角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

配色熟考。

2016年11月17日 | 実演日記





今日の草履は、仙北市の女性のオーダー草履です。最近ご結婚された妹さんと新郎さんへのプレゼントで、配色についてはご注文主さんと念入りに打ち合わせました。
折鶴プリントに唐草の組み合わせで、それぞれを色違いとしています。「鶴」は長寿の象徴であり、「折鶴」は願いの象徴です。いつまでも健康に恵まれ、幸せが続きますようにとの願いを表しました。

そして「唐草」。こちらはかねてよりご紹介していますが、途切れることなく脈々と繋がっていく子孫繁栄を願った日本古来からの文様です。この二つを組み合わせれば、ご結婚のお祝いに適した草履になると思いました。
今月下旬には直接手渡しで贈られるとのこと。その場面に立ち会いたいくらい私も楽しみです。

また別のお客様からは、お正月の挙式で新婦のご両親へ贈る草履を承っています。配色は完全おまかせですから、少し時間をかけて熟考してみましょう。こういうのも私の楽しみの一つとなっています。
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第二の故郷。

2016年11月11日 | 実演日記





今日の草履は、宮城県石巻市のご夫婦のオーダー草履です。こちらのご主人はfacebookの友達を介して知り合ったのですが、ミニ草履をお求めのためわざわざ西宮家までお越しくださいました。なんともありがたいことです。
わらび劇場が話題になると、1月28日から始まる冬の小劇場「赤いほっぺ」にご家族で訪れるそうです。せっかくなのでその晩の夕食に、私を入れてもらうことにしました。角館草履のご愛用者で、角館が好きと言ってくださる方とは、こうしたお付き合いも大事にしたいと思っています。

昨夜夕食を共にしたのは、このブログにも何度か登場している南相馬市ご出身のKさんご夫妻です。原発被災のあと一時角館で暮らしたご夫妻は、とうとう帰還をあきらめ、仙台市に生活の拠点を設けました。新たな生活が落ち着いたのを機に、ゆっくり角館へ来たいとのご連絡をいただき昨夜の食事となったものです。約二年ぶりの再会でしたが、普段は飲まないお二人が美味しそうにビールを口に運んでいました。

ご主人がトイレに立った際奥様が、『お父さんがこんなに喋ったの久しぶりよ。どんなに楽しいんだか…』。
その言葉を聞いて私も嬉しくなりましたよ。角館を第二の故郷と明言するご夫妻とは、これからも出来る限りのお付き合いを続けていくつもりです。
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