今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔五阡円〕
金色が含まれる布地を使うと、厳かさと言いますか風格が感じられます。「金を身につけると財運が上がる」なんてことがほんとにあるのかは分かりませんが、少しばかり身が引き締まる気分は分かりますね。
先日のこと、青森市にお住まいの女性からお電話をいただきました。半年間毎日履き続けた角館草履の鼻緒が伸び加減になり、直すことが可能かのお訊ねです。ひとまず郵送していただき、仮に修理が叶わなければ新しい草履を購入したいとのお話でした。
届いた草履を見たところ、先ツボを交換すればまだしばらく履けそうです。早速修理して返送すると、間もなくまたお電話がありました。それは修理代の請求書が入っていないことのお問い合わせだったんですね。
先ツボの交換は、一年に4~5件の依頼があります。ご使用年数はそれぞれ様々でも、まだまだ履きたいからこその依頼なわけです。作り手としたら、まずひとつそこが嬉しいじゃないですか。修理可能が前提で、修理代というのはどなたからもいただいたことがないんですね。
青森市の女性にもその旨お伝えすると、『わかりました。では私も少しばかりの気持ちを送ります』。数日後、感謝の意が綴られたメッセージと共に、土地の産品が届けられました。恐縮やら嬉しいやら、そうした堅さも東北人らしいと感じたものです。
セミナー受講で一時青森市の学校へ戻っていた長女。引越し荷物を一部運びながら長女を迎えに行くため、今日青森市を日帰りして来ました。
何度か給油したことのあるガソリンスタンドのおじさんが、『秋田はどちらですか?』。角館と答えると、『あぁ、角館の桜は日本一ですよね』。
客観的かつ冷静に判断すると、おそらく弘前公園の桜に軍配が上がるんじゃないでしょうか。スタンドのおじさんの言葉が本心か社交辞令かは別にして、隣県人の親しさと優しさを感じたのは確かですよ。
二年前の入学当時、青森市内の家電量販店で長女のノートパソコンを購入しました。インターネット契約の二年が終わることで手続きを訊きに訪れると、二年前購入したときと同じ男性スタッフさんが対応してくれました。
解約手続きを丁寧に説明してくれたあと、『あのぅ、確か角館のお客様ですよね』。
二年前にそんな話をした記憶があります。お若い男性なのによく憶えてくれていましたよ。二年前より若干体が大きくなったのは、おそらく結婚した「幸せ太り」じゃないかと勝手に思い込んでいます。
日頃の実演席でも青森県人との出会いは多いです。そのうえ長女の学校生活でも青森県人を知りました。二年間という短い月日ながら、わが家としてはとてもお世話になった気がします。
長女はたくさんの思い出を胸に抱きながら、青森市を離れることになるのでしょう。卒業式はいよいよ二週間後となりました。