角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

ゆく年くる年。

2013年12月31日 | 製作日記




今年最後の今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
美しい和柄の赤い草履で、「元気」や「エネルギー」そして「厄除け」「魔除け」を表現しました。どうにか一年健康に過ごせたことと、来たる年もケガや病気から身を守る願いを込めたつもりです。それは私自身もさることながら、ご縁のあったすべての人たちに対してですね。
古今東西「草履は履くもの」はもちろんながら、『履くのがもったいないわねっ』と言わしめるのも私の目指すところ。そして『履いたらもう脱げないわねっ』と言わしめるのが、さらに目指すところであります。この心構えを忘れず、来たる年も精進して参りましょう。

販売数と在庫数を照らし合わせてみると、2013年は1,200足を超える草履を編みました。今年の夏に通算販売数9,000足を超えていますから、2014年の半ばには1万足に到達すると思います。2004年に「角館の布巻草履」として発売した当時には、およそ夢にも思わなかった数字ですよ。多くの関係者に支えられ、またご縁を感じてくださったお客様ひとりひとりに感謝しなければいけません。

来年春には発売10年、初夏には通算販売1万足、そして秋には公開実演10年を迎えるわけですが、それぞれひとつの通過点です。ただ70歳まで草履実演を続けるのが目標とはいえ、生身の体ですから何があるか分かりません。「一期一会」「当下一念」を心に刻み、2014年もお客様お一人お一人、草履一足一足に集中して参ります。

ゆく年2013年は本当にありがとうございました。そしてくる年2014年を、どうぞ宜しくお願い申し上げます。西宮家米蔵角館草履コーナー並びに草履実演は、明日元日スタートであります。
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恒例餅つき。

2013年12月28日 | 実演日記
今日はわが家恒例の餅つきでした。数日前からの天気予報では「暴風雪」と云われていたのに、蓋を開けたらなんと青空いっぱい。これほど気持ちのよい餅つきも珍しかったです。
ただこれで、元に戻りつつあった握力が急激に落ちた気がします。それと腰痛ですね。餅つきを経験したことのある人なら分かると思いますが、これがなかなかのエネルギーなんですよ。旨いものを食べるには、それなりの代償が要るということでしょうか。

今年の餅も旨かったです。西門家の餅と比べたいくらいでしたね。これで心置きなく新年が迎えられます(^_^)v






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政治家の右と職人の右手。

2013年12月26日 | 製作日記




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き[四阡八百円]
濃色同士を組み合わせると、何となく温かみを感じます。冬場も五本指ソックスで草履を履くのに問題はありませんが、やはりどちらかといえば暖色系が好まれますかね。そういう意味では冬にうってつけの配色かもしれません。

年末休みの初日は、ほとんど家から出ないで過ごしました。文字通りの「お休み」です。この六日間は草履も編みません。1足でも在庫が出来ればそれに越したことはないのですが、とにかく手を休ませることを第一にしたいと思っています。
草履を編むという作業は、右手も左手も同じように使うはずなんですが、なぜか右手に疲労感が大きいですね。布を巻く作業が負担なのか、つまり利き腕が「右」だからかもしれません。

安倍首相がとうとう(?)靖国神社を参拝しました。中国や韓国の反発も予想通りのようです。観光地で仕事をしていると、外国人もお客様として出会います。心底日本が嫌いな人は旅行地に選ばないでしょうから、私たちの現場はまずにこやかなものです。ただときどきですが、『お国はどちらです?』の問いに対して、少々遠慮気味に答える外国人がいますね。

歴史的な蔵の中で草履を編んでいるおっさんを見て、外国人が「生粋の日本人」を感じるのはある意味自然でしょう。万一極右的思想の持ち主であったなら、旅先でイヤな思いをするかもしれない。お国の名前を笑顔で即答しないのは、そうしたリスクを感じたから…というふうに考えたこともありました。もちろん考えすぎならそれに越したことはありません。

私は職人である前に商人と思っています。つまり品物を売って御代をいただくのが絶対的使命ですから、お客様が嫌がる恐れのあることは言いません。私が政治家に不向きな決定的な要因は、それじゃないかと思いますね。外国からの観光客一千万人を目指し、そして到達させた安倍首相。けれども一方では、隣国が激怒するのを分かっていて靖国神社を参拝しました。私が尊敬する政治家のひとりであります。

あとは政治家に不向きな人たちが、それぞれの道で外国人と親交を深めるのがいいでしょう。私に出来ることは草履実演をご覧いただくこと。その場に歴史認識の違いなどは存在しません。「右」はとても大切ながら、案外疲れるものです。
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今年の草履実演終了です。

2013年12月25日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
クリーム色を基調とした和柄が、なんとも優しい雰囲気を醸し出しています。黄色を三本配したことで、さらに静かで穏やかな草履になりました。「優しいお母さん」というイメージですが、案外お若い女性がお選びになるかもしれません。美しい和柄の平生地はこちらです。



本日をもちまして、2013年の草履実演並びに展示販売を終了しました。元日からの通算実演日数は322日間。これは去年とまったく同じ日数で最多です。もう一日務めれば記録更新となったわけですが、それはまた来年以降に残しておきましょう。それにしても自分なりによく務めたと思っております。

茨城県日立市からお越しの母娘さんペア。お母さんは60代、娘さんは30代と思います。お母さんはかねてから布草履のご愛用者で、角館草履の違いは瞬時にしてご理解くださいました。お二人それぞれにお好みの配色をお選びです。
ふと頭をよぎったのはお父さんの分。今夜は当地にお泊りと言いますから、お父さんの分は一晩考えてからと思ったのでしょう。『明日もう一度来るかもしれません』。
今日が今年最終日をお伝えすると、お父さんの分と小学生の娘さんの分までお買い上げくださいました。まさにこれがご縁と思うわけです。

偶然出会ったのがご縁ならば、今日が最終日をホームページでご確認のうえお越しのお客様は、仙台市の女性です。ご主人が単身秋田市でお仕事をされているとのことで、角館を訪れるのは今年三度目といいます。ゴールデンウィークの最終日にお買い上げだった角館草履をことのほか気に入ってくださり、今日は洗い替え用にとお訪ねでした。
1足はお持ち帰りになり、もう1足はオーダーです。2014年元日に編む最初の草履は、こちらのオーダー草履といたしましょう。

今年も実に多くの出会いがありました。『駅に降りて10分後に、まさか草履を買ってるとは夢にも思わなかったよ!』の言葉を、今年も複数の方から聞くことができました。売り手と買い手、お互いが嬉しい言葉じゃないでしょうか。
そしてリピーターさんのお訪ねはさらに嬉しいものです。偶然の出会いが再会となるよう、これからもしっかり編み上げていきたいものです。

今年一年間、角館をお訪ねくださったみなさま、草履実演をご覧くださったみなさま、そして今日のこの日も履いてくださっているみなさま、誠にありがとうございました。2014年も元日から実演をスタートさせます。ぜひまたお会いしましょう!!
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次代を担う若者たち。

2013年12月24日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
花火プリントを組み合わせて「星空」を表現した布地でしたが、一色で編んだら降りしきる「雪」に見えます。今日の角館は朝から雪が落ちていて、気温も真冬日に近い寒さとなりました。ときはクリスマスイヴ、まさに「ホワイトクリスマス」ですね。
「今日の草履」は西宮家のスタッフさんたちにも評価が高く、おそらく近いうちにお選びのお客様が現れるでしょう。12メートル巻で仕入れた布地のため、まだだいぶ編むことができます。

今夜はわが家もささやかなクリスマスパーティーです。仙台に暮らす次女は学校の関係で、帰省は29日になるとのこと。その晩が家族忘年会ですかね。次女も三女も学生の身分としては最後のお正月ですから、お年玉ももらい納めになるのでしょうか。
こうして次代を担う若者たちが、次々と社会へ出て行きます。とにもかくにも逞しく生きて欲しいものです。

久しぶりに今朝、玉川の堤防を訪れました。ここにも次代を担う若者たちがいます。四ヶ月後に美しい花を咲かせるため、今の寒さを堪えているように見えました。成長が楽しみであります。

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孫娘の願い。

2013年12月23日 | 実演日記


今日の草履は、装飾用ミニ草履クリスマスバージョン[九百円]
緑と赤を組み合わせると、なんとなくクリスマス風に見えるものです。せっかくですからクリスマスシールを貼って、カミさんに8個作ってもらいました。おかげさまで今日までに7個が売れ、残り1個は明日のイヴに持ち越しとなっています。さて完売となりましょうか、楽しみであります。

辺りが暗くなり始めた夕方、一組のご家族がお越しでした。お母さんと女の子、そしておじいちゃんとおばあちゃんです。女の子は4、5歳でしょうか、おじいちゃんとおばあちゃんは70歳ほどとお見受けしました。
お母さんがミニ草履を見て『あらっ、可愛い!』とおっしゃるので、「トイレの神様 足の神様」のお話をすると、女の子がすぐさま『おじいちゃんに買ってあげたいっ!』。

近くにいたおじいちゃんは、『はははっ、まだそんな歳じゃないよ~』と一笑に付した感じです。お母さんもおばあちゃんもおじいちゃんに倣うように、『また今度にしようね』と言いながら米蔵の中へと歩を進めます。女の子の様子をふと見ると、そこに笑顔はありませんでした。

しばし米蔵の中をご覧のあと、また草履コーナー前を通過しお帰りの際、女の子だけがミニ草履で歩を止めました。気づいたお母さんが『どうしたの?』と訊ねると、女の子は小さな声で『おじいちゃんに買ってあげたい…』。
900円の売り上げが欲しいのではありません。私は心の中で願いましたよ。ここは女の子の気持ちを汲んでもらえないものかと。

すぐに老婆心との結論が出ました。おじいちゃんは、『そうかっ、ありがとう!』。
みなさんで配色選びとなり、女の子が選んだのが「今日の草履」と同じクリスマスバージョンです。御代を払うのはおばあちゃんなれど、そのお顔はこぼれんばかりの笑みでした。

朝から冷たい雪まじりの今日は、お客様の姿もほんとに少なかったです。本日の売り上げはこちらの900円のみ。でも私は大満足の一日であります。
今年の草履実演は残り二日間となりました。
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苦学生とお金。

2013年12月22日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き[四阡八百円]
「可愛らしさ」を評価基準とするならば、かなりの高得点をいただけそうな配色です。明るいピンクに花柄があしらわれたベース生地には、春爛漫の心地よさが感じられますね。
「今日の草履」は、埼玉県からお越しくださった女性がお持ち帰りになりました。

昨日のこと、20代と思しき女性四人グループがお越しでした。うちのおひとりが五年近く前に草履をお買い上げだったそうです。『やっぱり新しいの欲しいなっ』と、お好きな配色をお選びでした。草履をお渡しし御代をいただくときです。『五年前はとっても悩んだのに、今はすぐに買えるぅ~!』。

言葉の意味を解説しますと、五年前の女性は秋田市の大学に在籍する学生さんでした。アルバイトをしていたかは分かりませんが、ご自分が自由に使えるお金は少なかったでしょう。そんな中で数千円の草履を買い求めるのは、かなりの勇気が要ったはずです。現在の女性は東京で仕事をする身、しっかり収入があるためこの言葉になったんですね。

仙台市の看護学校に在籍するわが家の次女。小さい頃からあれこれ欲しがる娘ではなかったものの、この三年間はかなりの辛抱をさせてしまいました。学費や通学費、アパート代や生活費は、自分もどれくらいかかっているか知っています。昨年度までは三人姉妹全員が学生でしたから、それぞれが辛抱を余儀なくされ、また理解もしてくれました。

特に次女は入学の際、アルバイトは勧めない旨を学校から言い渡されていました。消化していくカリキュラムを思うと、確かに時間的な余裕はありません。自ずと自由に使えるお金が限られる中で、テレビ番組の「一ヶ月一万円生活」に近い工夫をしていたようです。ときにカミさんのケータイへ送られてくる料理の画像を見ると、あんな予算でよくやっていると感心したものです。

三年間の「苦学生時代」を終え、二月の国家試験に合格すればハレて社会人です。比較的給与水準の高い看護師ですから、自由に使えるお金はわが家で一番になるかも知れません。浪費は困るものの、存分にショッピングを楽しんで欲しいものです。
先の女性がお買い上げくださった金額を、明日次女の口座へ入れてあげようかと思っています。生活費と別枠で、クリスマスケーキくらいは買えるでしょう。
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来春に向けて 始動。

2013年12月19日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き[四阡四百円]
淡いブルーにオレンジを組み合わせてみました。シーチング(無地)を三ヶ所に配するデザインは、主に冬場の在庫作りでよく編みます。来春の繁忙期まで、いろんな配色で作ってみたいものです。折鶴が美しい平生地はこちらです。



初雪で15cmの積雪が観測されたときは、もうこれで根雪になると覚悟したものでした。それが師走も半ばに入って、その雪はほぼ融けてなくなっています。週間予報を見ても強い寒波はなさそうですから、久しぶりに落ち着いたクリスマスが迎えられるかもしれません。
過去のブログを遡ってみると、2007年がそんな冬ですね。年明け1月半ばになってから、スキー場がオープンしたと記されてあります。

今年もまだ十日以上残されていますが、世の中は来春に向けて動き出しているんですね。まずわが家の娘たちです。今年四月から社会人となった長女に続き、来年四月には次女と三女も社会人となることが決まりました。次女は看護学校系列の病院へ入職が決まり、三女も地元の介護事業所へ内定しました。明日から自動車学校へ通うと張り切っていますよ。

新年度までの三ヶ月なんて、過ぎてあっという間でしょうね。二人ともそれまでやっておくことがずいぶんありそうです。そしてそれは私にとっても同じこと。四月の繁忙期までに1足でも多く編んでおかねばなりません。来春に向けてしっかり動き出さなければならないのは、むしろ私のほうかもしれませんね。

今年の実演最終日は12月25日。新年の開始日は元日であります。
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こだわりを持つ生き方。

2013年12月14日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
黄色地の花火プリントを最後の一本まで使い切りました。星空のようなベースに合わせ、最後の花火草履が完成です。オリジナル限定1足限りといえば、少々大げさですかね。そうしたことに「こだわり」を持つ女性をお待ちしましょう。

昨日のこと、新潟県から一組のツアーがお越しでした。同じツアーでもお昼ごはんを西宮家に予約する方と、「フリー食」といって近辺の飲食店で自由に食べる方とがいます。フリー食の場合お店を決めてからメニュー注文となるため、どうしても時間がかかるんですね。
西宮家近くの蕎麦屋さんを利用したひとりのおばさまが、バス出発時刻ギリギリに実演席を訪れました。

『あらっ、この草履面白そうね』と関心高くご覧でしたが、どうにも時間がありません。他のみなさんは全員バスに戻られ、残るはこちらのおばさま一人だけ。事情を知っていてお引き留めするわけにもいかず、『草履は送ることもできますから…』と名刺を差し上げてお戻りいただきました。こうしたことが一年に何度かありますね。

それから30分ほども経ったでしょうか。米蔵玄関から『戻って来たわよ~』という声がします。よもやと思いお顔を見ると、やはり先ほどのおばさまでした。事情を訊いてみると、『武家屋敷で一時間自由だって言うのよ。それで真っ直ぐ歩いて来ちゃった!』。
桜並木駐車場からですと徒歩15分はかかります。雪の降る中をよく来てくれましたよ。肩で息をしている様子になおさらそう思いましたね。

24cm草履をお選びになりご満足のおばさまに『早速今日から履いてくださいね』と言うと、『今日はダメよ。履物は大安吉日の朝におろすの。私はそういうこだわりを持って生きて来たんだから』。
さすがです。武家屋敷から一人歩いて引き返すくらいですから、おばさまの「こだわり」は筋金入りでしょう。

今日、町内に暮らすおばあさんがお立ち寄りでした。以前からトイレに飾るミニ草履を欲しいと思っていたそうで、『明日大安だがら、出直して来るぅ』とひとつご予約です。おばあさんも、『子どもの頃、明治生まれのばあさんに育てられたもんだがら、縁起ものは大安なんだよなぁ』。これもひとつの「こだわり」ですね。

私はこうしたタイプの方々が大好きです。
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今日は記念日。

2013年12月13日 | 製作日記
何日かぶりにまとまった雪が降りました。朝から雪よせ作業に追われるのは、今冬初です。積もり始めたのが未明のせいか、除雪車が来ません。今日の運転は苦労だったと思いますよ。買い物帰りのカミさんが、下り坂で車が真横を向いたそうです。他に車がいなかったのが幸い、今日のような道路事情が最も疲れますね。

今日12月13日は、私にとってちょっとした記念日です。平成18年のこの日、角館草履に「著作権」が与えられました。そういうものに無関心だった当時、商いの先輩から助言され申請したものです。専門の事務所へ委託しましたから、申請日が何日だったのかも知りません。やがて認可され証書が届き、認証日が「12月13日」だったというわけです。そしてこの12月13日は、三十二年前に他界した実父の誕生日でもありました。生きていれば85回目の誕生日が今日だったことになります。

草履職人となって九年目に入りましたが、ずーっと訊かれ続けているのが『なんでまた草履を編むようになったの?』。草履を編む人のイメージはどうしても年配者でしょうから、私くらいの年齢ではまだ若いと映るのでしょう。すると二代目か三代目、あるいは角館で古くから草履を編む家系というストーリーを期待するのかも知れません。

ただ私で三代目というのは、ある意味外れてはいないんですね。私の祖父母は、いっとき下駄を作る職人でした。祖父が木地を作り、祖母は緒をすげていたそうです。昭和20年代、私が知らない昔の話です。
そして親父はいっとき革靴を作る職人でした。私が小学校に入るかくらいでしたから、それはしっかり記憶にあります。ですから人生のいっときを「履物」でメシを食ったと考えれば、確かに三代目となるわけです。

一ヶ月くらい前でしたか、いくらか見覚えのあるおばあさんに『あなた、“よっこ”の息子さんだってが!?』と声を掛けられました。ずいぶん久しぶりに聞きましたよ。“よっこ”というのは私の親父の愛称で、なんでもおしまいに「こ」を付けるのが当地の方言です。しばしの時間懐かしい話で盛り上がったのですが、親父の愛称を口にする人が今でもいることが嬉しかったですね。

先日、冬用作務衣を買い足しました。ネットショッピングのため詳しく知らず注文したところ、届いた作務衣のタグを見てビックリ。そこには親父の名前がありました。



今冬もしっかり実演を努めて参ります。
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