

今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡四百円〕
紺のシーチングを夜空に見立て、赤基調の花火プリントを打ち上げてみました。美しくも儚い北国の夏をイメージしています。こういうストーリー性のある配色は、編む人も履く人も楽しいですよね。
花火の平生地はこちらです。

梅雨が明けたと言われてもなんの不思議も感じない、今日の角館もそんな夏空が広がっています。最高気温は実演席で29.2℃を表示しました。外気は30℃をゆっくり超えているでしょう。
予報では明晩から雨ですか。少しくらいの雨なら、畑の野菜たちにも好都合と思います。
布草履の経験者がよくおっしゃるのは、『右と左が同じにならないのよぉ』。
ずいぶん前に秋田市で布草履を教えている先生が訪ねて見え、しばらくの時間実演席で過ごされたことがありました。その先生もやはり生徒さんからこれを言われるそうで、そんなときは『50足編めばだいたい同じに出来るわよ』と答えるんだそうです。
50足という数の信憑性は別として、確かに同じものを二つ作るのはとても難しいものです。定規や道具を用いた固形物でさえ、正確なコピーを作るのは結構たいへんですよ。まして草履は手の感覚だけで編むわけですから、それは推して知るべしでしょう。
わが家の長女と次女は、生まれたときから二卵性とは思えないくらいよく似ていました。成績や趣味も極端な違いはなく、高校まで同じ学校、同じ部活で生活を共にしました。
それが昨年の四月からは、それぞれの進路に向かって学校を選び、生活もまた離れたわけです。
二人が小さい頃から周囲には、『何か違うことってあるの?』とよく訊かれたものです。元来二卵性ですから、よく見れば顔も違いますし、性格も確かに違います。そんなことはずっと前から分かっていたのに、いざ二人の生活がバラバラになるときは、なぜか不思議な感じがしたものでした。
双子でさえ同じとは言えません。まして草履の右と左が同じなんてことは、思い込みに過ぎませんよ。まもなく七千足を編み上げる私でさえ、実は左右が僅かに違うんですね。