角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

贅沢なお祭り。

2012年08月31日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡八百円〕
ご覧の通り落ち着いた配色ですから、一般に「シブい」という評価が適当と思います。でもそのシブさの中に、「和」のお洒落があるように思うんですね。こういうことを考えるようになったのも加齢のせいか、ベースの色調からシブ~い日本茶を連想してしまいましたよ。

相変わらず厳しい残暑が続いています。お盆が明けてから連日30℃を超えるのも珍しければ、こんなに雨が降らない8月も珍しいです。全国ニュースでお伝えしているか分かりませんが、秋田県の玉川ダムが干上がってしまいました。ダム湖に沈む前の集落跡が出現して、紅葉のメッカが夏の観光スポットになっているそうです。

さて明日から9月、トップページの実演スケジュールを更新しました。
角館の9月といえば、もちろんお祭りでしょう。町内五つの大置山(おきやま)はすべて組み立てに着手、中でも駅前の大置山は毎年明日が人形を飾る日です。にわかにお祭りムードが高まってきた印象ですね。

そこで気になっているのが、お祭り期間の天気なわけです。これだけ雨が降らなければ、きっと降り出したら大雨になるんじゃないか。しかもそれはお祭りにドンピシャじゃないか、これが総じて地元民の心配です。天気でお祭りのナニが変わるものではないにしても、いろいろと余計な心配や準備が増えますからね。

埼玉県からお越しの女性三世代。小学校高学年と思しき女の子に、お母さんとおばあちゃんの三人旅です。男性のみの三世代旅行はなかなか見かけませんが、女性のみの三世代はときにありますね。こんなところにも、世の男性と女性の違いが現れていると思いますよ。

三人それぞれに試し履きをされ、角館草履をすっかり気に入ってくださいました。おばあちゃんが、『三人でちょっとだけ贅沢しちゃおうかっ』。するとお母さん、『いいわねっ、旅の記念にもなるし』。
そこへ女の子の言葉に大笑いしました。『うちって、結構贅沢してるわよねっ』。

角館のお祭りも、「贅沢」と言えばその極みのような気がします。丁内寄付やご祝儀、お祭り装束や雪駄の買換えもあるでしょうし、三日間の飲み食い費用もそれなりですよ。日ごろはどんなに慎ましくしていても、お祭りだけはみなさん明るくお金を使いますね。

三世代旅行のおばさまたちにも、角館のお祭りをお話しました。雨の心配をお伝えすると、『お天気に恵まれますように祈っていますよっ』。
ほんとに気持ちの良いお祭りになればいいと思います。7日宵宮まで、あと一週間と迫りました。
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会いたい若者。

2012年08月29日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡八百円〕
今夏のテーマ「赤い草履」も、そろそろネタ切れになってきました。それにしても、赤い草履ばかりよく編んだものです。「今日の草履」は組み合わせにシブ目を使用したことで、赤い草履の中でも比較的落ち着いた配色になりました。それでもお選びくださったのは、お若いお母さんでしたね。

埼玉県からお越しのご夫婦旅。奥様が角館から程近くのご出身で、お里帰りはたびたびとのこと。それでも子供時代は角館をよく知らず、むしろ首都圏に暮らすようになって角館の良さを再認識されたそうです。『今では必ず角館で遊んでから帰るんですよ』と奥様。

角館草履も気に入ってくださり、ご家族分3足をオーダーくださいました。中で最も履かせてあげたいご家族というのが、成人したばかりの息子さんなんだそうです。その理由は「偏平足」。
『息子はほんとに土踏まずがないんですよ』とお父さん。そこまで言うくらいですから、ほんとにないのでしょう。

そしてもうひとつ履かせたいワケがありました。それは「ものづくり」が大好きだということです。高校を卒業したあとの進路に、「宮大工」が選択肢にあったという息子さん。小学生のときにワラ草履の編み方を教えられ、編んだ草履を実際に履いていたという“逸材”ですよ。

『この草履を見たら、きっと息子は大喜びしますよっ』。ご夫婦の笑顔に、『今度は息子さんを連れて来てください』と言った私の言葉は、社交辞令でもなんでもありません。ほんとにいつか会いたい若者ですね。
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職人は几帳面!?

2012年08月27日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ26cm土踏まず付き〔五阡二百円〕
男性用に人気ナンバーワンは、どうしても紺系の配色です。草履のように「和」を代表するものには、紺がよく合うのでしょう。「今日の草履」も老若無関係にお勧めできますね。

しかし暑いです。ここが東海や関西ならいざ知らず、お盆が過ぎた秋田県で34℃ってなんですかね。明日は35℃といいますから、一ヶ月前の梅雨明け当時に戻った感じですよ。
地元民が合言葉のように言うのは、『お祭りまでなら落ち着くべ』。

滋賀県からお越しのご夫婦旅。奥様が布草履の経験者で、まだこれからも編み続ける気持ちでいるそうです。さすがにそういう人は見学の気合いが違いますよ。30分以上をじっくりご覧です。

ふと奥様がおっしゃるのは、草履を編むために使う小道具類。はさみ、ラジオペンチ、ニッパーなどの小道具が、いつも同じ位置に置かれているのを感心していました。『手を伸ばせば必ずそのものがありますよね。職人さんの仕事ってそういう気がします』。

そういう観点で評価されたのは、おそらく初めてと思います。言われてみると確かにそうですね。小道具の置き位置がたびたび変わることはありません。ですから見えなくして探すなんてこともないですよ。
職人気質=几帳面のように思われるのも、そういう様子からなのかもしれません。

しかししかし、今こうしてパソコンの前にいて、なんでしょうこの紙の山は。しばらく前に終わった、絵燈籠夏まつりや50歳同期会の資料まで放置されたままです。事務作業用のテーブルの上も同じありさま。
職人だからといって、「片付け上手」かどうかは別問題じゃないですかね。
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案内人の重要性。

2012年08月24日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
今夏のテーマに「赤い草履」と銘打ってから、エンジのいらかプリントをいくつも組み合わせてきました。可愛らしさが表現されるせいか、お若い女性にもたくさん選ばれた気がします。
今夏を彩った赤い布地たちも、そろそろ在庫の底が見えてきました。

『今日は○○を案内して来ました~』という言葉がときどき聞かれます。○○の中に入るのは親戚だったり友人だったり、秋田県や角館に詳しくない人をお連れする、言わば「観光案内人」というわけですね。

ちょうどお盆の帰省が賑やかだった頃、おばさま4~5人のグループがお越しでした。うちのおひとりが角館草履を気に入ってくださり、定番配色①でオーダーです。明らかに言葉が違いましたから、おそらく首都圏にお住まいでしょう。ニコニコ顔でご注文書を書くおばさまを見て、もっと喜んだおばさまがいました。

それは角館にご友人をお連れした秋田市のおばさま、西宮家は何度かお訪ねだったのでしょう。角館草履をご注文くださったおばさまの笑顔を見て、『やっぱり角館にして良かった~』。

今日お越しくださったのは、秋田市の常連さんご夫妻。奥様の草履のお買換えが目的のひとつでした。ご一緒だったご友人夫妻も角館草履を気に入ってくださり、ご夫婦分を少ない在庫からお選びです。『今日連れて来てもらったとこ、どこもみんな楽しい!』の言葉に、常連さんご夫妻がとてもいい笑顔をされていましたね。

7月10日のブログにご登場の、京都市からお越しくださったおばさま。少し前のことですが、オーダー草履到着と角館の感想を綴ったお葉書を頂戴しておりました。その中にも『親類が角館を案内してくれたおかげで…』という一文があり、旅の思い出に案内人の重要さを感じた次第です。

夕方近くにご来店のお若い男女、男性一人に女性二人です。『明日の花火ですか?』と訊いてみると、『はい、そうなんですぅ』。男性と一人の女性が大曲に暮らしていて、共通の友人である女性を明日の花火に招いたというわけです。

日本一とも云われる大曲の花火ですから、こちらの案内人さんもきっと笑顔で任務遂行ですね。
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観光用ヤマぶつけ一覧。

2012年08月23日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
グラデーションのプリント生地は、基本的に少ないと思います。日暮里繊維街から届けられる以外、当地の生地屋さんでは見ることがありませんね。そうしたことも影響されるのか、これまで5足ほど編んだグラデーションは瞬く間に完売となっています。

いよいよ大曲の花火まで、あと二日と迫りました。会場の雄物川河川敷には、そろそろキャンパーたちが入場している頃でしょうか。これまでも何度かご説明していますが、旧大曲市(現大仙市)の人口はほぼ4万人です。この町に花火の一夜だけで、70万人の人間が押し寄せます。“大本営発表”の匂いがあるとはいえ、尋常でない人数というのは間違いないでしょう。

天気予報を見ると、雨の心配はまずないと思います。ただし夜の気温には注意が必要です。最高気温こそ30℃に達するものの、河川敷の夜半は思った以上に寒さを感じるものです。毎年この時期のブログに書いていますが、使い捨ての雨合羽を持っているととても役に立つんですよ。突然のにわか雨はもちろん、寒さ対策にもバッチリなんですね。

そして次の一大イベントが、角館のお祭りです。文化庁に登録されている名称は、「角館祭りのヤマ行事」。国の重要無形民俗文化財の指定を受けるために付けられた名称ですが、角館人にとっては「お祭り」だけで他の連想はありえませんね。

お盆が明けた頃から、主に秋田県内にお住まいのお客様へ、お祭りのPRを始めています。角館のお祭りは毎年9月7日・8日・9日、これが今年久しぶりに「金・土・日」に当たりました。観光用ヤマぶつけは8日夕方からです。土曜日の夜であれば出掛け易いんじゃないですかね。

観光用ヤマぶつけ(9月8日)の一覧は次の通りです。

①17時30分 観光タクシー前
         桜 美 町 ━ 横  町
②18時30分 市役所角館庁舎前
         七 日 町 ━ 東  部
③19時00分 横町十字路
         横  町 ━ 駅 通 り
④19時00分 ワンミント前
         西  部 ━ 西勝楽町
⑤20時30分 西宮家米蔵前
         本町通り ━ 岩  瀬
⑥21時00分 モンマートふじた前
         駅  前 ━ 中央通り
⑦21時00分 秋田銀行前
         山  根 ━ 北  部
⑧22時00分 安藤醸造前
         本町通り ━ 川 原 町

お訪ねくださった方々に、具体的な場所をお教えします。
8月30日~9月11日まで、JR東日本大人の休日倶楽部の乗り放題期間となっています。これを機に、角館のお祭りにもぜひ出掛けて欲しいものです。

公開実演及び草履コーナーは明日再開。お祭りが終わるまでノンストップの予定です。
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残暑厳しい角館です。

2012年08月21日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡八百円〕
エンジと紺の相性の良さに加え、ベースのプリントは「おかめ・ひょっとこ」の縁起物です。一見では分からないそうした情報を、お客様はとても喜んでくれますね。
「今日の草履」は東京からお越しのおばさまが、ご自宅でお帰りを待つお義母さまへのお土産にお選びでした。

なんとも厳しい残暑になりました。お盆明けからここまで、連日33℃や34℃の中を暮らしています。散策のお客様も、『いつもこんなに暑いの?』。
北東北には避暑を兼ねてお越しですから、尚のことこの暑さが恨めしく感じられるのでしょう。

わが家もこれほどエアコンのお世話になる年はなかったと思います。帰宅して涼しい部屋に入ると、しばらく動けませんね。本来なら帰宅後すぐの仕事がブログ更新です。わが家にはデスクトップ一台しかなく、それが二階の西日の当たる部屋なんですね。更新が遅れ気味な一番の理由がこれですよ。

お盆明けからお祭りまでの間に、一度お休みを入れようと思っていました。この暑さを思うと、明日と明後日のお休みはタイムリーだった気がします。
今週末はいよいよ全国花火競技大会、通称「大曲の花火」です。角館にも前日24日からお客様が入りだし、翌26日は朝から人込みが出来るでしょう。

行く夏を惜しむが如く夜空を焦がす「大曲の花火」は、毎年季節の変わり目を感じさせます。そして9月7日・8日・9日は「角館のお祭り」、この二つの大きな行事が当地を秋へと変えて行くんですね。

「暑い、暑い」もほんとにあと僅か。相変わらず在庫の少ない夏の草履コーナーですが、お立ち寄りくださったお客様に秋田の思い出がひとつでも増えるよう、残りの「夏」を務め上げたいと思います。
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それぞれの供養。

2012年08月17日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ26cm土踏まず付き〔五阡二百円〕
男性用サイズでも、赤系の草履はよく選ばれて行きます。基本的に定番配色②が一番人気なんですが、『どうせ家の中なんだから、楽しい色がいいよね』と自分から話す男性の多くは、こうした赤系草履を想定しているようです。
赤い草履で元気に長生き、終盤人生の理想型じゃないですかね。

今日あたりはもう、帰省客と思しき姿が激減しています。夏休み中の家族旅行はまだまだ見受けられますが、いわゆる実家で過ごすタイプの旅行はほぼ終わっているのでしょう。
仏壇や墓前のお盆飾りも、次第に片付けられていきますね。

昨日のこと、意外なプレゼントを頂戴しました。私はお顔を思い出せなかったのですが、明らかに私のことは知っているおじさまです。『ちい散歩の録画DVDは持ってますか?』と、一枚のDVDを差し出されました。一枚持ってはいますが、西宮家と自宅へ欲しかったので、ありがたく頂戴しました。

ちょうど何日か前に、地井さんの追悼番組で「ちい散歩」を見たばかりでした。カミさんと、『こういう良い人が亡くなるんだよなぁ』と話していたところです。おじさまにも『惜しい人を亡くしましたね』と言うと、『まったくですね』。
お盆に際し、あらためてご冥福をお祈りしたいと思います。

50歳記念同期会の数日前、ひとりの女性同級生が7年前に、当時中学生だった息子さんを事故で亡くした話を知りました。同期会で偶然その女性と席が隣りになったことで、『もう気持ちの整理は出来てるもんだが?』と訊いてみました。すると女性は、『やっぱり思い出すよ』。
翌日はお盆の13日です。バカな質問をしたもんだと、自分自身に呆れましたよ。

3月から同期会の準備をしてきた仲間のひとりが、お父上の体調が思わしくなくなったことで、急きょ欠席を余儀なくされました。夫婦共に同期生であり、同期会のスタッフです。
そして同期会の流れが未だ続いていた13日未明、お父上は息を引き取られたそうです。享年88歳。

このお盆も、それぞれの土地で、それぞれの家で、それぞれの供養が営まれたんですね。
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少年時代に還るひととき。

2012年08月16日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ足半タイプ土踏まず付き〔四阡円〕
今年の元日に新発売した「足半(あしなか)タイプ」。八ヵ月半の売れ行き状況は21cm草履と同じくらいで、まず予想した通りでしょうか。お買い上げくださったお客様には、シェイプアップ効果があったのかなかったのか。自主申告をお待ちしています。

神奈川県と千葉県からお越しのおばさまふたり旅。展示パネルの草履に目が留まると、『あら~、こんな綺麗な草履もあるのねっ』。見た目ばかりではない健康効果をご説明すると、お二人ともとても気に入ってくださいました。『私だけ買ったらなんか旦那に悪いわねぇ』と、お二人ともご夫婦セットでオーダーです。

お二人に旅の目的地を訊いてみると、『私たち二人とも秋田がふるさとで、昨日還暦の同期会があったのよ。このまま帰るのも寂しいから角館に寄ったわけ』。
最初からとてもお元気なおばさまと思っていましたが、還暦の同期会帰りじゃそれも頷けます。いかに楽しかったか想像に難くありませんよ。

先日の50歳記念同期会で女子から申し出があったのは、「五年後のクラス会」でした。つまり還暦までの10年は長すぎる、ひとまず5年でせめてクラス会を開いて欲しいというわけです。そのときは、『いきなり十年後の姿は見せられねってがっ!?』と笑い話にしていました。

久しぶりに会った女子の顔ぶれは、お世辞ではなく若いと思いましたね。若いというのは容姿ばかりでなく、「元気さ」のことです。それはあの場が、子ども時代に還れたからじゃないでしょうか。
若いといっても50歳、それぞれにそれなりの人生があったはずです。お盆が明けて日常に戻れば、笑顔ばかりの毎日ではないでしょう。

人間あまり老け込まないようにするには、ときに子どもの時代に還る環境が大事かもしれません。「五年後のクラス会」は、しっかりと請け負いました。
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夏のありがとう。

2012年08月15日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
紺とエンジの組み合わせは、定番配色にもあるようにとても相性が良いです。多くはベースに紺、組み合わせにエンジを利用するのですが、ときにその逆も使います。「今日の草履」はその典型例、派手さを抑えた綺麗さがありますね。

夏の観光シーズンと帰省が重なるお盆。当地角館も賑やかに活気づいています。田舎のお盆行事が始まっていて、昨晩は地元わらび座の夏祭りに出掛けてきました。スタッフではなく、一般のお客さんとしてです。

娘たちと露店の焼きそばなんかを食べながら、わらび座のステージパフォーマンスを見て、いよいよ午後八時の花火となりました。これが一番の目的です。火の粉が降りかかるほどの近くに陣取り、今年も充分楽しませてくれました。心から「ありがとう」を言いたい花火ですよ。

このお盆、実演席でもたくさんの「ありがとう」を言われています。東京からお越しのご夫婦は、ご主人用の27cmが在庫切れでした。『今夜は角館に泊まるから、明日のお昼まで作られない?』とのことで、今朝一番にその草履を仕上げました。最後の工程をご夫婦揃って見学され、『想いのある買い物が出来ましたよ。いや~、ありがとう』。

ミニ草履を可愛らしく眺めるお若い女性に、「トイレのおまじない」をお聞かせしました。女性は祖父母を頭に描いたのでしょう、『ひとつくださいっ』。終始笑顔の女性はお帰り際、『とっても大切なお話をありがとうございましたっ』。

角館にご実家があり、現在は神奈川県に暮らすおばさまがお訪ねです。『今回で3足目よ。もう離されなくて困ったもんだわっ』。
ご希望は定番配色①の23cm、展示パネルにしっかり在庫がありました。これまでも在庫の少ないお盆のご来店だったため、過去二度とも後日の発送だったそうです。おばさまは、『うわっ、持って帰られるの!? ありがとう』。

8月12日、大盛会のうちに「50歳記念同期会」が終わりました。恩師のスピーチに昔を思い出し、久しぶりに会う同期生のスピーチに大爆笑です。いやぁ、33歳のときより42歳、42歳のときより50歳と、年齢を重ねるほどに同期会が楽しくなりますね。60歳のときは家に戻らないかもしれないと、今からカミさんに伝えましたよ。

そんな同期会のスタッフのひとりであった私に、クラスメートは元より他のクラスの人まで「ありがとう」と声を掛けてくれました。多少の難儀はありましたが、なにほどのことはありません。ましてあれだけ喜ぶ顔を見せられたら、思わず『来年もやるが?』と言ってしまいました。もちろんそれは冗談です。

昨晩の花火を観ているときは、涼しいを少し超えた感がありました。今朝の気温もだいぶ下がったように思います。「夏のありがとう」が暑さを忘れさせてくれたと思いたいところですが、季節は確実に秋へと移ってきました。行く夏がちょっぴり惜しまれます。
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八月のふるさと。

2012年08月11日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
ベースに利用した布地たちが、中途に多種類残ることがあります。そうするとプリント柄同士で組み合わせた草履を編むのですが、これがなかなか面白い配色になるんですね。「今日の草履」などはそうした典型例でしょう。

一時の猛暑を抜けた角館は、朝晩に涼しさを覚える時節となりました。日中の最高気温こそ30℃に達しますが、なにしろ夜が過ごし易いと体は楽ですね。日中も涼しくなったら冬が近いことになりますから、もう少しは行く夏を楽しみたいものです。

埼玉県からお越しのおばさまひとり旅。『5年くらい前に買った草履をまだ履いてるんだけど、今は土踏まずが付いてるのねぇ』。
土踏まず付きを定番化して5年ほどになりますから、ちょうど境目頃のお買い上げだったのでしょう。『せっかく寄ったから…』とお買換えくださいました。

おばさまは角館のご出身で、お里帰りはたびたびとおっしゃいます。観桜会や秋のお祭りなど、角館人の帰省時期はいろいろですが、やはりお盆の八月が最も多いでしょうね。明日の日曜日は帰省がピークを迎えます。田舎の人口がいっとき増えますよ。

明日はいよいよ「50歳記念同期会」。今朝まで出席人数に変更が生じていました。さすがにこの年代は、公私共に多忙を極めています。ギリギリになって変更を余儀なくされるのは、本人にとっても断腸の思いでしょう。理解しなくてはいけませんね。

世の中不景気が云われ、そもそも人口の少ない田舎は、夜の町も推して知るべしです。そんな角館で、明日の晩は50歳同期会だけで80人以上が飲み歩くのですから、そりゃあ大貢献ですよ。

八月のふるさとは、ちょっと賑やかで嬉しいです。
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