸収した状態で出来上がった草履を、OPP袋に入れたまま一定期間放置すると、怖いのがカビの発生です。在庫品の場合は私が気をつけていれば済む問題が、オーダー品ですぐに発送するときは、お客様に対処を委ねることになります。そこで発送の際に同封しているのが、「雨の日に編みましたカード」なんですね。

対処と言ってもなんら難しいものではありません。OPP袋から草履を取り出し、風に当ててくださればそれでまず問題は解決します。つまり、『待ってました~』とばかりにすぐ履いてくだされば、それだけでOKということですね。今までの草履をもう少し履いてから…という具合に、OPP袋のまましまいこむと心配が出てきます。

気温と湿度の関連で梅雨時に多い心配なんですが、真冬を除いて雨の日に編んだ草履を発送する際は、「雨の日に編みましたカード」を同封することにしています。カードに対処法を記載しておりますので、その際はどうぞ宜しくお願いいたします。
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おまかせオーダーの責任。

2011年07月15日 | 製作日記




今日の草履は、新潟市にお住まいの男性からの、メールによるオーダー草履です。こちらのお客様は、先日のブログで「おまかせ三部作」をご紹介した発注主さんで、このたびは山梨県に暮らすご友人へのプレゼントとのことでした。『派手好きな友人なので、ぜひ派手めに…』がこちらになります。
発注主さんも贈られる方も喜んでくださることを祈りながら、明日の便で直送となります。

昨日はこちらのほかに、もうおひとりからメールで「おまかせオーダー」を賜りました。通信販売の場合、定番配色からお選びくださるケースが最も多いです。ただし2足目以降のリピーターさんになりますと、最初にお履きの配色が大きく影響するように思います。1足目が一点ものだと、その後もやはりそういう気持ちになるのでしょう。

もっともこうした傾向は、私にしてみると責任がさらに大きくなります。定番配色はそのまま再現すれば良いわけですが、「おまかせオーダー」の場合は配色センスを試されることに他なりません。以前のブログでも触れたように、子どもの頃から絵は大の苦手。配色がどうのこうのと言う、今の仕事が不思議なくらいですよ。

あとはなんと言っても布地在庫でしょう。お客様のご希望にできる限り沿うとすれば、相当の色種類が在庫に必要となります。どうしてもない場合は第二希望を伺うとしても、そこはやはり限りなく第一希望に沿いたいと思うのが、ものづくりに携わる人間の気持ちですからね。

先のブログでお伝えの通り、「綿100%」の布生地が値上がり傾向です。お客様も作り手も満足できる草履を編み続けるために、配色センス同様いろいろ悩んで参りましょうか。
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