

今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
赤とピンクの組み合わせは可愛らしさが象徴的ですが、ベースは麻の葉プリント、組み合わせには井桁プリントが施されています。先回の「今日の草履」同様、可愛らしさの中にもしっかり「和」があるわけですね。
名古屋市からお越しのおばさまひとり旅。たった今角館駅に降り立ち、西宮家が最初のお立ち寄りとのこと。実演をしばし眺めたあと、『一番大きいサイズは何センチ?』。
30cmが最大であることをお伝えし、『そんなに大きい人なんですか?』と訊ねると、『娘の結婚相手がフランス人なのよ』。
最初は娘さんのご主人へ「日本」を贈りたいと思ったようですが、試し履きして健康効果を理解すると、ご自分用が欲しくなってきたんですね。となれば娘さん用、そしてフランスの姑さん用と続き、結局5足のお買い上げと相成りました。
おばさまもよもや角館の一軒目で、こんな買い物をするとは思わなかったのでしょう。苦笑いしながらの言葉が、『ヘンなとこへ入っちゃったわねぇ』。
さすがに「ヘンなとこ」には私もふきだしてしまいましたが、なかなか面白い言葉と思います。これまでにも同じような意味で、『なんでこんな草履が売ってるかねぇ』や『寄らずに帰れば良かったよ』などを言われたことがあります。
角館草履と限らず、旅でお金を使いすぎたことへの自戒の念なんですね。
でもこうした言葉を話すときのお客様の顔は、総じて笑顔ですよ。これからも「ヘンなとこ」であり続けたいものです。