今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔五阡円〕
男性用草履の中にときどき入れたくなるのが、こうした「茶」の配色です。単にシブさを表現するのではなく、柔らかさとか優しさを感じる草履だと思うんですね。年齢を重ねて目指すべき人物像じゃないですかね。
「かまわぬ」のベース生地がこちらです。
ゴールデンウィークが終わって少し落ち着いた頃でしたから、一ヶ月半ほど前でしょうか。東京から一本の電話がありました。
『ご無沙汰しておりますぅ。以前“ちい散歩”でお世話になった○○ですぅ』。お電話の主はすぐに分かりました。「ちい散歩」の番組スタッフさんで、過去に角館草履をご注文くださった女性です。
電話のご用件は、地井武男さんの命日に合わせ「ちい散歩」の写真集が発刊されるとのこと。その中に小さいながら角館草履の場面が掲載されるので、その了解をいただきたいとのことでした。もちろん二つ返事でOKです。
そのご命日が、今日6月29日なんですね。私も西宮家の筋向いにある本屋さんへ、お取り寄せを頼みました。近日入荷するそうです。
思い起こせば一年前、テレビで地井さんの訃報を聞いて間もなく、お電話をくださった女性スタッフさん宛てにお悔やみのメールを送ったものです。それから数日経っての返信には、追悼番組の制作で慌しく、返信が遅れた旨書かれてありました。そして綴られる内容は、地方ロケの楽しさです。それはなにより、地井さんと共にいられる時間が長くなるからなんですね。
メールの最後に書かれてあったのは、「地井さんから教わってきたこと、地井さんの名に恥じぬように、今まで以上に頑張って行きたいと思います」。
スタッフのみなさんがいかに地井さんを尊敬し慕っていたか、文面の端々から伝わってくるものでした。
ちい散歩角館ロケ 2010年9月1日 快晴
地井武男氏 2012年6月29日没 享年70歳
たった30分足らずの角館草履ロケでしたが、単にシブいだけではない、柔らかさと優しさを持ち合わせた地井武男さんでありました。年齢を重ねて目指すべき人物像と思います。