角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

子の成長と父親。

2009年11月29日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
緑基調の動物キャラプリントをベースに、合わせはカラフルな水玉プリントです。
爽やかな明るさとでも言いますか、可愛く仕上がったと思います。男性・女性どちらでもいけるよう、24cmにしてみました。

当ブログの話題に「家族ネタ」は欠かせません。ご家族で遊びに見えてみなさんがお買い上げくださる場合もあれば、おじいちゃんやおばあちゃんがお孫さんへのお土産なんていう話も多いです。
ひとり旅ももちろんありますが、そんな場合も家庭で待っている奥様やご主人、あるいは子どもへのお土産なんていう話は日常にありますね。

昨日おひとりでお越しの男性は、お仕事で当地を訪れていました。角館草履を気に入ってくださり、ご自分用と奥様用をお買い上げです。
単身赴任や出張などでいっとき家族と離れたにしても、頭の中から家族が消えるなんてことはあり得ません。世のオヤジには家族想いが多いのですが、子ども社会の現場にはオヤジというものがなかなか出てきませんね。

一昨日の晩、角館高校飾山囃子同好会の大会慰労会がありました。1・2年部員15名にその保護者、そしてご指導をいただいている師匠お二方との食事会です。
保育園保護者会からこれまで、いろんな「親の会」を経験してきました。まず言えるのは、こうした活動へ参加する父親の少なさですね。むしろ子どもが小さい、保育園時代のほうが多いくらいです。

もちろん無関心で参加しないと思うのは早計で、仕事の都合であったり両親参加では会費もバカにならないという経済事情もあるでしょう。実際わが家もそんな事情でカミさんは不参加です。
子どもが成長するたび、周囲の環境も変わってきます。そうした光景を父親も同じ「温度」と「目線」で感じるには、親の会行事への参加はなかなか意味のあるものですよ。

一昨日の父親参加も、私ともうひとりだけでした。1年女子のお父さんで、この日が初対面です。こちらの娘さんは4歳の頃から民謡を始め、今では当地の高校生民謡の筆頭的存在になっています。娘の歌を聴きながらこれまでの成長を見て来たお父さん、そのお顔だけでも優しさが分かる人でした。私も娘たちが3歳から始めた手踊りを見ながらここまで来ましたから、気持ちとか考え方がよく分かるんですね。お歳を訊けば私と同い年、さらに親近感が増しましたよ。

そんな中でひとつの訃報です。中学生時代の同期生である男性が、新型インフルエンザによる脳症で突然の他界という知らせが届きました。
彼とは中学で同じクラスになったことがありませんし、高校はそれぞれ別です。そんな事情で親しく付き合うことはありませんでしたが、二百人余りしかいない同期生ですから顔も名前もすぐ浮かびます。

彼には小学生の子どもがふたりいます。これからいくつもの学校行事に参加するはずだったでしょう。それが突然すべてを断たれました。人間誰しも明日の命に保証がないのはいまさらですが、それにしても…と思ってしまいます。
12月の公開実演お休みの中、三女の卓球大会があるようです。3年生になったら観戦に行こうと思っていたのですが、今ちょっと考えています。

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変わり行く風景。

2009年11月27日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
紫基調のとんぼプリントをベースに、合わせは紫基調の花柄プリントです。
どちらも優しさを感じる紫ですから、ほのぼのとした印象でしょうか。中高年の優しいおばさまへお勧めの一品です。

昨日のブログの通り、朝の出発で湯沢市へ行ってきました。湯沢市と一口に言っても、先の町村合併でずいぶん面積が広くなっています。親類宅は旧雄勝町、あと一時間も走れば山形県新庄市という距離ですよ。わが家からは二時間超えを要します。

帰り道、久しぶりに湯沢市の中心部を車で流してみました。サラリーマン時代はもちろんのこと、独立してからも湯沢市はお得意先がある商圏でした。月に二、三度は出かけましたか。草履職人となって初の訪問ですから、6年ぶりくらいと思います。
よそ様をどうこう言う筋合いじゃないんですが、噂に聞いていた通りの「シャッター通り」になっていました。

湯沢市へ仕事で行っている頃、昼時間になるとふたつのうちのどちらかへ必ず寄っていた飲食店がありました。ひとつはしばらく前に廃業したラーメン屋さんで、ここのカツ丼がたまらなく旨かったです。
もうひとつが中心部に程近い食堂です。ここへ初めて行ったのは20歳代前半のことですから、もう25年も前になりますか。お得意先に誘われてのことでした。

店の前に車3台分ほどの駐車スペースがあり、あとは店名の電飾看板にのれんがあるだけ。これでマズかったら誰も訪れる人はいないと思えるような、こじんまりした食堂です。
私を連れて行ってくれた男性が、『カレー嫌いでなかったら、カツカレー食わねが?』と言いました。カレーは大好きですから即OKです。このカレーを一口食べて、『なにをどうやって煮込めば、こんな旨いカレーになるんだろ』と真剣に思いましたよ。それくらい衝撃的な旨さだったんです。

今日このカレーを食べることは、密かに心に決めていました。ひとつ心配だったのが、その店が今でもあるのかどうかです。近くまで行き車のスピードを緩めると、ありました、今でもちゃんと営業してましたよ。
ただし店の中へ入ってみると、内装がこぎれいに直されてましたし、慣れ親しんだおばちゃんの顔もありません。代わりに厨房から『いらっしゃいませ~』と声を出したのは、明らかに私より年若い夫婦と思しき男女でした。すぐに思ったのは、息子さん夫婦。ご主人は白のコックさん衣装、どうやら「洋食屋」に衣替えしたようです。

メニューを目で追い「カレー」を探してみると、四つほどのカレーメニューがありました。私はもちろん「カツカレー」、カミさんは定番の「ポークカレー」です。あとは出てくるのを待って、かつてのあの味と再会するだけ。カツを揚げる音が食欲を誘います。
やがてテーブルに運ばれてきた「カツカレー」、昔はなかったパウダーチーズがちりばめられています。私はこのチーズというのが苦手でしてねぇ、カミさんも心配そうに『食べられる?』。

まずはカレーだけを一口食べてみました。違うんです、明らかに違うんですよ。ベースの味には面影があるのですが、ケチャップの味がいかにも「洋食」になっていて、かつての「カツカレー」ではなくなっていました。
もちろん現在の店主がこの味で勝負しているのですから、6年ぶりに訪れた私がどうこう言うのはお門違いも甚だしいことです。

草履職人となってから、かつてのようにいろんな土地に出向くことはなくなりました。数年ぶりに訪れると昔の繁華街は廃れ、やはり「寂しい」ほうの印象が強いです。そんな中で親しんだ「味」にも出会えなくなるというのは、これも変わり行く風景のひとつなんでしょうね。

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笑いあり、涙あり。

2009年11月26日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
紺基調のお人形さんプリントをベースに、合わせはエンジです。
紺地にエンジ、角館草履の定番的配色ですね。いろんな配色で目を楽しませるのが角館草履の魅力のひとつと確信しますが、そんな中で安心して編めるのはやっぱり紺地にエンジでしょう。
可愛いお人形さんの平生地はこちらです。




急きょなんですが、明日一日公開実演をお休みすることになりました。湯沢市の南端旧雄勝町にある親類宅で不幸があり、ご焼香させていただこうと明日出かけます。
想えば今年はほんとに仏事の多い年でした。そんなことってありますよねぇ、『今年は○○が続くなぁ』という話。

とは言いながら、楽しいことばかり続くことはありませんし、悲しいことばかり続くこともまたありませんね。いっときそういう状態に陥ったとしても、必ずサイクルというものがあるはずです。
明日一日にしても、昼は故人に手を合わせ、夜は角館高校飾山囃子同好会の慰労会です。長女や次女の演奏に手踊りを眺めながら、親たちは杯を交わしますよ。これが人生というものでしょう。

仏事が多かった2009年も、残り一ヶ月と少しになりました。2010年はどういう年になるんでしょう。もちろん「笑い」と「涙」の繰り返しに決まってるんですけどね。

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年の瀬。

2009年11月25日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
白黒基調の銭湯プリントをベースに、合わせは薄茶の小桜プリントです。
こちらも落ち着いた色調ながら、「和」がしっかり活きた配色ですね。男性でも女性でもいけるよう、24cmにしてみました。

今日の角館も、昨日に引き続いて小春日和です。午後2時くらいには暖房を止めて入り口の戸を開放しました。それくらい暖かかったです。
冷静にカレンダーを見ると、11月も残すところあと5日なんですね。間もなくやって来る「年の瀬」、2009年の公開実演もあと数えるほどの日数になりました。

「年の瀬」を感じるものはいくつもあるのですが、ひとつに「喪中葉書」ですね。早速一枚の葉書が私の手元に届いています。
今春じっちゃとばっちゃを亡くしたわが家も、昨日一斉郵送しました。毎年娘たちの年賀葉書を作らされていた身としては、いささか寂しくもありますよ。もうひとつ今年の師走に「やれないこと」、それは恒例の餅つきです。餅つき自体が「めでたい行事」ですから、今年はお休みとなりました。

先日の日曜日で、大河ドラマも最終回を迎えましたね。この総集編も私の「年の瀬」を感じるひとつです。一話だけ観られませんでしたが、一年間ほぼ観続けた「天地人」、面白かったと思います。現代人に分かりやすく台本等が作られているとは思いつつ、やはり歴史に名を遺す人物は違うものですね。

後半の舞台は米沢藩、現在の山形県米沢市です。上杉景勝や直江兼続の時代のずっとあとに、上杉鷹山という藩主が登場します。この人は今で言う「行財政改革」で著名な人物ですね。どうやら「辛抱」を絵に描いたような人で、自ら食費を制限し家臣にもそれを押し付けたようです。
ときは巡り、今の日本は当時の米沢藩に近いものがあるのかも知れません。

民主党の事業仕分けが進んでいます。スーパーコンピューターの事業費削減にからみ、ノーベル化学賞受賞者の先生が『歴史の法廷に立つ覚悟があって言っているのか』と怒ったそうですね。
スパコンの話は私に分かりません。先進技術ですから、かなり重要な分野なんだろうな…くらいの認識ですよ。スパコンがどうこうではなく、このまま予算措置を続けて借金を膨らませるのも、『歴史の法廷に立つ覚悟があって…』とも思うわけです。

公開実演が終わる来月、思い切って米沢市を訪ねてみようかと思っています。もっともそれこそ「師走」、天気の影響もありますし、家族に約束はしないでおきます。仮に行けなくなったとき、“家族法廷”に立つ覚悟はありませんしねぇ。

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どんな草履も誰かの笑顔。

2009年11月24日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
辛子色基調の魚へんプリントをベースに、合わせは黄色です。
爽やかさの中にも「和」が活きた配色ですね。「黄色系お任せ」にもってこいではないでしょうか。
「今日の草履」は、昨日のブログにご登場の栃木県のおばさまも気に入ってくださったのですが、サイズが合わず持ち越しとなりました。

いや~、なんという爽快な天気なんでしょう。朝は濃い霧の中に目覚めましたが、ときが経つにしたがい空は青一色になりました。気温も13℃まで上がり風もなければ、まさに「小春日和」の一日ですよ。散策のお客様も、『今日は暖かいですねっ』。
明日もう一日こんな天気が続くようです。間もなくはじまる「白い季節」を前に、冬支度日和ですね。

愛知県豊田市からお越しの母息子さんペア。お母さんは60歳代、息子さんは30歳代後半とお見受けしました。明らかに成人された母息子さんペアというのは、案外少ない気がします。
息子さんのほうが角館草履に関心を示され、まずはご自分用をお選びになりました。続いてお母さんなんですが、靴のサイズが21.5cmとのこと。このブログにもときどき登場する、『靴を探すのがたいへんなのよぉ』のおひとりですね。

私がお勧めしたのは、11月14日の「まるごとクリスマス」でした。最初は『こんなおばあちゃんに明る過ぎない!?』とおっしゃっていましたが、次第にこの可愛らしさを気に入ってくださるのが分かりました。こんなときのおばさまの笑顔が、草履職人はたまらず好きなわけです。
続けて留守番の奥様用と、小学生という娘さんへのお土産もお買い上げくださいました。息子さんが、『次は家族みんなで来ますよっ、桜はいつごろ咲きますか?』。
実際そのときになってみなければ満開は分かりませんが、きっとご家族でお訪ねくださるような気がします。

おばさまがお買い上げの「まるごとクリスマス」、実は21cmで編んだときに『これは残るかも…』と思ったものでした。今年は21cm草履を多く編んだ気がするとは言っても、やはり23cmや24cmと比較すれば少ないです。でもこの草履を21cmで編んだことで、今日のおばさまの笑顔に繋がったんですね。

24cmで編んだ「今日の草履」、栃木県のおばさまには残念ながら合いませんでしたが、きっとこのあとどなたかの笑顔に繋がるでしょう。

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「サブ」から「メイン」へ。

2009年11月23日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
薄茶基調の木目プリントをベースに、合わせは薄茶基調の小桜プリントです。
普段の角館草履とは少し変わった配色でしょうか、木目がかつての生業「樺細工」を連想させます。
ここ数日比較的落ち着いた配色ばかりが選ばれてましたので、このあともシックな配色を続けて編んでみるつもりです。

栃木県からお越しのご夫婦旅。奥様が布草履をご愛用とのことで、角館草履にも出逢ってすぐ関心をお寄せです。ご夫婦共にご自分用、そして娘さんへお土産としてお買い上げくださいました。
昨日は男鹿半島を巡り、宿泊は田沢湖畔のホテルだったそうです。『秋田県を回る旅なんだけど、角館というところは知らずに来たんだよ』。

近年「秋田の旅」に当地が入らないのは、比較的珍しいと思います。たとえば「竿燈祭り」や「大曲の花火」といった、イベントを目指すツアーならそういうこともあるでしょうが、ご家族だけのフリー旅で秋田へいらして、角館は立ち寄らないというのは少ないと思いますね。

ご主人へ『角館はどうでした?』とお訊ねすると、『うん、今日はあんまり見ないで、次は角館メインで来るよ。まず来年の桜だなっ』。
「おまけ的」に角館へ立ち寄られたこちらのご夫婦は、当地をことのほか気に入ってくださったようです。さしずめ、「サブ」から「メイン」へといったところでしょうか。

三女が所属する卓球部は、一昨日の球納めで名実共に3年生が終わりました。これからは2年生の三女たちが中心となって部活動を引っ張っていかなければなりません。これも「サブ」から「メイン」へと言えるでしょうね。
長女と次女が所属する飾山囃子同好会も、一昨日の大会が終わって対外的な活動はほぼ終了です。2年生の初冬で終わる活動というのも、少し早い気がしますけどね。

さて今日までの三連休、お客様の数は平日より多いと言え、やはりそこは11月下旬。間断なくお立ち寄りがあるシーズンとは一味違います。もう気持ちは2010年に向かい、ひとつひとつ在庫を積み重ねていく時期なんですね。
「角館の草履職人」も六年目に入りました。「サブ」から「メイン」のひとつになれるよう、日々精進して参りましょっ。

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夜対応。

2009年11月22日 | 家族の話


今日の草履は、彩シリーズ21cm土踏まず付き〔四阡円〕
黄緑基調のアゲハ蝶プリントをベースに、合わせは緑基調の洋柄プリントです。
ベースには蝶のプリントが施されているのですが、透かして見ないと分からないくらい繊細です。「緑系お任せ」にお勧めしたい一品ですね。

連夜の飲み会でブログ更新が止まっていました。20日夜は同期生の集まりで、議題は忘年会と新年会。酒を飲みながら「飲み会」の相談というわけです。
昨晩は三女が所属する、角館中学校卓球部の球納め懇親会でした。昼は親子で卓球に汗し、夜はまたみんなで食事して愉しむという趣向です。私は仕事のため夜だけの出席、よくあるんですよ、夜だけの対応ということが。

そして今日は、長女と次女が所属する角館高校飾山囃子同好会の大会日でした。「郷土芸能・日本音楽合同発表会」という名称で、秋田市を会場に県内の高校が集います。カミさんと三女が応援に行っていて、今晩8時頃でなければ戻れないようです。

大会結果は「特別賞」というメールが届きました。まぁよく頑張ったと思います。この大会で最優秀賞に輝くと、全国大会が宮崎県開催でした。私は九州という土地に、一度も足を踏み入れたことがありません。仮に全国大会へ行ってたなら、そのときばかりは実演をお休みしたかも知れませんね。

この大会の慰労会が今月27日、12月に入ると忘年会が三つです。草履職人の「夜対応」は、いましばらく続くことになりそうです。

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寒さにもマケズ…。

2009年11月19日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
朱色基調の南国プリントをベースに、合わせは淡いブルー基調の金魚プリントです。
ベース生地の拡大画像を撮り忘れてしまったのですが、南国をイメージしたプリントです。合わせを金魚プリントにしたところ、季節は夏へと逆戻りですね。
しかし現実は空から白いものがチラホラ、秋田の冬も本番近しですかっ。

「今日の草履」をお持ち帰りは、なんともピッタリな土地からお越しくださった男性ふたり旅。奥様へのお土産としてお買い上げだったのですが、お住まいと言うのがなんと「石垣島」でした。
『今の時期でだいたい何度くらいあるんですか?』の問いに、『26℃って言ってましたよ、この間までフツーに泳いでましたからっ』。

北海道はすでに本格的な積雪がはじまり、沖縄はこのあいだまで30℃超えと言います。冬と夏をパスポートなしで楽しめる日本、これは案外贅沢なのかも知れません。
男性に『秋田は寒くないですか?』とお訊ねすると、『空港を降りて震えましたよ』。
訊くほうがおかしかったですね。

愛知県からお越しのおばさまひとり旅。糖尿病を患っているというおばさまは、健康作りに関心がおありと言います。角館草履もそんな意味合いで気に入ってくださり、ご自身用をお買い上げです。
こちらのおばさまにも『寒くないですか?』とお訊ねしてみると、『う~ん、そういうつもりで来てるから、そんなでもないですよっ』。

晩秋からこれまで「寒さ」についておしゃべりすると、案外「そのつもり」が多いです。「秋田は寒い」という先入観をお持ちですから、心構えを準備してお越しくださっているようです。
でもさすがに石垣島は、そういうわけにいかなかったんでしょうね。

まだ本格的な冬には至ってませんが、寒さに未だ慣れないこの時季が案外堪えます。でもそんな寒さに負けていられないと思うのが、今日いただいたオーダー草履到着メールでした。
お送りくださったのは、11月15日のブログにご登場の都内のおばさまです。

『昨日、櫻模様の素敵に仕上がりました草履届きました。思っていた以上に素敵で、早速使わせて頂いてます。娘もクリスマスバージョンとても気にいってくれました。
角館で素敵な出会いがあり、とても楽しい一時でした。有難うございました。これから寒さも厳しくなって行くことと思います。お体お大切に、ご活躍をお祈り致します』

なんで寒さなんかに負けられますかっ。



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わが家の「事業仕分け」。

2009年11月18日 | 家族の話






今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
およそ20種の布地を組み合わせた「チームワーク草履」、花緒だけはピンクで統一しました。ここしばらくのあいだで5足ほど編んだチームワーク草履は、いずれもすぐに売れてしまいました。中途に残る布地を組み合わせることで「無駄」を省き、さらにはこうした配色を喜んでくださるのですから、チームワーク草履は「良い施策」と思います。

民主党政権が新たに取り組んでいる「事業仕分け」、毎日マスコミに登場していますね。新鮮さは見て分かりますし、国家予算の組み立てに民間人が公開で口を出している様は、まず爽快にさえ思えます。
どんなことにも賛否両論、一長一短が必ずあります。おそらく過半数の国民は支持していると思いますから、蓮舫さんなどにはひるまずやり通して欲しいものです。

この事業仕分けというもの、国や自治体ばかりでなく家庭でも出来ますね。と言うわけで、わが家も考えてみました。
まずは「ケータイ」。私とカミさんに、長女と次女で四台使っています。この金額を減らせないか請求書を隅々まで見てみましたが、せいぜい月額数百円の減額という判定でした。

次に「保険」。改めて数えてみると実に多いです。これは少し整理できるのでは…と思ったのですが、そう甘いものではなかったです。火災・家財・生命・医療・自動車、どれをとっても軽く見て良いのはないんですね。保険については減額ナシの判定です。

次に「教育費」。三人娘の学校へ支払うお金は対象外になりますから、やはり削れる部分は多くありません。長女が通信で受けているひとつに、あまり効果の上がっていないものがあるそうです。これはひとまず「凍結」の判定でした。
私はもう少し削りたいものがあるのですが、自民党のように「しがらみ」もあるんですよ(苦笑)。

家族にばかり減額を強いるのはやめといたほうがイイようです。予想はしていましたが、一番は私の「タバコ」と「飲み代」ですよ。これから忘年会がはじまろうとする時節、これ以上は踏み込まないのが身のためですね。
支出を抑えるのも大切ですが、少しでも収入を増やすため明日からまた実演を頑張りましょ。

これを「ムダ」とは言いたくないのですが、『なんだがなぁ…』といつも感じているモノ。詳細は掲示板へ。

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角館衆とアメリカ人。

2009年11月17日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ21cm土踏まず付き〔四阡円〕
紫基調の花柄プリントをベースに、合わせはエンジ基調の洋柄プリントです。
紫の中でも優しく穏やかなベースに、エンジを合わせたことでよりお洒落になった気がします。サイズは小さめの21cm、穏やかなご年配のおばさまへお勧めしたいです。

実演お休みの今日、まずはタイヤ交換をしました。これが済めば、あとはいつ雪になっても怖いことはありません。朝から冷たい雨が降り続き、夜半からは雪の可能性があると言います。
いきなり積もることはないと思いますが、当地はすでに冬と言ってイイでしょう。草履職人の衣類は完全に防寒用となっています。

改めるまでもなく、角館は城下町です。城下に暮らす者たちは気位が高いと言いますか、今風に言えば「上から目線」。すなわち「生意気」とか「態度がデカい」という感じでしょうか。
世が明治・大正・昭和と移っても、おそらくかつての角館衆にはそういう「土壌」が残っていたと思います。

昭和の町村合併では、旧角館町に雲沢村や白岩村、中川村などが集まりひとつになりました。先人のひとりに昔聞いた話しですが、やはり旧角館の人間は他村の人たちに対し、上から目線が無きにしもあらずだったそうです。
私も角館に生まれ育ち、かつての角館衆にそうした印象が無きにしもあらずでしょうか。

今なぜこんなことを思ったのかと言いますと、先日来日したオバマ米大統領の「お辞儀」に対し、アメリカ国民から批判が出ているというニュースを耳にしたからです。天皇皇后両陛下との対面の際、オバマ大統領が深々と頭を下げたシーンが気に入らないとする意見ですね。「堂々と対峙しろ」ということでしょうか。
もっともこれを声高に説いているのは、基本的にオバマ大統領と相反する立場の人たちという話もありましたから、アメリカ国民のどの程度がそう思っているのかは分かりません。

かつての角館衆がいかに生意気であったにしても、町外のお宅を訪ねる際は玄関で頭を下げたはずですよ。まして今の時代、相手が誰であろうと礼を失した態度は許されるものではありません。
大統領が尽くした礼を批判する人たちも、まさか腰に拳銃を提げて会うべきだとは言わないでしょうけどねぇ。

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