角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

今年一年ありがとうございました!

2015年12月27日 | 実演日記







今日の草履は、仙北市内の女性のオーダー草履です。お正月にお引き取りに見える草履で、年内の実演では最後の作品となりました。
ご希望配色は「縁起の良い草履」です。商いをされている女性ですから、年の始めはどうしたって縁起の良いものが大事ですよ。これだけ「招き猫」が大勢いたら、縁起の良さでは圧巻と思います。

本日をもちまして2015年の草履実演が終了しました。通算実演日数は「315日」、まずまずよく務めたと思っています。明日から四日間お休みをいただき、来たる年も元日から始めます。晩秋からオーダーが途切れなかったため、新年に展示できる草履の数が思ったほどありません。「金の草履」をはじめ、この四日間のお休み中も少し頑張ってみようと思っています。

今年一年まことにありがとうございました。2016年もどうぞ宜しくお願い申し上げますm(__)m


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感性の完成度。

2015年12月26日 | 実演日記







今日の草履は、東京都港区の女性のオーダー草履です。今秋角館を旅された折にお会いした女性で、このたびは追加のご注文でした。ご注文フォームには「草履職人へのコメント欄」を設けてあって、実に様々な文言が寄せられます。時節のご挨拶はもちろん、旅の想い出や私への労いもいただくのですが、やはり多いのは配色のご希望ですね。こちらの女性のコメントをご紹介しましょう。

今回は、千葉さんに一任いたします。全て自由!ALL FREEです(笑)
千葉さんの感性を受け止めたいと思いますので、宜しくお願いいたします。



私の感性はどの程度の評価をいただけるでしょうか。「感性」で「完成」された草履に「歓声」があがることを期待してやみません。
ちなみにベースのフクロウは、「不苦労」の読みで縁起物とされています。実際は苦労のない人生なんてありませんから、この場合「苦労にあらず」と解釈するのが良いと思っています。人生に起こる出来事は決して苦労ではない、では何なのか。それはそれぞれが考えることなのでしょう。

これからの冬場はご来客が少ない分、在庫作りに没頭できます。いろんな配色を考えながら、「不苦労」の意味も考察してみましょうか。それこそ感性を磨きながらですね(^^)
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あと六日間です。

2015年12月21日 | 実演日記






今日の草履は、仙北市内の女性のオーダー草履です。ご希望配色は「完全おまかせ」、そこで女性のイメージである「おとな可愛い」を表現してみました。本日引き取りにお越しくださり、『えーっ、こんな可愛いのをあたしが履いていいんですか~!?』。そういう言葉をおもわず口にするあたりが「おとな可愛い」と思うわけです。
気持ちも新たに元日から履き始めるとのこと。それもいいんじゃないでしょうか。

15日・16日と二日間お休みをいただきました折、お二人のリピーターさんがお訪ねだったそうです。お一人は秋田市のおばさまで、もうお一人が美郷町のおばさま。お二方とも本日再度のお訪ねをいただき、それぞれにオーダーを賜りました。生身の体ですから年中無休で草履を編み続けることは不可能とはいえ、お休みのところをお訪ねいただいたのは本当に申し訳のないことでした。

今年の草履実演も残すところ六日間です。お正月用の展示在庫にどのくらい編めるか分かりませんが、2015年の締めくくりとして出来る限りのことをやってみようと思っています。
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サイトの誕生日。

2015年12月16日 | 製作日記
本日12月16日は、角館草履のホームページを開設した誕生日です。2005年でしたから、ちょうど十歳になりました。今どきは「二分の一成人式」といって小学校でも大きな節目に扱っていますね。確かに十年はひと昔と言うくらい、ちょっとした歴史を感じますよ。生まれたばかりの赤ちゃんと小学四年を比較したら、これはもうたいへんな歴史です。

ホームページも立ち上げただけではなにほどの意味がありません。マメに更新を続けることで少しずつ育っていくものだと思います。ブログ更新も本日で2,250回となりました。年平均225回は三日で2回の計算になりますか。始めた頃と比べると若干更新頻度が低くなっていますが、長く続けるためにはこれくらいが今の私にベストとも思います。

十年前はすでにネット社会が出来上がっていたとはいえ、部屋履き草履をこれほどネットでご注文いただけるとは予想しておりませんでした。やはり角館には全国からお客様がお越しになるからでしょう。それでも商いの基本は「対面販売」と心得ています。どんなにネットが普及しても、角館をお訪ねくださるお客様には全力で応対したいものです。

二日間のお休みが明けて明日再開となります。今年最終日の27日まであと十一日間、まずはここに全力を集中させることといたしましょう(^^)
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開運 角館草履。

2015年12月14日 | 実演日記






今日の草履は、東京都品川区の女性のオーダー草履です。母上様の誕生日プレゼントで、ご希望配色が「徳川将軍様のような紋付袴のごとく、金をあしらった渋くて格好良い草履」。これは母上様ご本人のご希望とのことでした。いかにも楽しい母娘関係が見えるようです。
こちらのオーダーメールをいただいてすぐにご縁を感じたのは、その前日東京の仕入部長へ正月用「金の草履」を編む素材をお願いしたばかりだったんです。
母上様のご期待に沿うことが叶いますか、本日の便で出発しました。

ここまでのオーダーはあと一週間から十日ほどで終えられそうです。その後すぐに展示在庫作りに取り掛かるわけですが、その中に「金の草履」を10足ほどの限定で編んでみたいと思っています。お正月にはそうした面白い草履が楽しいですからね。
今年がどんな一年であったにしても、新しい年に何か良いことを期待するのも人でしょう。お正月らしい開運「金の草履」は、編む私をも楽しませてくれる気がします。

昨晩知人男性から贈り物をいただきました。こうしたプレゼントは想像さえしていませんから、それは驚いたものです。そして次の瞬間思いました。金の草履たちと共に、実演席に飾らせていただきましょう。2016年元日の角館草履実演席は、厳かな「金づくし」で開幕を迎えます。





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15日・16日お休みです。

2015年12月12日 | 製作日記
昨日でしたか、関東地方で最高気温が24℃だとか25℃だとかテレビで流れていました。12月としては観測史上初のようですが、ほんとにおかしな気象が続いています。さすがに20℃超えなんてことはないにしても、当地角館も予想を超える高気温です。初雪とその後の降雪でさらっと積もった雪は、今日現在跡形もなく消えました。12月中旬を迎えるときの状況としては、少し久しぶりのような気がしています。

エルニーニョ現象が間もなくピークを迎えるとかで、日本気象協会は今冬の暖冬を明言しましたね。当地の予想として湿った重い雪がドッサリ降るのか、あるいは雪に雨が混じり積もれなくなるのか。紙一重で結果がずいぶん変わってきます。いずれ来春の雪解けが早いのは間違いないでしょうから、気掛かりは桜の開花です。今から来年のゴールデンウィークを占っては、鬼が笑うかもしれません。

さて、15日・16日とお休みをいただきます。ここしばらく夜もオーダー草履作りに専念しているため、手の疲労感が否めません。少し手に休息を与えたいと思います。
ここまでいただいているオーダーは、あと一週間ほどと先が見えてきました。それが終わればすぐに、お正月展示用の草履作りを始めます。冬の新柄生地も届きました。角館が静かな冬期間、草履の創作意欲はメラメラと燃えるのであります。
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切れていないご縁。

2015年12月06日 | 実演日記
先週末に初雪を観測してから、冬らしい気温が続く角館です。雪の量はさほどではなく、今も道端に若干残ってはいるものの根雪とはいえませんね。明日からお天気マークが続きますから、この雪は完全に消えると思います。降雪を願っていたスキー場はようやく開幕を迎えました。山に降っても里には積もらない、こんな願ってもない現象が現れています。それもあと少しの話ですけどね。

一組のご夫婦が実演席を訪れるなり、『意を決して買いに来ましたよ~!』。
しばらく前に試し履きをされた秋田市のご夫婦で、そのときは悩んだ末にそのままお帰りでした。あれからご夫婦で角館草履の話をされていたのでしょう。おそらく来年元日からの価格改訂はお知らせしたはずですから、寒空の12月にお訪ねくださったのはそのせいもあったでしょうか。ご夫婦共にお好きな配色でオーダーされました。

先日ご注文フォームからオーダーをくださったのは、埼玉県本庄市の男性です。奥様と角館を旅されたときに角館草履と出会い、そのときも試し履きだけされお帰りでした。それから数日が経った後、男性からのオーダーメッセージには…

先日、角館への立ち寄りの際、お話をさせていただきました。
試し履きでの感触が最高で妻とも相談し、家族全員(3人)で
お世話になることに致しました。出来上がりまでしばらくかかるとのことで
届くのが待ち遠しいのです。よろしくお願いいたします。



角館草履との出会いもご縁なら、「履いてみよう」と思ってくださるのもまたご縁だと思っています。実演席でオーダーまでのご縁に至らなくとも、その後こうしてご注文をくださるのは、角館を離れてなおご縁が切れていない証しだと思うんですね。
しっかり編み上げてお届けするのが、ご縁に報いる私の使命でしょう。
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幼稚で嬉しい贈り物。

2015年12月03日 | 家族の話





今日の草履は、東京都渋谷区の女性のオーダー草履です。ご希望配色の「紫尽くし」は比較的多いのですが、同色でミニ草履も作ってほしいとのでした。まったく同じ配色で実際に履く草履とミニ草履のセットオーダーは、十二年間で三度目です。ミニ草履の在庫が空っぽになることは珍しいため、基本的にオーダーとなるケースは稀にしかありません。ですからセットオーダーもこちらから日常にお勧めすることはないのですが、なかなか面白いとは思いますね。「親草履の背中に子草履をのせて…」といった感じでしょうか。

昨日はカミさんの誕生日でした。少し久しぶりに三人娘も揃って、ささやかなパーティーと相成りました。娘たちからのプレゼントがこちらです。




成人した娘たちからにしては少し幼稚と思える品物も、私はいいと思いましたね。背中にのせるには成長しすぎでも、私たちからすればいつまでも子どもであり、娘たちであります。
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中身の濃い冬期間。

2015年12月01日 | 実演日記
今日から師走、今年も残すところ一ヶ月となりました。予想通り先週末に初雪が観測され、いよいよ冬本番を迎えようとしています。とはいえまだ積雪には至っておらず、この先も寒波襲来というほどの予報はありません。少しでも根雪が遅くなってくれれば地元民も助かるでしょう。
トップページの実演スケジュールカレンダーを更新しました。十二月は15日と16日をお休みし、最終実演日は27日(日)です。予定通り今年を終えれば通算実演日数は「315日」。例年より一週間ほど少ないものの、まずまずよく務めたほうじゃないですかね。

少し前に知人女性がお客様をお連れでした。還暦を迎えたばかりというその男性は、わらび劇場に「照明家」として着任し一年が経とうとしています。こちらの男性は昨年まで東京歌舞伎座の舞台照明を担当されていた方で、歌舞伎俳優さんたちとも懇意とか。東京の職場は定年を迎え、人生の第二ステージを当地わらび劇場でスタートされた御仁でした。

週末の忘年会にその照明家さんといろんなお話ができ、今日の休演日にはゆっくりと私の草履実演をご覧いただきました。角館草履のこと、当地の歴史、照明家さんの故郷や収集している和陶器、本業である照明の話題などで二時間余りを過ごされました。どんな職業でもそうですが、一点を貫いた御仁の話はとても興味をそそられます。私が大好きな「変わり者」の匂いでしょうか。

照明家さんとのおしゃべりの最中、『あの~、ちょっといいですか?』と割って入った女性がいました。『どうしてもちょっとだけ話したくて…』という女性は八年ほど前、父上様へ私の草履を買って差し上げたそうです。そのときから入院していた父上様は、まもなく歩くことが困難となりそのままご他界されたとのこと。私の草履実演を眺めて当時の光景を思い出した女性は、うっすらと目に泪を浮かべながら話してくれました。

冬になるとお客様の数が激減するのはこれまでの通りです。しかしその分、中身の濃いおしゃべりが出来るのもこれからの冬季なんですね。照明家さんとはまだまだ話が尽きません。わらび劇場にご勤務されているうち、これから幾度となく酒を酌み交わすと思います。
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