角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

「布巻草履」価格改定について。

2006年07月31日 | 実演日記
実は、今年のゴールデンウィーク過ぎから悩んでいました。
「リサイクルシリーズ」という名の通り、私の草履は基本的に「古着再生」です。県内外のお客様、あるいは地元の知人友人などからご提供される着物や浴衣を、その主材料としていました。
それがこの春以降、オーダー数の増加と配色要望にお応えするためには、ご提供材料だけではまったく足りず、相当の部分を買い付けしています。

さらに、これまで草履を形作る「芯」はリサイクルしたイ草を使用していましたが、この材料もそろそろ底を尽き、順次新品のイ草に交換して行きます。

熟慮の結果、急なことで誠に心苦しいのですが、明日8月1日より、「布巻草履」の価格を改定させていただくことにしました。リサイクル布地から新品綿生地を主材料に変更することから、「リサイクルシリーズ」を「一般綿生地シリーズ」と名称も変更します。

■新価格

「一般綿生地シリーズ」
Sサイズ・・・1800円→2000円
Mサイズ・・・2300円→3000円
Lサイズ・・・2800円→3500円

※「縞木綿シリーズ」「絣木綿シリーズ」も価格を改定します。詳細はトップページをご覧ください。

これからもお客様の「満足」を糧とし精進して参りますので、なにとぞご理解を賜りたく存じます。

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若き人形師。

2006年07月31日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ22.0cm〔靴サイズ23cmまで可・・・2300円〕
紺の縞模様の浴衣をベースに、緒は濃い目の青です。この季節にピッタリの配色と思います。

今日の角館もとても暑くなりました。東北は未だ梅雨明け宣言が出されていませんが、明らかに真夏の陽射しです。米蔵スタッフとこの「梅雨明け宣言」の話題になり、『あれって、どんな意味があるの???』。
どう考えても「宣言」の意味が分かりませんので、私たちだけで『梅雨が明けたゾー!』ということにしました。

三種町(旧八竜町)からお越しのご夫婦、お二方とも還暦前後とお見受けしました。今年のゴールデンウィークに西宮家を訪れ、そのとき私の実演もご覧くださったそうですが、あまりの人垣に購入は断念したとのことです。この時期なら人影も多くないだろうとのことで再訪問でしたが、ご主人用のLサイズにお気に入りがありません。用意していった布生地を眺めながら、『二時間後にまた来るから、それまで作ってくれない?』。

確かに二時間あれば1足編むのに十分ですが、実演しているといろいろなお客様がお見えになります。ときには実演の手が進まなくなる場合もあるので、「二時間」という時間は決して長い時間ではありません。
それでも、高速道路を使っても二時間余りかかる土地からのお越しですし、奥様の粘りも相当のものでした。
『分かりました、なんとかやってみます』と言うと、『助かりますぅ~、こんな無理を頼むならメロン持って来れば良かった!』。

旧八竜町は県内でも有数のメロン産地です。次回ご訪問の際は、ぜひメロンもお待ちしています。

西宮家のお隣りに老舗の呉服店があります。こちらのご子息、当年26歳なんですが、プロ並みの人形作りの技術を持っています。どんな人形かと言いますと、角館のお祭りの山車(ヤマ)に乗る武者人形や歌舞伎人形です。
古くからの人形師の高齢化やご他界により、今ではヤマを出す丁内の若者たちが、人形も作る場合が多くなってきました。彼もそんな中のひとりなわけです。

今年もお祭りが近くなって、すでに人形作りがはじまっています。自宅店舗の裏で作業しているのですが、私がいる実演席から塀一枚隔てた場所がその作業場です。
前々から思っていたのですが、今日はじめて彼に提案してみました。『その人形作り、店の前で観光客のみなさんサ見せでみねが?』。

『いやぁ~、売り物作ってるわげでねぇし、オレ、喋るのも苦手だし‥』と消極的でしたが、そんな説得力のない理由で引き下がる私ではありません。
これからの角館に期待されているもの、観光客が角館に寄せる想い、内町(武家屋敷群)に外町(商人町)が対抗する手段などなど、延々20分以上説得しました。

結果としては、いきなり明日から‥というわけにはいきませんが、やがて往来の方々にも人形作りをお見せする日が来ると思います。
「角館のお祭り」、地元民に深く根付いているという意味では、ほかに類を見ません。そのお祭りに欠かすことの出来ないひとつが「ヤマの人形」です。

これから角館にお越しのみなさま、西宮家の隣りで人形作りに精を出している若者がいないかも、散策のお楽しみに追加してくださいませ。

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まずは第一歩。

2006年07月30日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズLサイズ25.0cm〔靴サイズ26cmまで可・・・2800円〕
唐草をベースに緒をエンジ、真中に同系色のいらか模様を入れてみました。こうなるとどのような年齢層に向くのか私も分かりません。

昨日とうって変わった晴天の日曜日。午前中はそうでもありませんでしたが、お昼過ぎからはお客様が増え出しました。遠方からの観光というより、秋田県内の方が多いように感じます。やはり好天につられて‥という感じでしょうか。

ここのところ、比較的近くのお客様からのオーダーが相次いでいます。過去に一度お買い上げの方であったり、実演を見たときには買いそびれた方だったりです。
昨日はイベントのために実演をお休みしましたが、おひとり草履をお求めにご来店だったそうです。
『この間買いそびれでしまって、いっつもいるど思ってらったのに~』とのことでお帰りになったようです。大変申し訳ありませんでした。次回は必ずお待ちしております。

さて昨晩の「ちっちゃな夏祭り」、第一回の足がかりとしては十分な結果と思います。夕方近くまで降り続いた雨のために、出足をくじかれた感は否めませんが、路上ライブと銘打った「混声合唱団」「高校生バンド」「ヒップホップダンス」、どれも新しい試みでした。新しい試みをすると新しいご来場者が増えます。来年、再来年と回を数えるたびに知名度も増すことでしょう。

サーバの都合で掲示板が変更になりました。昨晩のイベント写真を掲載しています。どうぞご覧ください。

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明日の好天を祈る。

2006年07月28日 | 実演日記
今日の草履は、7月19日、岡山市からお越しくださった男性のオーダー草履です。『赤系でお任せ』がこちらになります。
ご自身用には『紺系でお任せ』、写真の草履は奥様用とのことでした。どちらも気に入っていただけると嬉しいです。
『岡山からじゃ、もし草履が届かなくても文句言えないねぇ』と笑っておいででしたが、お約束通り二週間以内に本日の便で出発しました。

今日これから、明日のイベント準備のため会員が集まります。とりあえずテーブルや椅子等をまとめておく作業です。
現在は小雨ですが、いつまた本降りになるやもしれぬ空模様。今晩の準備は雨に濡れても我慢しますが、明日の夜はゼッタイ晴れてくださいヨ。
草履実演を一日休む代償は、ご来場の方々の笑顔にほかなりませんから。


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風評被害。

2006年07月27日 | 実演日記
今日の草履は、7月17日にメールでご注文のオーダー草履です。横手市にお住まいの女性で看護士さんなんですが、職場で足を楽にしたいときに履いてみたいとのメールでした。
足の形に若干の添え書きがあり、なんとか意向に沿ったつもりなんですが、気に入っていただけると嬉しいです。
本日西宮家にお引き取りに見え、ご友人も在庫の中からお選びくださいました。ナースシューズって、結構キツそうですもんね。

大館市からお越しのご家族。おばあちゃんに娘さん、そして小学1年と幼稚園年中さんの女性ばかり4人旅です。どこへ行くにも普段は車ばかりなので、夏休みを利用して「電車のプチ旅行」なんだそうです。二人の女の子のはしゃぎようは、どんなに楽しいか推し量れます。

おばあちゃんが「草履作り」に高い関心をお寄せでした。ほぼ1足編み上げるまでご覧になり、『やっぱり買う!』と言って草履台のお買い上げです。
『挫折したらあんたやれっ』と娘さんに言ってましたが、娘さんは『多分○○(小1の女の子)がやるべっ』。
すぐに人がしていることを真似たがる小1の女の子は、途中で投げ出すことなく結構最後までやり通すんだそうです。
もしおばあちゃんが挫折して、草履台が小1の女の子の手に渡ったら、確実に最も若い草履職人の誕生です。

昨日の夕方、北蔵レストランをご予約とのことで、町内では1、2を争う有名な観光施設の社長がお見えでした。
しばしおしゃべりした内容は、この七月の観光客の少なさ。大方の施設は来客数を落とし、売上はさらに落としているのが専らです。
こちらの社長の見解は、『あんたにヒドい事件があって、連日の報道だべ。あれだば敬遠する人がいでも当だり前でねがぁ』。

「ヒドい事件」というのは、ご承知の通り、自身の娘と近所の男の子を殺害した事件。未だ全容は解明されていませんが、犯人の女は完全に狂っているとしか思えません。
確かにこんな事件のあった県は、『さて、どっか旅行でもするかっ』といった方々から、無意識のうちに敬遠されているのかも知れません。
同じ秋田県というだけで、これは「風評被害」と言いたくなります。

未曾有の豪雨災害に見舞われた長野県に、今遊びに行くというのは確かに気が引けます。同じ県内でも被害のなかった土地からは、私たち同様に「風評被害」という声が聞こえてきそうです。

目的の旅先は、やはり笑顔に満ちたところが一番ですからね。今日の小1の女の子のように‥。

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狭くて広い日本。

2006年07月26日 | 実演日記
今日の草履は、町内のお得意さん、HRさんからのオーダー草履です。『とにかく可愛く‥』がこちらになります。
もうかれこれ5足ほどお買い上げいただいているのですが、ご自身用は1足だけ。あとは全部ご友人へのプレゼントやら、お世話になった方へのお礼にお使いです。
贈りものは、まず自身が気に入らなければゼッタイ使いませんから、そういう意味でも嬉しいお得意さんです。

今日の角館は、わずかに雨が降っただけでした。それより気温が低すぎます。散策のお客様もジャンパーを片手に、あるいは長袖シャツをお召しの方もおりました。

兵庫県から一人旅を愉しんでおられる女性、40歳代後半とお見受けしました。世間話をしていて「関西弁」が分かりましたので、『大阪ですか?』とお尋ねすると、『あれっ!?関西っていうの分かりました?』。それからお互いの地域の「訛り」が話題になりました。

これまでも何度か言われましたが、関東以西の方は「東北弁」の区別がつきません。つまり、津軽も秋田も福島もみんな同じに聞こえるということです。おそらくこれらを総称したのが「東北弁」という言葉なんでしょう。
対して、大阪や兵庫、あるいは京都や奈良の言葉は、私たちも総称して「関西弁」と呼びます。その違いは分かりませんし、私なんか和歌山だって四国だって同じに聞こえます。
『兵庫では、さんまみたいに○○でっかーなんて言いませんヨ』と言われて、はじめて『あ、そうなんですかぁ』という感じです。

20年も前でしょうか、町田市の百貨店で催事をしたとき、私たち数名と売り場の女子社員数名で夕食を食べたことがありました。そのとき、『東北六県を上から順に言える?』という質問に、いきなり『まず岩手県でしょう‥』と答えた女の子がいました。

このときの女子社員を「標準」とは言いませんが、まぁ、だいたいそんなもんでしょう。

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医者の不養生。

2006年07月25日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ23.0cm〔靴サイズ24cmまで可・・・2300円〕
ピンク基調に細かな花がプリントされた綿生地をベースに、薄い茶色で三本帯を入れてみました。とても柔らかい仕上がりで、中高年の「優しいお母さん」に履いていただきたい一品です。
作り終えて間もなく、まさにそんなイメージの奥様にお買い上げいただきました。

今日の角館は、朝から小雨がぱらつく梅雨空でしたが、昼過ぎからスッキリ晴れ上がりました。気温が上がった割に心地よい風がありましたから、梅雨時期としては過ごしやすい一日と思います。

横浜からお越しのご夫婦、私のホームページをご覧になり、ぜひ実物を見て買いたいとのことでお訪ねくださいました。
『ホームページの写真ではいっぱい並んでましたけどねぇ‥』と奥様。確かに、「選べる」ほどの在庫はすでにありません。それでも、ちょうどそのとき作っていた草履を気に入っていただき、出来上がるまでの20分ほどをご覧のうえお買い上げくださいました。
『作りたてを買えるなんて、やっぱり来て良かった!』。そのお言葉で私も救われます。

昨日東京からお越しの男性が、『この間中国マッサージの先生に、緒のある履物を履くように言われたんですヨ』とおっしゃり、オーダーくださいました。なんでも足裏の一点を押されたとたん、飛び上がるほどの痛さを感じたんだそうです。
確かに、「足は第二の心臓」だの、「足裏はツボの宝庫」だの聞きますが、では緒のついた履物が具体的にナニに良いのか、これまで調べることをしませんでした。

こちらのお客様がお帰りになったあと、私のサイトでお馴染みの「藤さん」が遊びに見えました。藤さんは看護士を目指す若人で、角館の祭りの囃子方でもあります。
藤さんの顔をみたとたん、この「足裏」を思い出しました。彼ならいろんな勉強をしているだろうと思い尋ねてみると、『いやぁ~、ツボの勉強はしたごどねんシなぁ‥』。
そこで“宿題”となり、早速ネットで調べた資料を持って来てくれました。

一通り目を通してみると、一点に絞ったツボと言うよりは、足裏全体をマッサージすることによる「血流促進」が最も説得力がありました。心臓から一番遠い足裏を刺激するのは、体温を上げて運動能力を高める効果があるそうです。すでにお履きになっている方々はお分かりですが、「イ草」の堅さが適度な刺激を生むのが、私の草履の最大の特徴と思います。ですからその点では、「体に良い」とする理論に叶っていると考えてイイと思うんです。

ちなみに足の親指の付根は、「首」に直結した働きがあるそうです。「首が疲れる」「首が凝る」という症状には、どうやら草履が効きそうです。
毎日々々草履を編み続けていると、どうしても肩から首が凝ります。一番草履を履かなければならないのは、もしかしたら私自身かもしれません。

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ひとつの「廃業」。

2006年07月24日 | 地域の話
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ23.0cm〔靴サイズ24cmまで可・・・2300円〕
ブルー地に白抜きの水玉模様をベースに、緒は紺です。今日も梅雨空が続く角館、水たまりに雨の雫が落ちる様にも見えます。

ついさきほど、あきんど塾の会議から帰りました。19時からはじまった会議が、終わってみれば22時。飯も喰わずにたいしたもんです。
会議のテーマは「あきんど塾夏祭り」、ほぼ概要が決まりました。詳しくはトップページをご覧ください。前日の秋田さきがけ新報に折り込みチラシが入りますので、ぜひそちらもご参考ください。

このイベントでは、草履実演はしません。では、私は一体ナニをするのかと言うと、玩具の処分セールをします。
草履職人になる以前、私の仕事の一部にイベント出店がありました。春のお花見から秋の産業祭まで、8ヶ所ほどのお祭りやイベントに参加していました。一体ナニを販売していたかと言うと、この「玩具」なんです。アンパンマンなどのキャラクターお面やヘリウム風船、犬や昆虫のビニール人形、キティちゃんやドラえもんの提灯など、いわゆるお祭りに欠かせない「おもちゃ屋」でした。
これが本業ではありませんが、その品揃えには定評がありました。中でもヘリウム風船は、角館のお祭りでとうとう私ひとりになっていました。そのほかにも毎年新しい商材を見つけていましたから、その道のプロである露天商の方々にも一目置かれる“セミプロ”だったんです。

今年から草履実演を本業に据えましたので、すべてのイベント出店を取り止めます。ですから、今回が最後の「処分セール」なわけです。
これはこれで寂しさもありますが、夜空に舞い散る花火の如く、華やかに「おもちゃ屋」の最期を飾りたいと思います。

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二晩連続の‥。

2006年07月23日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ23.0cm〔靴サイズ24cmまで可・・・2300円〕
クリーム地に紺の山水画が描かれた浴衣をベースに、青い浴衣を合わせてみました。青い浴衣はチェーン模様になっていて、平生地で見ると洋風なイメージです。ベースの山水画はまさに和風ですから、和洋折衷の草履と言えます。

昨晩は丁内会のおじさんたちとの飲み会でした。8月5日の丁内会生ビール大会の打ち合わせをメインに、いろんな話題が飛び交いました。

そして今晩これから、間もなくオープンを迎えるさんさん企画さんの「開店を祝う会」があります。

そんなわけで、二晩連続の飲み会に行って参ります。米蔵スタッフから、『(草履の)在庫も考えて、呑み過ぎないように‥』と釘を刺されて来ました。

元より承知のすけー!!


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中央進出はいつの日か。

2006年07月21日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズLサイズ25.0cm〔靴サイズ26cmまで可・・・2800円〕
青に近い紺基調の綿生地をベースに、緒はエンジです。秋田おばこ調男性バージョン、きっと気に入っていただけるお客様がお見えになると思います。

「夕方から雨」の予報が、午前中から降り出しました。ときおりやみながらも、夜になった現在は本降り状態です。
平日の雨ですからお客様も少なめを予想していたんですが、朝からことのほかたくさんお見えになりました。どうしたんだろう?と思っていたところ、米蔵スタッフに教えられました。今朝の新聞に、昨日からはじまった「ガラスの器展」が紹介されたからです。
したがって今日は、“他人のふんどし”の商いとなりました。

東京からお越しの、男性4人に女性3人のグループ。特に男性が草履に関心をお寄せです。中のおひとりが、『一年中ここでやってるの?』。真顔で尋ねるお客様に、なにやらこれまでの世間話風とはちょっと違う感じがしました。
在庫の関係で一年中は無理なことをお伝えすると、『東京に一週間くらい来られないかなぁ、ヒマな時期でもかまわないんだけど‥』。いかにも職業っぽくおっしゃるので、『どちらかのバイヤーさんですか?』とお尋ねすると、『そう、伊勢丹の催事を担当してるの』。
あちゃー、一流です。

伊勢丹百貨店には少々思い出があります。もう二十年も前のサラリーマン時代、秋田県物産展の当番で新宿本店を担当したことがありました。この百貨店の格の高さも不勉強でしたし、それまでにいくつかの百貨店も経験してましたから、たかをくくって私ひとりで行ったんです。初日開店から1時間で、私の考えがあまりに甘過ぎたことを知りました。とてもひとりで捌けるお客様の数ではなかったんです。急きょ会社に電話して応援を求めました。
そんな百貨店で草履実演するなんて、あまりに無謀と言うほかありません。

『弟子がいっぱい出来るまで待ってるよ!』と笑顔でお帰りになったお客様。いつか、ほんとに中央進出するときには、是非とも伊勢丹百貨店新宿本店に行きたいものです。

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