角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

上半期が終わりました。

2011年06月30日 | 実演日記




今日の草履は、新潟市中央区にお住まいの男性からの、インターネットによるオーダー草履です。「黄色系おまかせ」のオーダーでしたから、同系色にまとめてみました。「紺系おまかせ」と「紫系おまかせ」の合わせて三点、おそらく明日の便に間に合うと思います。他の2足もこれからの「今日の草履」でご紹介して参りましょ。

いかにも梅雨らしい天気が続いています。雨量もこの数日の累計は、もうかなりのものじゃないでしょうか。昨年流行り言葉のように言われた「ゲリラ豪雨」、どうやら今年も生きていそうです。
ただ気温は思ったより低めで、特に首都圏からお越しのお客様はずいぶん喜んでいます。確かに熊谷市や前橋市の気温は、ちょっと尋常じゃないですよ。

6月23日からはじまったJR東日本「大人の休日倶楽部パス」のおかげで、多少なりとも散策の姿が増えています。週末は秋田県内や盛岡市などのお客様が加わりますから、三月や四月に比べれば幾分角館らしい光景になってきました。
それにしても3.11大震災発生直後に、今の角館の様子を誰が予想したでしょうか。

今日で2011年の半分が終わったんですね。いつもの年なら『早いもんで…』で片付きそうな印象ですが、今年についてはいささか気分が異なります。三人娘それぞれの入試に、長女と次女の引越し。それだけでも目まぐるしい冬から春先だったのに、あの3.11の大惨事はとにかく大きすぎました。今年の上半期は、人生で一度きりの経験がいくつかあった気がします。

明日からの下半期は、少し気持ちを入れ替えたいと思っているんです。東北の夏は短いながら、観光シーズンとしては桜の季節に準じる賑やかさとなります。私たち角館あきんど塾が主催する「かくのだて絵燈籠夏祭り」も開催しますし、角館とその周辺はイベントの目白押しです。また近くなったら、いろんな情報をお伝えしますね。

6月23日のブログで触れた角館草履の新価格と変更期日ですが、熟慮の末に決めました。今晩これから整理して、明日の朝ブログにアップします。ご愛用くださっているみなさまには、格別のご理解を賜りますようお願いを申し上げます。
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悩んだ末の布草履。

2011年06月28日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
「緑系おまかせ」にもってこいの配色は、見ているだけでも気持ちが落ち着きます。武家屋敷通りの木々は緑をたたえ、梅雨の雨が静かに降りかかる…ってな言葉だと風情でしょうが、昨日の雨には参ってしまいました。土砂降りの中の散策は、お客様にも気の毒でしたねぇ。今日明日の天気を見てみると、土砂降りは少しお休みのようです。

草履コーナーの一角に、いわゆる布草履が10足ほど入ったカゴがあります。そこには、「このカゴの中は普通の布草履です」のポップを貼り、大人用1000円、子供用600円と表示してあるんですね。この草履の作者は、角館草履に使用するイ草の縄綯い(なわない)をしてくれているおばあさんです。80歳をゆっくり過ぎたおばあさんですが、その縄綯い技術は確かですよ。

おばあさんはかねてから布草履作りをしていて、今でも適当な布地が集まると編み出すんだそうです。そしておおむね10足くらいになると、『誰か欲しい人いねぇもんだべがなぁ』と私に訊きます。80歳を過ぎたおばあさんが一生懸命編んだ草履ですから、毎回私が購入してくるわけです。正直、角館草履の実演席で、普通の布草履はなかなか売れません。

それが一昨日1足、そして今日2足のお買い上げがありました。一昨日は旅行中のご主人が奥様へのお土産です。おばあさんが編んだ布草履を手にとってましたので、一応角館草履との違いだけはご説明しました。そのうえでご主人は、『なんか1000円で面白いモノを見つけたなぁ』と、とても満足気。ご主人の笑顔を見ていると、品物の違いと嬉しさの違いはまた別モノというのが分かりますね。

今日2足のお買い上げは、おともだちとの二人旅を愉しんでおられるおばさまです。ご自分用とご主人用の2足なんですが、こちらのおばさまは角館草履との違いをしっかり理解した分悩みました。そしてファイナルアンサーは「布草履」。価格に四倍の差がありますから、当然理解できる判断でしょう。

角館草履を選んでくださったお客様には、もちろんのこといつも感謝しています。でも最終判断で「おばあさんの布草履」を手にされたお客様にも、やはり感謝はあるんですよ。それは『結構売れだよ~』と、私がおばあさんに言ってあげられるからなんですね。
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愛なき批判。

2011年06月27日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
気持ちイイくらいの青で統一してみました。ベースの深い青は、水深日本一の田沢湖を思い起こさせますね。梅雨が開け暑い夏がやって来る頃には、どなたかがお選びになるでしょう。

昨晩はテレビ番組の中で最も楽しみにしている、NHK大河ドラマがありました。歴史モノですからストーリーは分かりきっているのですが、演じる俳優さんや脚本家の趣味によって、結構雰囲気が変わります。石坂浩二さんの千利休はとても良いですね。この先向井理さん扮する徳川秀忠がどう化けるか、大きな楽しみのひとつでしょう。

昨晩のシーンに、秀吉の弟である豊臣秀長が亡くなる場面がありました。秀吉に対し遺言のように遺したのは、『耳障りなことを言ってくれる人を大切に…』のような台詞。侍の世界では頂点を極めつつあった秀吉ですから、おそらく周囲は「イエスマン」が多かったでしょうね。秀長がそんな兄を憂いたという演出でした。

確かにこの意味はよく分かります。耳に心地よいことばかり聞こえれば良いのですが、実際の生活でそんなことはありません。ときに腹が立つほどの批判を受けることもあれば、まったく予期せぬ指摘を受けることもあるでしょう。そうした批判や指摘を「大切なもの」として聞くことができるかどうか、それはその批判に「愛」があるかどうかだと思うわけです。
実は秀長の台詞を聞いた瞬間、さかのぼること数時間前の実演席を思い出していました。

秋田県北部に位置する地方都市から、20数名の団体さんがいらっしゃいました。お昼ごはんにちょっとアルコールが入ったおじさまや、食事を済ませて買い物を愉しむおばさまなど、まずいつもの光景です。草履コーナーの丸太椅子にもおばさま数名が座り、好きな配色選びでそれは賑やかに過ごされました。

草履コーナーがいっとき静かになったとき、ひとりのおじさまが私の前に立って話し出しました。『角館なんて昔の街並みがねがったら、ただの寂しい町だものな。ほんとになんにもねぇべ。見せる範囲も狭いがら、少しのお客さんでも商いになるんだな』。
全国津々浦々いろんな人がいるわけですが、初対面でいきなりこの手の話をされたのは初めてです。

おじさまの言葉は勢いづいて止まりません。『町のあちこちに稲庭うどんの看板出でるども、まるで角館の食い物みでったねが。角館サ昔からある食い物どご売り物にしねばダメだべっ』。
私がお応えしたのは、『私は見ての通り草履職人だがら、ただ一生懸命草履編むだげだんシ。食い物のことはその道の人が考えるんシべ』。

おじさまのご指摘はごもっともで、角館人とて何もせずにいるわけではありません。仙北市では「食」についていくつかの事業が始まっているのですが、こちらのおじさまとはそういう話をする気になりませんでした。最初の言葉、「ただの寂しい町」を聞いたときに、角館に対する愛はもちろん、人様のふるさとに対する心さえないのが分かりましたからね。
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合併と融和。

2011年06月26日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
オレンジ系でまとめた一品は、明るく楽しくという印象でしょうか。こちらであれば、お若い女性もご年配の女性もよろしいと思います。

今でもときに訊かれるのが、『角館って、市なの、町なの?』。中には訊くこともなく、「角館市」と思い込んでいる人もいますね。いまさらですが、旧角館町は隣接する旧田沢湖町と旧西木村との合併により、「仙北市」となってほぼ六年になります。
自治体合併の前に商工会が一足早く合併したのですが、自治体合併後もそれぞれ独立して活動してきたのが、「観光協会」なんですね。

私は観光協会に加盟しておりませんので、運営の詳細については不案内です。ひとつの自治体となっても独立を守ったそれぞれの観光協会、それにはそれなりの理由があるのでしょう。傍目でちょっと思うのは、角館と田沢湖の立場関係というのが、「同志」よりも「ライバル」に近かったからじゃないですかね。これは町の規模が近いのも一因でしょう。

その観光協会が、それぞれの活動を互いに綿密なものにしようと、新たな組織を作った記事が朝刊に載っていました。単純にとても良いことだと思いますし、必要なことだとも思いますね。きっとそれぞれの役員をされている方々は、私なんかよりもずっと必要性を感じていたでしょう。
町村合併から六年が経って、感情的にもひとつの自治体へと一歩進んだのでしょうか。

今日の実演席は、大仙市大曲のおばさまたちと縁が多かったです。別々の三つのグループがそれぞれにお買い上げくださり、みなさんが賑やかなひとときを過ごして行かれました。
ひとりのおばさまが言うのは、『角館は一年中楽しめるものがあるがらイイものなぁ。大曲なんて花火ひとつしかねぇもの』。
もっともその花火が、度肝を抜かれる大イベントなんですよ。

やがて次の合併がやってくるときは、仙北市と大仙市がひとつになるかも知れません。さすがにこの合併は規模が違いすぎます。そうなったらこちらが頭を下げて、「仲間入り」を願うことになりますか。
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近く、価格が変わります。

2011年06月23日 | 製作日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
シブい金茶がベースですから、組み合わせもやはり「和」にこだわってみました。日ごろはご年配の女性ほど赤系をお勧めするのですが、さすがにこれだけのシブさだとお若い女性では無理かも知れませんね。縁起物の「招き猫」がプリントされたベースはこちらです。




「ついに…」というのが率直な感想でした。昨日のこと、いつもの布地屋さんへ定番配色の唐草を注文すると、『連絡しようと思ってたとこなんですけどぉ、今月末から一斉に値上げになるんですぅ』。

予感はあったんです。かつての生業であったギフト業。その中の粗品タオルは、今も僅かですが継続しています。そのタオル問屋さんから、この半年で二度の値上げ要請がありました。綿花の相場が高騰している話はそれ以前から聞いていて、角館草履に使用する布地は綿100%ですから、当然気にしていたわけです。

そしてその値上げ幅、草履の価格を据え置けるほど生易しいものではありませんでした。今しばらくはこれまでの布地在庫で編むとして、これが尽きた後は角館草履の価格が変わることになります。
新価格及び変更時期につきましては、熟慮のうえ出来るだけ早くお知らせしたいと思っております。どうかご理解を賜りたく存じます。
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文字通りの休養。

2011年06月21日 | 製作日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
緑と紫の組み合わせは、私の記憶でそう多くないと思います。でもなかなかお洒落でイイですね。どちらかと言えば、お若い女性よりも中高年のおばさま向きでしょうか。可愛い花柄のベース生地はこちらです。



梅雨入り初日の今日、いきなりずいぶんと降ってくれました。夕方には上がったものの、いっときはテレビの音さえ聞こえない土砂降りです。休みで自宅にいる日がこういう天気だと、文字通りの「休み」になるもんですね。少しだけ事務作業をしましたが、あと仕事と呼べるのはこのブログを書いているくらいですか。

最近五十肩に苦労しています。可動域が狭くなって、限界にくるとツラい痛みがあるんですね。商いの先輩にこの話をすると、自身の経験から簡単な運動を教えられました。これを一日に数回繰り返していたら、可動域が若干広くなったうえに痛みもやわらいだ気がします。
それにしても、五十肩などは他人様のことと思ってました。

もうしばらく前からですが、細かい文字が近くで見えません。たとえば薬の効能書きなどは、最初から読む気がなくなりました。現在のメガネは二年以上前の購入で、そのときも『次は遠近両用だんシな』と眼鏡屋さんに言われています。
それにしても、老眼などは他人様のことと思ってました。

何度かブログにも書いていますが、朝のウォーキングはほぼ日課となりました。元来スポーツマンではありませんが、草履職人となって七年、歩くことさえ少なくなっていました。
いざ歩き出してみると、町の中にも新しい発見があるものです。旅人を真似て、デジカメを首から提げて歩いていますよ。
それにしても、朝の散歩など他人様のことと思ってました。

昨年暮れにしばし入院加療となった肝臓ですが、今も治療が続いています。それでも以前より通院頻度は少なくなり、検査数値も次第に低くなってきました。
禁煙から9ヶ月、まずタバコはもう吸わないと思います。でも酒はやめられないというか、やめたくないですね。深酒は論外としても、酒というものはタバコと違って毒ばかりじゃありません。
それにしても、三度の食事の後に薬袋を広げるなんていうのは、他人様のことと思ってました。

今日のブログの内容では、これも仕事とは呼べませんなぁ。今日はやっぱり一日休養ということで…。
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東北避暑地旅行。

2011年06月20日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
ベース生地には、紺を基調とするさまざまな和柄がプリントしてあります。この布地を見て、やはり男性用草履を編みたくなりました。組み合わせにはこちらも「和」が活きた縦縞プリント。お若い男性に向けたカッコいい草履の出来上がりです。平生地はこちらになります。



実演席の温度計が、午後2時に29℃を表示しました。さすがに外気よりは若干低いでしょうから、角館の今日の最高気温は30℃超えが明らかです。
夏が来たと思ったら明日から連日の傘マーク、おそらく当地も梅雨入りでしょう。今年の雨量がどの程度になるかは分かりませんが、一ヵ月後にはしっかり夏を連れて来て欲しいものです。

東日本大震災から100日が経ちました。しかし被災地ではガレキ撤去が思うように進まず、また原発事故も収束に向かう気配はありません。しかし原発というものがこれほど手に負えない怪物だったとは、皮肉にもこの惨事で初めて知ることとなりました。これほどの危険が白日の下に晒されたのですから、この先原発推進を口にする人はむしろ勇気が要りますよ。

「節電」が流行り言葉、いや流行り病いのように叫ばれています。梅雨時から真夏を抜けるまでの節電は、どうしても「エアコン」に白羽の矢が立つでしょう。当地でもエアコン普及率は年々上がっていると聞きます。
当地も真夏の最高気温こそ35℃や36℃なんて日がありますが、長く続くことはありませんね。夕食時に暑さに耐えかねエアコンのお世話になる回数は、ひと夏に二桁はないでしょう。

今日から「被災証明書」の提示で、東北自動車道が無料になりました。ちょっと思っていたのは、すべての車を無料にして「東北避暑地旅行」を政府が後押ししてくれませんかね。
首都圏の節電、暑さ対策、東北観光地の復興など、メリットは大きいと思います。

JR東日本のワンディフリーパスが、ひとまず今日で終わりました。このあと大人の休日倶楽部がフリーパスを発売し、さらにその後またまたワンディフリーパスを発売してくれます。大勢の人でごった返すというわけにはいきませんが、東北観光地にとってそれなりの効果はあるでしょう。

3.11の「お客さん締め出し」で石原都知事にお叱りを受けたJR東日本でしたが、東北観光地に対しての貢献は政府よりも大きいと感じています。
私は明日から三連休、手の休息日です。今夏には東北に人が戻ると信じて、休み明けからまた編みはじめます。
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子を思う親心。

2011年06月18日 | 実演日記




今日の草履は、古くからの知人に依頼されたオーダー草履です。私が18歳のときからお世話になっているご夫婦で、樺細工の木地を造る職人さんなんですね。「今日の草履」は男の子のお孫さんが履くもので、それが面白いことに舞台の芝居に使うんだそうです。おばあちゃんがそうした芸事が好きですから、隔世遺伝したのでしょう。
『草履があんまり目立たないように、昔のワラみたいな色で編んでけれぇ』がこちらになります。

岩手県一関市からお越しのご夫婦旅。奥様が角館草履にとても関心が高かったのですが、ひとまずご購入を断念したのは西宮家に着くまでのお買い物でした。よくあるんですよ、『いやぁ~、もう予算いっぱい使っちゃったものねぇ』という言葉。
試し履きされた奥様がため息混じりに言うのは、『これ、娘が欲しがるわぁ』。するとご主人も、『あっ、そうだよ。あいつは冬でも裸足だものなぁ』。

このあとこちらの娘さんの話題になりました。娘さんは幼少時、極度の喘息に悩まされたそうです。普通の学校に進めないくらいの病状で、小学校時代の四年間を養護学校で過ごしたんですね。その学校の先生にとても厳しい人がいて、咳き込んでいる状態でも走らせたり、タワシで体を擦らせたりが日常だったそうです。
当時を振り返って奥様が言うのは、『親も涙だらけだったぁ』。

しかしこの先生との出会いは、結局娘さんを助けることになりました。次第に体力がついて普通の学校に戻ると、自ら志願して剣道部に入るスポーツウーマンに変貌したんだそうですよ。
そしてその娘さんに、間もなく赤ちゃんが生まれます。ご夫婦にとっての初孫は、娘さんの幼少期の思い出と相まって、どんなに楽しみなことかと思いますね。

結局草履のほうは、その娘さんと妹さんの2足をお買い上げくださることになりました。『今日の2足はお父さんの年金から出したから、次に自分たちの分を買うときはあたしの年金からだね』と奥様。
自分たちの草履が後回しになった悔しさよりも、娘さんたちに買ってあげた嬉しさのほうが何倍にも見えましたね。

仙台に暮らすわが家の次女から、先日カミさんへメールがありました。それは、『やっぱり自転車が欲しいんだけど…』。
次女のアパートは、大きな道路から入ってしばらく急勾配の坂道になっています。そのせいで引越し当初は、自転車不要としていました。それが暑い季節を迎えて、日常の買い物等徒歩のみがツラくなってきたようです。

自転車そのものは、中学時代から使っているものがあります。これを仙台まで運ぶ手段なわけですが、運送屋さんに頼むと結構な金額なんですね。ふと気づいたのが、高速道路休日千円の最終日。それが今日と明日です。私は休めませんから、行くとすればカミさんが自分で運転するしかありません。そしてそれは、かつて経験のない、かなり大胆な行動と言えました。

そこへ助っ人の登場です。それは三女。部活を休むのは気が引けながら、姉のアパートを訪ねるチャンスはもうないかも知れません。ましてこのたびは、仙台までの初運転に挑戦する母親の助手席で、適度な話し相手になるという“使命”があります。
運転席も助手席も、ちょっと頼りない車が今朝出発しました。

これもまさに、子を思う親心でしょう。私はひたすら無事な帰りを待つのみです。
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角館400年祭。

2011年06月17日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
茶系の統一ですが、色合いが明るいので楽しそうな草履に見えますね。洋風なイメージも、ときにはイイでしょう。まさに洋風なベース生地は、こちらになります。



今日6月17日は、二年前に叔母が亡くなった命日です。三回忌は真夏が過ぎてからの予定で、今日のところは朝一番にお墓参りをしてきました。
すると角館散歩マップを片手に、いかにも観光と思しきご夫婦がお寺を訪ねてお出でです。私を見つけるなり、『佐竹北家の墓所はどの辺りですか?』。

少し返答に詰まったのは、佐竹北家の墓所は公開していないんですね。世が世なればお殿様のお墓ですから、一般人の私たちと同じような場所にはありません。本堂と母屋の渡り廊下で遮られた位置にあり、私も角館歴史案内人講習会で一度拝見しただけです。
こちらのご夫婦にもそんなご説明をして、代わりと言ってはなんですが、戊辰戦争で角館の地に眠ることとなった新政府軍の墓所をご案内しました。

関ヶ原の合戦後、佐竹家が常陸から秋田へ国替えとなって、およそ400年になります。最近の地元紙に「六郷と佐竹家」の記事が多くなっているのは、常陸佐竹家の先代当主であった佐竹義重が六郷に入り、間もなく400年を迎えるからなんですね。「鬼義重」の異名をとるほどの猛者であった佐竹義重、晩年の六郷暮らしはどんなものだったのでしょう。

佐竹義重の後継である義宣は、秋田佐竹家の初代当主です。角館は佐竹北家として明治を迎えるのですが、最初に角館の町割りをしたのは佐竹家ではなく、義宣の弟で芦名義勝なんですね。詳しい人に訊いてみるつもりですが、九年後の2020年に義勝による角館町割り400年を迎えるんじゃないかと思うんです。

まだ少し先の話ですが、大きなイベントになりそうな予感はありますね。
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朝の草履。

2011年06月16日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
少し暑くもなってきたところで、爽やかな青で統一してみました。お客様の反応は、ほとんどが『夏っぽいわねっ』。
でもプリント柄をよくよく見てみると、どうも「秋の葉」に見えるんです。組み合わせの青も、よく見ると「葉」のプリントが分かります。つまり、清涼感に柄は無関係ということですね。平生地はこちらです。



ときどき北蔵レストランへお越しになる、三人連れのおばさまたち。入るときも出るときも草履コーナーでおしゃべりして行かれるので、草履のご愛用者ではなくとも親しく話をします。
うちのおひとりに、『ちょっと失敗したがなぁっていうとき、ある?』と訊かれました。2007年11月19日のブログでは、同じテーマで北村画伯とのおしゃべりを書いています。

編みあがったときに、『この草履は失敗だな』というのはありませんね。ただ「満足度」と言われると、それは確かに個々の草履で若干異なるかも知れません。たとえば「95点」とか「93点」なんかはありますよ。もっともそれは、お客様が見て分かるようなものではないんですけどね。

それと確かに言えるのは、朝の作品と夕方の作品で微妙に違うことがあります。この理由ははっきりしていて、手の疲れなんですね。「堅い」が信条の角館草履の場合、力もそれなりに必要です。その力というのが手首から指先に集中して、夕方近くなるとどうしても疲れを感じるわけです。
これでさえも、お客様が見て分かるような違いではありません。

先のおばさまは、いよいよ角館草履のご愛用者仲間に入ることとなりました。娘さんを伴って、今度の日曜日にお越しくださるそうです。
お帰り際、『朝編んだ草履買いに来るからね~!』と言われましたが、すでに出来上がっている草履が何時頃に編んだものか、憶えてはおりません。
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