角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

草履台完売、そして草履も‥。

2006年04月30日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ23.0cm
〔靴サイズ24cmまで可・・・2300円〕
昨日の草履と同じ配色ですが、色分けパターンを変えてみました。草履を履いた状態で自分の目で見下ろしたとき、鼻緒がどちらの生地を使っているかで雰囲気が変わるわけです。

「草履台」が完売しました。千葉県からお越しの、おじさま1人とおばさま3人グループ。ちょうど一年前に私の草履をお買い上げくださり、今年もきっといるだろうとお訪ねくださったそうです。
草履を物色中、『あれっ!草履台も売ってんの?』。ひとりのおばさまが見つけました。
草履台の販売をはじめたのは昨年の10月ですから、一年前はありませんでした。『うわぁ~、だったらこれ買って自分で作ったほうが楽しいじゃん!』。
作り方も何も訊かず、いそいそと西宮家を後にしました。

多分おそらくですが、作り方を教わらない人ほど、オリジナリティー溢れる草履をお作りになるような気がします。実際私がそうでした。もしかしたら、私の上を行く草履が出来るかもしれません。
『来年は出来た草履を持って来て見せてくださいヨ~』と言うと、『あいよ~、もし出来なかったらこれ返すからね~』。口は私より相当上手です。

草履台も完売しましたが、冬場に作りためたつもりの草履そのものも、そろそろ底を尽きます。米蔵スタッフや、出店しているアトリエフィエスタのご夫婦から、『もっと頑張んなさい』とハッパを掛けられています(>_<)

桜はいよいよ見頃を迎えています。咲き出したら一気に加速しました。
昨日今日のお客様に、『桜が見られて良かったですね~』と言うと、だいたいの方から『満開にはちょっと早かったわね~』と返されてきます。
一輪の桜も見られずお帰りになった数万人を思うと、ちょっと複雑です。

やはり、ほんの僅かの桜しかご覧いただけなかった「のび太さん」が、ご自身のブログに私の画をアップされています。これまで数え切れない風景画をお描きになっているのび太さんですが、人物画はこのたび初めてなんだそうです。
なんか、大それた画のような気がしています。

角館の桜を目指すツアーバスは、昨日今日がピークだと思います。それぞれ300台ほどのバスが訪れたようです。これからは、フリー旅行者と桜見物のマイカーが圧倒的多数を占めます。西宮家も、こうした方々の来訪が多数を占めますから、ピークは明日から5日までと踏んでいます。

さぁて、もう一踏ん張りしましょうか!

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秋田言葉講座その39『まっか』

「股」をこう云いますが、「足のまっか」と言えば鼻緒の当たる指の付根を指します。
「小股の切れ上がったイイ女」というフレーズは、「足のまっか」が綺麗な女性を指すようです。
具体的にはどういう「まっか」なんでしょう。草履職人として、これは勉強しておかないと‥。

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笑顔が増えています。

2006年04月29日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ24.0cm
〔靴サイズ25cmまで可・・・2300円〕
青紫基調に「梅」と「鶴」がプリントされた綿生地がベースです。この生地も新品購入品です。
プリント柄は別にしても、このベース色は人気が高いです。『これと同じでサイズ違いできない?』と言う声が数名から聞かれました。同色オーダーがすでに3足です。

さすがに桜が咲き出すと人出も違います。特に秋田県内や近県が増え出しました。それでも、今日は思ったほどではありません。昼食は無理と諦めていたら、3時には食べることができました。

今日は「草履台」が2本出ました。おひとりは山形県村山市からお越しの母娘ペアさん。お母さんがやる気満々です。村山市からだと車で二時間ちょっとですから、分からないところは教わりに来られるでしょう。

もうお一方は、名古屋市からお越しの「いなせなおじさま」です。この方は毎年この時期に角館にお越しくださいます。昨年は「作務衣に雪駄」、今年は「着物に下駄」でした。
玉川温泉に5泊の予定で、昼間だけ山から下りて散策するわけです。もしかしたら、また明日あたりお見えになるかも知れません。

今日もお越しくださいました、「ブログの友人」お二方です。
おひとりは秋田市の「歯医者さん」。50歳前後のナイスミドルでした。『ブログの歯医者です~』と言われて、すぐに分かりました。角館が大好きで、渋滞覚悟で毎年角館の桜を見にいらしてるそうです。
これから角館にお越しの際は、ぜひお顔を見せていただけると嬉しいです。

もうお一方は、横手市の「いづきさん」。いづきさんも角館がお好きで、花フェ香フェさんと西宮家が角館散策のコースとおっしゃる、二十歳ちょっとくらいの可愛いらしい女性でした。
いづきさんは「お着物」でお出でです。西馬音内盆踊りの踊り手でもあるいづきさん、今日は青地のお着物に桜柄の帯がとってもお似合いでした。
『角館の話題が分かって、草履職人さんのブログは重宝してます!』と言っていただいたのに、『その着物で草履編めば、イイ感じになるんシよ~』などと、少々失礼なことを申し上げました。“職業病”なんです、ごめんなさい m(_ _)m
いづきさんもこれで本当の「ともだち」です。またお越しくださいね。

今日の「飾山囃子(おやまばやし)」ご披露。久しぶりの好天に恵まれ、実にたくさんのお客様にお楽しみいただきました。
出番を待つ間の娘たちは、私の実演場所の近くでウロウロしています。お客さまからの『写真撮ってもイイ?』は、今日は完全に娘たちに負けました(笑)。

さて、桜ですが、枝垂桜は咲き初めを迎えました。木によっては三分から五分咲きです。檜木内川堤のソメイヨシノも、咲き初め目前です。
これから2~3日かかって満開を迎え、5月3日からの連休の序盤は素晴らしい光景をご覧いただけると思います。
今日のお客様のお顔は、昨日までより笑顔が多いように感じます。

これからが人出の本番です。くれぐれも事故など遭いませんよう、時間には余裕を持ってお越しください。

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秋田言葉講座その38『んがだ、これなんとす~?』

今日茨城県日立市から、大学の講師を退職した初老の男性が訪れました。この男性、10歳の頃に当地へ疎開してきたんだそうです。たった一ヶ月ほどの秋田生活が、今でも鮮明に思い出されると言います。
当時は小学生、はじめて学校へ行った際、算数の授業で先生が言った一言が「今日の秋田言葉」です。

正解は、「君たち、これはどうすれば良いと思う?」。
おそらく算数の問題を提示して、生徒に解き方を訊いたのでしょう。
はじめての秋田の学校で、はじめての言葉がこれじゃあ、さぞ記憶に残ったことでしょう。

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人の話はよく聞きましょー。

2006年04月28日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ23.0cm
〔靴サイズ24cmまで可・・・2300円〕
このベース生地も新品購入品です。昨晩、行きつけの手芸店に新しく陳列されていました。草履に姿を変えた写真だけ見ると、ちょっと分かりづらいかも知れませんが、このベース生地は、ピンク基調に「桜」と「うさぎ」がプリントされています。これを見つけた瞬間、『おおぉ~、オレの生地ダー!』と思いました。
なぜこれがそれほど気に入ったかというと、ピンクに桜は角館そのものですし、私の生まれ年が「うさぎ」だからです。
この生地は、少しばかり買い占めることにしました。

今朝、初めての早朝営業に参加しました。朝食予約のお客様は、静岡県浜松市からのご一行様、総勢70名のおばさまでした。午前7時40分に朝食をお召し上がりになり、8時過ぎには思い思いに米蔵へ入って見えました。
この米蔵、西宮家にある五つの蔵の中で一番大きいのですが、多数の商品と什器があるため、人の居られるスペースはそう広くはありません。そこへ、70名のおばさまが一気に雪崩れこみますと、さながらデパートの「バーゲン会場」の様相です。

『まぁ~、綺麗な草履!』『これはどこで履くのよ?』『その草みたいなのはなに?』『私も昔は作ったもんヨ~』『ねぇお兄さ~ん、これとこれ、どっちが似合う?』『私にコレちょうだい』『お金はどこで払うの?』『トイレはどこ?』。

ざっと10名ほどが、私ひとりに向かって思い思いに語りかけます。「聖徳太子」のスゴさが分かりました。

30分ほどで次の目的地へ向かうはずが、4名様行方不明で大騒ぎになりました。次の目的地は時間で交通規制がしかれるので、運転手さんも添乗員さんも気が気でありません。仕方なく、その4人をケータイで探しながらも、バスは出発することになりました。
ほどなく近くの観光施設で買い物をしていたという4名様が、上機嫌で米蔵の横を通り過ぎました。
事情を理解したおひとりが、『えーっ、だって出発は9時って言ったじゃなーい!?』
いえ、朝食をお召し上がりになる直前に、添乗員さんが「出発は8時30分」と言ってるのを確かに私も聞きました。
4名様は無事に手配のタクシーでバスを追いましたが、いずれの手にも私の草履をお持ちの方ばかりでした。

今日は台湾の女性に草履をお買い上げいただきました。男性と二人旅、おそらく新婚旅行と思います。
男性のほうがいくらか日本語を話せるようでしたので、『台湾ですか?』とお尋ねすると、片言の日本語で『よくわかりましたね』。
『最近台湾からのお客様が多いんですよ』とお返しすると、男性は少し驚いた表情で『台湾は不景気なんですけどね‥』。

どこの国も、世間話には差がないと思いました。

さて、桜の話題ですが、昨日よりはまた少し進んだと思います。それでも、「咲いた~」とまでは言えない状況です。青空は見えるのですが、今日も気温は上がりませんでした。
明日も天気は良さそうですし、気温が今日より上がれば期待できます。

明日は西宮家中庭で、「飾山囃子(おやまばやし)」ご披露がございます。一回目が午前11時、二回目が午後1時の予定です。わが家の三人娘も参加します。
明日角館を訪れる予定のみなさま、咲き出す桜と共に、郷土芸能もぜひお楽しみください。

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観光ピークの角館。

2006年04月27日 | 地域の話
さて、角館も観光ピークを迎えようとしています。連日お知らせの通り、桜は未だ僅かな開花にとどまっていますが、バスツアーや新幹線切符を予約しているお客様は、すでに連日お越しになっています。

しかししかしです。ひとたび桜が咲き出すと、マスコミや武家屋敷ライブカメラなどで情報をキャッチした、秋田県内はもとより東北各県から、雪崩のように人と車が押し寄せます。昨年の桜見頃の時期は、一日に20万人もの観光客で溢れました。旧角館町の人口が1万5千人ほどですから、その桁違いがお分かりいただけると思います。道路、駐車場、飲食店、トイレ、そのすべてがキャパを超えます。

これから角館の桜見物をご予定のみなさまには、くれぐれも交通事故や盗難などの被害に遭われませんようご注意ください。

西宮家米蔵は、明日から予約がある日のみ、早朝&夜営業をすることになっています。おそらく毎日ではないと思いますが、夜営業のある日は私も帰宅が午後9時頃になります。
従いまして、ブログ投稿もこれまでより時間が遅くなりますのでご了承ください。

最近、私のサイトをご覧いたただいている方々から、実演スケジュールを見て、『大変でしょうけど頑張ってください』とお声を掛けられます。

もちろん、頑張りますとも!

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こう、じらされると‥。

2006年04月27日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズMサイズ23.0cm
〔靴サイズ24cmまで可・・・2300円〕
昨日の「今日の草履」と同じベースです。今日はセオリー通り、二色使いのMサイズにしました。やっぱりこのほうがしっくりきます。
この草履を作っている最中、東京からお越しの母娘ペアさんの、娘さんのほうが気に入ってくださいました。サイズが合わなかったので、少し小さいサイズでオーダーとなりました。

今日も肌寒い一日になりました。私の目前にストーブがあるんですが、4月に入って丸一日点けなかったのは2~3日しかありません。
今日も桜は足踏みです。「もうちょい」まで来てから三日が経ちました。こうじらされると、正直気分が良くありません。さりとて、桜に向かって『たいがいにせーよー』と言ったところで変化もないわけです。

愛知県のご夫婦:『今年で二年連続空振りヨ~』
東京のご夫婦:『一ヶ月前に切符とったらこのザマよ~』
東京の母娘:『ほんとは一週間前に来るはずだったの。まだ早いからって今日にしたのに‥』

こんな会話が朝からずーっと続きます。聞き役を務めるのは容易ですが、今日はもう27日です。さすがに今日までこうした状況が続くとは、とても予想していませんでした。
満開の桜をご覧になったお客さまのお顔を知る者として、こういう言葉は適切でないかも知れませんが、昨日・今日のお客様は「不憫」とさえ思います。

そんな中で、今日も掲示板に投稿してくださったお客様がお越しになりました。「min2005」さんです。
min2005さんは、千葉県にお住まいの好青年でした。昨晩の高速バスで弘前入りし、今日の午後角館へお入りになったとのことです。弘前の桜ももちろんつぼみですが、角館より暖かい気がしたそうですから、よくよく角館は天候に見放されています。

旨いうどんを作っている店と、何箇所か観光スポットをご紹介しました。維新時代の歴史がお好きとのことでしたから、「浜田勤吾像」と「官軍墓地」です。少しでもお役に立てたのなら、お寄りいただいたお礼が出来たと思うんですが‥。
今日の夜行バスでお戻りになり、明日は普通に出社とか。寒い角館が原因で、風邪などひかないようにしてくださいネ。

さーて、明日は咲くのかい? 桜さんたち。

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秋田言葉講座その37『てんげにへーやー』

今日のブログ内に登場した、「たいがいにせーよー」の秋田言葉です。

毎日々々お客様の悲しい顔を見ると、つい桜に悪態のひとつも言いたくなります。でも桜はこう言うでしょうね、『あらっ、私たちいつ咲くなんて約束してなくてヨ~』。

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年季の差。

2006年04月26日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズLサイズ25.0cm〔靴サイズ26cmまで可・・・2800円〕
赤基調に花模様が白抜きされた綿生地がベースです。真中の帯は紺にしましたが、上の帯と鼻緒は赤にしてみました。
男性サイズに「赤」の話は昨日のブログにも登場しましたが、さすがにこの草履ではちょっと調子こきましたかね!?

東京からお越しのご夫婦。奥様が私の草履に関心を寄せてくださいました。
『あなたの草履を見てると、楽しく仕事してるのがよく分かるワ~』。
これまで「綺麗」「可愛い」という評価はたくさんいただきましたが、感想が私の「深層心理」に及んだのははじめてです。これはかなり嬉しかったです。

本日、予定通りお越しくださいました「のび太」さん。やはり今回も『はじめまして』の挨拶はありませんでした。もちろんお互いにです。これは、先日の「クロノさん」とまったく同じでした。
お会いした印象は、やはり「のび太さん」でした。これもクロノさんのときと一緒です。
結局私には、先入観というものがないのかも知れません。

のび太さん、これほど素晴らしい画をお描きになるのに、完全に趣味なんだそうです。
『専門家に習ったもんじゃないからねぇ、なんか自信がないんですヨ~』と笑うのび太さんに、やっぱり趣味の世界が一番楽しいのかナと思いました。
のび太さんの訪問目的であった「桜」は、とても残念な結果になりました。町じゅうを探せばほんとにいくらかは咲いているのですが、「満開の画」には程遠いです。

のび太さんが米蔵の中をご覧になっているとき、あるお客様からとても嬉しいお言葉をいただきました。
『お忙しいのに頑張ってらっしゃいますね。あなたのホームページで今の角館が分かって、とてもありがたいんですヨ』。
東京からお越しとおっしゃる女性、50歳代前半とお見受けしました。
『えっ!? 私のホームページを見てくれてるんですか?』とお尋ねすると、『はい、訪問の足跡は残さなくても、あなたのブログを楽しみに見ている人、ほかにもたくさんいると思いますヨ』。

いまどきの言葉を使うと、「チョー嬉しい」です。米蔵からお戻りになったのび太さんと、「初対面トライアングル」で会話が盛り上がりました。

夕方近く、20歳代と思しき青年に声を掛けられました。『あ、あの~、す、すいませ~ん、スケッチさせてもらってイイですか?』。
写真やビデオは何回もありましたが、スケッチというのは初めてです。
15分ほど黙々と描き続け、聞き取れないほどの小声で『できました~』。私が『どれどれ~』と言うと、青年はスケッチブックを隠しながら、『ゼッタイ怒らないで下さいね~』。
描かせてくださいと言ったのは青年なのに、出来上がったら「怒らないで‥」って言われてもねぇ。
彼のスケッチ、もちろん怒りはしませんが、先は長いぞー、青年!

青年と入れ替わりに、町内散策からのび太さんが戻って見えました。お二人を逢わせたかったです。年季の差を知るのも、勉強のひとつですから。

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秋田言葉講座その36『どんじぎ』

「度胸」という意味です。特に、度胸のない人を「どんじぎなし」と言います。逆に度胸のある人を「どんじぎあり」とは言いません。

画家を目指す青年、まずは「どんじぎ」を鍛えることからはじめましょー。どんな作品に仕上がっても、堂々とお見せなさいナ。生まれたときから草履が編める赤ちゃんなんて、見たことないでしょ。
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来る人、来られない人。

2006年04月25日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズLサイズ25.0cm〔2800円〕
水色縞模様の綿生地をベースに、鼻緒は赤にしました。このベース生地もリサイクルしたものでなく、購入した新品です。

以前のブログで、siawa-tさんに「(男性用でも)赤い鼻緒はイイですヨ」とのコメントをいただきました。素直な私は、その翌日からLサイズに赤い鼻緒を多くしています。お客様の反応を見ていると、確かになんのためらいもなくお買い上げ下さる方が少なくありません。
女性で足幅の大きい方が、この草履をお買い上げになる「副産物」まであります。やり出すとフツーのことが、なかなか思いつかなかったっていうこと、これまでも草履と限らずたくさんありました。

掲示板に投稿してくれた「まいさん」が、お母さんとおばあちゃんを連れ立ってお越しくださいました。埼玉県にお住まいだそうです。「まいさん」は二十歳ちょっとくらいの綺麗な女性でした。
今晩は昨夏オープンしたばかりの高級温泉ホテルに宿泊し、明日の午後の早いうちにもう一度お見えになるそうです。お母さんは、草履を買うかどうか一晩考えるとのことでした。
そろそろ在庫が限られて来ましたから、お買い上げでしたら早いほうがよろしいかと‥。

花フェ香フェさんが、お母さんとご友人を連れ立ってお越しくださいました。お母さんが私のホームページのファンなんだそうです。このブログをはじめ、「父親稼業」までお読みくださっているとのこと。面と向かって言われるとちょっと恥ずかしいのですが、とても嬉しかったです。

さて、トップページでご案内していますが、4月29日に郷土芸能「飾山囃子(おやまばやし)」ご披露を行います。この披露に至る経緯は、こういうことでした。
気になるのは天気ですが、週間予報ではひとまず雨の心配はなさそうです。29日に西宮家を訪れるお客さまには、いつもよりちょっとだけ得していただけると思います。

娘たちの踊り舞台は、中庭にある古井戸を利用しています。危険防止のため、井戸の上を竹垣で囲ってあるのですが、その上にコンパネを敷いて簡易舞台を作ります。
今日、この井戸を覗き込んでいるお客さまがいました。お父さんとお母さん、それに二十歳くらいの娘さんです。三人はふざけて、『(お化けが)出るんじゃないの~』のようなことを言っていたので、後ろから通り過ぎざまに、『出るのはここじゃなくて○○家だよ~』と教えました。
娘さんはお母さんに抱きつきながら、『え~っ、そこって今行って来たとこじゃなーい!?』。

もちろんそんな事実はありません。仮に出たとしても、角館に住むお化けは土地の人間同様に、とっても優しいはずですから。

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秋田言葉講座その35『マメでらがー』

これも簡単ですね、「元気にしているかー」の秋田言葉です。
昨日、かれこれ10年以上も会っていない、東京に暮らす中学校の同期女子からメールが届いていました。「角館オードパルファム」を探していて、偶然私のホームページに出会ったとのことです。

しばらくぶりに里帰りしたい気持ちを綴っていましたが、全国からこれだけのお客様が角館を目指しているのに、ここが故郷の人が来られないというのもなんか不思議です。
まぁ、とにかくマメでさえいればイイどもよ。

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一輪咲きました!

2006年04月24日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズLサイズ25.0cm〔2800円〕
現在リサイクルのLが、ほとんど完売状態です。一昨日から、他のシリーズにもサイズにも目をくれず、リサイクルのLのみ製作しています。いろんな生地が半端になりだしたので、思い切って5色使いにしてみました。これも、出来上がった傍から売れちゃいました。

一昨日、北海道帯広市からのお客様をご紹介しましたが、今日で三日間連続帯広市の方にお買い上げいただきました。
山形県のお客様が少ない話もしましたが、こちらも三日間連続でお買い上げいただいてます。今日はおひとりで三足です。
沖縄県からのお客様が少ない話もしましたが、ここのところ珍しくなくお越しいただいてます。『もう泳いでいるんでしょう?』とお尋ねしたところ、『う~ん、泳いでるのは観光客が無理してだね‥』。
そうなんですか、沖縄は常夏かと思ってました‥。

観光シーズン本番を迎え、本当に全国からこの角館を目指しているのが分かります。嬉しくてありがたいことです。気を抜かずに頑張らねば。

今日も「桜ざんねんの旅」のお客様が、たくさんお越しになりました。武家屋敷枝垂桜も、檜木内川堤ソメイヨシノも、未だつぼみのままです。
昨日の掲示板に、町内で一足早い枝垂桜をご紹介しましたが、今朝別の枝垂桜が咲いているのを見つけました。
角館郵便局玄関を正面に見て、建物沿いに左へ回り込んでください。紅枝垂桜が二本あって、奥の二本目が可愛い花を咲かせています。

今日西宮家で私とおしゃべりしたお客様には教えましたが、あらためて掲示板にてお知らせします。

いよいよ、お客様の悲しい顔を見なくて良い日が目前です。

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若い女性からも‥。

2006年04月23日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズLサイズ26.0cm〔2800円〕
以前にも登場した配色ですが、今日は真中に緑の帯を入れてみました。タイトルは、「バカボンのパパ」、腹巻してるように見えません?

東京からお越しのご夫婦、お二方とも60歳代中盤と思います。奥様が縞木綿を気に入ってくださいました。
お話を伺っていると、なんと毎年この時期に、「日帰り角館の旅」をお続けとのことです。それも今では旅程も決まっていて、朝一の新幹線で角館入りし、武家屋敷通りと檜木内川堤を散策します。そして次が珍しいのです。古城山へ登って角館町内を展望するのがコースなんだそうです。古城山をコースにしている方とは、初めてお会いしました。昼食は「源八」、そして花葉館でお風呂を楽しみ、最終の新幹線でお帰りになるとのことでした。

最初はコースが決まらず疲労感が強かったそうですが、目的を決めて毎年実行していると、今ではほとんど疲れなくなったと言います。時間をフルに活用する旅としては、模範的なご夫婦じゃないでしょうか。

大仙市大曲からお越しのご夫婦。奥様が、先日放送された私の実演テレビをご覧になり、どうしても来たくて来たくてしょうがなかったと言います。今日、ご主人と二人角館散策を楽しんだ後、『草履を見に行こう』と言ってご主人を引っ張って来たのだそうです。
ご主人曰く、『なんでワラ草履なんか見たいんだと思ったら、なるほどこれか、これなら見たいわけダ』。

西宮家にはこれまでたびたび来てるのに、私を一度も見たことがないとおっしゃるので、昨年は延べ三ヶ月しか実演していないことと、布巻草履以外にも少し仕事があることをご説明すると、その奥様は『ダメよ~、あなたはこれを仕事にしないとっ!』。
お客様に私の営業方針までお決めいただきました。
奥様が最後に、『あ~、今日は楽しかった!』。最高の労いの言葉に聞こえます。

昨日私を「家元」とお呼びになったご夫婦が、今日またお顔を見せてくださいました。
『あれっ、お帰りはいつですか?』とお尋ねすると、『これから3時過ぎの新幹線で帰るんだけど、最後にやっぱりあんたの顔を見てからにしようと思ってね‥』。
嬉しいです。ただお顔を見せてくれるだけでも十分なのに、ご主人は草履を1足ご注文くださいました。
奥様へ『角館は楽しめましたか?』とお尋ねすると、『もちろんヨ~、あなたと会えたじゃないっ!』。
もちろん話の盛り上がりのひとつなんですが、この言葉も最高の労いに聞こえました。

女性もある一定の年齢を超えると、こういう言葉が素直に口から出てきます。若い女性も見習ったほうがイイですね~。いつか聞きたいもんです、『あなたと会えて楽しかった~』。

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秋田言葉講座その34『おはえんし~』

これは簡単、「おはようございます」の秋田言葉ですね。
今朝の角館は久々の快晴、気温も20℃近くまで上がる予想でした。桜はまだにしても、この時期の天気の良い日曜日はお客様がとても多いです。こういう気持ちの良い、張り切った朝に顔を合わせる西宮家スタッフは、みなさんとても活き活きしています。
今朝の「おはえんし~」は、いつもと少し違う響きがありました。

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それぞれの想い出。

2006年04月22日 | 実演日記
今日の草履は、リサイクルシリーズLサイズ26.0cm〔2800円〕
濃い紫基調に、蝶々がプリントされた綿生地がベースです。これはリサイクルした生地でなく、新品を購入したものです。
このベースに赤の鼻緒であれば、通常Mサイズ(女性向)にするのですが、今日はあえてLサイズ(男性向)にしてみました。“色気”のある男性に履いて欲しい一品です。

今日も桜見物のお客様がたくさんお越しになりました。しかし今日も桜はありません。もちろん「ブーイング」の嵐です。聞き役を務めるのは容易ですが、桜は私たちにどうにもなりません。
それでも、「桜」以外の想い出をひとつでも作っていただくべく、今日も草履を編み続け、そしてしゃべり続けました。

朝一番のお客様はご夫婦、奥様が縞木綿をお買い上げくださいました。『やはり桜見物でしたか?』とお尋ねすると、『そう、ぜんぜんないのね~』。ここは話題を変えるのが良いと判断し、『どちらからお越しですか?』とお尋ねすると、『帯広から来たのヨ~』。
ラッキーです、北海道は私の「テリトリー」ですから。

『帯広ですか~、藤丸百貨店は今もあるんですか?』とマニアックな話をすると、どうしてこの人そんなことを知ってるんだろうというお顔をなさいました。続けて、駅前のホテルや近くの中華料理屋さんの話をすると、お二人とも笑顔で話しに乗ってくれました。
お帰りの際に、『いや~、こんなところで帯広の話を聞くとは思わなかったヨ~』。

こんなことでも角館の想い出になってくれたら、私にはご夫婦とお会いした意味があります。かつてサラリーマン時代の経験が、確実に活かされました。

東京からお越しのご夫婦、こちらも桜がないことに少々憤慨気味でした。もちろんどのお客様も、誰に文句を言って解決するとは思っていません。ただ、地元の誰かに今の気持ちを訴えたいだけなんです。であれば対処は簡単です。話し相手を務めればイイだけなんです。
こちらのご夫婦も、世間話に大乗り気でした。私の草履に話題が及び、『これは誰が考えたものなの?』と尋ねられ、『はいっ、私が考案しました!』とお応えすると、『じゃああなた、家元じゃない!』。
昨日は「師匠」で今日は「家元」。明日はいったいなんと呼ばれるんでしょう。おそらく最後は「大道芸人」あたりに落ち着くと思います。
こちらのご夫婦も、桜のない角館で「家元」と出逢ったことが、ひとつの想い出になってくれたら嬉しいですね。

そして無事に逢えました。ブログで知り合った「クロノさん」が、ご夫人を連れ立ってお越しくださいました。名乗られるまでもなく、すぐに分かりました。こういうのって、互いに同じ目的を持っているとなぜか分かるものですね。もちろん、『はじめまして』なんて挨拶は要りませんでした。
第一印象は、やっぱりクロノさんでした。これまで持っていたイメージとなにも変わりません。そして奥様、クロノさんのブログで奥様の絵を見せていただきましたが、ほんとにイメージ通りの女性です。ケータイの待ち受け画面を本物の「なめこ」にしているあたり、ウチのカミさんとは間違いなく親友になります。

短い時間でしたが、出来る限りおしゃべりできた満足感があります。「ご売約品」の草履も、無事に「主」の元へ引き取られて行きました。草履もきっと満足しているはずです。
クロノさんご夫妻は楽しんでいただけたでしょうか。私の仕事場である実演会場では、おもてなしもなにもできません。もしも一泊できるようなら、美味しい地酒でも呑みながら、もっとたくさんおしゃべりしたかったです。いつかそんな機会をきっと作りたいと思います。
また必ずお越しください!

今日も桜のない角館では、お客様それぞれに「ドラマ」があったと思います。桜はなくとも、また別の良き想い出ができたと信じたいものです。

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秋田言葉講座その33『どーも』

一般に「どーも」と言えば、その後に「ありがとう」や「すいません」の言葉が続きます。それが当地では、いろいろな言葉や意味がこの「どーも」という一言に集約されています。
「ありがとう」「すいません」「こんにちわ」「久しぶりです」、これらすべてが「どーも」ひとつで通じてしまうんです。

今日お訪ねくださったクロノさん、はじめての言葉が『どーも』でした。この『どーも』には、「はじめまして」「こんにちわ」「着きましたよ」「私がクロノです」。こんなすべての言葉がにじんだ『どーも』なんです。

やはり東北は、すべてが近いようです。

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