角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

勧誘の切り札。

2009年10月31日 | 製作日記


今日の草履は、福島市にお住まいのおばさまからの、メールによるオーダー草履です。『赤系に、できれば紺か薄い茶を組み合わせていただけますか?』がこちらになります。
赤系ですぐ頭に浮かんだのがこちらのベース生地、和柄が実に可愛いんです。そして紺か茶で浮かんだのが、先日来何度か登場している濃紺の秋柄プリントなんですね。「和の競演」、私はとても気に入っています。
お待たせしました、本日の便で出発ですっ。

「今日の草履」のご注文者は、10月12日のブログにご登場のおばさまです。ご自宅へ戻られ早速履いてみると、その履き心地に感動してくださいました。この草履をぜひおともだちへプレゼントしたいとのことで、「今日の草履」は東京都へと出発します。

通信販売でプレゼント用をご注文の場合、草履お届け先とご請求先が異なることがあります。また草履送り先が複数になることもありますね。そんな手数も、かつてギフト業を営んでいた草履職人にはなんでもないことですから、どうぞお気軽にご用命ください。

そしてなんですが、こちらのおばさまは草履作りにもご関心がおありなんですね。メールには、『編み方ビデオで勉強すれば、私にも編めるものでしょうか?』とありました。
このブログでたびたびご紹介しているように、『編んでみたいなぁ』とか『私には無理かなぁ』という人が実に多いです。確かにお住まいが近くであれば、見学回数も多くなるでしょう。これは大きな条件と思います。でもカギを握るのは、どれだれ角館草履に「惚れるか」だと思うんです。
こちらのおばさまにもその点と共に、「よくあるご質問④」をご紹介しました。

私の夢のひとつに、原則毎日の夕方から誰でも参加できる「草履教室」があります。何月何日何時からと決めてしまうと、人それぞれに都合というものがあるでしょう。その点毎日であれば、県外からの旅行者も該当すると思うんですね。
それに日にち限定で参加者を呼び集めたとして、それが二、三人しかいなければちょっと寂しいですよね。この点でも原則毎日であれば、むしろ二、三人のほうが丁寧な対応ができるとも思えます。

「のりピー」こと酒井法子さんが、芸能界を辞めて介護の勉強をしたいと言ってました。これを聞いた介護学校の世界では、酒井法子さんの争奪戦に発展しているそうです。『酒井法子さんがわが校に在籍していますよ~』というのが、学生不足に悩む学校の“切り札”になるんだそうですよ。

「草履教室」に来てくれる人が誰もいなかったら、私も有名人を誘いましょうかね。

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今冬の実演スケジュール。

2009年10月30日 | 製作日記


今日の草履は、彩シリーズ21cm土踏まず付き〔四阡円〕
紫基調の花柄プリントをベースに、合わせは濃い紫の花柄プリントです。
一口に「紫」と言っても、濃淡でこれだけの変化があるんですね。おとなの女性をイメージさせるお洒落な草履と思います。

「今日の草履」もそうなんですが、今年は21cm草履をずいぶん編んだ気がします。現在手元にある21cmは三足しかありませんから、それだけお選びの方が多かったのでしょう。人間も十人十色なら、足のサイズだって自ずとそういうことですね。
サイズの点では、21cm草履を見つけたおばさまが一番喜んでくださいますよ。これからの冬場は、21cmもそれなりの数を編んでおきたいと思います。

もう「冬場」の話をする時節です。週間天気予報に今期初の「雪マーク」が出されました。文化の日である11月3日は、低気圧の接近に気温が下がり、平地でもみぞれになるかも知れません。毎年11月上旬に初雪が観測されるのですが、今年もいよいよという感じですね。

トップページの公開実演スケジュールを更新しました。11月5日の再開後一ヶ月間ほど勤め、12月6日(日)をもって2009年の最終日にしたいと思います。そして2010年は、元旦からのスタートを考えています。
平成18年に元旦から数日勤めたあと、19年と20年は冬場の実演をお休みしました。そして今年三年ぶりに冬場も勤めたわけですが、元旦から仕事をするっていうのは案外気分のイイものなんですね。

これから真冬へと向かい、当地の冬事情や寒風の中のお客様なんて話題も出てくるでしょう。角館の冬に人影が少ないのは否めませんが、そんな時季にこそお出でくださる方々を歓迎したいと思っています。

さて、今冬の降雪量はどのくらいになるでしょうか。そして真冬の角館に、いったいどんなお客様が訪ねて見えるでしょうか。ゆっくりじっくり実演に臨みたいものです。
おっとその前に、今年残りの一ヶ月間をしっかりと締めくくらねばいけませんなっ。

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草履職人の出世道。

2009年10月29日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
濃紺基調の秋柄プリントをベースに、合わせは金のプリントです。
先日のブログ「シンデレラ編」でご紹介のベース生地に、「金」を合わせてみました。なんとも厳かな感じがイイですねぇ。「今日の草履」は、11月5日の公開実演再開から展示いたします。

日々の実演でお客様から訊ねられる様々に、かなり予想外の内容があったりします。ひとつに、『昔のお武家さんはこういう草履を履いてたんですか?』。このご質問は過去複数から言われてますし、中には『家老職になるとどんな草履を履いたんですか?』なんていうのもありました。

ご承知の通り角館は武家屋敷が有名です。西宮家もかつては武家ですから、そこで編んでいる「角館草履」などというものを目の当たりにすると、古く藩政時代からこの草履があったと誤解されるのかも知れませんね。こうしたご質問へのご返答は、ちょっと苦笑いが混じりますよ。

まぁ、こうしたご質問はそう多くないのですが、角館の歴史に関するお訊ねは日常にあります。茨城県からお越しのお客様は、かなりの割合で佐竹家をご存知ですね。佐竹家が徳川家康の命により常陸から国替えとなった際、土地の「美人」をみんな連れて行ったなんて話をよくされます。もちろん私たちはそんなこと、微塵も思ってないんですけどね。

全国からのお客様たちと日々そんなおしゃべりをしている草履職人が、実はこれまで一度も「秋田市立佐竹史料館」を訪ねたことがありませんでした。一週間の公開実演お休みの初日、かつて秋田本藩久保田城が建っていた秋田市千秋公園にある佐竹史料館を、本日はじめての訪問です。

先日の地方紙に、秋田藩八代藩主佐竹義敦(さたけ よしあつ)と九代藩主佐竹義和(さたけ よしまさ)の企画展が掲載されていました。
佐竹義敦は書画に巧みで、洋風画の「秋田蘭画」を世に遺しています。この義敦と画の世界で密接だったのが、角館佐竹北家の小田野直武、解体新書の挿絵で有名な人物なんですね。

平賀源内の勧めで、義敦は直武を江戸へ差し向けています。江戸で画の勉強をし帰国した直武を、義敦は秋田本藩の久保田城へ置きたがっていました。しかしときは財政逼迫のさなか、画を描くために家臣を雇い入れることなんかできないと、ときの家老はみな反対したようです。しかも直武は支藩である角館の生まれ、侍としての身分も高くはないんですね。

最近になって、家老たちへ登用の伺いを立てる義敦の書状が見つかりました。さすがにその書は展示されていませんでしたが、ほかの書を見ると義敦という人は実に文字が綺麗ですね。まぁ、なんて書いてるのか草履職人に読めるワケもないんですが…。

義敦の願い通り、直武は本藩久保田城へ迎えられます。ひとつに秀でた人間は、生まれ土地や身分と無関係に出世の道が拓ける、ひとつの例と言ってイイでしょう。
草履職人も藩政時代に生まれていたなら、支藩角館から本藩へ迎えられ、お殿様やお姫様、ご家老たちの草履を毎日編まされていたかも知れませんね。うん、姫の草履なら編んでみたい気もしますよ。

ただし登用に成功した直武は、後に義敦によって城を追われ、失意のうちに死んでしまうんです。30歳代前半という若さだったと思います。
これを思うと、やっぱり草履職人はだまって角館にいたほうが身のためでしょう。久保田城正門は、私ごときがくぐるに立派過ぎましたぁ。

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チームワークアート。

2009年10月28日 | 地域の話






今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
15種類の布地を集めた「寄せ集め草履」、文字通りの一点ものです。ワケの分からない雰囲気が、なんとも明るく楽しいと思います。ちょっと気になったのが、これまでもこうした草履を編むたび使ってきた「寄せ集め」という言葉なんです。あんまりイイ響きじゃないので、これからは「チームワーク草履」と呼びましょ。

「今日の草履」を見た似顔絵marikoさん曰く、『アートだんシなっ!』。
私はこれまで自分の草履を、「アート」という表現で考えたことはありませんでした。「形」を美しくというテーマはいつも心掛けていますが、こと「配色」にいたっては未だに自信の持てない領域なんです。子どもの頃から絵が下手で、鉛筆の下書きまではなんとか描けても、色を付けたとたん自分でもイヤになったもんです。

イイ機会だったので「アート」の意味を調べてみました。「美術」「芸術」というのはイメージしていたんですが、どうやら「技術」「技」も含まれるようです。となれば、確かに角館草履も「アート」の一部と言えますね。
立ち止まったおばさまが、『おや~、綺麗な草履だごど~』と言われたので、『これがアート草履なんですよっ』とお応えしてみました。自身慣れないせいか、ちょっと不自然な感じでしたね。

さて、草履コーナーを今日ひとまず撤収してきました。明日から一週間、草履もなければ草履職人もいませんし、そもそも草履コーナーを想わすナニひとつも残っていません。明後日30日から11月3日までの五日間は、草履コーナーにまったく別の「アート」が並ぶことになっています。それは「彫刻」なんですね。

「想nic-art2(ソニックアート2)」、仙北市及び周辺の出身者、特に若者たちで構成されたアート集団の展示会が、今年第二回を開催します。日本画・洋画・写真・似顔絵・彫刻、そして音楽。多彩な顔ぶれとその表現が、角館の五日間をアートで埋め尽くす企画なんです。
それこそ「チームワークアート」じゃないですかね。興味のある方は、ぜひこの機会にお訪ねください。

「アート草履」は11月5日再開です。

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脅威の新型インフル。

2009年10月27日 | 実演日記


今日の草履は、盛岡市にお住まいのおばさまからのオーダー草履です。『明るめの青に黄色を合わせてもらおうかしらっ』がこちらになります。せっかくのオーダーですから、定番配色⑥とは少し違うベースにしてみました。
明日の便で出発します、もう少しお待ちくださいねっ。

こちらのおばさまは角館草履のご愛用者で、「今日の草履」は小学生の孫娘さんへのプレゼントなんですね。足の大きさは22cmとまず大人サイズでしたが、子どもの場合はあえて土踏まずの付かないタイプでイイと思います。子どもは元来健康で、不健康なのはだいたい大人ですからね。
Mグループ(21cm~24cm)の土踏まずなしタイプは、税込み三阡円で承ります。

新潟県妙高高原町からお越しのご夫婦。開店30分ほど前、『少し早いですけどよろしいですか?』と入って見えました。開店は午前10時なんですが、店内清掃がほぼ終わっていれば入っていただきます。旅行中はみなさん時間が貴重ですからね。
すぐに草履コーナーで立ち止まり、しばし実演をご覧になりました。健康効果をお話したところで、ご夫婦共にお買い上げをお決めです。

健康効果の会話がその後も続き、ご夫婦がおっしゃるのは、『うちの息子も娘も、なんか体力がないのよねぇ。あっ、息子の嫁さんもそうだ、いくらも歩かないのに疲れたぁって言ってるもの』。
息子さんと娘さんの年齢を訊いてみると、私と同年代でした。なんか草履職人を言われているようで笑えなかったですよ。

「子どもは健康」は間違いないとして、当地では今新型インフルエンザが猛威をふるっています。角館中学校では三女の二年部が23日から学年閉鎖、すぐに他学年にも感染が拡がり、昨日から休校措置がとられています。
今朝の朝刊に県内の感染状況が載っていましたが、学年閉鎖や休校がずいぶんありましたねぇ。

公開実演お休み中の31日は、三女の卓球大会を“観戦”するため横手市へ行くつもりでいたのが、県内の広域“感染”のため大会そのものが消滅してしまいました。なんてシャレてる場合じゃないですね。
担任の先生から休校措置の電話連絡があった際、三女の状態を訊ねられました。おかげさまで感染の様子はないのですが、卓球もできないこの機会を勉強に専念…という様子もありませんなぁ。

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垣根を越えて…。

2009年10月26日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
辛子色基調の魚へんプリントをベースに、合わせは金のプリントです。
少し久しぶりに編んだ「金色草履」、やっぱり絢爛さが感じられますね。今年の風水ラッキーカラーが「金」「ピンク」「黄」と教えられてから、ずいぶんこうした配色を編んだ気がします。履いてくださっている方々に、果たして幸運は舞い込んでくれたでしょうか。

今日、実演席にテレビカメラが入りました。と言っても角館草履の取材ではなく、むしろ私個人が対象と言うべきでしょうか。「週刊ことばマガジン」というテレビ番組が、新潟県を含む東北七県で放送されています。東北地方の一部で使われている「方言」を選び出し、その土地へ出かけて実際に地元民から言葉を聞いてみるというのが、この番組の趣旨なんですね。

その“地元民役”を草履職人が務めた経緯や収録現場の詳細は割愛しますが、なかなか面白かったですよ。ずいぶん久しぶりにテレビへ出るので、忘れず録画しておこうと思っています。肝心の放送日を聞き漏らしてしまいましたが、番組のホームページで分かるようです。当ブログをご覧のみなさまも、よろしければご覧になってください。

この収録をきっかけに、私も番組ホームページを見てみました。「これまでの放送」をクリックしてみると、さすがに東北の方言には独特なものがあります。それでも中に当地とさほど変わらない方言を見つけると、なんか嬉しくなりますよ。時代は「道州制」さえ論議されるほどになりました。そんなとき普段使う言葉の違いは、案外大きな「垣根」に感じますからね。

昨日投開票された、仙北市長選挙と仙北市選出県議補欠選挙。予定通り午後10時過ぎに、ふたつとも結果が報道されました。それぞれの選挙に、旧角館町と旧西木村からひとりずつが立候補したことは先のブログでお伝えしていましたが、結果は旧角館町の「二戦二敗」です。旧田沢湖町からの立候補がなかったことが、やはり大きく影響していると思います。

市長選挙は現職が敗退、県議を辞職し市長選に臨んだ49歳が勝利しました。結果分析などは市民それぞれが自由にすればイイことなので、あえてこのブログでも書こうとは思いません。ただこのたびの選挙戦を見聞きしていて感じるのは、「地域の垣根」なんです。

旧角館町から立候補した選挙カーから聞こえて来る言葉に、『地元の○○がご挨拶に…』をとても多く感じました。私は角館町以外で選挙カーを見ることがありませんから、旧西木村の候補者も同様に、旧西木村内を走るときにはそう言うのかも知れません。確かに選挙は地元に有利ですし、他地区より票も取れるでしょう。でも『なんだがなぁ…』なんですね。

合併から未だ四年では、三つの町村がひとつの自治体とはなかなか思えないでしょう。省みて自分自身もそうです。でも私たち一般人と、これから自治体の長あるいは代表県議として活動することを願う候補者とは、基本的な考え方を異にして欲しいとも思うわけです。
もしかしたらですが、県議を辞して仙北市長を目指した新市長のほうに、有権者は「垣根」を感じなかったのかも知れません。

広い東北地方にだって、近い言葉がいくつもありました。仙北市を形成している旧三ケ町村は、喋る言葉にほとんど違いはないんですからね。
私もこの選挙を機会に「旧○○町」vs「旧○○村」のような表記は、今日のブログを最後にしたいと思います。

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待っていたシンデレラ。

2009年10月25日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
濃紺基調の秋柄プリントをベースに、合わせは黒の絣調プリントです。
いかにも今の季節にぴったりの配色ですね、シックにお洒落に美しく決まったと思います。こういう色調が私は大好きなんですよ。季節にぴったりのベース生地はこちらになります。




「今日の草履」を編みあげて写真に撮ってから、しばらくの間OPP袋に入れず裸のまま飾っておりました。こちらからはあえて勧めず、自ら気がつくお客様を待っていたんです。一点もので私が特に気に入った配色は、ときにこういうことをします。言うなれば「シンデレラ」を待つ心境でしょうか。

それが昼になってもシンデレラは現れず、午後1時になったところで昼食のため実演席を外しました。まもなく食べ終わろうとしたとき、米蔵スタッフからケータイへ電話です。『草履をお求めのお客様がお待ちですよ~』。
すぐさま草履コーナーへ戻ると、40歳代前半と思しきご夫婦が私を待ってお出ででした。奥様が開口一番おっしゃるのは、『そこに裸のまま飾ってる草履は、どなたかのご注文ですか?』。

ついに現れましたっ。思わず、『いや~、待ってたんですよ~、この草履を選ぶお客様は今日のシンデレラなんですっ』。
秋田市からお越しのご夫婦は、奥様が角館のご出身なんだそうです。たまにしか帰らないというふるさと角館で、いきなり「シンデレラ」と呼ばれた日には、おふたりともとっても喜んでくださいました。

この会話を傍で聞いていた米蔵スタッフ、『まさかシンデレラっていう言葉が出てくるとは思わなかったわねぇ』。昼食から戻った似顔絵marikoさんにもこの話を教えた米蔵スタッフ、ふたりとも草履職人には似合わない言葉として意見が一致してました。

そんな周囲の評価はどうでもイイんです。編んだばかり、もしくは今編んでいる草履を気に入ってくださったお客様でサイズもぴったりの場合は、これからも声高に叫びたいと思います。
『今日のシンデレラはあなたですっ!』。

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神様は大忙し!?

2009年10月24日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
辛子色基調の魚へんプリントをベースに、合わせは緑基調の縞柄プリントです。
和調同士で組み合わせたこちら、辛子色が明るいせいでお若い男性にもお勧めですね。お洒落な草履と思います。

朝方は小雨が落ちていたのですが、時間が経つにつれ青空が広がりだしました。西宮家開店時刻の午前10時過ぎには、『これでもかっ』てなくらいの秋晴れです。気温も上々20℃弱まで上がると、散策のお客様もとっても気分が良さそうですよ。

三重県からツアーでお越しのおばさま、『あらっ、部屋履き草履を探してたところなのよぉ』と一目で気に入ってくださいました。
『愛知県は仕事でよく行ったんですけど、三重県は行ったことがないんですよねぇ』と言うと、『まぁ、そんなこと言わないでお伊勢さんへお越しなさいなっ。三重はお伊勢さんがいるから安泰よっ』。

そうでした、三重県にある伊勢神宮は、年中人でごった返しているとのこと。そういえば先日の37年会でもそんな話が出ましたねぇ。旧角館町では還暦を迎えた同期生たちが、お伊勢さん詣でに向かうことを慣例としています。
それを思い出した草履職人、『あと10年ちょっとで必ず行きますよっ』とおばさまへ約束しました。

自らの生活を省みても、また世の中を見渡しても、「神頼み」というものはいたるところにありますね。長女と次女の高校合格祈願をしたのは一年半前、さらに一年半後には三人娘全員の合格祈願をせねばなりません。そうした大きな祈願ばかりでなく、毎日の朝食前に自宅の神棚に手を合わせ、一日の無事を祈ります。
そんな人間が世の中にあふれているわけですから、神様もさぞお忙しいことでしょう。

おそらく仙北市の住民で今一番神に祈りたいのは、ふたつの選挙戦を戦っている四人の立候補者でしょうね。『最後のお願いに参りましたっ』と半分かすれた声が、角館の街中に響いていました。
神のみぞ知る選挙結果は、明晩10時頃に判明するようです。

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重い仕事。

2009年10月22日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
青基調の桜&鹿プリントをベースに、合わせは青です。
今の季節には少し寒くも見えますが、なかなかお洒落にまとまりました。青好きさんにお勧めの一品ですね。

久しぶりに晴天が戻った今日の角館です。でも気温は低いですね、最高で15℃くらいでしょうか。お立ち寄りのお客様に『寒いでしょう?』と訊いてみると、ある人は『風が冷たいですよねぇ』とおっしゃり、またある人は『思ったほどじゃないわよっ』。体感温度も人それぞれですかっ。

明らかに『寒っ』を連発しているのは、数日前から草履コーナー前に戻ってきた似顔絵描きのmarikoさん。そう言えば数年前にはこの場所へさんさんサンもいたことがあります。確か彼女も『寒っ』を連発してましたねぇ。
そうなんです、米蔵イベントホールは心身を鍛える修行の場なんですよ。

徐々に存在が広まってきたmarikoさんの元へは、イベントやお祭りの席描きだけでなく、いろんな注文が舞い込んでくるそうです。今一生懸命描いているのは「結婚式」、新郎新婦のほかに家族も一緒なんていう注文もあるそうで、記念写真ならぬ「記念似顔絵」というのもなかなかイイもんですね。

そんな中、草履職人も感じ入ったのは故人の似顔絵なんです。遺影ならぬ「遺絵」とでも言いますか、写真では哀しみがあまりに深いため、笑顔の似顔絵を仏間に飾るのでしょう。
先日の依頼は、三ヶ月前突然の病で急死したご主人の似顔絵。小さな子どもの手を引く奥さんは、笑っているご主人の似顔絵を描いて欲しいと言ったそうです。marikoさんからこの話を聞きながら、草履職人も熱いものがこみ上げてきましたよ。

角館草履のトップページにある、草履を編んでいる姿の画を描いてくださった作者の言葉を思い出します。
風景画を専門に国内ばかりでなく海外へも出かける作者は、差し上げることを目的にその人物を描くことはまずないと言います。その理由は、良く描けたかどうかその人の心が気になるということでした。つまり、人物画は「重い」というわけです。その点風景画であれば、たとえ上手く描けなかったにしても、その風景が気分を損ねる心配がないんですね。これだけの画を描かれる作者でも、人の心は重いのでしょう。
この話をmarikoさんに教えると、『ほんと、重いんですよぉ』。

以前江原さんが言っていたのは、『亡くなった人があの世で一番求めているのは、遺族が一日も早く哀しみから立ち直って行く姿だよ』。
marikoさんが描く先の男性の似顔絵は、遺された奥さんや子どもの立ち直りに一役買うことになるんですね。確かに「重い仕事」ですが、彼女ならしっかりやり遂げてくれるでしょう。

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バランスが大事。

2009年10月21日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
エンジ基調の銭湯プリントをベースに、合わせはベージュ基調の茶道具プリントです。
ベースはやや賑やかですが、優しいベージュと組み合わせることで穏やかになりますね。互いに持っている長所を組み合わせることで、バランスのとれた作品に仕上がるんじゃないでしょうか。

先週の土曜日にまたとないような秋晴れに恵まれてからは、今日までずっと変わりやすい天気になっています。薄日が差したかと思えばいきなり激しい雨が降り、今日も土砂降りの中を帰宅しました。
10月も下旬に差し掛かったのですから気温の低さは致し方ないとして、せめて雨続きはそろそろ勘弁して欲しいものです。

この雨で気の毒なのは、散策のお客様ばかりではありません。選挙戦を戦っている候補者と、その陣営ですね。選挙カーから届く拡声器の音も、激しい雨音にかき消されるほどです。街頭演説の難儀さは想像に難くないですよ。
現在わが仙北市では、市長選挙と仙北市選出県議補選の真っ最中です。立候補者は共に二人、それぞれ旧角館町と旧西木村から立ちました。もうひとつの旧田沢湖町からは候補者が出ません。これが勝敗を大きく左右すると言われてますね。

昨晩少し久しぶりに、37年会の例会に参加しました。みんなそれぞれ忙しいのでしょう、参加は私を含め4人です。37年会といえば年齢で46歳と47歳、子どものあるなしにかかわらず社会的なオヤジです。やはり話題は選挙になりました。
ひとりはすでに期日前投票を済ませていましたし、それぞれにいろんな情報も得ていて持論もあります。

大きく異なるものはないのですが、中で「マニフェスト」に対する考えに若干の食い違いがあったと思います。明らかに達成が困難な政策や数値を並べることを良しとしない派と、夢をもって努力するだけでも良しとする派です。なんだか先の衆院選と同じ現象が、ここ仙北市でも現れている感じでしょうか。

市長選に立候補しているおふたりももちろん「人」ですから、それぞれに長所があるはずです。共にふるさとを愛してやまないことは同じでしょうから、ひとりが市長、ひとりが副市長になれれば一番イイんでしょうけどね。
互いの長所を組み合わせることによって、バランスのとれた「市政」というわけにいきませんかね。

投開票は四日後の25日、草履職人は朝の出勤前に投票するつもりです。

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