角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

秋田県民は寒がり!?

2010年02月27日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
紺の唐草をベースに、青のいらかを三本配してみました。
こちらも紺の同系色合わせです。シックな配色は案外お若い女性が好まれますから、ひとまず男女共にお勧めしやすい24cmにしてみました。ふたつの布地は共に定番のため、お客様の反応を見ながら今後大きいサイズも編んでみましょうか。

昨日の本降りの雨から一転、今日は青空が嬉しい角館です。気温も上々で雪解けがさらに進みました。
散策のお客様へ『お天気に恵まれましたねっ』と言うと、だいたいの方は『はいっ、歩いてても気持ちがイイですぅ』とお答えになります。それがときに出会う言葉は、『えぇ、まぁ。実は雪を見たくて来たんですよぉ』。
このブログにもたびたび登場するように、雪に憧れを抱くお客様は数知れません。でも、今冬最低を記録した最高気温氷点下8℃なんて日だったら、おそらく凍えて言葉も出ないと思いますよっ。

北秋田市からお越しの母娘ペアさん。お母さんが先に草履を気に入ってくださり、お気に入りの配色をお選びです。少し遅れて草履コーナーにお見えの娘さんに、『あなたも履いてみない?足が冷たい人にイイそうよっ』。娘さんは自他共に認める冷え性で、冬場はお風呂上りでさえすぐ靴下を履くとおっしゃいます。
角館草履はイ草の編み目と土踏まずの盛り上がりが足裏を刺激しますから、足が冷たい人にはぜひ試して欲しいといつも話しているんです。娘さんも効果に期待して、お好みの配色をお選びでした。

私のカミさんもかねてからの寒がりで、11月の中旬になると電気毛布を使い出します。でも不思議なことに、冬でも家の中では靴下を履かない日があるんです。もちろん足元には草履があるわけで、身をもって効果を実証していることになりますかっ。
角館草履の常連さんである武家屋敷K家のご当主が、先ごろグループで蔵めぐりにお越しでした。草履コーナーで立ち止まると他の顔ぶれに、『これ履いてれば、トイレさ行くとき足が冷たくなくてイイものっ』。
就寝の際もすぐ履けるところに草履を置いているご愛用者は、案外多いと思います。

一ヶ月ほども前でしょうか、民間の気象予報会社が「重ね着」に関するアンケート結果を報じていました。冬場に衣類を何枚着用しているかを県別に表しているのですが、なんと秋田県が全国一重ね着しているとのこと。逆に枚数の最も少ないのが岩手県というので、さらに驚きました。直後に地元紙もこの話題を取り上げ、どうやら下着を含むかは規定になかったようです。

岩手県にも角館草履のご愛用者が多数ですが、重ね着枚数に草履は数えないでしょうからね。

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観るのはどっち!?

2010年02月26日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
青のいらかをベースに、紺を三本配してみました。
紺の同系色合わせは、オーソドックスさがむしろ角館草履らしいと思います。男性であれば年齢を問わずお勧めできるでしょう。

「今日の草履」は、お隣り大仙市にある酒造メーカーの社長さんがお持ち帰りです。おじさまおふたりでお越しになり、もうおひとりの方が『いつもブログ読んでるんシ』。以前にご夫婦でお越しだったそうで、奥様は布草履の作り手なんですね。
今年もすでにたくさんの布草履経験者がお越しです。布草履が一般に知られるようになって、かれこれ10年に近いんじゃないでしょうか。いっときのブームでないのは明らかですね。

今日の角館は朝から本降りの雨になりました。気温が高いので、雪解けがまた一気に進んでいます。朝から雨という日は、どうしてもお客様が少ないです。秋田県内や盛岡市といった比較的近くの方は、どうしても散策に雨を嫌いますからね。
今日もうひとつお客様が少ない予想をしていたのは、五輪女子フィギュアのフリー演技があったからです。真央ちゃんの演技より角館散策を選ばれる方は…、それが案外お見えでした。

県内は羽後町からお越しのご夫婦。二年ほど前に、おともだちへプレゼント用にお買い上げくださったそうです。そのときご主人が、『こういう草履、オレも編んでみでぇもんだなぁ』と話していたとのこと。その後そんなことはすっかり忘れて今日というわけです。米蔵に入ってみると私がいたため、そのときの想いがまた蘇ったんですね。

しばらく実演をご覧の後、奥様がご主人へ『定年してヒマがあるんだから、やってみればっ』。ご主人もその言葉に促されるように、だんだんその気になってきました。実演を観る目も真剣です。
私とのおしゃべりで、初心者ではすぐに履ける草履にならないことを悟った奥様は、ご自分用の草履を早速お選びになりました。続いてご主人、『よしっ、今日のところは編み方ビデオを買って行ぐべっ』。

来月には草履台やらイ草材料をお求めに、またあらためてお越しとのこと。編み方ビデオをお渡ししながら、『晩酌しながらビデオ鑑賞してければイイんシなっ』と大笑いです。
んっ!? 今晩は編み方ビデオどころじゃありません。真央ちゃんのスケートを観ないとっ。

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草履職人は攘夷派!?

2010年02月24日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
赤の唐草をベースに、緑唐草・茶唐草・紺唐草を三箇所に配してみました。
唐草四色揃い踏みとでも言いましょうか、ときにはこういう楽しい草履もイイですね。こちらであれば、まず年齢を問わずお勧めできるでしょう。

天気予報通り、二月とは思えない気温になった今日の角館です。おそらく二桁に乗ったんじゃないでしょうか、冬用作務衣では背中辺りが少し汗ばむ感じさえしました。
雪解けも一気に進んでいます。と言うか、こう暖かいと雪消しをしたくなるもんですね。乾いたアスファルトに日陰の雪を撒くと、僅かの時間で消えてなくなります。
明日は今日以上の気温になるとか。ほんとに桜の早咲きが気になってきました。

東京からお越しのおばさまひとり旅。『ツアーでは二回くらい来てるんだけど、ひとりでゆっくり雪を見たいと思って…』。今冬もこうして「雪を見たい」というお客様とは、何人もおしゃべりしました。それが今日のような春を想わせる気温では、その期待は裏切られた感じでしょうか。
それでも、『ゆっくり散策してみると、案外面白い町でしょっ』と言うと、『そうなのっ、ちょうど雛めぐりをやってるじゃない。もうあちこち寄って来たわよっ』。
お帰りにはご自分用の草履をお買い上げくださり、笑顔で次のお雛様へと向かいました。

今冬の「雪を見たい」で特筆すべきは、韓国からのお客様でしょう。韓国ドラマ「アイリス」の撮影に使われた田沢湖や男鹿を観光し、そんな中の一部が角館散策を愉しんでいます。
ただ残念なことに、そのほとんどがまったく日本語を話せません。実演の写真を多くが撮っていかれましたが、ほとんどが無言のままパチリですね。草履職人も日本語以外まったくダメですから、草履のご説明どころかおしゃべりそのものが皆無でした。

近年韓国人観光の増加に対応し、当地でも韓国語を学ぶ教室のようなものがあるそうです。もちろん自身の商いにプラスとなるならば、独自に勉強する角館人だっているでしょう。私にはそういうのがどうしてもダメなんですよ。これを偏屈と言われれば返す言葉はないのですが、いわゆる迎合が出来ないんですね。

何日か前、韓国ツアーのお客様がお越しでした。米蔵の中を見ているとき、日本語を話せる添乗員さんにスタッフのひとりが、『これからは韓国語ができないとダメだよ』と言われたそうです。スタッフは『はいっ、そうですね』と応えたようですが、もし私がそう言われたら、『日本に来るなら少しくらい日本語を覚えてくればっ』でしょう。もちろん実際には言えませんから、心の中だけですけどね。

大河ドラマは土佐藩が舞台です。当時の土佐藩は、尊皇攘夷派が激しく活動していました。それは外国人など寄せ付けない空気だったでしょう。藩主の山内容堂という人は、新しい日本を目指す薩長側にも組し、またあるときは幕府側を思っての言動もあったようです。西郷隆盛が山内容堂を指し、『単純な佐幕派のほうがはるかに始末がいい』と言わしめたエピソードさえありました。一見八方美人に思える山内容堂も、諸々のいきさつがあってのことでしょう。

角館に外国からのお客様が増えるのは、基本誰しも望むところだと思うんです。角館の良さがアジア各国あるいは世界に広く知られたらと思うと、こんな楽しい話はありません。でもそのために、たとえば角館の街に外国語の看板が並ぶのは、「なんだかなぁ」と思うわけです。

角館の草履職人は、山内容堂タイプの人間かも知れませんなぁ。

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学問のススメ。

2010年02月23日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
ベージュ基調のみつばちプリントをベースに、ベージュ基調の龍プリントを三本配してみました。
角館草履にしては珍しい、柄も色も抑えた配色ですね。一般に汚れ易さの観点から、白っぽい草履は敬遠されがちです。でもこちらの草履は見ようによって、かつてのワラ草履を思い起こさせる色ですね。さぁて、いったいどんなお客様がお選びになるのか、公開実演にはこうした楽しみもあるんです。

今日は全国的な晴天のようですが、当地角館もすっかり春の陽気です。最高気温は6℃ほどまで上がったようで、屋根に積もった雪が溶け出し、一日中ダラダラと水の流れる音がしました。これこそ春を身近に感じる音でしょう。
明日は今日を上回る二桁に近い予想です。春が近いと言っても未だ二月、ちょっと驚くくらいの気温ですよ。

1月28日のブログにご登場のおばあちゃんお二方。今日またふたり仲良くお越しくださいました。おひとりのおばあちゃんが、息子さんへプレゼントする草履をお買い上げのためなんですね。それが、『靴のサイズ何cmだっけシか?』とお訊ねすると、『あっ、大事なごど忘れだぁ』。あらあら、何のためにこの間は買わずに帰ったか分からなくなっちゃいましたねぇ。
それでもおばあちゃん、『まぁ、26cmもあれば大丈夫だべっ』と、息子さんに似合いそうな配色をお選びでした。

『せっかくだがら、今日も少し見せてもらうべっ』と、ふたり真剣な眼差しで実演見学です。ひとりのおばあちゃんが、『この草履、あれがらときどき夢サも出てくるものぉ』。夢にまで見る草履ですかっ、過分なお言葉ありがとうございますっ。
布草履を編むおばあちゃんは、『この間見せでもらって勉強になったぁ。あれがら参考にさせてもらってるものぉ。さすがにこごまで綺麗にはならねどもなっ、はははっ』。

この言葉を聞いて思ったのは、人というのはいくつになっても勉強が出来るということです。こちらのおばあちゃんはたまたま角館草履でしたが、対象はなんでもイイわけです。それまで見たことのなかったモノと出会い、心の中にひとつの目標が生まれる。「もっと上手くなりたい」「もっと深く知りたい」と考えている人は、実に元気ですよ。
これがまさに“学問のススメ”じゃないですかね。

町内にお住まいの母娘ペアさん。お母さんがとても面白い人で、『何年か前に一度見だったども、あらためて見でみればスゴい草履だねがっ』。娘さんもとても気に入ってくださり、今日のところは持ち合わせの都合で娘さんだけのお買い上げとなりました。
お買い上げは娘さんでも、おしゃべりはもっぱらお母さんです。角館草履の素材から健康効果、そして「首のツボ」からスリッパの弊害に至るまで、これまで私の知りえる情報をほぼ出し尽くした感じでしょうか。

お帰り際にお母さんが、『いや~、いろんた話教えでもらって、今日はありがどっ!』。
私が草履職人という道と出会わなければ、当然知りえない情報ばかりです。好きな道であれば、その「学問」はとても楽しいものですね。
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余生は北国。

2010年02月22日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
ピンク基調の南国プリントをベースに、オレンジを三本配してみました。
南の国にはオレンジというのが良く似合いますね。明るく楽しくなるような配色は、むしろ中高年のおばさまにお勧めしたいです。

南国ほどではないにしても、今日の角館は朝からすっきり晴れ上がりました。放射冷却現象で朝の冷え込みこそ格別ながら、昼の時間ずーっとお日様が射すのは気分のイイものです。
今晩これから雨になるようですが、明日はまた回復基調とのこと。週間予報を見ても真冬日はもう一日もありません。春は目前ですね。

岩手県雫石町と都内にお住まいというおともだち、おばさまおふたりがお越しでした。都内のおばさまは角館が大好きで、もう4~5回目とおっしゃいます。雫石と角館は電車一本、各駅停車で一時間ほどでしょうか。比較的近いところにおともだち宅があることで、角館の常連さんというわけですね。

雫石にお住まいのおばさまが草履を気に入ってくださり、ご自分用をお買い上げくださいました。
こちらのおばさまが話す言葉にも、岩手訛りはありません。『やっぱり元々は東京ですか?』とお訊ねすると、『生まれは沖縄。東京で30年暮らして、主人の実家に来たっていうわけよぉ』。
沖縄→東京→岩手、だんだん寒いところへ移動してるんですね。

おばさまは続けます。『こんな雪の多いとこ初めてよぉ。まだこっちへ来て一年なんだけど、ぜんぜん慣れないわぁ』。私が、『やがて“住めば都”になるでしょ』と笑うと、『まぁ10年もかかればねぇ。あっ、10年も経ったらもう死んじゃうんじゃない!?』と大笑いでした。
生まれてから若き日が沖縄、これまでの人生のほぼ半分が東京、そして終の棲家が岩手。確かに体力が弱ってから初めての北国暮らしは、「明るい未来」とばかりは言えないかも知れませんね。

私はおばさまに、2009年12月24日のブログでご紹介したご夫婦のことを教えました。角館歴史案内人として活躍されている奥様とは、先日の「蔵めぐり」でもお会いしています。寒さなんてどこ吹く風、今年も元気に活動されることでしょう。
雫石のおばさまも、その明るさは見事なものでした。角館までの距離を思うと、これから幾度となくお会いする気がします。

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次はぜひ「フリー旅」で。

2010年02月19日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
茶の唐草をベースに、合わせは黄土色基調の和柄プリントです。
シブくお洒落に決まりましたね。男性でもいけるよう24cmにしてみました。案外こうした配色は女性がお選びになるケースも多いですから、どんな方がお買い上げになるか私も楽しみです。

今日も暖かい日差しに包まれた角館です。朝から日光に照らされるのは、ずいぶん久しぶりのような気がしますね。散策のお客様も、『旅行中ずーっと天気に恵まれてるのっ』。確かにここ数日の当地は、まずまず穏やかに過ごしています。
ただし屋根から落ちる雪や氷も多くなってきました。軒先に入るときは充分な注意が必要です。

西宮家でお昼ごはんを食べるツアーがあります。予約のない日もときにありますが、おおむね週五日くらいはお越しでしょうか。西宮家の散策というより昼食がメインですから、たいして長い時間は予定されていません。食事を終えて米蔵をのぞきに来るときは、バスの出発時刻まで残り10分なんてこともあるんです。米蔵の中は中高年の女性が好む商品が多数あるため、『もう少し時間があったらねぇ』なんてボヤきながらバスに向かうお客様が何人もいますよ。

一昨日は私が知る限り、最も時間の少ないパターンでした。草履コーナー側の出入り口から入って見えたときは、すでにバスの出発時刻に5分とありません。みなさん米蔵の中を走るように見て回ってましたね。
そんな中にも角館草履に関心を示してくださるおばさまがいて、『24cmをひとつもらって行くわっ』と言いながらカバンの中の財布を探しています。『色はどれにします?』の言葉にも、『う~ん、時間がないからこれでいい』。目の前にあったすぐ手に取れる草履をお選びでした。
お買い上げは嬉しいにしても、もっと草履の話をしたかったですねぇ。

このツアーには「お弁当付き」と「フリー食」の二通りがあります。「お弁当付き」というのは西宮家があらかじめお弁当を用意しておくタイプで、「フリー食」というのは西宮家のレストランや界隈の飲食店で、好きなものを自由に食べるタイプです。お弁当を食べる人は西宮家の外へ出ることはないのですが、フリー食の場合は外へ出ることがあります。すると心配なのは、バスの出発時刻までちゃんと戻ってくれるかなんですね。

昨日この心配が的中しました。フリー食で外へ出てしまったふたりが、バスの出発時刻に戻らなかったんです。ケータイ番号を知る人がいなかったのでしょう、西宮家のスタッフがフル稼働で辺りの飲食店を探し回っていました。
そして20分後、無事に戻られたふたり。お客様全員を乗せて、次の目的地へ向かったそうです。

ところでこちらのふたり、どこへ行っていたのかと言うと、今見学してきたばかりの武家屋敷通りへまた戻っちゃったんですね。ツアーの良さも分かりますが、かねてから草履職人が言うように角館は自由に散策することで良さが分かる街です。5分で草履をお買い上げくださったおばさまも、バスの出発時刻を忘れて散策したおばさまも、次はぜひフリーの旅をお勧めします。

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効果の検証。

2010年02月18日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
黄土色基調の和柄プリントをベースに、合わせは紺基調の花柄プリントです。
どちらも落ち着いた色調の組み合わせですね。派手を好まない、中高年のおばさまにお勧めでしょうか。

横浜市からツアーでお越しのおじさま。直前に同じツアーのおばさまがお買い上げくださった際、角館草履のご説明を傍でお聞きになっていました。そのまま一旦は通り過ぎたものの、数分後に再度お立ち寄りです。『考えたんだけど、やっぱり買って行くわ』と、ご自分用をお買い上げくださいました。
しばらく「悩みタイム」を設けてからのお買い上げは、実演席でよくあることです。草履を小脇に抱え、『いつか桜を観に来るから、履いて良かったらまた来るわっ』。
はいっ、ぜひぜひです~。

数日前のこと、北秋田市からひとりのおばさまがお越しでした。『買うときは悩んだったども、履いてみたらもう離されねぐなったものぉ、はははっ』。
聞いてみるともう二年ほども前、ちょうど土踏まず付きを定番とした頃のようです。四阡円の価格にしばらく悩み、思い切って買ったというのが当時の様子でした。悩んだ挙句にご購入を決められ、満足してくださったからこそのリピーターさんというわけです。新しい草履を手に持ち、笑顔でお帰りでした。

こうした常連さんが多数いらっしゃるのですが、私はふたつの意味でとても嬉しく思います。ひとつは商いの成功でしょう。一見さんだけを対象として、二度目のご来店を求めない商売はやがて廃れます。これは「私サイド」の喜びというわけです。
もうひとつは、悩んだ挙句に買ったものが満足できたという点ですね。悩んでお買い上げくださったお客様ほど、「効果の検証」が厳しいんじゃないでしょうか。つまり、お客様の判断に誤りがなかったという「お客様サイド」の喜びなんですね。

政権与党である民主党の支持率が下降の一途です。大きな要因のひとつが「政治とカネ」の問題でしょう。自民党政権時代、同じような問題を数々見て来た国民は、『民主党もかよぉ』という思いでいるのが容易に想像できます。
先般の衆院選で民主党に票を投じた国民の多くは、大なり小なりみんな悩んだはずです。悩んだ分だけ「効果の検証」が厳しいからこそ、現在の支持率じゃないですかね。

民主党に票を投じた国民は、自らの判断に誤りがなかったと思いたいですよ。二度目のご来店(投票)を求めないのであれば、やがて廃れるのは時間の問題でしょう。

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ふるさとへの恩返し。

2010年02月17日 | 地域の話


今日の草履は昨日のブログでご紹介した、千葉県にお住まいの女性からのオーダー草履です。
紺の唐草・夜桜・エンジ・緑の四色使い。さすがにここまでのご指定であれば通販というわけにいきませんから、出逢いの縁を配色からも感じ取っていただけると思います。
今日の便に間に合いました。三日もあれば到着すると思いますよ~。

冬季五輪の情報が盛んです。先日一度は一位につけた、ノルディック複合の小林範仁選手は秋田県の出身です。ほかにも県出身選手はいるのですが、『目立ちたいっ』を連発するせいか確かに目立ちますね。秋田県の県民性はとかくこの正反対を云われますから、ひとまずは珍しいタイプの県人かも知れません。

夏の参院選に秋田県選挙区から自民党公認で出馬するのは、かつてプロ野球で活躍した石井浩郎さんです。石井さんも秋田県出身のアスリートです。近鉄を皮切りに巨人軍にも在籍しましたから、野球ファンなら誰もが知っているでしょう。
石井さんは西武の二軍監督を務めたあと、球界から離れ飲食店のオーナーをしているんですね。そのお店のひとつが秋田市にある「モツ鍋店」。今週末、同期生数名でそのお店に行くことになっています。もちろん選挙とは無関係です。

秋田県出身で全国的な知名度を誇る人、東京で大きな事業をしている人、著名な作家さんや芸術家さん、専門的な研究で知られる人、そんな人っていっぱいいるんです。ずーっと昔から思っていたのは、そんな立派な人たちが多いのに、どうして秋田県はいろんな意味で廃れて行くように感じるのかなんです。

どこの地方も同じようですが、秋田県も医師不足が深刻です。秋田市以外の市部や郡部が特に顕著で、秋田市内の大きな病院から派遣されて来る医師がとても多いんですね。当然毎日来てくれるわけではありませんし、特に遠隔地は時間の無駄が多いため、「行きたくない」という事情もあるんだそうです。

わが家の目と鼻の先にある角館病院も例外ではなく、診療科目によっては「休診日」がとても多いです。週に一度でも来てくれる医師を、どのような手立てで見つけるのか分かりませんが、昨秋からは東京の医師が飛行機を使い来てくれてるそうですよ。
先月わが家の次女がインフルエンザに感染し、担当してくれた医師をどこかで見たような気がしていたそうです。数日後、丁内のおじさんたちとの宴会で知ったのは、元女子プロレスラーのご主人である東京の医師が来ている話。家に帰ってカミさんと次女にその話を教えると、『あっ、そうだっ』。

石井浩郎さんは抱負のひとつに、「企業誘致」を挙げています。もちろんそれも大事なこととは思いながら、秋田県出身のお医者さんも誘致してもらえないものでしょうか。
石井さんがおっしゃる「ふるさとへの恩返し」。これを想うお医者さんだって、きっといると思うんですよ。

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自由な「おじさん」。

2010年02月16日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
赤基調の金文字プリントをベースに、紺無地を三本配してみました。
赤と紺の相性の良さもさることながら、ところどころに見える金文字が面白いですね。中国の民族衣装に見えるのは私だけでしょうか。

未だ気温は低いのですが、日中の明るい日差しに春を感じられるところまで来ました。午後5時の閉店時は充分明るさが残り、なんかそれだけでもちょっと得した気分になります。
散策のお客様に『外は寒いでしょう?』とお声をかけると、『えぇ、でもお日様が出てると気分はイイですねっ』という声が返ってきます。人というのは、心にも体にも明るさが重要ということでしょう。

千葉県からお越しのお若い女性ひとり旅。秋田市へ嫁ぐおともだちの誘いで、秋田県内の冬祭りを制覇すべく歩いているそうです。途中からはひとり旅になり、男鹿なまはげ、大館あめっこ市、横手かまくら、さらには森吉山の樹氷を見物し、『今日は角館の散策なんですぅ』。明るく話す女性に、充実した旅をしてるんだなぁと感じました。

角館草履にも高い関心を示し、しばらくの時間を実演席の丸太椅子で過ごされました。健康効果をご説明し試し履きのあと、『じゃあ、オーダーして行ってイイですか?』。
今の時期はフルサイズの草履が揃っていますから、飾ってある草履はお持ち帰りOKです。しかし女性があえて「オーダー」としたのは、自分好みのオリジナルが欲しかったからなんですね。こちらの草履は早速明日編んで、次回の「今日の草履」でご紹介しましょ。

最近ふと気付いたのは、実演席の丸太椅子で一定時間を過ごされる方に、「ひとり旅」が多いということなんです。ひとり旅の利点はやはり「自由」でしょう。気に入ったところで好きに時間を使い、お腹が減ったら好きなものを食べる、逆に時間がもったいないから食事らしい食事は省くなんてことも、グループ旅行ではなかなかできません。そういう意味では、自分らしい旅ができるのはひとり旅に限るわけです。

一昨日は卒業旅行の若い男性が、昼と夕方の二度に渡り、しばらくの時間を実演席で過ごしました。今春大学を卒業予定で就職も決まり、たったひとりの「思い出旅行」なんですね。彼も気ままに愉しんでいるのがよく分かりました。
自由を好むひとり旅は、言い方を変えれば「束縛を嫌う」ということになります。勝手な推測なんですが、そうした人が実演席に時間を費やすのは、草履職人に「自由」を見るからじゃないですかね。

卒業旅行の男性との会話は多岐に渡りました。私が彼に話したひとつは、「一年間はゼッタイに会社を辞めるな」ということです。まず一年勤めれば、与えられた仕事も上司のクセもだいたいは分かります。そのうえで納得して勤務を続けられるのがベストですが、その後「本当にこの道で良いのか」を考えるのも大事だと思うんですね。まぁ、いまどきの雇用情勢を思えば、簡単に会社を辞められないのも事実ですけどね。

彼も私との会話を楽しんでくれました。いつかの再会を約束して、ふたり記念撮影のあと握手をしてお帰りです。おっと、ミニ草履もお買い上げでしたね。
彼は会話の最中、私のことをしきりに『おじさん』と呼びました。実演をはじめた頃はこの「おじさん」の呼ばれ方に違和感があったのですが、まぁ若い世代からの呼ばれ方としては自然でしょう。今日、『このあいだの新聞サ、おじさん載ってらっけなっ』と声をかけられた地元のおかあさんは、明らかに私の母親の年代でしたけどね。

角館の草履職人は、本日47回目の誕生日を迎えました。文字通り充分すぎるほどの「おじさん」です。
明日からまた「草履を編む自由なおじさん」として、はりきって参りましょっ。

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春を告げる草履。

2010年02月15日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
ピンク基調の南国プリントをベースに、黄・赤・緑の三本を配してみました。
とっても可愛い草履に仕上がりましたね。顔馴染みのお母さんたち、並んだ草履を眺めながら、『あや~、こごだげ春が来たみでったな~』。
外は未だ冷たい風が吹いていますから、華やかな草履を見るとなおさらそう感じるのでしょう。

名古屋市からお越しの女性グループ旅。おばさま3人とお若い女性おひとり、うちの一組は母娘ペアさんと思います。秋田市にある旅行代理店の車をチャーターし、基本は気ままな旅ですね。お昼ごはんをどこにしようかの話になり、代理店の運転手さんが西宮家にご案内したそうです。みなさんお腹が満足したところで、米蔵の中へお入りでした。

展示してある角館草履を見つけると、私の実演を見るまでもなく『あらっ、こういうの欲しくない!?』。実演も見ず、素材も知らず、健康効果もまったく聞かないうちにお買い上げを決められる方が、一年のうちに何人かいますね。
でもそれでは公開実演の意味を失います。しっかりご説明をお聞きくださった母娘ペアさんと思しきお母さんのほうが、『え~と、それじゃあ家族分6足ねっ』。
今年ここまでのまとめ買い最高記録、この2月にちょっと驚きでしたが、誠にありがとうございましたっ。

2月も中旬に入りますと、1月の閑散期とは少し人出も違ってきます。近隣の小正月行事のうえに、昨日までは「蔵めぐり」がありました。そして今日から始まったのは、「雛めぐり」なんですね。今日の朝刊に載ったため、県内からそれなりの人数がお越しです。
角館の武家や商家に古くから引き継がれてきたお雛様を、今日から3月22日までのロングランで一般公開するこの企画。展示してあるお店や施設は20箇所以上にも及びます。これらをゆっくり時間をかけて散策するというわけですから、町を知るイイ機会になりそうです。

西宮家にお雛様の展示はありませんが、散策の途中にぜひお立ち寄りいただけたら嬉しいです。一足先に春を感じられるよう、お雛様のような可愛い草履も展示してございます。

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