角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

おばあちゃんが歩いた!?

2013年08月28日 | 実演日記
一週間ほど前、西宮家へ私宛に電話がありました。電話の先は京都市にお住いのおばさまです。
『三日前にそちらで草履を買い求めた者ですぅ。実はうちのおばあちゃん、足が悪くて歩くのを嫌がるのに、この草履を試しに履いてみたいって言うんですぅ。まぁええかと思って履かせてみたら、スタスタ歩き出しまして、もうビックリですわ~。早速ですけど、おばあちゃんの草履をひとつ送ってくださいませんか』。

草履が持つ健康効果は、このブログでもたびたびご紹介している通りです。でもときに、私の経験則や知識をはるかに超えるエピソードが届けられます。こちらのおばあちゃんもそんな一例でしょうか。クララのように車いすから突然立ち上がったという話じゃないですが、歩くのを嫌がっていたおばあちゃんがスタスタ歩き出したのは、おそらく驚きのシーンだったのでしょう。

今日お越しくださったお若い男性は、過去に一度何人かでお訪ねでした。そのときも試し履きのうえにいろんな健康効果をお話し、そのときからいつか履いてみたいと思っていたそうです。そして今日のご来店は、友人への新築祝いでした。笑顔の男性は、『僕たちの分はこの次にして、まず友人に履いてもらおうと思ってます』。

実演席でいつも言うのは、「お土産よりもまず自分」。誰かに買ってあげるよりも、一足目は自分のために履いてほしいといつも思っています。でもこちらの男性のように、健康効果を充分理解し、自分で履きたいのはやまやまだけれども「まず友人」というのであれば、それはむしろ美しいと感じました。

今日も試し履きをしてみた男性は、『昨日足を挫いてちょっと痛みがあったんですけど、この草履を履いては感じませんね。やっぱり次は家内の分も一緒に買いに来ますよっ』。

特に日本人の足にとって草履というものは、言いようのない「癒し効果」があると思っています。癒されたい部分は人それぞれ違いますから、これからも新たな健康エピソードが生まれるんじゃないですかね。
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花火と鼻緒。

2013年08月26日 | 実演日記
昨日の角館は、花火帰りのお客様でとても賑やかでした。新聞の主催者発表では、その人出76万人。一つ確認しておきたいのですが、秋田県の人口はほぼ105万人です。実にその半分に相当する人が花火会場にいたのですから、大曲の花火の威力がお分かりいただけると思います。

神奈川県からお越しのご夫婦。念願叶っての初花火に、『いや~、たまげたよ。さすがは日本一をうたうだけあるね。今まで観ていた花火はいったいなんだったんだか…』。
花火の感動に未だ興奮気味なのか、一切の迷いなくご夫婦揃って角館草履をお買い上げくださいました。

川崎市からお越しのおばさま3人グループ。試し履きをされていたおばさまに、先ツボ(鼻緒)が当る指の股は「首のツボ」をお教えしました。すると、『あらっ、少し痛むわねぇ。あっ、ゆうべ空ばっかり観ていたから首が疲れたのよっ』。
花火を見物したことがあれば、皆経験のある首疲れ。大笑いの末に、おばさま3人がそれぞれにお買い上げくださいました。

おかげさまで今夏も、在庫らしい在庫がなくなりました。現在25cmが完売、ほかのサイズも平均して3足程度の在庫数となっています。角館のお祭りが終わるまで休まず編み続けますが、これからのオーダーは納期が幾分長くなるかもしれません。
9月16日の「敬老の日」にご利用をお考えのお客様には、ぜひお早目にご用意いただけましたら幸いと存じます。
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好天の花火競技会。

2013年08月24日 | 地域の話
昨晩の雨に心配しましたが、昼には快晴となった今日の角館です。心配したのはもちろん今晩の「大曲全国花火競技大会」。雨天が理由の中止はないと分かっていても、見物客の身になればどうしたって雨は避けたいところですからね。少し気温が下がったにしても、もう雨の心配はないでしょう。

花火会場へ行く前に、まずは角館を散策というお客様が毎年おられます。お若い女性二人旅に『晴れて良かったですね』とお声をかけると、一人を指して『彼女、晴れ女なんですよっ』。
角館のお祭りにも来てもらうようお願いしました。

また別のお若い女性二人旅にも同じようにお声をかけると、やはり一人を指して『沖縄から遊びに来てるので、晴れてくれて良かったですぅ』。
私がイメージする沖縄県人よりずっと色白の女性に、『あなたのような白い人って沖縄に多いんですか?』と訊いてみました。

すると、『案外多いと思いますよ。沖縄の人たちって、暑い日中は外へ出ないんです。だから昼にビーチで泳いでいる人はまるで県外の人ですね』。
なるほど、「地元民」と「よそ者」の見分け方がそこにありましたか。

明日は花火帰りの人々で、角館が朝から賑わうはずです。大満足の笑顔とたくさんお会いできるのを楽しみに、私は自宅のテレビで花火鑑賞といたします。
花火会場は沖縄のビーチ同様、遠くからお出でくださる方々に愉しんでいただきましょう。
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明日は大曲の花火です。

2013年08月23日 | 地域の話
今日も「今日の草履」の掲載はありません。パソコンが替わって画像ソフトの更新ができていないことと、ここしばらく定番配色のみを編んでいるため、ご紹介する新柄草履がないんですね。最も在庫が少なくなる時季に入り、多彩な配色を楽しむ余裕が消えています。

ここ二日くらいの気温の推移で、夏のピークが完全に過ぎたことをうかがわせています。昨日の朝などは寒さで目が覚めましたよ。関東や関西からお越しのお客様も、『朝晩は寒いくらいですね』。体調管理に注意したい時季でもあります。

当地の夏の終わりを彩るのは、ご存じ「大曲の花火」です。旧大曲市の人口は4万人内外、そこへ一晩で60万~70万人が押し寄せるのですから尋常ではありません。それもすべて、大曲の花火の質の高さによるものです。国内トップクラスは、当然世界トップクラスというわけですね。

明日西宮家でお会いするお客様の7~8割は、花火見物で間違いないでしょう。そして明後日、花火会場を出た一部のお客様が、朝早くから角館を散策される姿が見られるはずです。西宮家レストラン北蔵ではそうしたお客様のために、一年に一日限りの「朝食セット」を発売するとのこと。「朝食との出会い」というのもまた面白いですね。

大曲の花火が終わると、いよいよ角館のお祭りがやってきます。角館人の老若男女が熱く燃える三日間は、9月7日・8日・9日であります。
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バックアップ。

2013年08月20日 | 製作日記
先回のブログでも触れたように、このところの身の回りは「不測の事態」が続いています。
今度は毎日使うパソコンが壊れてしまいました。世の中のモノに寿命があるのは致し方ないとして、データが失われるのはとてもタイヘンなことです。売上管理など生命線的なデータはバックアップを施していましたが、草履に貼るサイズシールのような細かなデータはすべて吹っ飛んでしまいました。今日一日臨時休業にして作り直しているのですが、夕方を迎える時刻になってすっかり疲れてしまいましたよ。

不測の事態に見舞われたとき、いかに被害を最小限に抑えるか。パソコンと限らず、「バックアップ」が必要なのは日常にありそうです。
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豪雨災害のお盆。

2013年08月16日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
可愛らしいメルヘンタッチの草履ですね。ベースのプリントは朝顔なんですが、洋風なイメージにも見えます。そういうときは組み合わせも「水玉プリント」と言わず、「ドットプリント」と言うのがいいでしょう。

ずいぶん久しぶりの更新になってしまいました。先回のブログで触れた夏の腰痛は、専門家のマッサージを受けてだいぶ楽になっています。ただこれまで内職さんに頼っていた縄綯い(なわない)をしばらく私がやることになったので、ブログ更新に費やす時間がとりづらくなりました。ブログを続けていくことは間違いないので、これからもどうぞ宜しくお願いいたします。

世の中のお盆休暇もそろそろ終盤、西宮家も観光とお土産を探す旅人で賑わっています。ただ平年の人出と比較して、若干少ないように感じているんですね。その原因を推し測るに、先の豪雨災害があるんじゃないでしょうか。田沢地区で6人の尊い命が失われた土石流事故。よもや同じ市内でこんな災害が起こるとは思ってもみませんでした。

その日8月9日は、確かに角館も雨の朝でした。局地的な大雨の予報はあったものの、大きな心配をしていた人はこの土地にいなかったでしょう。わが家もその通り、三女が仲良しの友人と二人、高校生活最後の夏休みの一日を盛岡へ遊びに行くのに、なにほどの心配をせず見送ったものでした。

いつものように西宮家で仕事をしていると、大雨に関する情報が断続的に入ってきます。その中に「JR田沢湖線運転見合わせ」と「国道46号線通行止め」の二つがありました。角館と盛岡を結ぶ、鉄路と道路が断たれたことになります。
三女と友人はJRの運転再開を望みに、ひたすら盛岡駅構内で時を見送っていました。

午後3時を過ぎた頃でしょうか。鉄路も道路も復旧の見通し立たずとのことで、急きょ盛岡市に暮らす同期生へ連絡を入れました。運良く彼は内勤日で、会社から盛岡駅まで5分程度といいます。事情を説明するとすぐにホテルを押さえてくれ、二人は数時間ぶりに雑踏の盛岡駅から解放されることになりました。

そして翌朝。一晩経過しても依然復旧の見通しは立ちません。さすがに盛岡二泊は選択肢にありませんから、横手→北上→盛岡と高速道路を乗り継ぐ経路で迎えに行くことにしました。国道46号線なら片道60キロほどの距離が、この経路では160キロに及びました。ホテル前で私の車を見つけた娘たちの顔は、まさに「安堵」でしたよ。

結局鉄路と道路の開通は三日後となりました。当地へのお里帰りは別としても、単に秋田県を旅行する人であれば、予定キャンセルは当たり前の選択肢と思うんですね。このお盆に人影が若干少なく感じるのも、無理のないことと思うわけです。

それにしても6人もの犠牲者が発生する、大きな災害となってしまいました。昨日わが家の双子が出席した成人式においても、黙祷が捧げられたといいます。2013年のお盆は双子の成人式と共に、三女を盛岡まで迎えに行った豪雨災害で記憶に残ることになりそうです。
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おかしな季節と腰痛。

2013年08月05日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
明るく艶やかなうえ、ベースに含まれる金から厳かさも感じられます。おそらくそうお若い女性はお選びにならないような気がしますね。大奥に君臨した春日の局のごとく、貫禄のある中高年の女性にお似合いかもしれません。

長かった梅雨が明け、角館にも夏がやって来ました。それが日中の30℃超えに対して、朝晩はずいぶん涼しさを感じるんです。ちょうどお盆が過ぎたあとの残暑に似ています。
想えば6月の猛暑がいつもの盛夏で、そのあと梅雨が来て、今が残暑なんでしょうか。

角館は夏の観光シーズンを迎えています。東北の夏祭りが盛況のようで、角館にお立ち寄りの旅人もずいぶん増えてきました。草履在庫が少なくなっているのもおかげさまですし、3日開催の「かくのだて絵燈籠夏まつり」の大盛況も、ほんとにおかげさまでした。

ここまでのおおよそは「まずまず」で来ているのですが、ひとつだけ困ったのは「腰痛」です。毎年寒くなるころから痛みだす腰でしたが、今年は忙しい時期から出てきました。おかしな季節模様に、腰痛も倣ったんでしょうかね。なんとか騙しながら、繁忙期を乗り切りたいと思っています。

ブログ更新が遅れ気味なのもこれが原因でした。日々の出会いで、書きたいネタはいっぱいあるんですがねぇ。
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生活を楽しくする出費。

2013年08月01日 | 実演日記




今日の草履は、滋賀県草津市からお越しくださったご家族の、中学一年生の男の子のオーダー草履です。お父さんが秋田県横手市のご出身で、子どもの夏休みを利用してのお里帰りでした。7月の下旬から、こうしたご家族の姿が多くなっている角館です。

こちらのご家族は、お父さんもお母さんもそれぞれにお買い上げくださいました。3足ですとお支払いは1万5千円前後になります。お母さんがお金を支払おうとする傍で男の子が、『うわ~、スゴいお金ダ…』。確かに子どもにしたら大金ですよ。

そのときお母さんが子どもへ返した言葉が、『生活が楽しくなると思えたら、そういうことにお金を使うのはいいことなのよっ』。
実に見事でした。子どもに対してお金の価値、あるいは使い方を説くのに、なかなかの表現じゃないでしょうか。



毎年八月第一土曜日に開催している「かくのだて絵燈籠夏まつり」。今年は明後日8月3日です。明朝の地元紙に折込が入りますので、ぜひご覧ください。
われわれ角館あきんど塾と仙北市商工会青年部の合同開催となって、今年で五回目となりました。知名度が上がってきたのか、午後8時頃には会場いっぱいのお客様になります。

北東北の短い夏の一夜、満天の星空のもと大勢で過ごすひととき。これが「生活を楽しくする」と感じてくださるなら、ぜひ遊びに来てください。出費は僅か300円、浴衣着用なら200円で、美味しい「夏うどん」がご賞味いただけます。
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