角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

更新講習。

2007年02月28日 | 地域の話

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm〔3000円〕
紫基調に桜の花びらが美しい綿生地をベースに、緒は緑にしてみました。角館らしい桜もそうですが、淡い紫がイイですねぇ。お洒落さでは在庫中トップクラスと思います。

今日、運転免許証の更新に行ってきました。サラリーマン時代は、年に一度か二度スピード違反で罰金を払ってましたが、自営をはじめてからは皆無です。このたびもめでたくゴールドカードで更新です。

優良運転者の講習は30分ですから、講師の方も何に重点を置くか考えるんでしょう。今日は「飲酒運転撲滅」をメインにしてました。
昔はよく飲んでから運転する人がいましたね。秋田は酒好きが多いのは周知のことですが、ちょっと用事で誰かの家を訪ねても、お茶ではなく酒が出てくる土地柄です。さすがに今は運転者にそういうことはないでしょうが、かつては実に「寛大」でした。

26年前の学科試験で今も憶えているのが、『酒を飲んで運転してはいけないが、ビールコップ一杯くらいなら良い?』というのがありました。この試験を受けるのに結構真面目に勉強しましたから、『ふざけた問題出すなよぉ~』と心の中で叫んだものです。

あれっ、もしかしたらこの設問、秋田県だけの特別バージョンだったんですかね。

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個性が大事。

2007年02月27日 | 家族の話

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズLサイズ25cm〔3500円〕
赤のいらかをベースに、紺を合わせた配色Ⅱパターンです。赤と黒は相性バツグンですが、今日の草履もメリハリの効いた配色と思います。

今日の角館も、春そのものの陽気です。道端や除雪車が貯めた場所には若干の雪がありますが、道路はポンポンしていますね。スタッドレスタイヤが気の毒にさえ思います。

昨日の「今日の草履」に使ったベース生地で、残りを作り上げました。一足先に春を感じてくださいませ。





名づけて「花ばたけ三姉妹」、いかがでしょう。
ベース生地が同じでも、合わせる色を変えるとまた違って見えますね。草履の「個性」とでも言いましょうか。

「似ているけど違う」と言えば、わが家の双子。元来二卵性ですから違って当たり前なんですが、赤ちゃんの頃から顔かたちはよく似ていました。
ものごころついた頃から性格は違っていたのですが、先日行われた中学のテストが面白かったです。

社会科のテストの設問、『18歳以上に選挙権を与えるとしたら、あなたはどう思いますか?』
ひとりの答えは「賛成」。その理由は、『高校を卒業したら投票できるから、今より早く大人の自覚が生まれると思います』。
もうひとりの答えは「反対」。その理由は、『18歳や19歳で、まともに投票する人は少ないと思います』。

それぞれに“らしい”答えです。そして現代の世相を反映していて、思わず苦笑いしてしまいました。私が社会科の教師なら、この二つの答えに満点を与えますね。
個性には、いつも100点が似合います。


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まぁるく、まぁるく‥。

2007年02月26日 | 製作日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ24cm〔3000円〕
カラフルな花が散りばめられた綿生地をベースに、緒はエンジです。いかにも「春」を想わせる、とっても可愛い草履に仕上がりました。今日の角館も穏やかな晴天、ほんとの春が目前です。
この綿生地は少ししかありませんので、この一両日で集中的に作ってしまいます。

今日の拡大画像は「つま先」にしてみました。草履作りをはじめる方が一様にぶつかる壁、それがこのつま先の「丸み」なんです。
もちろん私もこの壁を超えて来たわけですが、つま先を丸く編むのがなかなかの苦労なんですよ。よく言うのが「イカの頭」、尖がってしまうんですね。

この解決策というのが、「成り行きに任せない」。実に抽象的な言葉と思われるでしょうが、実際に草履作りをはじめてみるとこの意味が実感として分かるはずです。
つまり円を頭に描いたら、堅い意志と力でなにがなんでもその形に持っていくという「信念」なんです。このキーワードが、「成り行きに任せない」となるわけです。

想えばしばらくの間、「怒り心頭」という心境にご無沙汰しています。日々の暮らしでときに頭にくることもありますが、血相を変えて‥というのはほんとになくなりましたね。
まぁ、加齢と共にと言えばその通りなんでしょうが、これは本格的に草履作りをはじめてからが顕著と思うんです。

なにかひとつに「信念」を持つと、人間もつま先も丸くなるのでしょうか。

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あと3週間です!

2007年02月25日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズLサイズ25cm〔3500円〕
赤のいらかをベースに、淡いローズ色を合わせた配色Ⅱパターンです。ローズ色の綿生地には、バラの模様が描かれています。
『男性用サイズにも華やかな色を‥』というお客様のご要望を受けて、昨年からいろいろな配色にチャレンジしています。でも、さすがに今日の色は男性向けじゃなかったですね。足の大きめな女性に期待することにします。

今日は日曜日ということもあって、市街地は閑散としていました。役所や銀行、郵便局が休みだと、中心部はかえって静かです。これが観光シーズンであれば散策客の姿があるのですが、暦はまだ二月、雪がなくてもお客様はいませんね。

久しぶりにさんさんサンのお店にお邪魔していると、東京からお越しというご夫婦が入って見えました。『お祭りみたいなのがあったから‥』と奥様。
10分かそこらでしたが、やっぱりイイですね、観光の方とのおしゃべり。

今年の実演開始まであと3週間です。11月までの長丁場にはペース配分が重要なんですが、おそらくそういう器用な真似は出来ないと思いますね。
2月19日のブログじゃないですけど、器用だったらこの仕事に行き着いてないでしょうから。

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手書きの魅力。

2007年02月24日 | 製作日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズLサイズ25cm〔3500円〕
藍色とんぼをベースに、黄色と赤茶が入り混じった綿生地を合わせています。この生地なんですが、元々は南国のビーチのイラストが描かれていたものです。巻かれてしまうとまったく面影がありませんが、なかなか面白い草履になったと思います。

先日、年賀はがきの当たりを交換してきました。切手シート3枚です。4~5年前、二女に届いた年賀状が4桁の大当たりで、3千円相当の美味しいものと交換しました。滅多にお目にかかれない4桁でしたが、これがナンバーズだったら100万円に化けています。そう思うと、3千円の旨いものの味が複雑でした。

今年の年賀状は、はじめて年が明けてから書きました。だいたいは前年に書き上げて、元旦の朝に先様に届くのがフツーです。言い訳がましい話なんですが、昨年末は二女の入院もあって年賀状へ気持ちが行きませんでした。
もちろん届いた年賀状にお返事は出すつもりでいましたから、せめてもの気持ちもあってすべて手書きにしました。ワープロを購入して以来ですから、15年ぶりくらいでしょうか。すべて書き上げた達成感は、活字とまったく異質でしたね。

草履の通信販売では、基本的に郵便振替でご送金をいただいています。この振替用紙には「通信欄」という項目があって、もちろん何も書かなくてイイのですが、結構の割合で一言コメントが書かれてあります。
今日届いた振替用紙には、『きれいな草履をありがとうございました。早速はかせていただいています』とありました。ご自身の手書きコメント、なんとも言えない嬉しさがありますね。

手書きの年賀状、しばらく続けてみようかと思っています。

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聞きづらい日本語。

2007年02月23日 | 製作日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズLサイズ25cm〔3500円〕
青のいらかをベースに緒は緑、真中に黄色の帯です。最近こうした色違いの在庫をずいぶん作っていますが、無地を変えるだけでだいぶ雰囲気が違って見えるもんです。

この間テレビを観ていたら、ナイナイの番組で面白いことをしていました。ナイナイの二人にそれぞれゲストが付いて、カタカナ言葉を使わない会話を展開するものです。
ナイナイの二人が相手のゲストにカタカナ言葉を誘導すると、これが見事に引っ掛かるんですね。現代の日本人の生活では、カタカナを使わず過ごすのは到底無理のようです。
たとえば今日の草履を日本語オンリーにしたら、「一般綿生地種、大の八寸強」ってな具合でしょうか。

マスコミ等では、昨今の若者が使う言葉に批判があります。「チョー」「ヤバイ」「ウザイ」などなどですね。「ぜんぜん美味しい」「ぜんぜん綺麗」などの誤った使い方も指摘されています。わが家の娘たちが使う言葉も、私の常識にないものがときどき出てくるようです。

若者のいまどき言葉よりもむしろ私が気になるのは、大人が使う「私的」という言葉。これって昔言いましたかね。丁内のおじさんたちや同期の仲間も、誰一人として「オレ的」なんて言いませんから、やはりいまどき言葉なんでしょう。これが結構40歳くらいの女性が使うんですよ。

あと気になるのが、語尾のすべてに「ね」を入れる人。サッカー選手のインタビューを聞いてると実に多いです。
『今度のブラジル戦はね、みんなの力をね、ひとつにすればね、きっとね、勝てますね』。
昨日のラジオで、医者がなにかの治療方法を説明していたんですが、これも「ね」が多くてとても気になりました。サッカー選手は若者ですからひとまず良しとしても、ラジオの医者は少なくとも若者の声ではなかったです。

私も使ってみましょうか、『今年のね、桜もね、きっと綺麗だからね、みんなもね、楽しみにしてね』。
あー、だめだこりゃ‥
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今年の開花は‥。

2007年02月22日 | 地域の話

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズLサイズ25cm〔3500円〕
桜うさぎブルーをベースに緒は青、真中に黄色の帯です。桜うさぎブルーを使ったLサイズをはじめて作りました。爽やか系で案外イイと思います。

今日の朝刊に、開花予想第一号が載っていました。角館は4月20日だそうです。これだけの暖冬の割には案外フツーなんですね。
ひとまず開花を4月20日と仮定すると、見頃は23日から26日くらいでしょうか。あらら、土日が入りませんなぁ。
昨日のラジオで、気象予報士が言ってました。開花が早い年は、いつもより長く咲いてるんだそうです。だとすれば、28日からのゴールデンウィークに間に合うかも知れませんね。

でも、昨年あれだけ開花が遅くても4月末には咲きましたよねぇ。今年はこんな暖冬でもそんなもんですかぁ。
ん~、結論としては、やはり自然は分からない‥。

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「○○っぽい」を考える。

2007年02月21日 | 製作日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、秋田市にお住まいの同期生、FOクンからのオーダー草履です。『岩下志麻系でお願い‥』がこちらになります。いかがでしょう、そんな雰囲気しません?
本日の便で出発です、気に入ってもらえると嬉しいんだけど‥。

さすがに「岩下志麻系」ははじめてでしたが、これまでも「○○っぽく」という表現はありましたね。でも、「○○っぽく」というのは人それぞれの感覚的なものがありますから、必ずしもご満足いただけてない場合もあったか知れません。

「○○っぽい」に対して「○○っぽくない」という表現もあります。思うのですが、むしろ「○○っぽくない」は誉め言葉に使われる場合がありますね。
三女が通う小学校の前校長は、暇があると校舎のあちこちに絵を描いていました。もちろん教育理念はお持ちでしょうが、普段にそれを見せることはなかったと思います。いわゆる「校長っぽくない校長先生」でした。

そのひとつ前の校長は、こちらも暇があると花壇などの土いじりばかりしていました。面識のない人が来訪すると、よく校務員に間違われていましたね。こちらも「「校長っぽくない校長先生」だと思います。

知人の議員さんにもそういう人がいて、見るからに議員さんらしくない風貌です。いつでも誰にでも腰を低く挨拶し、人の話もよく聞きます。質問にはたとえ時間がかかろうとも必ず返答を持って来ますし、期待に添わない結果のときはその理由もしっかり答えてくれます。
あれっ!?これって本当の議員さんの姿じゃないですかっ。彼は「議員っぽい議員」だったんですねぇ。

さて私はどうしましょ、「職人っぽい職人」がイイのか、はたまた「職人っぽくない職人」がイイのか。この答えはしばらく出てこない気がします。

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うれしい在庫たち。

2007年02月20日 | 製作日記
今日の草履は、2月17日、横浜市青葉区にお住まいの男性からの、メールによるオーダー草履です。『紺系にオレンジを合わせて‥』がこちらになります。
配色はブログの草履画像からご指定いただきました。ほぼご希望に沿った草履が出来たと思います。
すでに出発しました、どうぞお楽しみに!

ご注文から二日後に発送できるなんて、お客様も嬉しいと思いますが、もしかしたら私のほうが嬉しいかも知れません。昨年の5月は一ヶ月かかっていましたし、9月もそれに近い納期をいただいてました。
以前のブログでも触れたことがありますが、私は職人になり切れていない「半職人・半商人」なんだと思うんです。本当の職人であれば、「手作り品なんだから時間が掛かるのは当たり前」と思えるところが、「とにかく納期優先」で過ごしてきた商人時代との葛藤があるんですね。
かつては仕入れが日常でしたから、注文品の届くのが遅いのはストレス以外の何者でもありませんでした。当然お客様に対してもそれと同じ心理が働くわけです。

3月18日の2007年実演開始に向けて、在庫作りや諸々の準備が進んでいます。在庫の一部をご紹介しますね。

みんなみんな、うれしい在庫たちです。今年一年実演会場がこの状態で保たれるよう、明日も頑張ります!


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不器用なほど‥。

2007年02月19日 | 製作日記
今日の草履は、一般綿生地シリーズLサイズ25cm〔3500円〕
青のいらかをベースに緒は緑、真中はグレーの帯です。帯の色で、どちらかというとご年配向きになった気がします。

今日は「雨水」、雪から雨に変わる、つまり春が近い時期を指すわけですが、今日の角館も好天の一日でした。例年であれば、立春や雨水でも「春は名のみの‥」と言うのですが、今年に限っては実際の天候のほうがはるかに先を進んでいます。

実演でときどき聞くのが、『私は不器用だからこういうのは無理ねぇ』とか、『あらぁ、とっても器用なのねぇ』といった言葉です。確かにおしゃべりしながらでも草履を編み進んで行きますから、そう見えることに不自然はありません。
でも、私は元来器用なほうではないと思ってます。日曜大工が好きでいろいろいじってますが、だいたいの場合満足いかないまま諦めるか、作り直すかしています。

『私も草履作りしてみたい!』とおっしゃる方の多くは、ほかに手作り経験がありますね。「布」の共通点からか、パッチワークをしている方が結構います。
よく言うのですが、野球が上手な人はサッカーも上手なもんです。バスケットが好きな方は、機会があればバレーボールも率先して参加しますね。ただしこれは、やはり趣味やレクリエーションの世界だと思うんです。それを職業つまり生業とするとき、反って「器用貧乏」となって弊害になる場合があります。
モノ作りを職業とするならば、案外不器用な人ほどイイんじゃないでしょうか。

一昨日の同期の新年会、製材業を営むKNクンがフォークとスプーンを片手だけで持って、ナポリタンを掴むのに成功したと大喜びしていました。
44歳のおじさんが少し大人気ないとは思いましたが、案外これくらいの人のほうがモノ作りに向いているかも知れません。

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