角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

忘れ物・落し物。

2007年06月27日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm〔3000円〕
エンジ基調に唐辛子柄をベースに、緒は紺にしてみました。ベース柄の印象でしょうか、緒が紺の割には可愛らしさが出たと思います。

今日も暑い一日でした。梅雨入りと聞いてから、どれくらい降ったでしょうか。どうやら今年の梅雨は「雨」を忘れているようです。

「忘れる」と言うと、実演会場にもときどき忘れ物があります。貴重なものはありませんが、傘やハンカチ、観光施設のパンフなどが置き去りにされます。
昨年のことですが、西宮家へ私宛の電話がありました。内容は、『私が買った草履、そこいらに置いてませんかねぇ』。よくよく聞いてみると、ご自宅に到着して早速草履を履こうとしたら、どこにも入っていないとのこと。どこかに落としたか、置き去りにしちゃったんですね。

数日後、町内のとあるお店のご主人が、偶然私の実演を見つけました。『ははぁ~、お宅の草履だったんだぁ~』。
そうなんです、草履をお買い上げの奥様が、西宮家を出た後に立ち寄ったこちらのお店に忘れたんですね。その奥様がご自身の足取りをひとつひとつ思い出して、ようやく草履を見つけたというわけです。
それからしばらくして、こちらの奥様が私へもご報告に訪れてくださいました。探し物が見つかるというのは嬉しいもんです。

先月飼い犬登録を済ませた「ふく」、登録と同時に鑑札をもらいました。さてこれをどうしようか考え、万一ふくが逃走しても飼い主が分かるように、首輪に付けることにしました。それがこの一週間ほど、消えて無くなっています。散歩コースを探してみましたが、モノが小さいだけになかなか見つかりません。近いうちに再交付を頼もうかと思っていた矢先の今日、市役所から一本の電話があり、『警察署にお宅の犬の鑑札が届いでるんシよ』。

さきほど警察署へ行って引き取りを済ませ、拾ってくださったお宅へお礼の電話をしたところです。探していたのが見つかるというのは、嬉しいもんです。
それにしても、ふくの素性を知らせるための鑑札を無くしたんじゃ、まったくもって本末転倒ですなぁ。
警察署で引き取り事務をしている最中、こともあろうに同期生の警察官に見つかってしまいました。『おっ、なにしたおご?』と訊かれたので、ことの次第を説明し大笑いしてもらいました。

今後、犬の鑑札はわが家にしまっておきます。ふくには「ネームカード」かなんか付けておきましょ。

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草履は一部。

2007年06月26日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm〔3000円〕
白地に麒麟のプリントをベースに、緒は紺です。巻かれてしまうと麒麟なんだかサッポロなんだか分からなくなりますが、涼しげでお洒落というのは間違いないと思います。

ホームグランド西宮家へ戻って初日、今日も暑い一日です。さすがに直射日光は浴びず済みますから、夕方6時までの営業時間を無事勤めてきました。
散策のお客様との会話も、まずは『暑いですねぇ』からはじまります。ほんとに麒麟でもサッポロでも飲みたい気分です。

福島県郡山市からお越しのご夫婦、草履をみつけるなり顔色が変わった奥様、『今草履に一番興味があるのよ~!』。ご主人もこうした手作り品に関心が高く、ご夫婦ふたりで真剣に説明を聞いてくださいました。
作ってみたい気持ちはやまやまでしたが、今日のところは草履オーダーです。足の大きさを測ってみると、20cmに若干満たないくらいでした。『Sサイズの一番大きいので十分ですねぇ』と言うと、『安く済むのは嬉しいんだけど、靴を探すのが苦労でねぇ』。

オーダーが済んでも、奥様はなかなか立ち上がろうとしません。しびれを切らしたご主人、『まだこれから見るところがあるんだから、そろそろ行こうよぉ』。すると奥様、『なんか私、ここだけで十分っていう気がしてきたわぁ』。
そう言っていただくのは嬉しい限りですが、角館はたくさん見所があります。ぜひ出来る限りを回って、角館を満喫していただきたいと思います。

昨日、横浜市にお住まいの奥様から嬉しいメールを頂戴しました。ご愛用の草履と、奥様の草履を見た娘さんのオーダー草履が到着したことに対してのお礼が綴られていましたが、最も嬉しかったのは角館を満喫したという文面です。
いつも思います、「角館を満喫した中に草履が含まれている」、これが私の理想なんですね。

7月後半から、夏の観光シーズンがはじまります。8月は東北三大祭り、お盆、大曲の花火と、今年も大勢のお客様で賑わうでしょう。角館をじっくり味わうとしたら、これから数週間がイイかも知れません。角館は、「満喫」「堪能」が似合う街です。

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西陽に惨敗です。

2007年06月24日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、神奈川県小田原市にお住まいの女性からの、メールによるオーダー草履です。絣木綿シリーズで土踏まず付きは、こちらが初オーダーでした。趣のある、味わい深い配色が出来たと思います。本日の便で出発しました。

こちらの女性も以前角館へお越しの際に草履をご購入され、このたびは買い換えのご注文でした。今日もそんなお客様が西宮家を訪れ、路上ライブ会場を教えられてのご訪問がお二方お見えでした。ありがたいことだと思います。

その路上ライブですが、明日25日をもって最終といたします。26日からはホームグランドの西宮家へ戻ることにしました。
実は、「西陽」に負けての退散なんです。昨年11月のライブはそれほどでもなかったんですが、6月は太陽の力が予想を超えていました。ましてここのところの角館の気温、晴れれば間違いなく県内トップの高さです。太陽に照らされて草履を編むということが、これほどエネルギーを消費するとは思いませんでした。西宮家スタッフのみなさんに言われました、『あらら、痩せたんじゃない!?』。

西宮家が「ホーム」なら、路上ライブは「アウェー」でしょうか。でもギャラリーの声援は、アウェーでも暖かかったです。西陽も「暖かい」程度なら良かったんですけどね。
さんさん企画サン、たいへんお世話になりました。明日一日、どうぞよろしくお願いいたします!

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静かな一日。

2007年06月21日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm〔3000円〕
黒地にブルーの花柄をベースに、緒は同系の青にしてみました。涼しさではピカイチと思います。

これまでの路上ライブは日々暑さとの闘いでしたが、今日は一転涼しい一日です。昨晩の雨がずいぶん気温を下げてくれたんですね。農家の方々には恵みの雨でしょう。

気温も低かったですが、実演会場のテンションも低い一日となりました。観光に目玉のない六月、こういう静かな日もあるでしょう。しばらくぶりにお客様が立ち止まってくれたと思ったら、外国人でした。また黙々と編み続けるしかありません。

夕方近くになってお越しの男性、仙北郡美郷町からお出でです。さんさんサンの「ぷっくり半纏ストラップ」にご用でしたが、帰り際私の草履に目が止まりました。岩手県遠野市のご友人がこうした草履に関心が高いとのことで、早速ケータイでご説明がはじまりました。
話し合いの結果、『まず送るがらっ!』ということでお買い上げです。ありがとうございました。

これからあきんど塾の会議に出かけてきます。明日は小学校のPTA会議が入ってますから、昼間静かな日は夜が賑やかなのかも知れません。
草履実演以外も真剣に臨んできます。

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父の影は薄い!?

2007年06月19日 | 製作日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、6月14日、兵庫県宝塚市からお越しくださったお父さんのオーダー草履です。奥様とお二人の娘さんへのプレゼント、写真はおひとりの娘さん用です。配色は完全お任せでしたから、奥様用は「綺麗」、娘さん用は「可愛い」をコンセプトに考えてみました。本日の便で出発です。

「今日の草履」のオーダー日、想えば内町ライブの最終日でした。中止命令が前日に出されていたら、こちらのお父さんと出逢うことはなかったでしょう。とすれば、奥様と娘さんが私の草履を手にすることもなかったわけです。日々の実演に「縁」を感じずにはいられません。

今年の約半分が終ったわけですが、「お父さんからのお土産」が増えたように思います。やはり奥様へのお土産が一番多いのですが、娘さんへのお土産も確かにあります。世の父親というのは、案外家族に優しいものだと感じますね。

反面、「母の日プレゼント」に対して「父の日プレゼント」の少なさも痛感しています。明らかに「父の日」に向けたオーダーはたったおひとりでした。父の日当日も普段の日曜日と変わらない数が売れていますが、男性用Lサイズはゼロなんですね。もちろん私の草履ではない品物がプレゼントされているとは思いながら、ついつい「母の日」と比較してしまいます。

わが家はと言うと、焼酎・冷酒・チョコレート・サンドイッチというプレゼントでした。最近晩酌のつまみと夕食を兼ねて、サンドイッチを食べるのがマイブームになっています。少しは関心を持っててくれたみたいで嬉しいですね。

そうなんです、草履なんか要らない、オヤジはパンでも嬉しいんです!

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路上ライブならでは‥。

2007年06月18日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ22cm〔3000円〕
こげ茶基調に花柄プリントをベースに、緒はエンジ基調の井桁柄にしてみました。この井桁柄がなんとも田舎臭くてイイですねぇ。継続仕入れのできない布地ですから、近いうちにおしまいとなります。

今日も暑い一日でした。昨日より風があっただけ体感温度は楽なんですが、この風がイ草にあまりよくありません。風で乾燥が進み、折れやすくなるんですね。出来上がった草履に質の低下はないんですが、作業が進まなくての苦労です。

今日作業が進まなかったもうひとつの理由、それは来客の多さです。朝一番に小型の観光バスが横付けされました。さんさんサンと面識のある運転手さんが、10名ほどのお客様をお連れです。旅行でテンションが上がり気味のお客様たち、朝から大騒ぎでお買い上げくださいました。

千葉県からお越しのおばさまグループ、6~7名ほどでしょうか。こちらもテンションの高さでは負けていません。おひとりはおにぎりをほおばりながら草履の品定めです。大騒ぎの末にそれぞれがオーダーくださいました。
武家屋敷の散策を終えた後、帰り道でまたお寄りくださいました。『あらっ、今作ってる草履もイイわねぇ』ということで、また散策の後にお引取りに寄るとのこと。念のため帰りの電車時刻を尋ねると、あらあらあと30分しかありません。実演会場から駅まで15分ほどかかりますから、さらなる散策はもちろん草履のお引取りも無理と分かりました。
『じゃあ、あるのでイイわっ、これちょうだい!』、またひとつ大騒ぎしてくださいましたね。

路上ライブの大きな特徴は、地元に暮らす方々や友人知人の訪問です。場所が路上ですから、正確には「訪問」とは言わないのかも知れませんね。今日はいろんな人が立ち寄ってくれましたが、中に若いカップルがいました。共に同じ病院に勤務する看護士同士、彼氏のほうを私はよく知っています。彼女とは今日が初対面、ハキハキしたとても好感の持てる女性でしたね。
少子化の昨今、若い人たちには頑張ってもらわないとっ。あらあら、ちょっと早過ぎましたか。

明日と明後日はオーダー草履作りのために自宅作業です。また21日から、「路上ライブならでは」を楽しみたいと思います。

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「休まない」責務。

2007年06月17日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ22cm〔3000円〕
真っ赤基調に金魚プリントが可愛い綿生地をベースに、緒は明るいオレンジにしてみました。そのまんま、明るく可愛い草履に仕上がったと思います。

いやぁ~、ほんとに金魚にでもなりたいくらいの暑さです。路上ライブ第二弾、中町さんさん企画サン店頭の初日は、とにかく暑い一日でした。週間予報を見ても連日の晴れマーク、梅雨空なんか気配すらありません。

旧田沢湖町からお越しのおじいさん、82歳というのに帽子も被らず炎天下を歩いて来ました。少し休憩をとりたかったんでしょう、実演ベンチに腰をおろしました。ふと思い出したように、『このあだりサ、電器屋ねがったっけが?』。歩いて数分に二軒あるんですが、どちらも日曜日はお休みしています。欲しいものは「テープレコーダー」と言いますからホームセンターでも売ってるんですが、とても82歳のおじいさんが歩ける距離ではありません。

欲しいものがあってお店を訪ねたら、「定休日」や「臨時休業」。私も何度か経験していますが、結構ショックなもんです。お店に希望に叶う商品がなかったとは違う、チャンスさえ与えられなかったショックとでも言いましょうか。
種苗店を営む同期生の店は、元旦と9月10日を除いて定休日を設けないのが信条です。9月10日はお祭りの翌日ですから、この日だけは店が閉まってても誰も怒らないわけです。私はこの友人の店を、「小売店の鏡」と賞しています。

秋田市からお越しのご夫婦、私を見つけるなり、『前にあそこあたりで草履を売ってなかった?』。奥様が指差す先は、さんさん企画サンから十数メートル先にある一軒のお宅、確かに一昨年そこのお宅をお借りして路上ライブをしたことがあります。
『また欲しいと思って何度か訪ねたのよぉ』と奥様、再会を喜んでくださり、『また会えなくなると困るから2足もらうわっ』。

訪ねてもお店さえなかった「角館の布巻草履」、他人の店のことを言う資格なんぞ私にはありませんなぁ‥。

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動くモノ。

2007年06月15日 | 製作日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、武家屋敷通りで民芸品店を営むお母さんからのオーダー草履です。このたびの内町ライブでは、初日から何度も足をお運びくださいました。ご親戚へのプレゼントとおっしゃる「今日の草履」、これで4足目のお買い上げですね。短い期間でしたが、たいへんお世話になりました。

天候が崩れると云われた割に、雨が降ったのは昨晩だけでした。今日の夕方にはまた夏空が戻っています。
今日と明日の二日間は自宅作業をして、あさっての日曜日からさんさん企画サン店頭で実演を再開することにしました。
桜まつりや秋のお祭りは「動くモノ」がいっぱいですが、なんでもないこの時期、ひとりでも多く「動くモノ」を務めたいと思います。

今日草履を編みながら、ふと思いついたことがあります。あさってさんさんサンに相談してみて、関係各位の協力が得られるようならこのブログでご紹介しますね。
「動くモノ」「美味しいモノ」「角館美人」、こんなのが揃ったら面白くないですかっ!

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内町ライブ終了です。

2007年06月14日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm〔3000円〕
6月4日の「今日の草履」と同じベースに、緒は紫にしてみました。カラー無地は洋裁のシーチングという生地を使うのですが、当地ではこの紫がなかなか売っていません。というわけで、こちらも東京の仕入れ部長にお願いして買い付けていただきました。

突然ですが、本日をもって「内町ライブ」終了です。理由は市文化財課による「中止命令」、実は当初からいささかの予感はありました。
伝統的建造物群に指定されている角館武家屋敷通り、近年この通りに「商店」が乱立傾向にあり、これが観光客の不評にも現れて物議を醸しています。
確かに私もそう思うひとりです。武家屋敷通りには、もうこれ以上の「お店」は必要と感じませんし、新規出店は事実上不可能です。

私の草履実演も客観的に見れば「露店」のひとつでしょうから、市当局としてもこの線引きは困難でしょう。ですから私は素直に従います。
ただ残念なのは、『次はゆっくり来るからね~』と言う言葉を、二度と内町で聞くことができなくなったこと、そして『外町も面白いところがいっぱいあるんだよ』を教えられなくなったことですね。

場所をお貸しくださった須江商店さん、五日間ありがとうございました。絵描きのくまさん、人力車のおねえさん、カランカランアイスのおばちゃん、いしばし民芸さん、近隣住民のみなさま、そして実演をご覧くださったすべてのお客様に感謝いたします。

明日から天気が崩れるようです。これから数日はオーダー草履作りに集中し、その後天候の回復を待って、またあらたに実演開始です。
場所は「さんさん企画」さん、草履職人はどこにでも現れます!

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新たな“称号”。

2007年06月12日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズLサイズ25cm〔3500円〕
茶に近いエンジ基調に唐辛子柄をベースに、緒は赤のいらかを合せてみました。お若い男性によろしいと思っていましたら、大柄な女性が気に入ってくださいました。もちろんありがたいことです、私の草履配色に老若男女の限定はございません。

今朝9時前に実演場所へ到着したところ、なにやら撮影クルーが人力車を取り囲んでいました。実演場所の主さんへ尋ねてみると、ある会社のCM撮影のようです。さすがは武家屋敷通り、いろんな人たちが来ますね。
二時間ほど撮影した後、スタッフさん2~3人が私のところへ駆け寄ってきました。『もしや実演の撮影!?』などと一瞬思いましたが、『あったあった、26cmください!』。撮影の仕事をしながら私の草履を横目に見ていたようです。
ちょっと拍子抜けでしたが、お買い上げはありがたいことです。

今日もバスガイドさんや添乗員さんが何人もお立ち寄りです。やはりみなさん新しい情報に敏感なんでしょうか。『いつからいるんですか?』『ずっといるんでしょ?』、こんな質問が必ず飛んできます。
東京からのガイドさんはすっかり気に入ってくださいました。ご自分用とご主人用、そして「お父さん誕生日プレゼント」としてご実家のお父さんとお母さんの分もオーダーくださいました。
お父上のお誕生日まで一週間ほどしかありませんね、頑張りますヨ!

武家屋敷通りの一角で、髭もじゃのおやじが水墨画を描いて販売しています。生まれも育ちも角館に縁のない人なんですが、もうだいぶ前から角館に住み着いているんですね。愛称を“くまさん”と云います。
武家屋敷通りに暮らす人や商いをする人たちとはすっかり「仲間」になっていて、なんの違和感もありません。市営駐車場に勤務していたウチのカミさんとも顔馴染で、くまさんが描いた色紙が何枚かわが家に飾られています。

昨年の11月にはじめて内町ライブをしたときから、くまさんは積極的に私のところへ訪ねてきていました。歩いて1分とかからない近くにいますから、用がなくてもブラブラ遊びに来ます。
ちょうど3人のおばさまとおしゃべりしていました。話題は「著作権」で、ひとりのおばさまが『うわぁ~、スゴい草履なのねぇ!』。そろり後ろから遊びに来たくまさん、『そう、この人は角館の草履大臣だからねぇ』。「総理大臣」ならぬ「草履大臣」、くまさんに新しい称号を拝領しました。

さてこの「くまさん」、画家としての名前は「青柳大雲」と云います。
角館を本拠地に、あるときは百貨店の画廊で個展を開き、あるときはアメリカの大学で水墨画講師を勤めるという、筋金入りの“変わり者”。
全国的にも珍しいと云われる草履職人も、こちらのくまさんと比べたら公務員くらいどこでもいる人間に思えます。

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