角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

一心。

2006年03月31日 | 地域の話
詳細は掲示板へ。
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さぁて、明日から‥。

2006年03月31日 | 製作日記
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ22.0cm〔2300円〕
以前にも掲載したベースですが、今日は赤の帯を三本入れてみました。これもなかなか可愛く仕上がったと思います。
配色スタイルは概ね二通りで、今日の草履のようにベースと鼻緒を同じにして別色で帯を入れるタイプと、ベースと鼻緒を違えるタイプです。ときどき三色使ったり、余り布を利用してそれ以上の色を使ったりします。配色をいろいろ考えるのが、布巻草履の楽しさのひとつと思います。
ときおりお客様で、『ボケ防止にイイ趣味かも‥』のようにおっしゃる方がいます。ホントにボケ防止効果はあると思いますね。ただそのお客様がご高齢の場合は、なかなか「ボケ」という言葉が使いづらくて、『頭の体操になりますヨ』みたいな言い方に変えるようにしています。

明日からの4月実演に備えて、先ほど会場設営を済ませてきました。明日から5日までは、手作り仲間が加わって賑やかになりそうです。詳細はトップページをご覧ください。
併せて、明日から10日まで西宮家周年祭が開催されます。普段はゼッタイ有り得ない割引があるそうですから、これも楽しみのひとつです。
心ばかりの協賛ですが、私もミニ草履を500円で販売します。正月実演の際に「新春特価」としてミニ草履500円をやりましたが、おそらく今後も正月と周年祭の年二回だけのつもりです。

草履実演は明日からほぼ二ヶ月間休みナシの予定です。角館に最もお客様がお越しになる季節、いくらかでも想い出作りのお役に立てれば、これに勝る幸せはありません。

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秋田言葉講座その14『がりっこかんで‥』

「気合いを入れて‥」という意味です。由来は定かでありませんが、奥歯を強く噛んで力むさまを連想させます。近年はこれを略しているんでしょうか、『がりっと、がりっと』という言葉で対象を励ます場面に使います。

それこそ明日から、私自身が「がりっと」頑張ります!

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土地に根差した‥。

2006年03月30日 | 実演日記
今日は「縞木綿」の写真です。明後日からの4月実演のために、新たな生地を調達しました。木綿の反物を見ると、創作意欲がどんどん溢れてきます。三年前まではまったく有り得なかった感情です。

この「縞木綿」、トップページの「縞木綿コーナー」でもご紹介していますが、栃木県は足利市の機織屋さんが作っているものです。ときどき実演で言われるのが、『秋田県にも素敵な木綿があるのね~』のような言葉です。もちろん嘘は言えませんから、正直に足利産であることをお伝えします。
秋田県に根差した布地と言えば、由利本荘市に「黄八丈」という木綿がありました。現在は生産されているのかも分かりませんが、おそらくほかにはそんなにないと思います。

『稲庭うどんって、一体どこの名産なの?』

つい先日、関西から一人旅を楽しんでおられる50歳代半ばと思しき男性に尋ねられました。角館を散策していて「稲庭うどん」の看板が目に付く割に、確か産地は別だったという記憶があったそうです。
確かに、稲庭うどんは角館のものではありません。現在は合併により湯沢市に編入されましたが、旧稲川町、その中でも「稲庭」地区が発祥の地です。稲川町も、かつては稲庭地区と川連(かわつら)地区が合併してできた町でした。
川連地区もなかなかの名産をお持ちです。「川連漆器」「川連仏壇」などは、結構有名じゃないですかね。それに「三梨牛」に「稲庭うどん」ですから、旧稲川町は名産・特産の宝庫と言えますね。

その「稲庭うどん」が全国的に有名になって、県内はもとより全国の主要都市でも食べられるようになりました。もちろん全国からお客様がお越しになる角館でも、この看板が多いのは納得できます。

元来はその土地に根差したものではなくとも、いつしか溶け込んで愛されていく。「布巻草履」もそんなイメージを理想にしています。

その男性から、『比内鶏はどこ?』『じゃあ、きりたんぽは?』と、どうしても角館じゃないものばかりの名前が挙がります。角館に来たんだから角館に根差したものを買って帰りたいとおっしゃるので、「角館納豆」をご紹介しました。
この「角館納豆」は、黒澤明監督が愛した納豆としても有名です。黒澤監督のお父上が角館のお隣り旧中仙町のご出身で、子どもの頃からこの納豆で育ったそうです。
関西の方に納豆はどうかな~‥とも思いましたが、ことのほかこの情報を喜んでくれました。

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秋田言葉講座その13『ほえど』

「むさぼり喰う」「卑しく喰う」さま、あるいはそうした人間をこう表現します。
今の時代、実際にこの言葉が使われる場面では、その人を軽蔑するような空気はありませんね。むしろ美味しいものをひたすら無心に食べているさまを、親しみを込めて言う場合が多いように感じます。
結局、飽食の時代が言葉のシーンさえも変えたのでしょう。

関西の男性も「角館納豆」を炊きたてごはんに乗っけて、「ほえど」みたいに食べてくれると嬉しいんですが‥。

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春までもうちょっと‥。

2006年03月29日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ23.0cm〔2300円〕
ピンク基調に赤い小さな花がプリントされた綿生地がベースです。今日は鼻緒を真っ赤にしました。春らしいとても可愛い草履になりました。タイトルは「春の訪れ」。

しかししかしです。今日は朝から吹雪模様、これが明日まで続くそうです。さすがに積もる雪じゃありませんが、気持ちがすでに春に向かってる分、足止めをくらったようで気分はよくありませんナ。

資生堂と角館観光協会のタイアップで出来上がった「角館オードパルファム」。4月6日、町内の観光協会加盟店で一斉発売されます。
『どこで買えますか?』という問い合わせが相次いでいる話を聞きましたが、まず角館に入ればどこでもお買い上げできる感じです。お土産屋さんのようなお店を見つけたら、だいたいそのほとんどの店頭にあると思ってください。

わざわざそのために角館に来られないとおっしゃる方には、観光協会が通販先行予約を開始しています。限定1000本ということですから、ご注文はお早めがよろしいかと思います。
観光協会のサイトを手がけた友人によると、なかなか好調な滑り出しとのことでした。

現在の角館は、観光本番に向けて着々と準備が進んでるといった感じです。今日の天気を見る限りでは、まだ少し先という気がしますが‥。

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秋田言葉講座その12『ちらましねー』

この語源や由来はまったく予想できません。とにかくひどく嫌う、あるいは気分を害したときに用います。主に人の言動に対してでしょうか、たとえば酒癖の悪い人に出くわしたときなど、顔をしかめてこの言葉を使います。

お借りしている倉庫を近々取り壊すとのことで、今日荷物を引き揚げに行って来ました。鍵を外し戸を開けると、中からいきなり突風です。えっ、なんで倉庫の中から突風?
目を凝らして見ると、すべての窓ガラスが割れて散乱してました。川沿いに建っている倉庫なので、おそらく突風にあおられたか何かが飛んできたのでしょう。その状況に、おもわず口から出ました。

『なにこれっ、ちらましねー!』。あっ、人以外にも使いますね。

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金のなる木。

2006年03月28日 | 実演日記
今日は草履の写真ではなく、実演場所の前に置かれてある「金のなる木」をご紹介します。
今年も可憐な花を咲かせました。「がっこ蔵」のご主人の所有物なんですが、冬場はイベントホールに置かれ、春になるとレストラン前の外に置かれます。
花を咲かせるのがなかなか難しいらしく、お越しのお客様は口々に『あら~、良く咲いてる!』とおっしゃいます。

確かに金のなる木の花をマジマジと見たのは、私も西宮家がはじめてかも知れません。
これだけ見事に毎年花をつけるんですから、がっこ蔵のご主人はさぞ貯めたろうと思いましたが、これについては明確な返答はいただけませんでした。

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秋田言葉講座その11『じぇんこ』

「銭っこ」が訛って「じぇんこ」です。「お金」そのもののことですね。

■使用例■

『ウヂの金のなる木ドゴ、去年枯らせでしまったもの~、あれがらだ、じぇんこねぐなったの』。

先日お越しになったおばさまが、この金のなる木を見て呟いた言葉です。
返答に窮しました。

ついでに「がっこ蔵」が登場しましたので、「がっこ」についてもご説明しておきます。
これは「雅香(がこう)」が訛って「がっこ」です。「雅香」は京都の言葉で「漬物」を指すそうです。秋田で「がっこ」と言えば「いぶりがっこ」が有名ですが、浅漬けでも味噌漬けでもすべて「がっこ」と呼びます。

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試し履き。

2006年03月27日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズLサイズ26.0cm
試し履き用を一昨日新調しました。これまでは片足を置いて感触だけでしたが、これからは周囲を歩いていただくことにします。これで感触ばかりでなく、実際の歩く感じまでご納得いただけるはずです。
もっと早くこうすれば良かったのに、こういう単純なことがなかなか思い浮かばないもんです。

えっ?指付きソックスの人ばかりじゃないだろう?

大丈夫です。履いてみたいお客様は、指の付根の靴下を押し込んでまで履いてくれます。中にはそのために靴下をお脱ぎになる方までいらっしゃいます。
まだたった二日間なのに、すでに10人以上がお試しになりました。夏ごろにはまた新しくしないといけませんね。

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秋田言葉講座その10『どでした』

「動転した」が訛って「どでした」です。「驚いた」の意に使います。

■使用例■

『おんやぁ~、ガヂっとかでね、これだばどでしたっ!』(カチっと堅いんですね、これは驚いた)

町内のおばあちゃんが、試し履き草履に足を入れたときの言葉です。

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3月実演無事終了。

2006年03月26日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズLサイズ25.0cm〔2800円〕
秋田おばこ調のベースに紺の鼻緒、そして中心に辛子色を入れてみました。
作りながら、私もどんな草履になるんだろうと思いましたが、案の定“変わった草履”になりました。
しかし、こういう奇抜な草履ほどお買い上げが早いものです。タイトルを考える間もなく、秋田市からお越しのご家族の元へ引き取られて行きました。草履は少し変わってますが、ご家族は普通の幸せそうな皆様でした。

今日で無事に3月実演が終わりました。3月の実演は初めてなので前年比のような資料はありませんが、桜には未だ程遠い時期の割には、たくさんのお客様にお越しいただいたと思います。やはり遠方からの観光のお客様というより、比較的近場の「散歩」に近いお客様が多かったです。

実演をはじめて一年半、その間延べ150日余りですが、ここのところ二足目のお客様がとても多くなりました。「一時の衝動買いからご愛用者に発展して行く」、商売をしている人間はみんな思っていることですが、これはとても嬉しいことなんです。
職人初級者としましては、この状況に甘えることなく、これからも精進して参ります。

4月と5月の実演計画をトップページにアップしました。過去に経験したことのない、58日間連続実演に挑戦したいと思います。43歳を迎え元々体力に自信はないのですが、米蔵スタッフに言われました。
『もちろん在庫は大丈夫なんでしょうね~』。
体力に自信がないということは、在庫にも自信がないということです、はい。

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秋田言葉講座その9『だぢんこ』

「駄賃」が訛って、おしまいに「こ」が付いたものです。名詞の語尾に「こ」を付けるのは秋田言葉の典型ですが、中でも昨今耳にしなくなった「だぢんこ」を取り上げてみました。かつては主に子どもに対して用いた言葉です。

■使用例■

『留守番のだぢんこだんシなっ!』

秋田県潟上市からお越しの女性お三方。お母さんに娘さんとお見受けしました。
お母さんが、『留守番しているお父さんにも買ってってあげよう』。
とっさに言った私の言葉です。
もちろん、『あら~懐かしい言葉!』と喜んでいただきました。


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母のふるさと。

2006年03月25日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズLサイズ26.0cm〔2800円〕
水色基調の着物がベースです。鼻緒を紺にして、真中にグレーの着物で帯を入れてみました。久しぶりの三色使いです。
タイトルは「丸木橋」。そう思って見てください。

横浜からお越しのお客様。お母さんと二人の娘さんの三人旅です。お母さんが秋田市のご出身で、娘さんの春休みを利用して、お里帰り&秋田の旅とのことでした。
受験に合格して4月から中学生になるという上の娘さんが、過去に小学校で「布草履作り」を体験したとのこと。私の実演にも興味津々です。4月から4年生に進級する妹さんと二人、真剣な眼差しで見ていました。
ふとお母さんを見ると、こちらはビデオカメラを片手にさらに真剣です。写真であれば一瞬なんですが、ビデオとなるといつまで続くのかこちらでは分かりません。まして声まで入る訳ですから、あまりバカなことも言えない緊張感がありました。

この旅行が終わると中学生。この旅で受験勉強の疲れが癒えたとしても、本当の勉強はこれからですからね。また疲れたら、お母さんのふるさとを訪ねてください。
帰り際、二人の娘さんに『また遊びに来てね』と言うと、ニコっと笑いながら首を縦に振りました。

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秋田言葉講座その8『なでかで』

「なんでもかんでも」が訛って「なでかで」です。「なんでもかんでも」→「なにがあっても」から、「必ず」という意味に使います。

■使用例■

『まだなでかで来てけれや~』(また必ず来てくださいね)

今日の娘さんたちに言いたかった言葉です。
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トイレのふた。

2006年03月25日 | 家族の話
『トイレのふたを閉めてください』

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色柄と年齢。

2006年03月24日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ23.0cm〔2300円〕
この草履は、岡山市にお住まいの方からの電話注文でお作りしました。昨年角館を旅行されたとき実演販売でお買い上げいただき、そろそろ二足目が欲しいというお電話でした。
鼻緒は赤系とご指定されたのですが、ベースは「女性らしい色」とだけおっしゃられてお任せいただきました。ご期待に添えれば嬉しいのですが。

通信販売の場合、私のほうから「年齢」をお尋ねすることはしません。と言うより、知らないほうが良いからです。お好みの色柄というのは、特に女性の場合年齢と関係しないようです。これは、これまでの実演で十分培われました。

秋田市から一人でブラっと遊びに見えた奥様。50歳代後半とお見受けしました。
縞木綿の草履を気に入ってくださり、3足ほど候補を絞って品定めをしています。どうしてもご自身でお決めになることができず、『専門家に任せるわ~、選んでよ~』。
3足のうち2足は赤系、もう1足は紺系です。私が、『奥さんくらいの若さだったら、紺色が似合いますヨ』と言うと、『あらそぉ~、私も最初にこれが目に入ったのヨ~』。

別にお世辞を言ったわけではありません。本当にお似合いだと思いました。通信販売では経験できないのがこの部分ですね。

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秋田言葉講座その7『あっぱー』&『かーうー』

これはいずれも、子ども社会のみに使用されたかつての挨拶です。
『あっぱー』は、遊んでいた子ども同士がそれぞれ帰宅する際に交わす挨拶。単純に「さよなら」だけではなく、「バイバイ」「楽しかった」「またナ」が全部混ざった親しみのこもった言葉でした。

『かーうー』は、個人商店のような小さな店に入るときに使う挨拶です。もちろん「買ーうー」の意なんですが、これを言うときと言わないときがあります。
子どもですから、お金を持っていなくてもたとえばお菓子なんかを見るためだけに店に入ることがあります。この場合は挨拶ナシです。するとお店の人も心得たもので、お客でない子どもにまったく構いません。
お金を持って、ハッキリ買う意思があるときの挨拶が『かーうー』です。これを言って入店すると、お店の人はキチンと対応してくれます。どこか誇らしげに口にしたものです。『かーうー!』。

『あっぱー』と『かーうー』。どちらも現在は死語になりました。
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