角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

それぞれの癒し。

2014年04月27日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
艶やかな和柄を黄色で統一した一品です。雰囲気も優しいですし、黄色は嫌われない色の代表ですから、年代と無関係にお勧めできると思います。やっぱり心優しい女性に履いていただきましょうか。

昨日に引き続き、好天と高気温の角館です。桜見物のメッカ檜木内川堤のソメイヨシノは、私は観ていないもののほぼ満開と聞きました。桜は夜も開花を続けますから、明朝からは角館全体が満開と呼べるでしょう。すでに今日から「桜ざんねん旅」の声は一人としてありません。
今朝はいつもの玉川堤だけでなく、西宮家周辺の桜も撮ってみました。がっこ蔵のおじさんはご愛嬌です。













20日の桜まつり開幕から一週間、桜の開花が進むにつれてお客様の人数も増えています。印象として今日あたりがピーク時の80%くらいじゃないでしょうか。おそらく明後日29日の祝日からピークに入り、五日間ほど続く予想をしています。
今日も再会ありの、初お買い上げありの賑やかな実演席となりました。今年も元気なおばさまたちがとても目立ちます。『母の日に買ってくれるわけがないから自分で買おっ!』の言葉は、毎年必ず聞きますよ。

東京からお越しのおばさま二人旅。リュックサックを背負い軽快な旅姿です。この時季の角館周辺は急なホテル予約はとても無理ですから、案外日帰りの旅が多いんですね。こちらのおばさまも朝早くにご自宅を出発し、今夜にはご帰宅とのことでした。楽しくも疲れは覚悟の上なんですね。

ひとりのおばさまが試し履きをしながら、『まっ、しっかりしてるのね~。これなら死ぬまで履けるんじゃない!?』。
角館草履の耐用年数は平均して二年前後と思います。こちらのおばさまがあと二年やそこらでお迎えがくるとはとても思えません。明確に『無理ですっ』とお答えしました。
お二人それぞれお気に入りの配色をお選びでしたから、今夜遅くでも早速履いてほしいと思います。足の癒しにきっと役立ってくれるでしょう。

桜まつりは角館最大の集客力を誇ります。楽しい実演席はもちろんながら、やはり若干の疲労感は否めません。七時間お客様の前で草履を編んだあとは、自宅での事務作業が待っています。まずはパソコンを開きメールのチェックをすると、一通の「ご注文メール」が届いていました。ご注文の主は2月20日のブログでご紹介した千葉県の青年。文面には、『先日初任給を頂き、母の日のプレゼントとして草履を送りたいと思いメールしました!』。

旅の疲れを癒すのが角館草履なら、それを編む草履職人の疲れを癒してくれるのはこうしたメールなんですね。明日も頑張りますっ!
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